中学生や高校生になると、作文や小論文を書く機会が増えてきます。でも、「どう書けばいいかわからない」とか、「書き出しが思いつかない」と悩むことも多いのではないでしょうか。

そこで、今回は作文や小論文を書くための基本的なコツや決まりについて解説します。受験で小論文や作文を使う方はぜひ参考にしてみてください。

 

1、テーマをしっかり理解する

作文や小論文を書くとき、一番大事なのはテーマを正しく理解することです。たとえば、「学校生活で大切だと思うこと」というテーマの場合、単に「学校のこと」について書くのではなく、「大切だと思うこと」に焦点を当てる必要があります。

テーマを理解するためには、まずキーワードを注意深く読むことが重要です。「大切だと思うこと」の場合、「大切」とは何を意味するのかを自分で考えます。そして、それが学校生活にどう関係するのかを掘り下げます。たとえば、「友達との関係」「学習態度」「部活動での努力」など、さまざまな視点が考えられます。その中から自分が最も共感できる部分を選びましょう。

また、テーマについて自分自身の意見や経験を深く考えることも大切です。これによって、自分の文章に一貫性と独自性が生まれます。たとえば、部活動の重要性を述べる場合、自分の経験を振り返り、「どのように感じたか」「その経験が自分に何をもたらしたか」を具体的に書くとよいでしょう。

さらに、テーマを理解する際には、先生や友達と話し合うのも効果的です。他の人の意見を聞くことで、自分では気づかなかった視点が見えてくるかもしれません。その視点を取り入れることで、より深みのある文章が書けるようになります。

テーマを深く理解することで、書くべき内容が自然と見えてきます。この最初のステップを丁寧に行うことで、スムーズな執筆が可能になります。

 

2、構成を考える

書き始める前に、文章の流れを考えることが重要です。構成がしっかりしていれば、読みやすい文章になります。

作文や小論文では、基本的に「導入」「本論」「結論」という3つの段落で構成することが一般的です。この構成をしっかりと理解し、適切に使うことで、文章全体のまとまりが良くなります。

導入

最初の段落では、テーマに関する背景や問題提起を書きます。この部分で読み手の興味を引くことが重要です。たとえば、「学校生活で大切だと思うこと」というテーマなら、「中学校生活は多くの新しい経験をもたらしてくれます。その中で、何を最も大切にするべきでしょうか」といった問いかけを入れるといった内容です。

本論

次に、自分の意見や具体例を述べます。この部分では、自分の経験や考えを中心に展開します。たとえば、部活動の大切さについて書く場合、自分が練習を通じて学んだことや、仲間との協力がどのように役立ったかを具体的に説明します。また、他の人の意見やデータを引用することで、説得力を高めることもできます。

結論

最後の段落では、本論で述べた内容をまとめ、自分の意見を再確認します。たとえば、「部活動を通じて得た経験は、将来にも役立つ大切なものです。これからも努力を続けていきたいと思います」といった形で締めくくるといった感じです。

 

構成を考える際には、まず紙に箇条書きでアイデアを書き出すことをお勧めします。その後、それを順序立てて並べ替えることで、スムーズな流れが作れます。また、構成を考える段階で、どの部分に具体例を入れるかを決めておくと、書き始めてから迷うことが少なくなります。

構成をあらかじめ決めることで、書き進める際の迷いが減り、読み手にとってもわかりやすい文章になります。

 

3、具体例やエピソードを取り入れる

作文や小論文では、自分の体験や具体例を入れると説得力が増します。「自分がどう感じたか」「何を学んだか」を具体的に書くと、読み手に伝わりやすくなります。

具体例を取り入れることで、文章に具体性が加わり、読み手が内容をイメージしやすくなります。たとえば、「部活動は大切だと思います」という抽象的な意見だけでは、読み手に強い印象を与えることはできません。ただ、「中学1年生のとき、試合に負けた悔しさから仲間と一緒に練習を重ね、次の大会で優勝した経験があります」と書くことで、具体的で説得力のある文章になります。

また、具体例を選ぶ際には、自分の感情や気づきを交えることが重要です。単に事実を述べるだけではなく、「そのとき何を考えたか」「どのように成長したか」を加えることで、読み手の共感を得ることができます。たとえば、「試合に負けたとき、私は自分の努力が足りなかったことに気づきました。その気づきが、翌日の練習への意欲につながりました」というように感情を加えると良いでしょう。

さらに、エピソードを選ぶ際には、テーマとの関連性を意識することが大切です。テーマから外れた具体例を使うと、文章全体のまとまりが悪くなります。たとえば、「学校生活で大切だと思うこと」というテーマに対して、家庭での経験ばかりを述べるのは適切ではありません。テーマに合ったエピソードを選び、読み手に納得感を与えましょう。

具体例を使うことで、自分の意見に説得力が生まれ、読み手にとってもわかりやすい文章になります。具体例を取り入れる際には、その選び方や表現方法に注意しましょう。

 

4、適切な言葉遣いを心がける

作文や小論文では、相手にわかりやすく伝えるために、適切な言葉遣いを意識しましょう。

避けるべき言葉

・くだけた表現(例: 「ヤバい」「超いい」など)。

・曖昧な言葉(例: 「なんか」「たぶん」など)。

適切な言葉遣いは、文章の質を大きく左右します。たとえば、「部活動がとても大事だと思う」という表現を「部活動は、仲間との協力や自己成長を促す大切な場だと思います」と変えることで、文章全体が洗練された印象になります。

また、接続詞の使い方にも注意が必要です。「そして」「それから」ばかりを使うのではなく、「一方で」「さらに」「例えば」など、多様な接続詞を使うことで文章にリズムが生まれます。これにより、読み手にとってわかりやすく、魅力的な文章になります。

さらに、敬語や丁寧な言葉を意識することで、読み手への印象を良くすることができます。たとえば、「こう思うんだよね」という表現を「私はこのように考えます」と言い換えることで、文章全体が落ち着いたトーンになります。

言葉遣いを工夫することで、文章の印象を大きく変えることができます。適切な言葉を選び、わかりやすく伝えることを心がけましょう。

 

5、見直しを徹底する

書き終えたら、必ず見直しをしましょう。特に次の点に注意してください。

・誤字脱字:漢字や送り仮名が間違っていないか確認。

・文法主語と述語が合っているか、不自然な表現がないか。

・論理の流れ内容がつながっているか、矛盾がないか。

見直しを行う際には、一度書いた文章を時間を置いてから読み返すことをお勧めします。新しい視点で文章を見ることで、気づかなかったミスや改善点に気づくことができます。また、音読することで、文章のリズムやわかりにくい箇所を確認できます。

さらに、他の人に読んでもらうことで、自分では気づけない問題点を指摘してもらうことができます。先生や友達、家族にお願いして、フィードバックをもらいましょう。その意見を参考にして修正を加えることで、文章の完成度がさらに高まります。

見直しは、完成度を上げるための大切なステップです。可能であれば、複数回の見直しを行いましょう。誤字脱字だけでなく、表現の適切さや論理のつながりも確認することで、より良い文章が完成します。

 

6、時間配分を計画する

作文や小論文を書くとき、限られた時間内で書く必要がある場合があります。このような状況で焦らないためには、事前に時間配分を計画しておくことが重要です。たとえば、試験で60分与えられた場合、10分をテーマの理解と構成に使い、40分を執筆に、最後の10分を見直しに充てるという計画を立てます。

時間配分を守ることで、各段階に集中しやすくなり、質の高い文章が仕上がります。また、あらかじめ練習しておくことで、どれくらいの時間でどの程度の内容を書けるかを把握しておくと良いでしょう。

 

7、参考資料を活用する

作文や小論文では、自分の意見だけでなく、信頼性の高い資料やデータを活用することで説得力を増すことができます。たとえば、新聞記事や本、学術論文などから引用することで、自分の主張を裏付ける具体的な情報を提供できます。ただし、引用する場合は出典を明記することを忘れないようにしましょう。

 

8、過去の作文や小論文を振り返る

自分が過去に書いた作文や小論文を読み返すことで、成長を実感できると同時に、改善点を見つけることができます。書いた文章を先生や友達に見てもらい、具体的なフィードバックをもらうことも効果的です。改善点を意識して次回の執筆に活かすことで、より良い文章が書けるようになります。

 

9、心に響くタイトルをつける

読者に興味を持ってもらうためには、タイトル選びも重要です。タイトルは文章全体の顔とも言える部分です。たとえば、「学校生活で大切にしたい3つのこと」や「部活動を通じて学んだこと」といった具体性のあるタイトルを選ぶと、読み手の関心を引きやすくなります。書き終えた後で文章内容を振り返りながら、適切なタイトルを考えましょう。

 

まとめ

作文や小論文を書くときは、

  1. テーマをしっかり理解する。
  2. 構成を考える。
  3. 具体例やエピソードを取り入れる。
  4. 適切な言葉遣いを心がける。
  5. 見直しを徹底する。
  6. 時間配分を計画する。
  7. 参考資料を活用する。
  8. 過去の作文や小論文を振り返る。
  9. 心に響くタイトルをつける。

この9つを意識することで、説得力のある作文や小論文が書けるようになります。最初は難しく感じるかもしれませんが、練習を重ねることで上達します。ぜひ、次の作文や小論文でこれらのコツを試してみてください!

 

参考文献

・200字から始める 作文・小論文 上達ワーク(朝日新聞出版著者・伊藤久仁子著)

・高校入試 作文・小論文対策 三訂版(旺文社・旺文社編集) 

 

 

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