子ども時代も、親になってからも、通知表を受け取る瞬間はどこかドキドキするものだと思います。さて、そんな通知表ですが、中学校によっては『保護者コメント欄』があるケースがあります。保護者コメント欄には、一体何を書けばよいのでしょうか?
これまでにも本コラムでは
・【中学生】通知表に書く『保護者コメント』の例文とポイント|学年別に解説!
・【公立中学校版】通知表の保護者コメント欄|コツやNG例を学期ごとに解説
といった記事をご紹介してきました。
しかしお子さんが私立の中学校や中高一貫校などへ通われている場合、これまでの記事や公立中学校向けの記事を読んでも、
「私立中学校へ通っている場合も同じでよいのかしら?」
「何か少し違う気がする…」
と感じた保護者の方もいらっしゃるかも知れません。そこで今回は、
・私立中学校と公立中学校の通知表の違い
・私立中学校の保護者コメント欄で誤解を避けるポイント
・私立中学校ならではの保護者コメントのコツ
・中高一貫校の場合に気を付けたいポイント
…について解説します。保護者コメント欄でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください!
「私立中学校」の通知表と「公立中学校」の通知表の違い
私立中学校の通知表は、公立中学校と比べて、
・評価の考え方
・コメント欄の位置づけ
・通知表の渡され方
…に特徴があり、同じ感覚で読むと戸惑いやすい点があります。それぞれを具体的にみてみましょう。
評価の考え方の違い
公立・私立を問わず、学習の評価は文部科学省による「学習指導要領」に基づいて、観点別評価などが実施されています。(参考:文部科学省)
とはいえ、私立中学校は「教育課程編成の自主性」が認められているため、学習指導要領の内容を尊重しつつ、その学校独自の特色を生かした評価がなされている場合が多いです。
また、私立中学校では、先生が生徒一人ひとりをきめ細かく見ていること、そして保護者とも共有できていることが前提となり、評価もより総合的に見られる傾向にあります。
そのため、通知表にある文章評価や所見に関しては、「評価の主軸」というよりも「補足的な情報」という意味合いが強くなりがちです。
【公立中学校】
・評価基準が比較的明確
・数値・観点別評価が中心
【私立中学校】
・先生が日常の様子をより把握し共有していることが前提
・文章評価は補足的な役割
保護者コメント欄の位置づけの違い
公立中学校の保護者コメント欄は、「学校と家庭の協力、共有」を簡潔に確認する目的で設けられていることが多いです。
一方、私立中学校では、保護者コメント欄が家庭のスタンスや考え方を共有するためのコミュニケーションの場として捉えられていることがあります。
私立中学校は学校によって理念や学習方針に大きな特色があることは、保護者の皆さんもよくご存じだと思います。
ですので、コメント欄ではどちらかというと、学校との方向性をすり合わせる意味合いがあると考えておくと、無理のない書き方がしやすくなります。
【公立中学校】
・家庭の協力姿勢の確認
・家庭での様子の共有
【私立中学校】
・家庭のスタンス・考え方の共有
・学校との方向性確認の場
通知表の渡され方の違い
私立中学校と公立中学校では、通知表の「渡され方」にも違いがあります。公立中学校では、懇談や面談の場で、担任から説明を受けながら手渡しされるケースが一般的です。
一方、私立中学校では、通知表が保護者宛に直接届く学校が多いです。これは、普段から学校の様子を先生が把握し、家庭とも共有なされていることが前提としてあるためです。
【公立中学校】
・懇談で保護者に通知表を渡すケースが多い
【私立中学校】
・保護者宛に親展で郵送するケースが多い
私立中学校の保護者コメント欄で誤解を避けるポイント
私立中学校の保護者コメント欄は、日頃の様子が共有できているという前提があるため、書き方次第で意図しない誤解が生じやすい点に注意が必要です。
ここでは、私立中学校の保護者コメント欄で特に誤解を生みやすいポイントを整理してみます。
学校任せ・丸投げに見える表現
私立中学校では、「家庭と学校が一緒に子どもを支えていく」という前提を大切にしている学校が多くあります。
そのため、保護者としては謙虚なつもりで書いた一文が、文脈によっては学校任せ・丸投げのように受け取られてしまうことがあります。
【誤解を生むことのある例】
「ご指導をよろしくお願いいたします」
「学校にすべてお任せしています」
このような表現は、「家庭としての関わりが見えにくい」と感じられる場合があります。私立中学校の場合は、「家庭でも見守っている」「学校と同じ方向を向いている」というスタンスが、ほんの一言でも伝わると安心感につながります。
過度な要望・要求になってしまう表現
私立中学校は、個々の生徒に対して丁寧に対応している学校が多いため、保護者のコメントが要望や依頼として受け取られやすい側面もあります。
【誤解を生むことのある例】
「もう少し声掛けをしていただけると助かります」
「〇〇について、引き続きご配慮をお願いします」
このような表現は悪気がなくても、学校側には「具体的な対応を求められている」と受け止められることがあります。
私立中学校のコメント欄では、要望を書く場というよりも、現状の受け止め方や家庭の考えを共有する場と意識しておくとよいでしょう。
成績・結果だけに触れるコメント
私立中学校では、定期テストの結果や評定だけでなく、授業への取り組み方や日常の姿勢といったプロセスも含めて生徒を見ている学校が多くあります。
【誤解を生むことのある例】
「成績が上がった/下がったことに関する思い」
「結果に一喜一憂している様子を伝えるコメント」
といった内容だけに触れたコメントは、学校側に違和感を与えてしまうことがあります。
結果そのものよりも、「努力の様子をどう受け止めているか」「家庭としてどう関わっているか」といった視点が一言添えられるだけで、私立中学校の評価の考え方と自然に噛み合いやすくなります。
私立中学校ならではの保護者コメントのコツ
ここからは、「あれもだめ、これもだめなら、一体何を書けば…」とならないために、私立中学校ならではの保護者コメントのコツについてお伝えします。
私立中学校の保護者コメント欄では、正解を探すよりも、家庭としてのスタンスを無理なく伝えることが大切です。
先生へのお礼など、一般的なコメントの文例やマナーについては、過去記事(【中学生】通知表に書く『保護者コメント』の例文とポイント|学年別に解説!)をご参考にしてください。
まず「書かない内容」を決める
私立中学校の保護者コメントで、実はとても大切なのが「書くこと」よりも「書かないことを決める」という視点です。具体的には、
・事情の詳しい説明
・家庭での対応の細かな報告
・子どもの性格や行動の長文解説
といった内容は、書きすぎるほど逆効果になることがあります。説明しすぎることで、「何を一番伝えたいのか」がぼやけてしまうからです。あれもこれもと書かず、短くわかりやすく書くことを意識するだけで、十分に伝わると思います。
「家庭としてのスタンス」を一言で示す
私立中学校の保護者コメントでは、家庭の取り組みを詳しく書く必要はありません。それよりも、
・生活面でどう見守っているか
・学習面をどう捉えているか
・親としてどの距離感で関わっているか
といったスタンスが、一言で伝わることが大切です。
【例】
「家庭では生活リズムを大切にしながら見守っています」
「結果よりも、日々の取り組みを大切にしたいと考えています」
「学校と同じ方向を向いている」ことが伝わる表現
私立中学校のコメント欄で、もっとも安心感を与えるのが、学校の指導や考え方への理解・共感が伝わる一文です。もちろん大げさな賛同や評価を書く必要はありませんが、
・日頃のご指導への感謝
・学校の方針を前向きに受け止めている姿勢
・家庭としても同じ方向を意識していること
が感じられるだけで、コメント全体の印象が大きく変わります。くり返しになりますが、「学校と家庭が同じ方向を向いている」感覚が伝わることが、私立中学校の保護者コメント欄で大切なことのひとつと言えます。
中高一貫校の場合に気を付けたいポイント
多くの私立中学校は、中高一貫教育を行っています。実際に、中高一貫校であることが受験理由の一つだったお子さんも多いのではないでしょうか。
中高一貫校の場合、最もコメントに迷いやすいのが中学3年です。中高一貫校では、長期的な視点で生徒を見ているため、保護者コメントにも進路を見据えた受け止め方が自然に伝わることが求められます。
内部進学を前提とした「受け止め方」が伝わるか
私立中学校では、内部進学は「自動的に進めるもの」ではなく、学校の方針や基準を理解したうえで進むもの、という位置づけである場合が少なくありません。そのため保護者コメントでは、
・内部進学の制度を理解していること
・学校の基準や考え方を尊重している姿勢
が、さりげなく伝わるだけでも十分だと思います。
進路に対する不安は「書きすぎない」
中学3年生になると、内部進学や高校生活を意識してしまい、保護者として不安や迷いが出てきますよね。ですが、通知表の保護者コメント欄は、進路相談や要望を詳しく伝える場ではないことは意識しておきたいところです。
不安や希望を長く書いてしまうと、「具体的な対応を求められている」と学校側に受け取られてしまうこともあります。進路に関する相談がある場合は、面談や個別の機会を活用し、コメント欄ではスタンスを簡潔に示すにとどめる方が安心です。
まとめ
今回は、私立中学校における通知表の保護者コメント欄についてご紹介しました。私立中学校の保護者コメント欄は、家庭と学校がさりげなく思いを共有するための、小さなコミュニケーションの場と考えていただくとよいかもしれません。
家庭のスタンスが少しでも伝わることで、学校とのやり取りがよりスムーズになり、結果としてお子さんが安心して学校生活を送ることにもつながっていきます。
難しく考えすぎず、「家庭として、今どのように向き合っているか」を短く言葉にしてみてください。それだけでも、私立中学校の保護者コメント欄としては、十分気持ちの伝わる一文になります。
保護者の方も迷いながら、日々お子さんと向き合っておられることと思います。この記事が、少しでも気持ちを整理するきっかけになれば幸いです。
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