「うちの子、算数・数学が苦手で大嫌い…」
そんな悩みをお持ちのお母さまも多いのではないでしょうか。実際、文部科学省の調査によれば、小学生の約3割、中学生の約4割のお子さんが算数・数学に苦手意識を持っているとされています。
そこで、ご家庭で実践できる効果的な学習法について、今までの私たちの経験や実践例から効果が期待できるものをご紹介します。ここでご紹介する方法は、毎日の学習習慣の見直しや親子のコミュニケーションの充実にもつながると思います。ぜひご参考にしてください。
1、毎日の「ちょっと」学習で自信を育む
いきなり長い時間の勉強をすることは、勉強に苦手意識があったり、嫌いになっているお子さんにとってはとてもハードルが高くなってしまいます。ですので、まずは短時間での継続学習で基本的な学力の向上を目指す方が取り掛かりやすい場合が多いです。たとえば、
●計算ドリル1ページ
毎日1ページの計算ドリルに取り組むことで、基本的な計算力が自然と向上します。短い時間でも、日常のルーティンとして取り入れられれば、学習の習慣化が期待できます。
●教科書の例題1問
学校で習う中の基礎の例題を解くことで、授業内容の理解が深まります。例題にじっくり取り組むことで、間違いに気づき改善するチャンスも生まれます。
●図形問題1題
数学は計算だけでなく、空間認識や論理的思考も大切になってきます。図形問題に触れることで、視覚的な理解が促進され、抽象的でピンとこないことも具体的に感じられるようになることが期待されます。
毎日の「ちょっと」学習は、学習習慣を身につける上でとても効果的です。まずは無理のない範囲で朝の短い時間や、夜寝る前の数分を学習に充てることで、勉強を日常生活に取り入れやすくなると思います。
決まった時間に机に向かう習慣が出来てくると、お子さん自身の「勉強すること」に対する抵抗感が次第に薄れていく可能性があります。
また、毎日の学習内容を記録し、達成状況を家族で確認すれば、お子さんは自分の成長を実感しやすくなります。こうした成功体験の積み重ねが、「できた!」という自信へとつながり、「やる気」を引き出す原動力になるのではないでしょうか。
家庭内での小さな積み重ねが、将来の大きな成果につながる可能性があるので、無理なくコツコツと続けることが重要だと思います。
2、「なぜ?」を考える習慣で理解を深める
算数や数学は、単に答えを出すだけでなく、答えを導くまでの背景や理由を理解することが大切です。問題に対して「なぜその解き方、答えになるのか」を考えることは、基礎力強化だけでなく、応用力の土台にもなります。
「なぜ?」という問いかけは、お子さんが自ら考える習慣を育むための大切なきっかけとなります。ご家族で話し合いながら問題の解き方について意見を出し合うことで、お子さんの好奇心や探究心が刺激され、自然と自分で考える力が養われることが期待できます。
親子でのディスカッションを通して、お子さんは安心して疑問を投げかけられる環境が整い、将来的には自主的な学習意欲が向上する可能性があります。
3、日常生活の中での機会を活用する
算数・数学をもっと身近に感じてもらうためにも、日常の様々な機会を活用することも有効な場合があります。たとえば、
●お買い物のシーン
スーパーで商品の値段を確認しながら、合計金額や割引率を計算してみると、数字がどのように働いているのか実感できます。実生活の買い物で計算することで、算数が抽象的な学習だけでなく、実際の生活と密接に関係していることが理解しやすくなります。
●料理の計量
レシピに沿って材料の分量を測ることで、分数や比率といった数学的要素に自然に触れられ、算数・数学への抵抗感を下げることが出来るかもしれません。実際に手を動かしながら学ぶことで、感覚的に数字の意味がつかめるようになると期待されます。
●距離、所要時間の計算
お出かけの際に、目的地までの距離や所要時間を計算することで、数学が実生活に密接に関わっているという実感を得られる可能性もあります。こうした具体的な体験は、お子さんが「数学は実生活に役立つ」という認識を持つ上で有効です。
こうした体験は、算数や数学が単なる暗記や計算の学習ではなく、生活全体に根ざした実用的な学習へと変わるための土台となるのではないでしょうか。
4、成功体験を一緒に喜ぶ
お子さんが問題を解けた時や、計算が上達したと感じた時には、具体的な褒め言葉でその努力を認めることはとても効果的です。具体的なフィードバックはお子さんのモチベーションを向上させ、次へ挑戦する気持ちを引き出す効果があります。
●具体的な褒め言葉
「前より計算が速くなったね」や「難しい問題に挑戦できたね」といった具体性のある言葉は、お子さんにとって大きな励みになり、このくり返しは自己肯定感を高める助けになるはずです。
●間違いを次へのステップにする
「次はこうしてみたらどうかな?」といった前向きな対話は、失敗を学びの一部として受け入れる力の土台を作ることが期待できます。失敗を恐れず挑戦する姿勢が育まれることで、次の挑戦にも自信を持って取り組めるようになると思います。
●成功体験の記録
ホワイトボードに「今日のできた!」と記録することで、達成感を視覚的に確認でき、毎日の成長が実感できるようになります。記録を見返すことで、お子さん自身が過去の成功体験から自信を得られる効果も期待できます。
成功体験を一緒に喜ぶことは、家庭内でのコミュニケーションを深める大切な機会ともなります。親子で一緒に小さな成功をお祝いする習慣は、お子さんが自分の努力を認め、次の挑戦への意欲をさらに高めることにつながるでしょう。
たとえば、週末に家族でその週の成果を振り返りながら話し合う時間を設けると、お子さんは自分の成長を実感しやすくなり、前向きな気持ちで新たな課題に取り組むことができるのではないでしょうか。こうした積極的なフィードバックは、お子さんの「やる気」や「自信」を引き出すきっかけになるはずです。
その他の学習サポート例
●楽しく学べる教材の活用
学習漫画やゲーム、オンライン教材やアプリなど、楽しみながら学べる教材は、学習へのハードルを下げる効果が期待できます。お子さんにとって取り掛かりやすい教材を取り入れることで、お子さんの興味が引き出され、より積極的に学習に取り組む環境が整う可能性もあります。
●家庭教師や学習塾の利用
お子さんに合わせた個別指導が必要な場合、家庭教師や学習塾の活用を選択肢に入れることもひとつだと思います。お子さんにピッタリ合った指導方法を選ぶことが出来れば、より効率的に学習のサポートを行うことが可能になります。お子さんそれぞれの理解度やペースに合わせた指導は、苦手意識を克服するための大きな助けとなります。
まとめ
ここでご紹介した取り組みは、どれも一朝一夕に効果が出るものではありません。でも、毎日の小さな積み重ねが、お子さんの学習に対する自信と興味を育て、算数・数学の苦手意識を和らげる可能性が十分にあると思います。ご家庭の方のサポートと、継続的な学習習慣の確立が、将来の大きな成果につながるのではないでしょうか。
また、家庭内でのコミュニケーションを大切にし、成功体験を一緒に喜び合うことで、お子さんは安心して新たな挑戦に臨むことができます。お子さんが「できた!」と実感する瞬間が増えることは、将来の学習意欲にも大きな影響を与えるはずです。
【参考文献】
・文部科学省『新学習指導要領解説 小学校編』
・「初等算数科教育」(ミネルヴァ書房、吉田武男・監修、清水美憲・編集)
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