家庭教師のガンバ「やる気アップ隊」隊長の竹田です。
起立性障害という言葉を聞かれたことはあるでしょうか?
実は「起立性障害」という病気は、中学生ではおおよそ1割くらいの確率で出ている病気です。
病気といっても自分で感じられる症状が分かりにくいこともあり、あまり知られていません。
しかし大切な発育期間である中学時代ですから、少しでも早く対処しておきたいものですね。
今回は、起立性障害とはどのような病気で、どのような治療方法があるのかをお話しします。

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起立性障害のパターン


起立性障害は、あまり聞きなれない病気の名前ですが、大きく分けて「起立直後性低血圧」「体位性頻脈症候群」「神経調節性失神」「遷延性起立性低血圧」4つのパターンに分類できます。
この一つずつについて症状を見て行くこととしましょう。

起立直後性低血圧


立ち上がった直後から血圧が低下してしまい、元の状態まで戻るために、長い時間がかかってしまう状態を言います。

体位性頻脈症候群


血圧が戻っていく状態での異常が見受けられるということはありませんが、立ち上がった後の心拍数が高くなったまま元に戻りにくい状態です。

神経調節性失神


立っている最中に血圧がいきなり下がってしまい、これが原因となってめまいや立ちくらみの他、失神などが起こってしまうことがあります。

遷延性起立性低血圧


立っている状態を続けていると、だんだん血圧が低くなり、めまいや立ちくらみの他、失神などを引き起こしてしまうことがあります。

いずれにしても、立っている状態やその前後に置きやすい症状です。
転倒したりどこかに身体をぶつけたりしてケガをしてしまうこともあるので、放置しておくことは望ましくありません。

起立性障害は、不登校の原因にもなる


朝起きて学校に行こうとしているときに起立性障害がおきると、学校に行くことが不安に感じられるようになり、それが高じると不登校になってしまう場合もあります。

起立性障害の原因はさまざま


起立性障害の4つのパターンのいずれも、原因ははっきりと分かっていません。
しかし、生活パターンの乱れがあるときに症状が出やすいので、心と身体のバランスが取れなくなったことが原因であると考えられています。
中学生という思春期では、身体の成長と心の成長がうまく調節できない子どもが多いものです。
また学校生活が、これまでと比べて大きく様変わりしたことも関わっていると言えるでしょう。

起立性障害の症状を緩和するには?


起立性障害は病気で、治療することができます。
病院へ行って専門的な治療を受けることもできますが、家庭でできる対策で症状が治まることもあります。
では、家庭でできる対策を4点、紹介したいと思います。

水分と塩分を補給する


起立性障害を起こしているとき、身体の中では血液が不足していることが多々あります。
一日の食事以外に、2リットル程度の水分と10g程度の塩分(天然塩)を意識して摂るようにすることで、体内のイオンバランスが整って起立性障害が起きにくくなると言われています。
一度に摂るのではなく数回に分けると、無理なく摂り続けられるでしょう。

寝転がるのは、夜だけにする


寝転がることで身体の疲れをとることもあると思います。
起立性障害が起こり始めると、自律神経がバランスを崩してしまい、不必要に寝転がりたくなってしまいます。
これが続くと、起きているときと寝ているときの区別を身体が忘れてしまって、不調の原因となってしまうのです。
「寝転がるのは夜だけ」と決めて、昼間は椅子に座るまでとしておくことで、自立神経が正しい働きを取り戻すようになります。

ゆっくり立ち上がり、なるべく短時間しか立たない


起立性障害は、立ち上がるときの身体の調節がうまく行ってないことで起きやすくなります。
立ち上がるときはできるだけゆっくりと立ち上がるようにして、立っている時間もできるだけ短時間にしましょう。
また、同じ姿勢を続けていることも良くありません。
勉強している時間も少し身体を動かしたりすると良いでしょう。
授業中などであれば、足を動かしたりして身体の中の血液をスムーズに流れるようにするのも効果的です。

ストレスとうまく付き合っていく


中学生も色々なストレスがあるものです。
学校や勉強のこともあれば、クラブや友達との関係など、たくさんのストレスを感じています。
朝は何もやる気にならないけど、午後からは元気になるということもあるでしょう。
ストレスは緊張感を生みだして、心を成長させるという面もあります。
「必要以上にプレッシャーを感じないようにして、ストレスとうまく付き合っていく」ということを、中学時代に学んでおくことも大切です。
起立性障害は、成長とともに自然に直っていくことも多いです。
深刻に考えすぎずにいることが、一番の解決策と言えるかる知れません。
しかしどうしても良くならないのであれば、病院に行き、お医者さんに診てもらいましょう。

ガンバ  竹田 一成