高校受験を目前に控えると誰でも不安だと思います。中学1年や2年の頃から受験勉強を頑張ってきたお子さんでも、頑張ったことが入試でちゃんと発揮できるか、心配になることもありますよね。

入試の制度や仕組みを最初に理解すれば、受験対策も立てやすくなります。早い段階で受験勉強の仕方を確認し、当日に備えて勉強に力を入れましょう。

公立高校受験の仕組み

福島県の高校入試は、2020年度から制度の変更が実施されました。

以前の受験方式では、Ⅰ期選抜入試とⅡ期選抜入試の2つでした。このうちⅠ期選抜については、学力検査を実施しないのが特徴でした。

現在はこの2つが統合され、どの方法であっても学力検査が必須となっています。

前期選抜と後期選抜

前期選抜には、特色選抜と一般選抜の2種類があります。

ただし福島県の公立受験の場合、受験者のほとんどにとっては前期選抜の一回のみです。調査書点や面接などだけでなく、前期選抜では全員必ず学力検査を受けます。

後期選抜は、前期選抜で定員に満たなかった場合に実施される選考です。調査書点のほか、面接や作文などの結果によって合否が判定されます。

なお、前期と後期以外に連携選抜があり、前期の一般選抜と併願することもできます。連携選抜は、連携型中高一貫教育を行っている特定の中学校から出願が可能です。

中高で設置者は異なるものの、学校間や生徒間で連携している中学が対象となります。

特色選抜と一般選抜

特色選抜と一般選抜ではそれぞれの特徴が異なります。

求める入学者像を提示したうえで、各校の特色を踏まえた試験を行うのが特色選抜。それに対して一般選抜は、学力や中学3年間の成績などを幅広く評価します。

特色選抜では、全体の入学枠のうち5%から50%の範囲で定員数を定めます。選抜方法は学力検査と調査書の評定のほか、面接も実施します。選考に利用する材料の配点は、500点満点から1000点満点で高校ごとに判断します。

一般選抜の学力検査では各50点満点ですが、特色選抜では各校が独自に決めます。たとえば英語と数学に力を入れている高校であれば、それぞれの満点を100点にできます。

調査書についても同様に、重きを置いている教科の比率を高くすることが可能です。特色選抜は高校の特色を反映した受験制度となるため、志願理由書も必要となります。また、高校によっては小論文や実技試験を行うこともあります。

次に一般選抜は、多くの人がイメージする一般的な高校入試の方式と言っていいと思います。募集枠は全体の定員数から特色選抜の合格者を引いた数です。

受験では学力検査と調査書点を選考の判定材料とします。面接の実施については各校によって異なります。

学力検査は国語・数学・英語・理科・社会の5教科で、各50点満点の合計は250点満点になります。問題の配点は高校ごとに変更することも可能です。

志望先が学力に関してどのように考えているのか、事前にチェックしておきましょう。

調査書点

調査書点の利用方法は、一般選抜か特色選抜かによって異なりますが、中学1年から3年までの成績を5段階で評価することはどちらも同じです。対象となるのは主要5教科と4つの副教科です。

ただし一般選抜の場合、9教科の点数に実技4教科の5段階評価をプラスします。そのため各学年の成績合計は65点満点です。音楽・美術・保健体育・技術家庭を重要視していることが分かります。

このように実技4教科の点数が加わるため、3年間のトータルは195点満点です。一方、特色選抜の場合は、9教科5段階評価の合計で評価するため135点満点です。

このほか、一般選抜では高校によって特別活動等の記録を評価することもあります。特別活動とは部活動や生徒会などのことで、こちらは55点満点です。特色選抜における特別活動の点数化は各学校の判断によります。

入試傾向

どの教科でも全体的に基礎的な問題が満遍なく出題されるので、1年から3年までの復習を欠かさずに行い、解答できる分野を1つでも増やしましょう。

国語と英語は、漢字と英単語、文法問題などを落とさないように反復練習が必要です。記述式の設問への配点が高くなることも多くなっています。

数学は、基礎的な証明問題や計算問題が多く出題されます。公式を丸暗記するのではなく、なぜそうなるのかしっかりと理解することも重要です。基礎を理解できていれば応用問題も解きやすくなります。

私立高校受験の仕組み

私立高校の受験には、一般入試と推薦入試などがあります。一般入試では3教科の学力検査を、推薦入試では作文や面接などを受けることが多いです。

ただし私立高校の場合は学校ごとに受験の詳細が異なります。1次選考と2次選考に分けている高校や、特待制度を設けている高校など様々です。

必要な提出書類の種類や、調査書点の重視度など、志望校の特徴を理解しておきましょう。

受験スケジュール

高校受験は公立よりも私立の方が早いスケジュールで進むことが一般的です。公立と私立で併願受験を希望しているお子さんも、日程の調整など事前に確認しておきましょう。

公立高校の受験スケジュール

前期選抜の出願は2月上旬に行い、翌週には志願先の変更日程も設定されています。学力検査は3月初めの頃です。

面接については学力検査日以降、3日間くらいのうちに実施されます。また、検査日の翌週には追検査のスケジュールが設定されています。

合格発表は3月中旬です。なお、後期選抜が実施される高校の場合、試験日は3月下旬に設けられます。合格発表は試験日の翌日です。

私立高校の受験スケジュール

基本的に一般入試よりも、推薦や特待の方が先に受験日を迎えます。1月の上旬から中旬にかけて、推薦や特待の入試日を設定する高校が多いです。

一般入試は1月中旬から下旬にかけて多くなります。1次や2次などと一般入試を分けている高校では、2月や3月に後期日程の試験を行います。

合格発表は試験の数日後から一週間後くらいがほとんどになります。出願については、12月下旬から1月初めにかけて期間を設定する傾向が高いです。

それぞれの高校ごとに詳細が異なるので、間違いがないように注意しましょう。

まとめ

福島県の高校受験について解説してみました。

受験の仕組みに変更があるなど、近年は変化もありましたがご参考にしていただけましたでしょうか。

福島県の高校では学力重視の傾向が高まっていますが、3年間の調査書点は言うまでもなく重要です。

当日の学力検査でも実力を発揮できるよう、また、調査書点を考えても、日頃の勉強が何より大切になります。

ただ、受験対策は普段の定期テストと全く同じ勉強というワケにはいかない点もあります。もし、入試対策に不安があるようでしたら、塾や家庭教師などを利用することも選択肢に入れてみてください。

家庭教師のガンバ  今村 剛

高校受験の家庭教師なら