中学校では、小学校ではあまり馴染みのなかった「三者面談」があります。三者面談は先生・保護者・お子さんの三者で話をする場であり、学校生活や家庭での様子、進路について話し合える大切な機会です.

しかし中学1年で初めて三者面談を迎える方はもちろん、中学2年、3年と学年が上がるごとにどんな話をすればよいのかといった不安をお抱えの方も多いのではないでしょうか?

そこで今回の記事では、中学の三者面談で準備しておくべきことや注意点をはじめ、中学1・2・3年ごとのポイントや三者面談後のフォローまで解説します。

 

三者面談って?

繰り返しになりますが、先生・保護者・お子さんの三者で話をする場で、次の4つの話題が中心となります。

・学校生活の様子(生活態度、学習状況)

・家庭での様子(生活態度、学習状況)

・心身の健康

・進路

三者面談は、お子さんの様子を先生と保護者がお互いに知り、共有できる大切な場です。また、中学になると保護者が学校へ行く機会も減るため、先生と保護者がコミュニケーションを図ることのできる、貴重な機会でもあります。

中学の三者面談が行われる時期はだいたい学期末の放課後が多く、1人の生徒に対しておおむね10~15分程度の時間が設けられています。

 

三者面談の準備 ~服装・持ち物~

続いて三者面談に出かける時の持ち物や服装をチェックしていきましょう。



三者面談の持ち物

三者面談の時は、校内で履けるスリッパ(上靴)を持っていきましょう。学校によっては学校のスリッパが用意されていますが、ない場合は裸足(靴下)で廊下や教室内を歩くことになり、足が汚れてしまいます。

面談中に書き留めておきたいことがあった時のために、メモ用紙や筆記用具もあるとよいでしょう。もし先生に聞きたいことがあれば、忘れないようにメモして持って行っておくのもひとつです。

三者面談では、成績表やその他の書類が入ったものが一式渡されるケースがほとんどです。それらを入れて持ち帰れる袋があると便利です。

まれに、学用品の集金や提出書類など、三者面談時に持ってくるよう指示される場合もありますので、それらがある場合は忘れないように持っていきましょう。

■持ち物:スリッパ、筆記用具、メモ用紙、袋、学校で指示されたもの(書類、集金等あれば)

 

三者面談の服装

三者面談は、卒入学式のようなセレモニースーツで行く必要はありません。基本的に、あまり華美ではなく清潔感があり、かつラフ過ぎない、仕事で着用するようなオフィスカジュアル系の服装がおすすめです。

ただし、学校によって独自のカラーや暗黙の了解がある場合があります。私立の中学と公立の中学とでは異なる場合が多く、特に私立の中学ではその学校のカラーが出やすいため、参観日の時の雰囲気や保護者の服装を参考にすると良いでしょう。

■服装:オフィスカジュアル系(学校のカラーを確認!)



三者面談の準備 ~心構え~

三者面談ではなんとなく学校に行って話を聞くだけではなく、あらかじめ心構えなどの『心の準備』もして臨むことで、先生にとっても親子にとっても有意義な時間となります。ぜひ次のポイントを意識して三者面談に向かいましょう。

 

三者面談の日時を守る

一般的なマナーとしても当然の話になりますが、三者面談の予定時間に遅れないよう、日時を守るようにしましょう。

三者面談にあたっては、あらかじめ日時の希望調査があったうえで予定表が配られていると思います。それを基に担任の先生は限られた時間の中で保護者とのスケジュール調整をしているため、当日の遅刻や急な予定変更は負担をかけることになります。

日時の希望調査があった時点でよく自身のスケジュールを確認し、急な予定変更がないように心掛けましょう。また、お伝えしたように一人当たりの時間が決められているので、割り当てられた時間をオーバーしないよう注意して話をしましょう。



子どものことを知っておく

保護者の方は、普段からお子さんの様子を気に掛けていることと思います。気になる点があれば、三者面談で先生に聞いてみるとよいでしょう。

①学校生活のこと(楽しいこと、困っていることなど)

②学習状況・成績

③進路の希望

これらの3点については、日常の様子やお子さんとの会話の中で知っておきたいところです。ただ、中学生になるとお子さんも、「以前ほど学校での様子を話さなくなった…」というケースも多いと思います。

その場合は三者面談があることをきっかけにして、話してみることをおすすめします。特に学校生活や学習面で困っていることなど課題があれば、三者面談は先生に相談する良い機会です。

後ほど学年別の三者面談内容でもお伝えしますが、お子さんが中学3年生の場合は進路についての話題が多くなります。学年が上がるにつれて進路の話題が中心になるケースがほとんどですが、中学1年生でも、漠然とした夢や目標などがあればお子さんと共有しておくとよいと思います。



保護者の考えや希望をまとめておく

学校生活や進路についてお子さんの様子・気持ちを把握したら、親である保護者の考えや希望もまとめておくとよいと思います。

特に学校生活で課題がある場合、そして進路に関しては、保護者としてはどのような考えを持っているのか、それがお子さんの思いや希望と一致しているのかなども確認しておきたいところです。



志望校や高校受験に関する情報をある程度調べておく 

保護者の方が高校受験をした時と比較して、今は高校受験の方法も多様化しています。お子さんが中学3年生の場合はもちろん、中学1年生の場合でも近隣にどんな高校があるのか、お住いの地域ではどのような入試方法があるのかなど、高校受験に関する情報を少しでも調べておくとよいでしょう。

高校受験の方法については、次の記事もご参考にしてください。

<関連記事>【高校受験の仕組みガイド】一般・推薦などの入試制度から内申点まで徹底解説



話したい事・聞きたいことをまとめておく 

ここまでお伝えしたような内容を確認しておくと、先生に話しておきたいこと、相談したいこと、聞きたいことなどがある程度出てくると思います。

それら全て詳しく聞くには時間が足りないかもしれませんが、ある程度簡潔にまとめ、優先順位をつけておくと限られた三者面談の時間を有効に使えます。

先生との話し合いでは、保護者の意見を伝える場面も出てきます。先生の意見も尊重しつつ、保護者としての意見を丁寧に伝えられるよう準備しておきましょう。



あくまでも主役は『お子さん』と認識しておく

心構えの最後として、三者面談の主役はあくまでもお子さんであることを頭に入れておくようにしましょう。三者面談ではつい保護者が先生に聞きたいことなどがあふれてしまいがちですが、お子さんが置いてけぼりにならないよう気をつけることが大切です。

三者面談でお子さんの気持ちや意見を積極的に発言させることで、お子さんの本音が聞けるケースもあります。また、進路や学校生活などお子さん自身の口で話すことで、話の内容がお子さんの自覚につながるといった良い面もあります。



学年別|三者面談の内容と注意点

続いて、学年別の三者面談について、もう少し詳しく見ていきましょう。



中学1年生の三者面談

中学1年生の三者面談では、主に次の内容が話題となります。

・学校になじめているか(校則、生活リズムなど)

・友人関係は良好か(クラス、部活、先輩後輩など)

・授業についていけているか

・その他学習面で不安はないか

・成績表の説明

・家庭での様子はどうか

中学1年生の三者面談では、学習面や学校生活において中学校生活になじめているかどうかが中心になります。部活動や教科担任制など、小学校とは人間関係も授業形態も大きく変わります。そのような環境の変化にお子さんがなじめているか、不安やストレスはないかといった面が大切になります。

成績表の受け渡し時には、先生から評価に関する説明がある程度されます。学校の方針によっても異なりますが、多くの中学では1年生の三者面談で進路の話はあまり話題になることはないと思います。



中学2年生の三者面談

中学2年生になると、中学1年生での内容に次の話題がプラスされます。

・具体的な成績

・進路の希望や夢

・生活態度(学校、家庭)

中学2年生は中学1年生の時よりも学校生活に慣れてくるけれど、受験にはまだ期間がある、いわゆる「中だるみ」といわれる時期でもあります。ですので、学校生活や家庭生活での生活態度について、言及があったり様子を聞かれることも増えるかもしれません。

進路に関しても希望を聞かれたり、夢や目標が話題になることもあるでしょう。特に年度後半にある三者面談では、中学3年生に向けて進路に関する話題が増えるケースも多いです。

学校によってはコースやクラスが分かれることもあるため、そうした場合の説明やヒアリングもあるでしょう。



中学3年生の三者面談

中学3年生の三者面談では、学校生活のほかに進路や高校受験に関する話題が中心となります。通常、事前に提出した『進路希望調査』に基づいて、次の内容で話を進めます。

・志望校の選定

・受験方法の説明、希望(一般、推薦、併願など)

・併願校の選定

中学3年生の前半の三者面談では、志望校はどこか、学力が志望校の基準に達しているかなどが中心となります。まだ定まってない場合は、オープンスクールや学校説明会への参加や先生が得ている情報など、先生から志望校選定にあたってのアドバイスがある場合もあります。

後半にある三者面談では、明確な志望校や受験方法の確定、併願校の選定など確認することが増えます。特に後半の三者面談では、成績によっては志望校や併願校を再考しなければならないこともあります。その場合は面談後にご家庭でお子さんとしっかり話し合い、早めに先生に相談する必要が出てきます。(この場合のフォロー方法については次の項目の「志望校で再考が必要となった場合のフォロー方法」をご参考ください)



三者面談後はお子さんへのフォローを!

せっかく準備して臨んだ三者面談です。三者面談の内容を活かして、お子さんをどのようにフォローしていくかが大切です。ここでは特に課題があった場合のフォロー方法についてお伝えします。



学校生活面で課題があった場合のフォロー方法

学校生活でお子さんが課題を抱えていたと聞いたら不安や心配、場合によってはお子さんの様子に気付けなかった自責の思いにとらわれてしまうかもしれません。でも、まずは保護者の方が感情的にならず、次のような方法でフォローしていきましょう。

・落ち着いて冷静に話し合うことを心がける

・お子さんの気持ちや考えを聞く

・お子さんを責めない

・解決のための方法を一緒に考える

・サポート体制を整える

・お子さんと家族で解決法やサポートについて共有する

・その後の様子も定期的に確認し見守り支える

・学校(先生)と連携をとる

まずはじっくりとお子さんの話を聞き、適切な声掛けをしながら解決するにはどういう方法があるかを一緒に考えましょう。あわせてどのようなサポート体制があるかも考えて整え、家族で共有します。

サポートには学校の協力が必要になる場合もあるかも知れません。担任の先生とも話をして連携をとっておきましょう。その後は見守りつつ、定期的に様子を聞いたりフォローをし、一歩ずつ解決へつなげていくとよいでしょう。



学習面で課題があった場合のフォロー方法

授業についていけない、成績が思わしくないなどの学習面で課題があった場合、お子さんの学習支援の方法を考えることが大切です。

・今の学習方法はなにか(自主学習、塾、通信教育など)

・今の学習方法があっているか

・お子さんの思いや考えを聞く

・お子さんにより合った学習方法を考える

・目標、計画を立てる

・進捗を見守り確認する

・適切な声掛け、励ましで支える

まずは現状を見直し、今の学習方法がお子さんに合っているかいないか、お子さん自身はどのように考えているかなどを話し合います。それによって、よりお子さんに適した学習方法を一緒に考え、短期的・長期的な目標を立ててみます。

あとはそれに向かった計画を立て、定期的に進捗を見守ることで、新たな学習の定着化を図ります。

 

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志望校で再考が必要となった場合のフォロー方法

中学3年生の三者面談では、学力基準が志望校に達していない場合など、志望校や併願校を考え直さなければならないケースもあります。その場合、お子さんだけでなく保護者の方もショックを受けるかもしれませんが、冷静に、客観的に受け止めて次のステップに進みましょう。

・お子さんの気持ちを受け止める

・どんな選択肢があるか一緒に考える

・新たな目標を決めてサポートする

・学校や塾と手早く連携する

・定期的に進捗をみる

・お子さんに不安やストレスがないか見守る

まずはお子さん自身がどのように考えているかをしっかり聞き、受け止めてあげましょう。お子さん自身も志望校を変更したいのか、最後まで挑戦したいのか、どちらがよいか迷っているなど、様々な思いが巡っていると思います。その思いを聞いてあげましょう。

そのうえで、どんな選択肢があるかを一緒に考え、目標を決められたらそれに向けてサポートしていきます。担任の先生をはじめ、通っている塾の先生や利用している家庭教師の先生がいれば相談し、決まったら早めに担任の先生へ連絡をしましょう。

あとは定期的に学習の進み具合を確認しつつ、プレッシャーが過度にかかっていないか、不安やストレスでしんどくなっていないかなどに気を付けて見守りましょう。



まとめ

今回は中学校の三者面談に注目し、準備しておくべきことや注意点、中学1・2・3年ごとのポイントや三者面談後のフォローについてお伝えしました。

三者面談は時間にすると10~15分程度ですが、しっかり準備をしておくことで、面談後の学校生活や学習、進路などに大きく活かすことができます。ぜひ今回お伝えしたポイントをご参考にして、三者面談を有意義な時間にしてください!



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