こんにちは、家庭教師のガンバ「やる気アップ隊」隊長の竹田です。
数学の中で多くの中学生がつまずきやすいのが、食塩水の問題です。今回は食塩水の問題のパターンを整理し、公式を用いた簡単な解き方について説明します。

中学数学で習う「食塩水の問題」とは?


中学数学で習う食塩水の問題には、苦手意識をもっている人も多いと思います。
食塩水の問題というのは、溶液・溶質・濃度の関係を正しく理解しているかを問う問題。基礎知識の確実な理解が得点につながる分野です。

食塩水の問題を解くのに必要な知識


食塩水の問題を解くために、覚えておきたいポイントをここでまとめてみます。

食塩水とは


食塩水とは、食塩(塩化ナトリウム)を水に溶かし、混ぜたもの(水溶液)です。
当たり前ですが、食塩と水以外のものは一切入っていません。
ここが意外に盲点だったりするので注意が必要です。なお、食塩と水を混ぜると透明になりますが、食塩は消えてしまったわけではなく、見えなくなっただけでしっかり残っています。「食塩水は食塩と水の混合物である」ということを、基本中の基本として頭に叩き込んでおきましょう。

濃度とは


水の中にどれくらいの食塩が溶けているかを表すのが濃度です。
食塩水の濃度は、[食塩の重さ]を[食塩水の重さ]で割って、それをパーセントにするために100を掛けたものです。この関係は暗記しておく必要がありますよ。

食塩水の問題の公式とは?


食塩水の問題を解くのに便利な公式というのは、それほど多くありません。必要知識を式にしただけですので、公式というほどのものでもないかも知れませんが、暗記しておくと素早く問題を解くことができるので、しっかりと覚えておきましょう。

食塩水の問題の公式(その1):食塩水の重さの公式


食塩水の重さは、
[食塩水の重さ]=[水の重さ]+[食塩の重さ]
という式で求めることができます。簡単ですね!

食塩水の問題の公式(その2):食塩水の濃度の公式


次に、食塩水の濃度は
[濃度]=[食塩の重さ]÷[食塩水の重さ]×100
という式で求められます。
分母が[水の重さ]ではなく[食塩水の重さ]であることに注意してください。
もし濃度が6%なら、100gの食塩水中に6gの食塩が入っていることになります。
言い換えると、6%の食塩水を100g作るときには、6gの食塩を94gの水に溶かす、ということです。

食塩水の問題の公式(その3):食塩の重さの公式


最後に、食塩の重さは
[食塩の重さ]=[食塩水の重さ]×[濃度]÷100
という式で求めることができます。
これは公式(その2)を変形したものですが、知っておくと便利なので公式として暗記しておきましょう。
7%の食塩水を200g作るときには、14gの食塩が必要、ということになります。

食塩水の問題にはどんなパターンがあるの?


続いて、食塩水の問題のパターンについても紹介していきます。
基本的に3パターンがベースになるので、どの場合でも解けるように慣れておきたいですね。

食塩水と水の重さから、食塩の重さを求める問題



まず、「食塩10gと水190gを足したら何gの食塩水ができるのか?」というように、濃度が出てこないシンプルな問題です。
これが単体で問われる問題はめったに出ませんが、基礎知識の確認として押さえておきましょう。
答えは公式(その1)を使って、200gですね。

食塩と水の重さから、食塩水の濃度を求める問題


次は、「食塩10gと水190gを足したら何%の食塩水ができるのか?」という、濃度を求める問題です。公式(その1)と(その2)を組み合わせて、
x(濃度)=10÷(190+10)×100
という式を立てて解くと、答えは5%となりますね。

食塩水の重さと濃度から、溶けている食塩の重さを求める問題


最後に、「4%の食塩水300gに溶けている食塩の重さは何gか?」というものです。
公式(その3)を用いて、
x=300×4÷100
という式を立てて解くと、答えは12gとなりますね。

全ては上記パターンの組み合わせ


一見難しそうに見える食塩水の問題も、全ては上記3パターンの組み合わせで解くことができます。この分野の問題に限りませんが、数学の文章問題を解くコツは、あせらずじっくりと問題文を読みその意味を把握して式を立てることです。

食塩水の問題の簡単な解き方は?


食塩水の問題を簡単に解くには、基本の手順をしっかり頭に入れ、その手順通りに進める必要があります。

求めたい量を文字で表す


まず、問題で問われている量(食塩の重さや濃度等)をxやa等の文字で表します。

容器の絵を描き数値を書き入れる


次に、問題を読みながら容器(コップやビーカー等)の絵を描き、そこに、食塩水の重さや濃度といった、与えられている数値を記入します。
これは、食塩水の問題に限らず、文章問題を解くときに必ず行うべきことです。文章問題の苦手な人ほど、問題のイメージをしっかりつかめておらず、問題文を絵や図で表すことができません。
最初から上手く描くことはできないと思いますが、「問題文を絵や図にしてみる」→「解答・解説を読みながら正しい絵・図に修正する」という作業を繰り返し行いましょう。そうすることで、問題文を正しく読み取る力が付いて来るはずです。

連立方程式を立てる


問題文を正しく絵や図で表すことができたら、あとは公式(その1)?(その3)を当てはめて(連立)方程式を立てます。

食塩水の問題を解く際の注意点


食塩水の問題で多くみられる間違いが、[食塩水(全体)の重さ]と[食塩水(部分)の重さ]の混同です。考えているのが「全体」なのか「部分」なのかを常に意識しながら問題を解き進めるようにしましょうね。

食塩水の問題のまとめ


いかがでしたでしょうか?食塩水の問題に必要な知識や覚えるべき公式は意外に少なく、シンプルに解けることが分かったと思います。
食塩水の問題は、テストによく出される頻出分野ですので、この記事をよく読み返して得意分野にしてしまいましょう!