高校受験が近づいてくると、入試当日のテストのための勉強も忙しくなってきます。やっぱり、当日うまくいくか不安でいっぱいですよね。

今回は、埼玉県の高校受験についてです。

埼玉県は中学1年からの成績も合格判定に関わってくるので、合格を目指すためには普段の評価がとても重要です。志望校によってどのように備えれば良いのか、事前にチェックしておきましょう。

公立高校の入試制度

埼玉県では都内に比べ公立高校の希望者が多い傾向にあります。

受験の評価は加算方式で行い、学力検査や内申点(調査書点)による総合得点で合格者が決まります。

学力検査と内申点

学力検査は国語、数学、英語、理科、社会の5教科を実施し、それぞれ100点満点なので、合計で500点満点です。そして、ここが重要で内申点については1年生から3年生までの成績すべてが判定に利用されるので、3年の時だけ頑張っても1年や2年の時の内申点が足を引っぱることもありえるということです。埼玉県の入試の大きな特徴ですね。対象となるのは主要5教科と4つの副教科の合計9教科です。

また、どの学年の内申点をどのくらいの比率で使うかは高校によって違いもあるらしく、1年と2年と3年でそれぞれ、1:1:2や1:1:3とする高校が多いようです。3年生の比率が高いとは言え、上位校を目指すなら1年からの努力が不可欠です。

第1次選抜と第2次選抜

埼玉県の公立高校では2段階に分けて入学者の選抜を行います。

テストを2回受けるのではなく、1回目と2回目のそれぞれから合格者が出ます。第1次選抜で決まる合格者の人数は、定員の6割から8割まで、残りの2割から4割については、第2次選抜で決まります。選抜方法は学力検査と内申点の得点の合計と高校によっては実技や面接もあります。

ちなみに、第1次選抜と第2次選抜では、学力検査と内申点の比率がそれぞれ異なります。

第1次選抜では、学力検査と内申点の得点比率が6:4~4:6になるよう定められていて、合計得点のうち内申点が最低でも4割は反映されるため、学内での成績も重要です。

第2次選抜では、学力検査と内申点の比率が7:3~3:7の範囲で定められていて、学力検査の得点が最高で7割反映されますが、最低で3割は内申点が影響します。

上位の高校では学力検査の得点比率を高くしている傾向があるようですが、受験生の何を重視するかによって、細かい比率はそれぞれの高校で異なります。普段の成績を重視している高校もあるため、事前のチェックが大切です。

また、高校によっては第3次選抜を実施していて、対象者は第1次選抜と第2次選抜の合計得点が一定以上の受験生で、選抜方法は内申点や面接ですが、大半の高校では第2次選抜までとなっています。

学校選択問題とは

いくつかの公立高校では、学校選択問題という応用的な内容の試験が実施されています。

当然ですが、一般的な学力検査よりも難易度が高く、対象となる科目は数学と英語になります。ちなみに、2022年度の入試の場合、実施するのは22校で、基本的に、偏差値が60以上の難関高校が取り入れています。思考力や応用力を試されるテストでもあり、過去問の反復演習が欠かせません。

私立高校の入試制度

埼玉県では、単願と併願の入試制度を取り入れている私立校がほとんどで、多くの高校では、出願できるかどうかのボーダーラインとなる基準を設定しています。

出願基準は各校で様々ですが、通知表や成績票の評定や、偏差値が主に利用されます。そのほか部活動や生徒会活動、英検などの資格取得なども評価されることがあります。

単願入試と併願入試

単願の場合は1つの私立高校にだけ出願するので、他の高校の受験はできません。学力も重視され、基本的に国語、数学、英語の3教科のテストが実施されます。

併願入試の場合は、他の学校を受験することもできます。公立だけ可能な高校や、公立私立ともに数の制限なく受験できる高校もあります。

併願でも学力重視の高校が多く、3教科のテストを実施する場合がほとんどですが、高校によっては5教科の学力検査を行うところもあります。

推薦入試

高校が設定している推薦基準を満たしていれば、推薦入試を受けることも可能で、推薦には自己推薦と学校推薦があります。自己推薦の場合、高校によっていくつか条件はありますが、誰でも受験できますが、学校推薦の場合は、中学校の校長から推薦してもらう必要があります。

また、埼玉県での推薦入試には学内での事前相談がないので、志望高校と直接相談を行う個別相談が実施されます。個別相談は学校説明会で行われることが多く、通知表や模試の結果などを持参します。英検などの資格がある人や、部活動の賞状などがある人は一緒に持っていきましょう。

延納制度

公立高校の合否結果が分かるまで、入学金などの入金を待ってもらえる制度で、前納金を払っておけば、埼玉県の私立受験ではほとんどの高校で利用できます。

これは、公立高校を第一志望として受験する人にとって、大きなメリットのある制度です。必ず受験する高校で入学金の延納ができるかどうかを事前にチェックしておきましょう。

高校入試のスケジュール

埼玉県の高校入試は、公立よりも私立の方が早い日程で受験開始となります。スケジュールをしっかり把握して当日に備えましょう。

公立高校

入学願書や調査書の提出期間は、2月上旬から中旬にかけてで、学力検査や面接による試験は2月下旬に行われます。

スポーツ科や芸術科などの場合、実技試験の実施日は学力検査の翌日が多いです。

合格発表は3月の初めになります。

私立高校

私立高校の入学試験は12月頃から出願が始まり、試験の実施時期は1月下旬です。公立高校を第1志望としている受験生の場合も、ここが最初の入学試験になります。合格発表が行われるのは、早ければ試験の翌日です。延納希望者は、入学手続きの締切りまでに前納金の支払いが必要な場合もあります。各校で締切日が異なるため確認が必要です。

まとめ

埼玉県の高校受験について、ご理解いただけたでしょうか。

他県では内申点のうち3年生の時の評価だけを参考にしているところもありますが、埼玉県の高校入試では、1年から3年までの成績がすべて影響するのが特徴です。早い段階から普段の授業に集中し、成績を気にしておいた方が後悔しないのではないかと思います。

また、塾や家庭教師をやっている方は、先生の経験など早めにお話を聞いておくと参考になると思います。

埼玉県の受験に強い家庭教師

家庭教師のガンバ  今村 剛