中学生になると英語の勉強がますます本格的になります。学校でも受験することを勧められるため、英検について考えることもあるでしょう。何級まで取るとメリットがあるのか?受験のときにはどのくらいプラスになるのか?いろんなことが気になりますよね。
今回の記事では、英検は取った方がいいのか、取る場合のメリットは何かをまずは確認していき、どんな対策をすればいいかを解説していくので、中学生という貴重な時代を有意義に過ごすためのきっかけを得られるはずです。
英検は取った方がいいのか
少し前の世代では、英検を取得していることがプロフィール上の強みとなっていましたが、現在でもそれは変わらず、英検は履歴書にも記入できる正式な資格です。ところが近年の風潮として、英検は必要ないと考える人もいて、中には英検を取るよりも、TOEIC高得点を目指した方が良いと言う人もいるでしょう。しかし、英検は意味のない資格ではありません。
特に中学生にとっては、英検取得が有利にはたらく場合もあります。TOEICはビジネス向けの側面が大きく、社会人や大学生が受けることが多い一方で、英検は小学生から大学生まで幅広い層が受験しています。
また、英検の取得は定期テストとは異なる試験に慣れるという意味でも有効活用できます。生徒全員が必ず受けるテストと、英検をはじめとする資格試験とでは雰囲気も違います。強制ではない試験を自発的に受けるという心構えも必要であり、普段の学校のテストとは異なる外部試験なので、受験と似たような緊張感を体験できます。
多くの中学生が想像しているよりも、高校受験本番は大きな緊張感を抱くはずです。家や学校での演習はうまくいっていたのに、本番で実力が発揮できないこともあるので、英検など外部試験は、このような受験のストレスに耐える予行練習になるでしょう。
資格と経験の両方が手に入るため、英検を目指して損はありません。
中学生は何級を受験すべきか
英検には1次試験と2次試験があり、1次試験では筆記とリーディング、2次試験ではスピーキングテストが実施されます。5級・4級のレベルはそれぞれ中学初級・中級程度であり、中学卒業と同等のレベルに該当するのは3級になります。準2級は高校中級、2級は高校卒業レベル、準1級や1級は大学生レベルとなります。
中学生の場合、一般的に3級が適切と考えられるでしょう。高校レベルの準2級や2級も、チャレンジしたい人にとっては有意義な目標となります。
英検受験で得られるメリット
中学生が英検受験で得られるメリットは大きいため、力試しもかねて検討してみる価値があります。
英語を得意分野にできる
英検は合格か不合格かというはっきりとした結果が出ますが、合格ラインを超えるためには、勉強のつみ重ねが必須です。そのため、気づくと英語学習が、毎日のルーティーンに組み込まれているでしょう。
たとえ英語を苦手としている人でも、日々学習を続けていけば基礎力は必ず定着しますし、受験を終えたころには少なからず英語力が高まっているはずです。学校の授業に加えて英検対策もすることになるため、スケジューリング能力も高まります。
高校受験で有利になる
高校受験の方式にはいくつかあり、公立校の一般選抜は基本的に当日の試験の得点だけで合否が判定されますが、推薦選抜の場合、面接や作文などが課題となります。ここでは自己PRが重要ですが、英検取得の実績や努力の過程をアピールできるでしょう。また、私立高校では内申点に重きを置くことが多く、中学での学業成績はもちろんのこと、外部資格の取得有無をチェックすることもあります。英検を持っているだけで加点される学校も多いので、非常に有利な資格となるでしょう。
ただし英検ならばどのレベルでも良いというわけではありません。中学卒業と同じくらいのレベルを示すなら3級の取得が必須であり、準2級を持っていればさらに心強いでしょう。2級まで取得するのは必須ではありませんが、強力なアピール材料になりますし、チャレンジする前向きな気持ちや、高校入学後の英語力も安定させられるはずです。
将来のための視野が広がる
10代の時期にはあらゆる分岐点を経験しますが、中学生が直面する大きな選択の1つは、なんといっても高校受験です。英語を得意にしておくことは、選べる高校を増やすためにも役立つでしょうし、英語を使う仕事などのように、将来の目標の視野も広がります。先々の選択の幅が大きく広がっていくと、好きな道に進みやすくなるものです。
英語ができないからこの高校は難しいなどと考えなくて済みますし、英語ができるから将来はこんな仕事にも就けるだろうなと、夢がふくらんでいくでしょう。少しあとに迫った高校受験はもちろんのこと、人生の様々な選択肢の自由度が高まります。
効果的な英検対策
英検取得を目指すと決めたら、試験に備えての学習が必要ですが、なるべく効率よく勉強を進め、確実な合格を目指しましょう。
単語帳を使う
中学生はすべての教科で学習範囲が広く、予習復習も欠かせませんし、そのうえ英検対策を実施するとなると時間の有効活用が強く求められるため、スキマ時間であっても無駄にしないことが重要です。学校の休み時間など、十分程度の短い時間は単語暗記のために活用できるので、単語や熟語用の1問1答集など、自分に合うテキストを常に持ち歩いておきましょう。ポケットに入れられるサイズの単語帳を自作しておけば、ほんの数分でも逃しません。
学校の授業に力を入れる
学校の授業は学習の根幹になるため、英検対策に力を入れるあまり、授業をおろそかにしてしまうのは時間のムダづかいです。学校で習ったことは、その日のうちの復習によってきちんと定着させ、それを毎日続けていくことで、英語力の土台となる部分が安定します。
問題演習を重ねる
言うまでもなく基礎的な知識は大切ですが、基礎を身につけたなら、その知識を活用する練習も必要になります。問題集を解くことは基礎の力試しはもちろん、応用力も磨けるため、何度も繰り返し問題を解き、間違ったところを重点的に見直しましょう。
そのために使いやすい問題集を1冊用意しておくと便利です。学校の教材でも良いですが、自分のレベルに合わせて最適なものを選び、たくさんの問題集を使うのではなく、特定の1冊を完全にマスターするのがポイントです。解説を読みながら正しい考え方を身につけ、英検本番に備えましょう。
スピーキング力を強化する
英検3級以上の場合、個人面接によるスピーキングテストが実施されますが、答えるときだけではなく指示も英語なので、日ごろから英語に慣れておきましょう。テレビの英語教育番組や、ラジオ英会話を活用すると正しい発音に耳が慣れますし、動画やアプリなどスマホで手軽に学習できるツールでも大丈夫ですが、負担なく英語を聞き続ける習慣をつけながら、話す練習も欠かさず行いましょう。
家庭教師や個別塾の利用
小学生から導入されるようになった英語ですが、苦手意識を持つ人は今でも多く、英語に抵抗感があればあるほど、自分で学習を進めるのは難しいでしょう。そもそも英語の何が分からないのか分からず、出だしからつまずくこともあります。
英語力を高める手助けが必要な場合、家庭教師の指導や個別塾の利用が効果的です。理解が不足している部分や、苦手な部分の見極めから指導に入ることもでき、弱点を確認してから対応できるので、細やかなアドバイスがもらえるでしょう。
また、学校や集団塾のように周りに人がいる中、英語で発言するのは恥ずかしいかもしれません。マンツーマンや少人数なら、周りの目を気にせずに英語で話す訓練ができ、抵抗感を抑えながら英語力を高めていけるので、英検対策も強化できるでしょう。
まとめ
今回は、英検は取った方がいいのか、対策も交えながら解説しました。中学生にとって多くのメリットがありますが、参考になったでしょうか。学校の授業と英検対策の両立は大変な場合もありますが、家庭教師のようなプロの指導者への依頼も検討しながら、英検を目指してみてもいいのではないでしょうか。高校受験の対策になるのはもちろんのこと、将来的にも役立ちます。
家庭教師のガンバ 今村 剛