入試問題に作文が含まれている地域が多いこと、ご存知でしたか?

実は入試で作文を書くのは推薦型の入試だけではないんです。今回は作文力アップのために、お家でできることをご紹介していきます。

なかなか書く機会のない作文ですが、コツを掴めば点数を取りやすい問題でもあります。また、作文力を求められるのは国語だけではありません。英語や理科、社会でも入試問題に記述式の問題が出題されます。つまり、「表現力」はすべての教科で求められているのです。

「表現力」を身につけるために、作文は苦手…というお子さんも、コツを掴むために、ぜひ参考にしてください。

 

1、体験談や経験から書きたいことを決めてみよう

作文のテーマに悩んでしまうお子さんは多いですが、実は「自分の経験」から書くのが一番書きやすいんです。特別な体験でなくてもかまいません。日常の中で感じたことや、小さな出来事でも、立派な作文の材料になります。もしテーマが決められている作文でも、自分の体験談を入れるだけでオリジナルの文章を作ることが出来ます。テーマがあらかじめ決まっている作文の場合でも、自分の体験をからめて書くことで、内容がぐっと具体的になり、読み手の心に届く作文に仕上がります。例えば…

・部活での成功体験(挫折体験)

試合で負けて悔しかったこと、努力してレギュラーになれたことなど、自分がどんな気持ちになったかを書くと伝わりやすくなります。

・家族との会話

家族旅行でのエピソードや、親と喧嘩して仲直りした経験、兄弟(姉妹)とのエピソードなど、身近な人との関わりは感情を込めやすく、深い文章になります。

・友達や先輩、後輩との関係

仲直りしたときの気持ち、助けてもらってうれしかった瞬間など、人との関わりは成長や気づきを感じやすいテーマです。

・職業体験学習や校外学習の経験

体験を通して気づいたこと、印象に残ったことを書くことで、学びの作文としても評価されやすくなります。

 

こうした身近な話題なら、お子さん自身が感情を込めて書きやすくなります。作文は、正解を求めるテストとは違い、「自分らしさ」を表す場です。どんなに小さなことでも、自分の経験を大切にして、それを言葉にすることが、作文力を伸ばす第一歩になります。

作文では「自分の考え」や「感じたこと」を入れると、高評価につながりやすくなります。自分が感じたことや考えたことをしっかり書くことで、「自分の言葉で表現している」と伝わり、評価されやすくなります。

 

2、書き始める前に「メモ」をしよう

いきなり原稿用紙に書き始めるのではなく、まずは箇条書きで内容をメモする練習をしましょう。例えば…

・体育祭でリレーの選手になった

・プレッシャーで緊張したけど練習を頑張った

・本番でバトンを落としそうになった

・でも最後まで走りきって仲間が喜んでくれた

こうしてポイントを書き出しておくと、文章が書きやすくなります。「その時どのように感じたか」も文章化することができると、より完成度の高い文章になります。

 

3、タイトルは最後に決めよう

タイトルに悩むお子さんも多いですが、タイトルに悩む場合は無理して決めずに、内容を書き終えたあとに決めるのがおすすめです。

文章の中から一番伝えたいことをタイトルにすると、読み手にとってもわかりやすい作文になります。文章の中にある言葉を引用しても、決めやすいです。例えば…

「部活のメンバーと喧嘩したけど、話し合って仲直りできた」

 →言いたいことは「仲直りの大切さ」 

短い言葉でまとめたり、言い換えたりしてみよう

例えば…

・「仲直りできた日」

・「一言の大切さ」

・「喧嘩して気づいたこと」

 

言葉を工夫して、印象に残るタイトルにしよう

例えば…

・質問にする → 「どうして喧嘩しちゃったんだろう?」

・比喩を使う → 「心のドアが開いた日」

・ドキッとする言葉を入れる → 「ごめんねが言えなくて」

 

4、書いたら「見直し」が大切!

書き終えた作文は、必ず読み返す習慣をつけましょう。チェックするポイントは…

・漢字の間違いはないか

・漢字で書けるところをひらがなにしていないか

・同じ言葉のくり返しが多すぎないか

・内容に「はじめ・中・おわり」があるか

・主語と述語がつながっているか(「私は〜と思います」など)

・ですます調、またはである調に統一されているか

特に「漢字ミス」は入試では減点対象になりやすいので、お子さんと一緒に音読しながら見直すのがおすすめです。

 

5、日常から作文力を育てよう

作文が苦手なお子さんでも、文章にたくさん触れることで自然と力がついていきます。特別な練習や難しい課題をやらなくても、毎日のちょっとした工夫で自然と作文力は伸びていきます。例えば…

・ニュースを見ながら「どう思った?」と聞く

少しずつ「すごいと思った」「感動した!」など、自分の感じたことを言葉にすると、練習になります。言葉にできるようになると、それが文章にする力につながっていきます。

・新聞の子ども向けコーナーを読む

新聞には子ども向けのコーナーや、短くまとまっているコラムなどがあります。そういった記事を親子で一緒に読んで、「どんな話だった?」「気になったところはあった?」と会話することで、自然と要約力や読解力も育ちます。最初は短くてもいいので、「自分の言葉で表現する」ことが作文力の第一歩になります。

・小説やブログを一緒に読む

作文力を伸ばすには、小説やブログなど、いろいろな文の形にふれることも大切です。漫画やアニメの考察ブログなどの読みやすいもので大丈夫です。いきなり長い文章を読むのではなく、まずは「感じる」「考える」ことを楽しむことがポイントです。親子で同じ本や記事を読んで、それぞれ感想を言い合うのもよい方法だと思います。

大切なのは、文章の上手さよりも「自分の言葉で表現する」こと。正しく書こうとするより、「こう思った」「こう感じた」を素直に言葉にすることが、作文力の第一歩です。少しずつ書くことに慣れていけば、自然と長い文章も書けるようになります。

・読書感想文ではなく「3行感想」から始めてみる

「○○という本を読んだ。△△という場面がおもしろかった。□□だと思った。」といったシンプルな感想でも、十分立派な練習になります。

 

6、ニュースや新聞で社会情勢を知ろう

高校入試の作文でよく聞かれるテーマとして以下のものが挙げられます。

・地球温暖化

・SDGs

・AI(人工知能)

・環境保護

・多文化共生

・情報化

・地域問題

・少子高齢化問題

このようなテーマを見ると、「難しそう」「よくわからない」と感じる中学生も多いと思います。ただ、日頃からニュースや新聞を見てこれらのテーマに対して「自分はどう思う?」と考えることで、テーマが指定されている作文対策に役立ちます。

・「このニュース、もし自分だったらどうするかな?」

・「この問題は、なぜ起きたんだろう?」

のようにお子さんに質問をしてみるのも、お子さんの思考力と表現力を育てます。

また、新聞やニュースには普段の学校生活では出会わない言葉や専門用語がたくさん出てきます。最初は分からないことも多いかもしれませんが、そうした言葉に触れ、意味を調べる習慣をつけることで、語彙力や読解力が着実に身につきます。これは国語力全体の底上げにもつながります。

さらに、時事問題は作文だけでなく、高校入試の面接でもよく聞かれます。例えば「最近気になったニュースは?」「環境問題についてどう思いますか?」といった質問がされることもあります。特に推薦型の入試や特色選抜を受ける場合には、日ごろからニュースを見て「自分の考え」を持つ習慣がとても重要になります。

いきなり難しい新聞を読む必要はありません。子ども向けニュースサイトや、短くまとめられた記事、テレビのニュースなどから始めても十分です。毎日でなくても、「気になったときに少し見る」くらいから始めてみると、無理なく社会への関心が育っていくのではないでしょうか。

 

まとめ

いかがでしたか?作文が苦手なお子さんは多いと思います。ただ、入試で求められる作文は文字数が少ないため、書き方のコツを掴むことが出来れば、決して難しい問題ではありません。何度も作文の練習をして、入試問題に求められる作文の書き方を掴んでいきましょう。テンプレートの書き方に、自分の体験談や意見、感じたことを表現することが出来れば高得点も狙うことが出来るはずです。

作文力があると、自分の考えを言葉で伝えられるようになります。それは入試だけでなく、将来の社会生活や就職活動でも大きな武器になります。

 

参考文献:「作文がうまくなる魔法の3か条」(眞野玲子著/合同会社全力舎)



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