「うちの子、他の子と違うみたい」そんな疑問から様々なリサーチをしてみた結果、どうやら子供がアスペルガー症候群であるということが分かったという段階の方。

これからどうやって対応していけば良いのか、学校や勉強方法はどうすれば良いのか、わからないことだらけでとてもご不安な気持ちがおありだと思います。

アスペルガー症候群のお子様の子育ては、正しくどういった症状がでるのかを理解し、そして、正しい対応や勉強方法さえ知っている事が重要です。

そこで今回は、子供がアスペルガー症候群と判明した時にどのように対応して行けば良いのか、そして、学校や勉強方法、その他生活に関してはどのようにして行けば良いのかについて、小学生・中学生・高校生別に個別の紹介も織り交ぜつつ、ご紹介していきます。

アスペルガー症候群とは?発達障害との違いを知っておこう

まずは、アスペルガー症候群とは何なのか・そして、発達障害とはどのように違うのかについてご紹介していきます。この発達障害との違いなどについても、きちんと親御さんが理解してあげることが何よりも重要です。

まず、アスペルガー症候群というのが人と話をしたり、人と円滑なコミュニケーションをとる能力である総合的なコミュニケーション能力に難しい部分があり、また、それゆえに組織や集団生活の中で上手く自活していくことができないという特性があります。

また、原因は今のところはっきりとは解明されていませんが、脳の一部に障害があり、それがアスペルガー症候群を引き起こしているものと考えられます。

さらに、人の気持ちを考えたり想像力を働かせたり、今流行りの言葉で言えば「忖度」をするといったような行動も苦手なのがアスペルガー症候群の特徴です。

このような問題から総合的かつ日常的に対人関係の問題を引き起こすことが多く、また、この後ご紹介するような形で勉強などにも、大きくなるとついていけなかったりするケースがあります。

さらに、大人になるとコミュニケーション能力の問題で社会の中でうまくやっていけないケースなどもあり、幼少期、つまり小学生くらいから高校生くらいまでの間により正しく親御さんとお子様がアスペルガー症候群について理解をして、これからの対応について学校への進学なども含めて考えることが求められます。

ちなみに、アスペルガー症候群を発達障害またはADHDと混同される方がいらっしゃいますが、アスペルガー症候群とADHDは原則的には異なります。

基本的なシチュエーションとしてADHDや発達障害は主な症状として注意力を持続させることができず、長時間何か作業をしているとすぐに注意力が散漫になってしまい、忘れ物も多くなってしまうという「不注意」という症状。

さらに、いつも何かと体を動かしていないといられないような「多動性」という症状、さらに、何か頭にピンと来た時にすぐに行動に移してしまったり、通常は理性の範疇で行動を抑えることができるような場面であっても、その行動を抑えることができないという「衝動性」があります。

アスペルガー症候群にはそのような傾向はなく、基本的に、コミュニケーションの問題及び興味のあることにはとことん興味を持ち、熱中してしまうという特性のみがあります。

こういった部分からアスペルガー症候群とADHDは根本から異なる存在であることが、おわかりいただけるのではないでしょうか。

アスペルガーの小学生はどう接してあげるべき?

それでは、アスペルガー症候群の小学生とはどのようにしてしてあげるべきでしょうか。アスペルガー症候群の小学生に接する時にはとにかく、「歩調を合わせる」ということを合言葉に接してあげたいものです。

なぜかと言うと、小学生くらいの頃は様々なルールや社会の規範を覚える時期でもあり、また、小学校入学と同時にほとんどの場合は、人生で初めて集団生活を始めることになるわけです。

集団生活をするということはアスペルガー症候群の子供が一番苦手とする分野である、人の表情を読み取ったり、いわゆる「人に合わせる」という行動が求められる場面が多数出てくるということです。

そのため、自宅でのケアや練習というのはとても重要なミッションになってくるのです。

ただ、小学生くらいの段階だとまだアスペルガー症候群の症状の一つである学習に関する遅れなどはそこまで激烈に出てくるものでもありませんので、小学校入学くらいの時期のうちに、様々なルール決めや行動規範を示してあげる、もしくは、それらを守るための練習をするようにするとよいでしょう。

アスペルガー症候群のお子様はスケジュールを完璧に遵守したり、あるいは周期性や規則性があることを守ること、もしくは、規則正しくルールに則って何か行動を行うということにかけては、本当に抜群のセンスを持っています。

そのため小学校入学当初からこのようなスケジュールで動こうね、と言った決め事や、こういったルールで周期性を守ろうね、と言ったような約束事を少しずつ増やしていくとよろしいでしょう。

ただし、どうしても物事を崩す、つまり予定を臨機応変に変更したり、柔軟に何かに対応するということは非常に難しいため、この辺りについては親御さんのサポートが必要です。

また、アスペルガー症候群のお子様はスケジュールや規則性を遵守することはとても得意ですが、そういったスケジュール規則性などのルールを作るということについてはとても苦手としています。

そのため特に低学年のうちはスケジュール決めやルール決め約束事などについて、親御さんが作ってあげるか、もしくは、お子様の自主性を尊重してお子様が考えていることのサポートをしてあげるということが何よりも重要となります。

また、このくらいの時期だとまだルールも策定段階だったり練習段階だったりしますので、アスペルガー症候群の特性の一つである「何か一つの物事に熱中してしまい他のことがお留守になってしまう」という場面にも度々遭遇することと思います。

とにかく、大変な集中力を持ちます。あまり話しかけても返事が無いこともしょっちゅうですから、頭ごなしに叱ることをしてしまいがちですが、これはあまりおすすめできません。

お子様も「なぜ怒られているのか」ということが分からなければ反抗してしまいますし、親御さんもお子様と衝突して言い争いになったりすることを決してよしとはしないでしょう。

何より気持ちの良いものではありませんよね。そこでこういったトラブルを事前に回避するために「何か熱中していることがあるな」と親御さんが感じた段階で「これをやることができるのは、だいたいこのくらいの時間までだよ」と先にルール決めをしてしまうということが推奨されます。

すると、スケジュールや周期性を守るセンスに優れているため、熱中していても比較的その時間が来たら作業をストップしてくれるケースが目立ちます。

アスペルガー症候群の特性をうまく理解することでこのようにお互いにストレスなく指導をすることができるようになるわけです。

また、この熱中していることについて親御さんがジャッジをするという部分ですが、これは同様に苦手なことと得意なことのジャッジも、親御さんが担当する役であるということになります。

どうしても、このくらいの時期だと自分で苦手なこと・そして、得意なことを判断することはできないでしょうが、本人の中でははっきりと「何が苦手で何が得意で、どのようなことが好きで熱中できる」というものが形成されつつある時期でもあります。

今後、医療機関だったり学校側の支援チームとコンセンサスを取る可能性があることも考えると、幼少の頃から何が得意で・何が苦手で・熱中しやすいのはどのようなものがある、ということをメモに取っておいたり、ノートに記録しておくなど親御さんの方である程度情報を把握しておくのも大事です。

また、コミュニケーションという部分に関してはやはり親御さんのマネジメントが大変重要なウエイトを占めてきます。というのも、小学校低学年から中学年頃というのはなかなか他のお子さんとのコミュニケーションの問題でトラブルなどが起こりやすい傾向にあり、親御さん同士での話し合いになってしまうことも避けられない可能性があります。

とにかく、お子さんのマネージャーになった気分でどのような行動をしているかを把握し、場合によっては、トラブルを起こしてしまった際に相手先に速やかに対応を取るなど臨機応変に動けるようにしておきたいところです。

合わせて、小学校の時期までに会話やコミュニケーションをすることはキャッチボールであるということも教えて差し上げると良いでしょう。

アスペルガー症候群のお子さんはその特性として、自分の言いたいことだけを先に相手にマシンガンのように浴びせかけてしまい、相手の話を一切聞かない、または、相手が話そうとしていることに気づくことができずに自分ばかりが話し続けてしまうというケースがあります。

これではコミュニケーションの成立とは言えませんので、まずは、相手が話そうとしている時にはちゃんと話を聞こう・相手が話そうとしている時というのはこういう顔をするんだよ、というような形で視覚的な情報も利用しつつ、コミュニケーションをとる練習を徐々に継続的に行ってきたいところです。

中学生には正しい知識を教えよう!

小学校での6年間の生活を終えると次は中学生です。中学生というのは第二次性徴期に入る時期でもあるいわゆる過渡期であることから、特に本人が苦しむ時期で、それゆえにアスペルガー症候群のお子さんを育てる上でも大事な時期となります。

この時期どうしても学習について行くことができず、また、周囲に溶け込むことができず、場合によっては、何かいじめなどトラブルを抱えたことで不登校になってしまうケースがとても多く見られます。とにかく、目離しならない時期と親御さんは心得ておくべきです。

そして、この頃になってくると自分が他と何か違うようだと感じ始めることもあります。小学校の頃から上記でご紹介したような教育やトレーニングまたは、練習をしている場合は、ある程度アスペルガーということについて本人にも説明がなされているケースもあります。

この辺りで改めて、正しくアスペルガー症候群というのは何か、そして、アスペルガー症候群の症状は何か、そして、自分がアスペルガー症候群である可能性が高いこと、それを踏まえて今後どのようにトレーニングをしたり、自分の苦手な部分は何かをきちんと理解してもらう、そして、理解できるように向き合って正面から教えるということが重要になります。

また、不登校になるケースがあると先ほどお伝えしたところではありますが、その前兆現象として、昼夜逆転現象が起きてしまったり、授業に参加せず保健室登校のような状況になってしまうなど様々なことが起きることが想定されます。

この辺りの段階で、学校側から何かしらの連絡やサインがあれば良いのですが、現状として学校側からの連絡として電話連絡が入らないケースもあります。

連絡方法として、生徒自身に何かプリントのようなものを持たせて、生徒経由で親御さんに情報がいくようにしている運用を取っている学校もありますし、その場合は本人がプリントを親御さんに見せないケースも考えられます。

そして必ずしも学校側は積極的に見てくれるというわけでもありませんので、親御さん自ら学校に日参したり、積極的にコミットして行くようにしたいところです。

ただしあまりにも他の生徒やお子様にわかるような形で学校に行ったりすると、それはそれで嫌がられたりあらぬ噂が立ってしまうケースもありますので、十分に配慮した上で授業時間中に行くなど したいところでもあります。

この辺りについては学校との連携がどれだけ取れているかによって情報の入ってくる度合いも変わってきますので、場合によっては、入学前に中学校のスタッフに事情を説明したり、あるいは小学校から中学校へストレートに地域を変えずに進学する場合は、地元の小学校または教育委員会などから中学校側に情報を共有してもらうというような形である程度介入してもらうというのも有効な方法です。

また、学校の先生というのは何も担任の先生だけが全てではありません。教科担任しかり、特別支援学級の先生しかり、場合によっては部活の顧問の先生・体育教科の先生など、様々な先生がいらっしゃいます。

こういった先生と一人でも関係性を良好に築くことができれば、そこから情報をいただくこともできますので選択肢は幅広いと考えておきましょう。

とにかく、中学生になったから親が出ていく幕ではないと言ったことは決して考えずに、積極的に学校側にコミットしていくようにしましょう。

大きな決断が必要!高校生への対応方法

中学校を卒業するといよいよ高校進学です。中学校から高校への進学についても様々なハードルがあったり学習に関する様々な問題などがありますが、ひとまず、高校へ進学することができ通学をしているという時期。

無事に高校1年生、高校2年生を過ぎたあたりで今度は人生の岐路に立たされることになります。進学なり就職なり、人生の大変大きな決断時期が迫っているのです。

このくらいの時期になるともう、自分で進路や今後の事などをある程度考えなくてはならない時期にもなります。

ただし、あくまでも大きな指針は本人の希望や意思を尊重しても良いでしょうが、できることであれば、親御さんも一緒に寄り添って今後の事を一緒に考えてあげたいものです。

この時点までアスペルガー症候群であることを周囲に秘密にしているまたは公言していないケースもあるかと思います。また、高校生くらいになっていきなりアスペルガー症候群であることが発覚した、というケースもあるのではないでしょうか。

いずれのケースでも、高校からその先に人生のキャリアを進めるにあたって、やはりアスペルガー症候群であることは様々な部分にオープンにしていくということが重要です。

これは進学の際にも、そして、就職の際にも結果的にはお子様を助けることにつながります。

周囲の理解がある環境にいることができるというのがやはり最上にして最高ではないでしょうか。

もちろん本人がこのアスペルガー症候群であることを周囲にオープンにしたくないということであれば、親御さんが強制的にオープンにするということはできません。

ただし本人が迷っている時には背中を押してあげるということも時には必要なのではないでしょうか。

大事な大事な人生の船出ですから、最大限本人の意思を尊重しそして、親御さんの後押しもあって幸せな人生に漕ぎ出して行けるようにしたいものです。

勉強次第では将来の可能性が開く可能性も!

アスペルガー症候群は先ほど何か一つの物事にものすごい集中力を発揮し熱中する傾向にあるということをお伝えしました。

これは勉強や様々な能力開発の方法にもよりますが、その集中力を活かして将来の可能性が開くケースもとても多くあります。

よく、アスペルガー症候群の人は天才肌だと言われることもあり、また、ビジネス書やビジネス指南書・経済界などでもアスペルガー症候群の人は大きな才能を秘めており、天才的な能力を持っていることがあると言われます。

現実に世界中には様々な天才の芸術家やアーティスト、有名人、著名人などがいますが、彼らの中にもアスペルガー症候群を持っている人、そして、アスペルガー症候群であることをオープンにしている人というのはたくさんいます。

彼らはその突出した集中力を発揮して、一つのことに情熱を持って打ち込んだ結果、今の地位にいるわけです。

このように今のうちから勉強方法やトレーニングの方法をきちんと整えてあげることで、アスペルガー症候群のお子様の秘められた力を引き出してあげることができる可能性があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はアスペルガー症候群とは何か、というところを端緒に、子供がアスペルガー症候群だった場合にどのように対応していけばよいか、ということを中心にご紹介をしてきました。

小学生のうちはまずは、初めての集団生活ですから、ルール決めやスケジュールを守るということを教えること、さらに、コミュニケーションとは何かというところから原点に立ち返って教えてあげるというところ、中学生になると学習遅れなどが出てくることもあるので得意なことと苦手なことをきちんと親御さんが判断しジャッジしてあげること、高校生になる時には今後の進路のことも考えて本人の意思を尊重しつつ、周りにアスペルガー症候群であることをオープンにするということを考えるべきであることが重要という事が分かりました。

また、アスペルガー症候群の人の勉強方法や熱中する傾向などについてもご紹介をしてきました。

最後にご紹介したとおり勉強次第ではアスペルガー症候群の人は天才肌と言われることもあり秘められた才能を持っていることもあります。

その才能を開花させるためにも、今のうちから勉強法や学習トレーニングなどをきちんと環境整備してあげることが何よりも、重要な親御さんの使命となるわけです。

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