高校受験の志望校選びで戸惑う生徒は多くいます。保護者の方にとってもわからないことだらけでしょう。

何から考えればいいのかまとまらず、焦りだけが募ってしまいますよね。

しかし志望校を選ぶときは、焦らずじっくり考える必要があります。本人にとって何が重要でどういう高校生活が送りたいのか。選び方のポイントもいくつかあるので、それを踏まえながら高校受験に備えましょう。

 

高校を選ぶときのポイント

まず最初に、高校を選ぶときには焦りや周りの押し付けは禁物です。

将来のことにもつながるので、お子さんの気持ちを最優先に考えましょう。

重要なのは親や先生の希望ではありません。

お子さん自身が何をしたいかです。

また、将来のことも含めて考えていく必要もあります。

大人になったらやってみたいことや、就きたい仕事がすでにある子もいるはずです。

やりたいことがある程度決まっていると、中学卒業以降の目標を立てやすくなります。

たとえば、就職よりももっと前の段階で待ち構えているのは大学受験です。

夢を叶えるための環境が整った大学を、数年後のお子さんは目指しているかもしれません。

それではどの高校に行けば、夢に1歩近づくための大学入試に備えられるでしょうか。

高校にはそれぞれ進学実績というものがあります。

どの大学に何人くらいの生徒が合格しているか、公開している高校が多いです。

そのため進学実績の豊富さは、志望高校を決めるときのポイントの1つになるでしょう。

気になる大学への進学実績が多ければ、適切な環境で勉強に集中しやすくなります。

もちろんまだ将来の夢が決まっていなくても大丈夫です。

中学の段階ではっきりした目標を持っている人は多数派ではありません。

ただし将来を踏まえた上での、自分にとっての正しい選択は必須です。

厳しくなさそうだから、制服が可愛いからなどという目先の理由で選ぶのは控えましょう。

広い視野を持って進路を考えていけば、合格後には充実した高校生活を送れるはずです。

高校受験の志望校の選び方

高校を選ぶときのコツはいくつかあります。

要点をチェックしていくと何校かに絞り込めるでしょう。

校風が自分に合うかどうか

一つ目は校風。

高校はどこに行っても同じようだと思う人もいるかもしれません。

しかし実際には校風はそれぞれ異なります。

ホームページを調べただけでも、その高校が何を重視しているかがわかるはずです。

たとえば進学率が同じくらい高い学校でも、環境は全く違うことがあります。

一方は勉強にとても力を入れており、学習合宿などを実施しているかもしれません。

他方でも生徒の学力は高いものの、校風は自由で私服登校かもしれません。

IT教育が盛んな学校や、グローバル人材育成に強い学校など、内容も様々です。

それらの校風とマッチしていなければ、たとえ名門校でもお子さんは楽しく過ごせません。

学校の雰囲気をよく調べた上で、希望に沿った選択が不可欠となります。

 

実力と高校のレベルを照らし合わせる

二つ目はレベル。

中学でも受験が近づくと模擬試験を受ける機会を得られます。

模試の判定で出た自分の偏差値は、志望校選びに活用できる材料です。

また、高校にもそれぞれの偏差値があります。

自分のレベルと高校のレベルを比較すると、志望校として適切かどうかがわかるでしょう。

ただし模試の結果はあくまでも目安です。

その時点で志望校の偏差値に届いていなくても落ち込む必要はありません。

反対に志望校の合格ラインをすでに超えているなら、ワンランク上を目指すこともできます。

数値として現れている偏差値を確認すれば、ある程度選択肢を絞り込めるはずです。

 

環境と設備面を見る

三つめは環境や設備です。

高校の環境は学校によって大きく異なります。

部活に力を入れているところもあれば、勉強重視の方針もあるでしょう。

文武両道を目指している学校や、IT教育に強い環境を整えている学校もあります。

設備面を見ると、その学校が重視している部分がいくらか見えてくるはずです。

たとえば大きなグラウンドにランニングトラックがあるとします。

その高校は陸上競技の強豪校かもしれません。

ICT環境が整った教室が多ければ、情報通信の技術向上に力を入れているのでしょう。

部活や文化活動や、もちろん勉強でも、やりたいことをやれる環境は大切です。

高校でも部活を楽しみたいなら、大会実績を事前に調べましょう。

先端技術の分野に進みたいなら、授業のIT導入や設備面をチェックしておくべきです。

整った環境であればあるほど、力は伸ばしやすくなります。

 

指定校推薦枠の有無

四つ目は進学について有利かどうか。

大学受験のことまで視野に入れて高校を選ぶなら、指定校推薦枠も踏まえましょう。

指定校推薦とは、大学が指定した高校の生徒だけが応募可能な推薦入試の形式です。

合格率が高いため、推薦枠がある高校に在籍していると受験の上で有利になるでしょう。

入学後に高い内申点を維持できていれば、希望大学への入学に近づけます。

しかし推薦枠がないからといって、一気に不利になるわけではありません。

合格実績も含めて調べておくと、目標に向かって進みながら高校生活を送れるはずです。

 

 

高校を選ぶときの注意点

高校を選ぶコツがあるのと同様に、やってはいけないこともあります。

失敗したと思って後悔しないよう、事前にチェックしておきましょう。

 

高校の名前だけで決める

有名な高校や偏差値の高い学校は、受験生やその保護者にとって魅力的です。

あの高校に受かったのだと、誰かに自慢している自分を想像してみることもあるでしょう。

しかし名門校だからといって、校風がお子さんの理想通りとは限りません。

偏差値が高く優秀な学校であっても、やりたいことができなければストレスになります。

ブランドや周囲からの評価ではなく、中身の教育内容で選びましょう。

 

仲良しグループで同じ高校を受ける

中学で仲良くなった友達同士で、一緒に受験しようと約束するパターンがあります。

無事に全員受かったとしても、入学後にその選択が最善になるとは限りません。

友達の意見に左右されず、自分の学力や希望進路に沿った考えが必要です。

 

自分で考えずに大人の意見を受け入れる

親や先生にすすめられたから受験するというパターンも中学生にはよくあります。

アドバイスもときには必要ですが、周囲からの押し付けは良くありません。

高校に行くのはあくまでお子さん自身です。

お子さんが自分できちんと考え、希望した高校を受験できるように見守りましょう。

 

通学距離を考える

意外と見落とされがちなのが、学校と自宅との距離の問題です。

高校ではバス通学や電車通学の人も増えるでしょう。

少し遠い場所から電車を乗り継いで登校してくる生徒もいるはずです。

しかし往復するだけで2時間も3時間もかかっていると気疲れしてしまいます。

単純な距離だけではなく、交通の便も考慮に入れておくべきです。

バスや電車をいくつも乗り継いだり、間の待ち時間が長かったりすると負担が増えます。

時々行って帰ってくるだけならまだしも、高校は毎日通う場所です。

部活動の時間帯や、猛暑と寒波の時期などを踏まえ、無理のない範囲内で検討しましょう。

 

志望校選びに困ったら

最後にアドバイスです。

志望校選択のポイントはわかっていても、実感がわかないこともあります。

そのため実際に高校へ行ってみるのも1つの手段です。

夏休みになると多くの学校でオープンスクールや説明会が実施されます。

その機会に足を運んでみると、高校の様子を体感できるでしょう。

夏休み以降になったら、志望校についての考えを少しずつまとめていく時期になります。

公立校の願書提出は2月が多いです。

推薦や私立との兼ね合いもあるため、11月くらいまでに候補をあげておきましょう。

家庭教師を普段から頼んでいると、スケジュール上のアドバイスももらえます。

候補の学校を受験した子を過去に指導したことがあれば、そのときの話も聞けるでしょう。

全体的な受験アドバイスもできるので、困ったときに相談できる指導者がいると安心です。

 

まとめ

高校受験志望校の選び方について説明しました。

高校受験の仕組みを知って正しい勉強をする方法>>

注意点やポイントなどいくつもありますが、参考になるところはあったでしょうか。

成長するにつれて子供が自分で何かを選択する機会は増えていきます。

公立中学に通っている場合、高校入試は初めての受験になるでしょう。

自分で考えて自分で選び、お子さん自身が納得のいく進路を目指すことが重要です。

高校のオープンスクールも利用しながら、志望校を自由に選ばせてあげましょう。

大人の意見の押し付けは厳禁ですが、アドバイスや後押しが必要なこともあります。

家庭教師など受験のプロの手助けもあれば、自分の選択にお子さんが自信を持ちやすいです。

強制はせずに温かく見守り、親子でも十分に話し合うようにしましょう。

受験勉強に困ったら家庭教師も検討して下さい。

ガンバ  今村 剛