中学生になると学習内容が一気に難しくなり、成績が伸び悩むことも増えてきます。ここでは、実際の効果や提案を交えながら、自宅学習の工夫、授業の受け方、習慣づくり、そして学年末から新学年に向けた準備について具体的な方法を提案してみます。学年末のこの時期は、特に復習と準備が重要となるため、それに適したアプローチも詳しくご紹介します。

 

自宅学習の工夫

中学生が成績を上げるためには、自宅での学習環境と計画が重要になると思います。ただ頑張るというより、効率を上げる工夫も必要です。

 

学習計画を具体的に立てる

計画を立てる際には、短期的な目標と長期的な目標を組み合わせることが大切です。例えば、短期的には「1週間で英単語を30個覚える」や「毎日数学の問題集を2問解く」といった具体的な目標を設定します。一方で、長期的には「次のテストで数学90点以上を取る」「学期末までに全科目で平均点を超える」といった大きな目標を掲げることをおすすめします。

これらを組み合わせることで、毎日の学習に意味を見出しやすくなります。例えば、ある中学生は1週間ごとの計画を詳細に立て、1日の学習目標を達成するごとにカレンダーにチェックを入れる習慣を取り入れました。その結果、テストの前に慌てることなく計画的に学習を進められるようになり、成績が全体的に向上しました。

また、学習計画には定期的な振り返りを取り入れることも重要です。振り返りを行うことで、目標達成度を確認し、計画の改善点を見つけられます。例えば、数学の計算問題に多くの時間を割いていたお子さんが、振り返りを通じてグラフの読み取りに弱点があることを発見し、次の週から重点的に取り組むことで弱点を克服しました。このように、計画の実行と振り返りのサイクルを続けることで、効果的な学習が可能となります。

 

学習環境を整える

学習環境を整えることも成績向上の重要な要素です。例えば、学習中に集中力を高めるために、机の上を整理整頓することや、スマートフォンを別の部屋に置くことを習慣化するのもいいと思います。また、環境音や集中力を高める音楽を使うことで、外部の雑音を遮断する方法も効果的です。

また、学習環境に植物や観葉植物を取り入れることもリラックス効果があると言われています。小さな観葉植物を机の隅に置くことで、視覚的な癒しを提供し、学習中のストレスを軽減する効果が期待できます。また、香りの良いアロマや、目に優しいブルーライトカットのデスクランプを取り入れることで、より快適な学習空間を作ることが期待できます。

 

苦手分野の克服

苦手分野を克服するためには、具体的な取り組みが重要です。仮に数学の方程式が苦手なお子さんがいたとします。このお子さんに毎日20分、同じパターンの方程式を解き続けてもらうことで、最初の数日間は成果が見られないかも知れませんが、例えば、1週間後には簡単な問題をスムーズに解けるようになり、2週間後には応用問題にも対応できるようになる、という変化が期待できます。

また、英語のリスニングが苦手な場合、日常的に英語の音声教材や動画を聞く習慣をつけることも効果的です。もちろん個人差はありますが、1日10分程度でも、数週間後には単語やフレーズが耳に馴染むようになります。このように、苦手な部分に集中して取り組むことで、小さな成功体験を積み重ねることが可能です。

苦手分野に取り組む際には、友人や先生からのサポートを活用するのも良い方法です。同じ問題に取り組む友人と一緒に考えることで、新しい解決方法を発見できることもあります。例えば、歴史の年号暗記が苦手だったお子さんが、友人とクイズ形式で学習を行ったら、楽しみながら覚えることができ、テストで高得点を取ることができたという例もあります。また、学習塾や家庭教師、教材などを活用することで、より多様な視点から理解を深めることも可能です。

 

授業の受け方を改善する

学校の授業を活用することは、成績向上の大きな鍵です。授業での理解が深まることで、テスト対策にも役立ちます。

 

授業中に質問をする

可能なら、授業中にわからないことをその場で質問する習慣づけを意識しましょう。最初は恥ずかしいと感じると思いますが、質問することで自分がどの部分を理解できていないのかを明確にでき、先生からの直接的なアドバイスを受けられます。

例えば、理科の授業で化学反応式が理解できなかったお子さんがいました。このお子さんは勇気を出して質問を繰り返した結果、授業内での理解が深まりました。その後、家庭学習で応用問題にも取り組めるようになり、次のテストでは高得点を獲得することができました。

また、質問をすることで、クラス全体の理解度が向上することもあります。先生は質問を基に授業内容を補足説明することが多いため、他のお子さんたちにとっても有益です。積極的に質問する姿勢は、学習意欲の向上にもつながります。

 

ノートの工夫

ノートを効果的に使うことで、授業内容の理解が深まります。重要なポイントを色分けして強調したり、図や表を活用して情報を視覚化することで、記憶に残りやすくなります。

あるお子さんは、授業中に先生が板書した内容をそのまま書き写すだけでなく、自分の言葉で簡潔にまとめる習慣を取り入れました。この方法を続けたことで、復習の際に内容がすぐに理解できるようになり、学習時間が短縮されました。また、授業後にノートを見直し、自分なりの要点を追加することで、さらに効果的な復習が可能になります。

ノートはただ記録するだけではなく、自分の考えを反映させるツールとして活用することも大切です。例えば、重要な部分にコメントを書き込んだり、疑問点を明記しておくことで、後から復習する際の指針になります。さらに、定期的にノートを見返し、内容を他人に説明する練習をすることで、より深い理解が得られます。

 

日々の習慣づくり

学習だけでなく、日常生活の習慣も成績向上には大切な要因になります。

 

規則正しい生活リズム

規則正しい生活リズムを維持することも、学習効率の向上が期待できます。例えば、毎日22時に就寝し、6時に起床する生活を続けたお子さんがいました。このお子さんは、朝の時間を活用して英語の単語を覚えたり、数学の問題を1問解いたりする習慣を取り入れました。その結果、学校に着くまでには1日の学習目標の半分以上をクリアすることができ、余裕を持って授業に臨むことができるようになりました。

また、寝る前にスマートフォンの画面を見ないようにすることも大切です。ブルーライトが睡眠の質を低下させるため、読書やストレッチといったリラックスする習慣を取り入れるといいと思います。

 

運動の取り入れ

適度な運動を習慣化することは、勉強の効率を高めるだけでなく、ストレスの軽減にも役立ちます。例えば、勉強の合間に10分間のストレッチや散歩を取り入れることで、気分転換が図れます。また、週末に友人とスポーツを楽しむことで、リフレッシュと同時に社会的なつながりも深まります。

ある研究では、運動を取り入れた学生が取り入れなかった学生に比べて、集中力が20%向上したという結果が報告されています。このように、運動と学習をバランスよく組み合わせることは、成績向上の一助となります。

さらに、運動を習慣にすることで体力も向上し、学校生活全般においても積極的に取り組む意欲が高まる効果があるのではないでしょうか。

 

次の学年に向けた準備

新学年を迎えるまでの1月から3月は、現在の学年内容をしっかりと復習し、次の学年の学習に備える絶好のタイミングです。

 

現在の学年内容の総復習

まずは、教科ごとに苦手な単元をリストアップしましょう。その上で、教科書や問題集を使いながら復習を進めます。例えば、英語であれば基本的な文法や単語の復習を重点的に行い、数学では公式の確認と基礎問題の解き直しを行うと良いでしょう。

復習では、テストで間違えた問題や未解決の課題に集中することも重要です。例えば、国語では苦手な読解問題に取り組む際に、具体的な解答プロセスをノートに記録することで、次に同じパターンの問題に直面した際の参考になります。

 

次の学年の予習

次の学年で扱う内容を軽く予習することで、授業の理解度が格段に向上します。例えば、理科では次の学年で学ぶ分野の用語をあらかじめ調べたり、英語では新しい単語をいくつか覚えたりするだけでも効果的です。参考書や動画教材を活用するのも効率的に予習を進める方法だと思います。

また、余裕のあるお子さんは学校指定の教材だけでなく、図書館で本を借りたり、ネット上の信頼できる学習リソースなどを活用することで、より予習内容を理解する助けになると思います。

 

学習習慣の見直し

この時期は、日々の学習習慣を振り返る良い機会でもあります。ですので、「もっと短時間で効率よく勉強する方法はないか?」、「勉強と部活動を両立するために改善できる点は何か?」といったことを考え、実行に移せるものは積極的に試すのもいいと思います。

例えば、以前は夜型だった生活を朝型に切り替えたお子さんが、朝の時間を有効活用することで集中力が向上し、勉強と部活動の両立が可能になったという例もあります。

 

まとめ

学年末は、学習内容の総復習と次の学年に向けた準備を行う重要な時期です。自宅学習、授業の受け方、日々の習慣づくりを見直し、より効率的な学びを追求しましょう。

また、規則正しい生活リズムや適度な運動を取り入れることで、心身のバランスを保ちながら成績向上を目指すことができます。この時期にしっかりとした基盤を作ることは、新学年を迎える上で、大切なことではないでしょうか。

 

参考文献

文部科学省「中学校学習指導要領解説」

・「子どもが自ら学び出す!自由進度学習のはじめかた」(学陽書房 蓑手章吾著)



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