国語の勉強でつまずいてしまう小学生や中学生は多く、読解力がなくて成績が上がらず、不安を抱えている人もいるでしょう。お子さんを助けたくても、何を手伝えば良いかわからない保護者の方もいるはずです。苦手な人も多い文章読解ですが、頑張れば誰でも力を伸ばすことができるので、読解力を上げるために何をすべきか考えていきましょう。

読解力とは何か

国語の勉強に欠かせないスキルと言えば読解力ですが、読解力とは文章を理解する以外にも、様々な能力の基礎を作り上げます。たとえば仮説を立てるときや、図表の認識にも必要ですし、情報を取得するための技術や、その情報の活用方法を考えるための力にもなります。つまり思考力や応用力とも結びつく重要な能力なのです。

 

読解力を上げるメリット

読解力を上げることには様々なメリットがあります。モチベーションを上げるためにも、どのような良いことがあるか確認してみましょう。

国語以外の教科にも役立つ

読解力がアップすると国語が得意になりやすいですが、読解力は国語だけではなく、ほかの教科にも活用できます。数学の文章題に答えるためには、何を聞かれているか正しく理解しなければなりませんし、英語で会話を求められたとき、読解力があると分からない単語でも推測できます。このようにどの教科に取り組む場合でも、読解力は必ず必要になります。読みとく能力や理解力が上がるため、勉強以外のコミュニケーションでも役立つでしょう。

考える力の土台を作れる

何かに疑問を持ち、その疑問の答えを見つけるためには自分で考える能力が必要ですが、読解力は論理的な思考能力を育てるための基礎にもなります。何をどこからどのようにして考えれば良いか、組み立てていくスキルにつながるのです。自分で考える力は社会で役立つのはもちろんのこと、受験でも必須となります。近年の高校や大学は思考力にも重点を置いているため、お子さんの読解力を早い段階で育てておくと、進学先の選択の幅も広くなるでしょう。

読解力のなさは将来のデメリットにつながる

今は便利なデジタル機能が多く出回り、AIが人の代わりに仕事をする時代ですが、大人になってから好きな仕事をするには社会から求められる人にならなければなりません。そして社会が人に求めている能力の多くは、読解力が土台になっています。たとえばお客さんの要望を聞いて、サービスをする仕事を考えてみましょう。お客さんが何を言いたいのかきちんと理解できなければ満足してもらえませんし、リーダーの役割になり、部下に指導をする場合にも伝える技術が必要です。相手にわかりやすく話すためには、自分の言いたいことをまとめるスキルが重要で、これらの能力を身につけられるかどうかはその人の読解力にかかっています。早いうちに読解力を養っておかないと、将来の選択肢を狭めてしまうかもしれません。

なぜ読解力が身につかないのか

読解力がないと国語の勉強は難しく感じてしまいます。なぜ読解力が身につかないのか、まずは原因を考えるべきです。

本を読まない

小中学生は読書習慣を身につけるうえでの重要な時期です。普段から本を良く読む子は好奇心も強い傾向があり、「なぜ」という疑問がどんどんわいてくるので、考える時間も自然と長くなるでしょう。考えた物事を自分の中でまとめるためには、文章の構成力に似たスキルが使われるため、「○○だから△△である」という論理的な思考が身につくのです。これによって文章を理解する力にも長けていきますが、もちろんただ本を読むだけでも、論理的な文章構成に触れる機会を得られるでしょう。反対に読書習慣がほとんどないと、そのチャンスを逃してしまうかもしれません。

簡単な文章にばかり触れている

SNSやスマホのメッセージツールは、基本的に短文のやりとりを想定して作られていて、正確な文章が目立つとは言えず、絵文字やスタンプに頼ることも多いでしょう。このような簡単なコミュニケーションばかりだと、読解力はなかなか身につきません。そうは言ってもネットやSNSを使わない生活は現代ではほとんど不可能ですので、家庭内では正しい日本語での会話を心がけると良いでしょう。一方的に話して聞かせるばかりではなく、お子さんが楽しめる会話であることが重要で、新聞を読んだり、正確な表現をするニュースを聞いたりするのも練習になります。

読解力を上げる方法

コツさえつかめば読解力は上げられます。将来のための助けにもなるので、早いうちにしっかり身につけておきましょう。

たくさん本を読む

読解力を上げる最も効果的な方法が読書であり、作者は何を言いたいのか、主人公はなぜこんなことをしたのか、考えながら読みましょう。難しい本ではなく、最初は童話のような簡単なお話からはじめれば大丈夫です。お子さんが自分で興味を持てる分野が出てきたら、家族で一緒に本を探すと良いでしょう。

要点をつかむ工夫を身につける

読書が苦手な子の多くにとって、文章は文字がずらっと並んでいるだけのように感じます。単なる文字の羅列に見えるのであれば、そこから何かを理解するのは難しくて当然ですが、少々工夫してコツを覚えれば、誰でも読書は得意になります。小学生の高学年くらいになると、5W1Hという言葉を習うかもしれませんが、「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「どのように」「なぜ」というポイントの部分であり、本の中にはこれらの要点が書かれています。「誰が」「何をした(何をしている)」はお子さんも見つけやすい部分で、「いつ」「どこで」「どのように」も、文章をきちんと読めば見つけられます。「なぜ」の部分は、説明文の場合ははっきり書かれていることが多く、小説だと多少の推論も必要になることがありますが、必ずヒントは書かれています。5W1Hを見つければ、本全体の大まかな要点がつかめるでしょう。その本が何を伝えたいのか分かるようになってくれば、自然と読む力が強くなります。

指示語や接続詞をチェックする

小説にも論説文にも、指示語や接続語が必ず出てきますが、「あれ」「これ」「つまり」「そのため」など、文章の先頭や間に出てくる表現です。指示語そのものに意味はありませんが、文章構成のうえで重要な役割を果たします。「あれ」がなんのことを指しているのか把握できれば、文章問題は解きやすくなるでしょうし、「つまり」という表現を注意して見ておけば、その後に続く文章は結論を意味します。国語の勉強で重要なテクニックの1つですが、どんな文章の読み取りにも使え、スムーズな会話やコミュニケーション能力を高めるためにも大きく役立つでしょう。

問題集を使う

国語の文章題に特化した問題集はあらゆる出版社から出ていて、小学生用や中学生用など学年ごとに合わせた書籍も多いです。やさしいレベルから難しいレベルまで様々なので、適したものを選びましょう。解説に力を入れている問題集も多く、間違えたところも重点的にチェックできます。読解力は多くの場面で役立ちますが、国語の成績を上げるには実践が欠かせませんので、問題を解くテクニックも身につくため、使いやすい1冊が手元にあると良いでしょう。

家庭教師にサポートを頼む

読書のつみ重ねや問題集の使用も重要ですが、自主学習には限界もあるかもしれませんし、お子さんの勉強を見てあげたいと思う親御さんも、教え方がわからず困ることもあります。こういった場合には家庭教師を検討してみるのも1つの手段です。マンツーマンや少人数の指導方式なのでお子さんの弱点もきちんと見つけられますし、その子に合った問題集を選ぶ助けにもなり、国語の読解力を重点的に上げられるはずです。もちろん国語以外でも力になれるため、お子さんの心強いサポートとなるでしょう。

 

まとめ

読解力を上げる方法を解説しました。文章などの読み解きはあらゆる場面で必要になる能力ですので、小学生や中学生のうちに読書習慣を身につけ、読解力を高めておくと将来にも役立ちます。土台部分からスキルアップを目指せるので、お子さんの将来を助ける力になるでしょう。

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家庭教師のガンバ  今村 剛