発達障害のお子さんが悩みを抱えているとき、ご両親はサポートの手段に悩みます。

気持ちの面も勉強の面でも、あらゆる不安があるでしょう。

何をしてあげれば良いのか分からず、困惑することもありますよね。

どのサポートが相応しいかはお子さんによって異なります。

適した学習環境の整備など、様々なサポートがあるはずです。

お子さんに何が合っているのかを考え、必要な手助けをしましょう。

 

発達障害とは

発達障害は神経発達症とも呼ばれています。

法的な整備など、まだまだ不足している部分は多くあると言えるでしょう。

発達障害にはいくつかの分類があり、それぞれで特性が異なります。

1つは注意の欠陥や多動性などが見られるADHDです。

授業中にじっとしていられないことが多くあります。

次にASDです。

コミュニケーションが苦手な傾向があり、こだわりの強い面もあります。

LDやSLDについては、学習が困難な状況が多いです。

知的発達に遅れはありませんが、書くことや計算などを苦手としています。

発達障害を診断できるのは医師のみなので、ご両親の行動としては早急な受診が必要です。

 

周囲の理解が得にくい状況のデメリット

発達障害という名称は知っていても、中身を理解していない人は多いです。

教師や親を含め、周囲の理解の不足はお子さん自身の不利益につながります。

 

必要なサポートが施されない

発達障害だからといって勉強ができないわけではありません。

勉強自体は嫌いではなくても、学校での学習スタイルが合わないケースもあります。

得意な分野と不得意な分野の差が激しい子もいるでしょう。

この特性を周囲の大人が理解していないと、お子さんにとってのデメリットが生じます。

たとえば学校の先生は、その子を勉強そのものが不得意な生徒と思いこむかもしれません。

適切な学習環境を用意すれば伸びる見込みのある可能性を、大人が妨げてしまうのです。

周囲にも悪気があるわけではなく、知識や理解の不足といえるでしょう。

お子さんによって特性は異なるため、それぞれに適したサポートが必要です。

 

自己肯定感の低下

勉強に集中するのが難しい子にとって、大人からの評価は軽いものではありません。

勉強ができない子だと先生から思われていれば、自分自身でもそう思い込んでしまいます。

親に対して申し訳なさを感じるケースもあるでしょう。

こういった状況のままサポートを受けずに過ごすと、自己肯定感の低下にもつながります。

低すぎる自己肯定感は、誰にとっても良い状態とは言えません。

勉強へのさらなる抵抗感を招くこともあるでしょう。

自己否定の感情が精神的な二次障害などを引き起こしてしまう場合もあります。

はやい段階からの支援がないことによって、事態が悪化してしまうおそれもあるのです。

 

勉強への過剰な苦手意識

勉強のやり方さえ工夫すれば伸びる子でも、サポートなしには限界もあるでしょう。

支援を受けずにモチベーションだけ下げてしまうと、勉強嫌いが加速しやすくなります。

学習そのものに対する拒否につながってしまうことは大きなデメリットです。

自分でできたという自己効力感を味わえず、苦しい状態からなかなか抜け出せません。

反対にこれが得意だと自覚できるものがあれば、そこから少しずつ自信が芽生えていきます。

周囲の理解と適切な支援さえあれば、お子さんの将来的な選択肢も増えるでしょう。

 

最適な勉強方法

学校で机に座って黒板に向かうことだけが勉強のやり方ではありません。

お子さんの特性に適した、やりやすい学習方法を見つけてあげましょう。

 

勉強を毎日やる習慣づくり

自宅学習は短い時間から少しずつはじめていくのがポイントです。

もしも興味のある分野を見つけたら、そこで強みを伸ばしていけるかもしれません。

ここで肝心なのは無理をさせないことになります。

最初から高い目標にしてしまうと、できなかったときの落ち込みに結びつきます。

たくさんの勉強量をこなすのではなく、少しずつでも毎日やることに意味があるのです。

 

勉強机以外での学習

ほとんどの家庭で子供部屋には学習机が用意されています。

しかしこの机に座ってじっとしていること自体に、違和感を覚える子もいるはずです。

落ち着かない場所や状況で勉強するのは簡単なことではありません。

大勢にとっては当たり前のことでも、誰でも同じとは限らないのです。

もしもお子さんが机に向かうのを苦手としている場合、強制は良くありません。

スタンディングデスクにしてみたり、歩きながら単語帳を開いたりしてみましょう。

やり方に変化を加えることによって、勉強しやすい姿勢が見つかるかもしれません。

静かすぎる環境など、音や明るさが集中の妨げになることもあります。

リビングに移動したり、図書館で勉強したり、工夫をしてみると良いでしょう。

ただし、様々な物が目に入ることで集中の妨げになるなら効果は薄いかもしれません。

スマホやテレビを見るたびにそちらへ気持ちが向いてしまう子も多いでしょう。

そういった場合には余計な物で集中が途切れない環境を作るのがベストです。

たとえばスマホや漫画本などを引き出しに入れてしまえば視界には入りません。

もし途中で気になっても、スマホを取り出すというワンクッションを挟むのは少々手間です。

注意がほかの所へ向いたり、実際の行動に移したりするのを妨げる工夫を考えましょう。

短時間の集中を毎日続けていれば、少しずつ慣れてくるはずです。

 

教科書以外を活用

文章のみの説明に抵抗感を覚える場合、テキストの再選択を検討してみましょう。

文字が少なくイラストや図などを使った説明ならばスムーズに理解できるかもしれません。

歴史ならマンガ形式のタイプもあります。

理科なら写真を多用してあるテキストも多いでしょう。

お子さん自身にとって取り組みやすい教材選びは、学習の手助けになります。

目で見ながら直接覚えられるので、興味や関心を寄せやすくなるでしょう。

また、デジタルデバイスが普及した現代では様々な媒体を教材にできます。

たとえばスマホアプリは、古語や英単語をスキマ時間で覚えるのにちょうど良い助っ人です。

動画には授業形式のものや、堅苦しくないタイプの講義も投稿されています。

勉強のやり方に決まりはありません。

お子さんに合った教材を一緒に探してみると良いでしょう。

 

発達障害のお子さんのサポート

お子さんのサポートのためには、全体的な支援と学習支援の両軸が必要です。

安定的な気持ちと勉強への意欲を考え、総合的なサポートを実施していきます。

 

学校や医療機関

学校でのお子さんの様子を知るには、学校との連携が欠かせません。

スクールカウンセラーがいる学校もあるので、相談体制を作っておきましょう。

特性の有無は医師による判断が求められるため、医療機関の受診も大切です。

専門的な支援を期待できるので、ご両親にとっても精神的なゆとりにつながるでしょう。

 

支援団体や公的な窓口

児童相談所や公的な支援センターのほか、民間の支援団体などもあります。

公的機関には相談窓口があり、必要な支援を求められるでしょう。

民間団体の場合は勉強面の支援も兼ねている場合があります。

ウェブサイトなどでも調べられるので、適したサポートを探してみると良いでしょう。

 

家庭教師による学習指導

家庭教師による学習指導は最適なサポートの1つとなります。

お子さんにとって適切な勉強時間や勉強量をしっかり見極められるでしょう。

苦手意識を高めずに使える教材選びでもアドバイスをもらえます。

机に向かって授業を受ける形式に抵抗があっても、家庭教師ならマンツーマンスタイルです。

お子さんに合わせた方法で自由な学習指導ができます。

指導場所も自宅内なので、お子さんに適した環境を作りやすいでしょう。

周囲との比較をすることなく、実力を伸ばすための支援が可能です。

まとめ

発達障害のお子さんに最適な勉強方法を解説しました。

周囲の理解や最適な環境づくりなど様々なポイントがあります。

お子さんの自己肯定感を高めるためには、勉強面のサポートも大切です。

家庭教師の指導も検討しながら、適した学習環境を作り上げましょう。

 

ガンバ  今村 剛