神奈川県の高校受験は学校ごとの独自色も強く、少々仕組みが複雑になっています。

志望校決める際や受験方法を決める際、理解していないと悩んでしまうこともありますよね。また中学の内申点などに不安がある人もいると思いますし、志望校に合格するためには、それぞれの受験方法を確認しておくことも重要になります。

自分に合った入試制度を利用し、準備を整えて試験に臨みましょう。

公立高校の受験の仕組み

神奈川県の公立高校受験では、1回の入試テストを受けることになります。

実施される試験は1度きりですが、入試結果にもとづく選考は2回あるのが特徴で、現在は学区がないため、受験者は県内のどの高校でも受験できます。ただし、市外からの定員数に上限を設定している市立高校もあるので、必ず確認しましょう。

試験内容

神奈川県の公立高校は共通選抜方式を採用、学力テストの難易度は年々上がり、思考力なども求められています。実施するテストの教科は、国語・数学・英語・理科・社会の5教科で、それぞれ100点満点であり、合計は500点満点になります。

ただし2教科までに限り、2倍以内の配点をつけることも可能になっていて、たとえば理数系のコースなら、数学や理科の配点を高めに設定することもあります。このように、重視する教科の配点を増やすことを傾斜配点と言いますが、高校によって採用しているようです。

試験はマークシート方式の選択問題とそれ以外に記述問題も出題されます。この他の評価対象は、内申点と面接試験になります。面接では志望理由・学習意欲・部活動などへの意欲について質問され、この3点はどの高校でも共通の観点であり、志望時には面接シートを提出することになります。それ以外の質問は各校によるので、志望先の特色を理解しておきましょう。

また、学校によって特色検査が実施され、この場合は実技検査や自己表現検査があり、実技検査は学科ごとに違い、たとえばスポーツやデッサンなどが評価に入ります。

自己表現は、対話力を見るスピーチ、作文による記述検査などがあります。

内申点

公立高校受験で利用される内申点は、2年生と3年生の2年分です。主要5教科と副教科4教科を5段階で評価し、2年の内申の合計は45点満点になります。3年の内申はそれぞれを2倍するので、合計は90点満点となり、2年と3年の内申点を合わせると135点満点になります。3年の評価は高校入試を大きく左右するため、成績が向上するよう早くから対策しましょう。

なお、3教科以内に限り、2倍までの範囲でそれぞれの配点を増やせます。この判断は高校によるので、志望校がどこに重点を置いているか確認する必要があります。

選考方式

神奈川県の公立高校は特徴的で、1回の試験によって2段階に分けた選考を行います。どういうことかというと、第1次選考は内申点、学力テストの点数、面接、特色検査が合否判断の材料で、第2次選考は学力テストの点数、面接、特色検査から評価を行います。募集定員の9割は第1次選考で決まり、残りの1割を第2次選考で決めます。2次は狭き門となるため、内申を良くして第1次選考での合格を目指しましょう。

合否の評価点は、内申点、学力テスト、面接、特色検査はそれぞれ100点満点に換算され、内申点と学力テストと面接は、合計10になるよう各2以上で比率を配分します。たとえば内申:学力:面接=4:4:2なら、内申と学力を重視していると推測できるでしょう。重視する部分は学校によって異なるため、この比率を決めるのはそれぞれの高校です。また、特色検査を実施する場合には5以下の比率として別枠を設定します。

ここまでが第1次選考のケースです。

第2次選考の場合は内申点を評価に使わないので、学力と面接の比率の合計を10にして比率の設定は各2以上にします。学力に重きを置く高校が多く、選考には学力検査の結果が7割以上使われる傾向があります。特色検査については第1次選考と同様、5以下の比率でプラスされます。

私立高校の受験の仕組み

神奈川県の私立高校受験には、評価方法に2つのパターンがあります。

1つは、大部分を内申点によって評価する方法で、受験すればほとんど合格できるという特徴があります。

もう1つは、内申点よりも本番の学力検査で力量を測る方法です。

自分に合っている受験方法がどちらなのか事前に考えておきましょう。

内申点を評価するパターン

内申点を評価対象とする受験方式には、細かく分けると4種類あります。

推薦入試と書類選考、一般入試の専願と併願です。

推薦入試では内申点のほか、面接や作文を実施し、書類選考は完全な内申重視型であり、提出書類の内容だけで合否を決めます。そのため学力テストや面接などもありません。

一般入試の専願の場合、他の高校を受験することはできません。その私立高校が第1志望の場合に利用できる受験方式です。

併願は他校も受験できるため、第1志望が公立高校である人のほとんどは併願受験になります。

推薦入試の場合は前段階で、推薦基準を満たさなければなりませんが、出願の時点で選定があるため、合格がほとんど確約された上での受験方式になっています。そういう意味で、中学での内申点が非常に重要なので、普段の授業や定期テストに集中することが大切です。

試験結果を評価するパターン

内申点を利用せず、本番の試験結果のみで合否が決まるのがオープン入試です。基本的に学力を重視していますが、高校によっては面接などもあります。また、オープン入試の場合は公立高校や他の私立高校の受験も可能です。第1志望が公立高校で内申点に自信のない人でも、利用しやすい受験方式と言えます。

受験スケジュール

入試日程は私立高校の方が早いペースで進むことが多いです。高校や募集内容によっても異なるため、志望校の日程を把握しておく必要があります。

公立高校

公立高校は1月末から2月初めの3日間が出願期間となり、その後の3日間のうちに1度だけ志望校を変えられます。

学科試験や面接などの試験実施は2月中旬であり、合格発表は3月初めです。

私立高校

私立高校の受験スケジュールは各校で詳細が異なります。

基本的に推薦入試は1月の下旬ごろの実施で、一般入試は2月中旬であり、公立高校より早い段階で合否が出ることが多いです。

公立高校の合格発表まで入学金などを待ってくれる延納制度を採用する高校もあります。

とても重要なことなので、延納の可否や前納金が必要かどうかなど、期限の有無も含めて事前に確認しておきましょう。

まとめ

神奈川県の高校受験の仕組みをご紹介しました。それぞれの特色や内申点の重要度などはご理解いただけたでしょうか。選考に使う点数の比率や傾斜配点など、学校独自の判断も強く出ますし、内申点は合否に大きく影響を与える場合もあるため、学校での成績がとても重要です。授業の予習復習をこまめに行い、定期テスト対策も万全にしておきましょう。

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家庭教師のガンバ  今村 剛