通知表の保護者コメント欄は、書く内容に迷ってしまったり、また、書き方の正解がわからず、必要以上に時間をかけてしまう保護者の方も多いのではないでしょうか。
特に公立中学校で通知表に保護者コメント欄がある学校はおよそ3〜4割程度と言われていて、私立中学校よりも多いとされています。
したがって公立中学校では、通知表のコメント欄が家庭からの声を学校が受け取る大切な機会のひとつになっています。
そこで、以前の記事「【中学生】通知表に書く『保護者コメント』の例文とポイント|学年別に解説!」の続編として、本記事では『公立中学校』に特化した書き方のコツをまとめました。
・学期ごとにどこを意識すると良いのか
・先生に伝わりやすい表現はどんな言い回しなのか
など、すぐに使える実例を交えながら解説します。ぜひご参考にしていただければ嬉しいです!
公立中学校の通知表の仕組み
まずは公立中学校の通知表の仕組みを確認したいと思います。
教育委員会の標準様式に沿って作成
公立中学校の通知表は、自治体の教育委員会の標準様式に沿って作成されます。(参考:文部科学省「教育委員会制度について」)学力だけでなく、生活習慣・態度・行動の評価も含まれるため、家庭からの補足情報である保護者コメントは非常に意味があります。
保護者コメント欄を設けている中学校では、家庭での様子を担任に伝えるための欄としている場合が多く、お子さんの成長を支える重要な役割を持っています。
コメント欄の有無は学校次第
通知表に保護者コメント欄があるかどうかは、学校によって異なります。保護者コメント欄がある場合は、家庭からの具体的なフィードバックを担任に届けるチャンスです。ない場合は、個別の懇談や連絡帳、場合によっては電話等で補足することが可能です。
懇談で通知表が渡されるケースが多い
公立中学校では通知表を個人懇談や三者懇談で受け取ることが多く、保護者コメント欄に書いた内容を口頭で補足できる場合があります。この仕組みは私立中学校との大きな違いで、公立中学校ならではのメリットです。
保護者コメント欄に家庭のサポート内容や学習状況を記すことで、担任は具体的な指導計画を立てやすくなります。
ちなみに多くの私立中学校では、通知表は学校から親展として直接保護者に送付されるため、保護者コメント欄が設けられていないケースが多くなっています。
公立中学校で「保護者コメント欄の活用度」が高い理由
では、なぜ公立中学校では保護者コメント欄の活用度が高いのでしょうか。少しひも解いてみたいと思います。
学校と家庭がお子さんの成長を共有する文化
学習指導要領では、「学習状況の記録を基に、学校・家庭・地域が連携して育てること」が重視されています。(参考:文部科学省「学習指導要領とは何か?」)
したがって、公立中学校の通知表に保護者コメント欄がある場合、単なる学力評価にとどまらず、家庭とのコミュニケーションツールのひとつとしても考えられます。
教科担任制のため“家庭での情報”が貴重
公立中学校では基本的に教科ごとに先生が異なるため、担任が全ての状況を把握しづらい面があります。そのため通知表の保護者コメントは、家庭での様子やお子さんの状況を知る大切な情報源になります。
提出物・生活習慣が評価に直結する
公立中学校では、提出物や生活習慣が「意欲・態度」の評価と深く関わっています。保護者からの具体的な情報は、成績を考える際にも参考にされやすい特徴があります。また、担任が配慮すべき点などへの気づきにもなると思います。
公立中学校の通知表|保護者コメント欄の『三つの基本』
では公立中学校の通知表に保護者コメント欄がある場合、記入時の『三つの基本』をお伝えします。あわせて、先生が「お、助かるな」と感じる表現の例もお伝えしますので、ご参考にしてください。
保護者コメント欄の『三つの基本』
① 行動(具体的な行動を書く)
【例】「帰宅後すぐワークを開く習慣がついてきました」
② 気づき(家庭で感じた変化を書く)
【例】「授業の話題が増えてきました」
③ 協力(学校との連携姿勢を書く)
【例】「家庭でもご指導いただいた点を一緒に確認しています」
先生が「お!」「なるほど」「助かるな」と思う表現
提出物や生活習慣へ触れると、公立中学校では特に印象が良いです。先生が把握しきれない細やかな部分や課題などを家庭と共有することができ、先生が理解するとともに、家庭との連携が取れていることがわかりやすいためです。
【例】
「提出物の期限について、家庭でも声かけをしています」
「学級での役割について話してくれ、成長を感じています」
「ご指導いただいた点を家庭でも共有しました」
学期ごと|通知表保護者欄の書き方ポイント
続いて学期ごとに、保護者コメント欄の書き方のポイントを、先生が「お!」と思うような例文とあわせてご紹介します。
【1学期】スタート期の書き方
1学期は新しい環境への適応を書くのがポイントです。公立中学校は先生が一斉に変わるため、お子さんの適応の様子は重要です。
ポイントは短くても具体的に書くことです。先生が「家庭でも見守っている」とすぐに理解できる文章が理想です。
【1学期の例文①】
「新しい学級にも少しずつ慣れてきたようで安心しています。提出物についても自分で計画して取り組む様子が増えてきました。家庭でも生活リズムを整えつつ見守ってまいります。」
【1学期の例文②】(「お!」ポイント入り)
「授業での姿勢についてご指導いただいた点を、家庭でも一緒に確認しました。各教科の先生方のおかげで落ち着いて学習に取り組めているようです。今後も学校と連携しながら見守っていきます。」
【2学期】行事・委員会・継続を軸に書く
2学期は公立中は行事が多いので比較的書きやすい学期でもあります。文化祭、体育祭、合唱祭、校外学習など、クラスの活動を軸に書くとよいでしょう。家庭のサポートが具体的にわかるのもポイントです。
【2学期の例文①】
「文化祭でクラスの一員として役割を果たしたことを誇らしく感じています。部活動との両立も工夫しながら取り組んでいる様子です。家庭でも引き続き応援していきます。」
【2学期の例文②】(「お!」ポイント入り)
「文化祭準備で友達と協力しながら作業していたと伺い、家庭でも成長を感じました。提出物の計画性については、ご指導いただいた内容を家庭でも共有し、スケジュールを一緒に確認しています。」
【3学期】1年のまとめ+次学年への視点で書く
3学期は次年度の担任への「引き継ぎ資料」にもなります。1年間で身についた学習習慣や成長をまとめ、来年度に向けた前向きな目標を簡潔に書くことがポイントです。
【3学期の例文①】
「一年間のご指導ありがとうございました。後半は自分から計画を立てて学習に向かう姿が見られました。この姿勢を次の学年でも大切にしてほしいと思います。」
【3学期の例文②】(「お!」ポイント入り)
「ご指導いただいた『見通しを持つ学習』を家庭でも意識して声かけしてきました。本人も一年を通して自信がついたようです。次年度も学校と連携しながら見守っていきます。」
公立中学校で避けたいNG例と改善例
最後に、公立中学校の特徴に合わせた、NG例と改善例をご紹介します。
NG① 不満の直接表現
【NG例】
「学習の指導に不安があります」→担任は全教科の状況を把握できないため、具体的に知りたい。
【改善例】
「数学でつまずきが見られます。家庭でも様子を見守りますので、必要なアドバイスがあればお願いいたします。」
NG②関心の薄い表現
【NG例】
「本人に任せています」のみ→公立中学校では生活習慣との関連が深く、中学生ではまだ保護者の声掛けも必要なため、この一言のみだと放任ととられやすい。
【改善例】
「必要な時は声かけをしながら見守っています。」
NG③ ネット丸写しの文章
先生はコメント欄を読み慣れていることもあり、ネットを丸写ししたような文章は意外とわかりやすいので、注意が必要です。
【改善例】
家庭でのエピソードや具体例を1つ入れると、自然な文章になる。
まとめ
今回は中学校の通知表にある保護者コメント欄について、『公立中学校』に焦点を当ててお伝えしました。
・公立中学校のコメント欄は、家庭と学校の協力を示す重要なツール
・行動、気づき、 協力を基本とし、具体的かつ簡潔に書く
・学期に合わせて内容を変える
・「あ!」と思わせるような内容を盛り込むのもOK
こうしたポイントを意識することで、中学生の成長を支える家庭の姿勢を担任に伝えやすくなります。くり返しになりますが、通知表のコメント欄は先生とのコミュニケーションツールのひとつです。活用方法を押さえて、上手にコメント欄を活用しましょう。
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