お子さんは、学校の勉強、お友達や先輩・後輩との関係、先生との関係、進路の不安など、見えにくいストレスを多く抱えているかも知れません。保護者の方として「元気そうに見えるけど、本当に大丈夫かな?」と感じる場面もあるのではないでしょうか。

お子さん自身が自覚していなかったり、うまく言葉にできなかったりするストレスは、ちょっとした行動や態度にサインとして表れることがあります。今回は、保護者として気づきやすいストレスのサインや、声かけのコツ、ご家庭でできるサポートについてご紹介します。心の健康を守る第一歩として、ぜひご参考にしてください。

 

1、表情や口数が少なくなったと感じたら

普段より笑顔が少なく、会話が減っていると感じたら、心の中にストレスを抱えているサインかもしれません。思春期の子どもは、悩みや不安を言葉にするのが難しいこともあります。無理に聞き出そうとせず、日常の中でさりげなく声をかけたり、一緒に過ごす時間を増やすことで、お子さんの気持ちの変化に気づきやすくなります。

 

2、睡眠時間の乱れに注意

夜更かしや寝付きの悪さ、朝起きられないといった変化が見られたら、ストレスによる自律神経の乱れが影響している可能性があります。睡眠は心身の回復に欠かせません。学校や家庭でのストレスがたまると、無意識に体に現れることがあります。生活リズムが崩れてきたときは、無理な叱責よりも、原因に寄り添った対応が大切です。

 

3、食欲の変化を見逃さない

急に食欲がなくなったり、逆に過食気味になったりといった食事の変化は、心のSOSを表すことがあります。好きだったはずのメニューを残すようになったり、食事の時間を避けるようになったら、注意が必要です。体の不調だけでなく、精神的なストレスが影響している場合もあるため、さりげなく話を聞く機会をつくってみましょう。

 

4、体の不調が続いていないか

お子さんが「頭が痛い」「お腹が痛い」「吐き気がする」といった体の不調を訴えることが増えた場合、単なる体調不良ではなく、ストレスが原因となっている可能性もあります。心因性の症状は、見た目にはわかりにくいため、「またか」と受け流したり、「サボりたいだけじゃない…」と決めつけてしまうこともあるかもしれません。

しかし、学校や家庭、友人関係など、さまざまな場面でプレッシャーを感じているお子さんにとって、それが体の不調となって現れることは珍しくありません。特に中高生の時期は、自分の気持ちをうまく言葉にできず、「なんとなく体がつらい」としか表現できないこともあります。

体の不調が何日も続く、朝だけ症状が強く出る、病院で検査しても異常がないといった場合は、心のSOSを疑ってみましょう。まずは、「無理しなくていいよ」「何か不安なことがある?」と優しく声をかけ、安心できる環境を作ることが第一歩です。必要に応じて、スクールカウンセラーや心療内科のサポートも視野に入れ、心身両面からお子さんを支える姿勢が大切です。

 

5、学校や勉強への意欲が低下していないか

「面倒くさい」「どうでもいい」といった言葉が増えてきたら、心が疲れているサインかもしれません。特に、以前は前向きだったのに突然やる気をなくしている場合は、ストレスによる意欲の低下が疑われます。叱咤よりも共感を大切にし、「頑張らなくていい日もあるよ」など、安心できる言葉をかけてあげることが大切です。

 

6、趣味や好きなことへの関心が薄れていないか

ゲームや音楽、部活動など、これまで楽しんでいたことに無関心になっている場合は注意が必要です。好きなことすら楽しめない状態は、心の疲労が蓄積している可能性もあります。変化があったときは、無理に元気づけるのではなく、静かに見守りつつ、気持ちが落ち着く時間や環境を整えてあげることが大切です。

 

7、感情の起伏が激しくなってきた

ちょっとしたことでイライラしたり、涙もろくなったりする場合、心の余裕が失われていることが考えられます。思春期特有の情緒不安定さもありますが、普段より反応が強いと感じたときは要注意です。感情に巻き込まれず、まずはお子さんの背景にある気持ちに目を向け、安心できる対応を心がけましょう。

 

8、兄弟、姉妹友人関係に変化はないか

ストレスのサインとして見逃せないのが、兄弟姉妹や友人関係の変化です。以前はよく一緒に遊んでいた兄弟と距離を取るようになったり、仲の良かった友人と急に連絡を取らなくなったりするのは、何らかの心の変化を反映しているかもしれません。

特に思春期の子どもは、自分の気持ちを上手に言葉にできず、悩みを一人で抱え込む傾向があります。「学校で何かあった?」と直球で聞かれても警戒してしまうことがあるため、日常会話の中で自然に様子をうかがうことが大切です。たとえば、会話の中で友人の名前が出なくなったり、SNSやゲームなどの交流の頻度が減っていたら、変化のサインととらえましょう。

無理に理由を聞き出そうとするのではなく、「最近どう? 困ってることがあったらいつでも話してね」とさりげなく声をかけることで、お子さんが話したいと思える環境を整えていくことが重要です。親が常に味方であることを伝え続けることが、信頼の土台となります。

 

9、「大丈夫」と言っていても安心できないとき

お子さんが「大丈夫」と言っているからといって、必ずしも安心できるとは限りません。特に真面目で責任感が強い子ほど、親や先生に心配をかけまいと、自分の本音を隠してしまうことがあります。一見すると平常通りに見えても、笑顔が減った、話す内容がネガティブになった、朝起きるのがつらそうになった、食欲がなくなったなど、行動や表情の中に小さなサインが隠れていることもあります。

お子さんが本当につらいときほど「平気」「大丈夫」「心配しないで」と言いがちです。そのようなときは、「大丈夫って言ってたけど、ちょっと疲れてるように見えるよ」「無理してないかな?」と、優しく寄り添う言葉をかけてみてください。問い詰めたり無理に聞き出そうとするのではなく、安心して話せる空気を作ることが大切です。

「話してもいいんだ」「聞いてもらえるんだ」と感じられれば、お子さんも少しずつ心を開いていくようになります。沈黙も会話の一部として受け止め、焦らず待つ姿勢が信頼関係につながります。

 

10、保護者自身がストレスに気づける存在に

お子さんのストレスに早く気づくためには、保護者自身が「見守る目」と「聴く耳」を持っていることが何より大切です。変化に気づくには、普段からお子さんと会話をする時間を意識的に確保し、信頼関係を築いておくことが欠かせません。家庭が安心できる場所であることが、ストレスをため込まずにすむ大きな支えになります。

ストレスは決して特別なものではなく、誰にでも起こりうる自然な反応です。大切なのは、早めに気づき、抱え込ませないこと。お子さんのちょっとした変化やサインを見逃さず、「何かあったの?」と優しく声をかけるだけでも、安心感につながります。

無理に話させようとせず、寄り添う姿勢を大切にしてください。そして、必要に応じて学校や専門機関に相談することも視野に入れましょう。お子さんが安心して毎日を過ごせるよう、家庭が心の居場所であり続けることが一番の支えになります。




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