お子さんが勉強嫌いで、先行きが心配になご両親は多いのではないでしょうか?あまりにも勉強嫌いが強すぎると、授業についていけなくなるかどうかも不安になると思います。
親が何とかしなきゃと思って勉強を見ても、小学校の勉強内容も大きく変わってきていますし、親子だとどうしてもうまく行きません。ついつい焦って勉強しないお子さんに頭ごなしに叱ってしまい、落ち込むこともあるのではないでしょうか。
怒ってしまう前に、小学生をやる気にさせるためのポイントはいくつかあります。まずは原因を考え、それから対応策を考えてみましょう。
なぜ勉強のやる気が出ないのか
やる気が出ない原因は人それぞれですが、勉強嫌いな子には、やる気が出ない原因にある程度の傾向も見られます。
勉強が楽しくない
小学生に限らないですがことですが、ゲームやマンガが好きな子は、誰に言われなくても自発的に遊びはじめますよね。これはゲームやマンガが楽しいからです、あたりまえですが。
しかし、勉強となるとこの意欲は途端に失われます。これは勉強が楽しくないからです。
勉強はつまらないもの、退屈なものというイメージが強いと、当然ながら意欲は出ません。親や先生に言われてしぶしぶ机に向かうことはあるでしょうけど、この場合は自発的な行動ではなく、あくまで強制されてしている行動です。やりなさいと言われたこと以外に、自ら挑戦することはないですよね。むしろ周囲の大人から「やりなさい」と言われ続けることで、さらに反発心や苦手意識を高めてしまいます。
楽しくないことをやり続けるのは大人でも簡単ではありません。「やりなさい」と強制するばかりではなく、まずは勉強に興味を持たせる必要があります。
自己評価が低い
勉強をがんばったことを褒められる子には、少しずつ成功体験が重なっていきます。学校のテストでよい点が取れれば、さらに自己肯定感が高まります。しかし、はじめから全てがうまくいく子は多くありません。テスト前に勉強したのに、思ったほど点数が取れないこともあります。勉強ができるクラスメイトと自分を比較して落ち込むこともあるでしょう。せっかく頑張っても、努力自体も褒められずに結果だけを叱られてしまうと、自己評価は下がる一方です。もちろんむやみに褒めればよいというものではありませんが、努力を認めてもらえるかどうかは、その後の意欲に大きく影響します。がんばってもどうせ怒られるという意識があれば、やる気が出ないのも当然なのです。
完ぺき主義
完ぺき主義と聞くとなんでもできる人のようなプラスのイメージがあるかもしれません。しかし、完ぺき主義は上手に使いこなさないと、逆効果になってしまうことがあります。
完ぺき主義の問題点として最も多いのが、失敗をおそれてチャレンジしなくなることです。すでに理解できる問題を解けば正解ばかりが手に入りますが、それよりも難しい問題に挑戦したら、不正解になるかもしれません。そのことが気になって、不正解になることを怖がり自発的なステップアップができなくなるのです。そのため、周りの大人がプレッシャーをかけてしまうのはやる気を削いでしまうことになるかもしれんせん。
また、たとえ間違えても「なんでできないの?」と叱りつけてしまうのは厳禁です。「次はがんばろう」と言って励ますことを第一としましょう。
他には「勉強ができる子」という周囲からの評価が本人の負担になることもあります。ほめるときは「勉強ができてすごいね」ではなく、「がんばってえらいね」にしましょう。がんばる姿勢そのものを評価すれば、挑戦や失敗をおそれなくなります。
どうやって勉強すべきかが分からない
算数ならば教科書を開けば問題の解き方が丁寧に解説されています。自主的に取り組むのが得意な子は、それを見て自分で問題に挑戦するでしょう。一方で、たとえば国語の教科書を開いたとします。様々な題材の文章が掲載されていますが、そこにテストでの答え方は書いていません。自分で考えて工夫するという習慣が身についているかどうかが、ここに大きく関わります。
何が分からないのかが分からない
小学生に限ったことではないですが、何が分からないのかが分からないということは、勉強嫌いな子に起こりやすい状態です。勉強のやり方以前に、自分のどこに弱点があるのかを見つけられずにいます。しかし、これは問題集などで、間違えてしまった解答に注目することで改善できるでしょう。
たとえば算数のドリルを1ページ解答したとします。丸とバツでチェックを入れていき、何問正解できたかを気にする子は多いはずです。ですが本当に重要なのは、正解できなかったところです。整数の問題では丸がついていることがほとんどかもしれません。問題の式に分数が入ると、バツばかりになってしまうなら分数が苦手な可能性があります。
しかし勉強嫌いな子の多くは、見直しや復習をおろそかにしてしまいがちです。解答を間違えても、もう一度考え直すことなくそのままにしてしまうのです。それでは自分がどこを理解できていないのか、ポイントを見出すことができません。その結果やる気も損なうという悪循環におちいってしまいます。
やる気を出させる方法
勉強嫌いな子に対してやる気を出させるのは難しいですが、ちょっとしたことで改善するケースもあります。当てはまるポイントがないか確認してみましょう。
好奇心をいだかせる
勉強に興味を持てないなら、教科書ではなくマンガやアプリ、動画なども使ってみましょう。歴史の教科書はつまらないけれど、歴史漫画なら楽しいかもしれませんね。問題集はすぐに飽きても、教材アプリや動画ならば集中できる子もいます。そんな感じで、勉強は楽しいものだと思えるきっかけを見つけましょう。
遊びの延長として勉強をはじめられれば、その場限りではなく長続きします。
ちょうどいい目標を作る
はじめから大きな目標を立てても達成するのはとても難しいです。あまりに挫折ばかりを経験してしまうと、さらにやる気をなくしてしまいます。まずは小さな目標から、少しずつステップアップしていければ大丈夫です。
小さな目標をクリアする度に、達成感も得られるはずです。
短時間の勉強を繰り返す
目標と同じように、1回の勉強時間は長ければよいというものではありません。小学生の集中力の持続時間を考えれば、10分や15分のスパンが適しているでしょう。字を15分練習したら5分休み、次の15分で算数の問題を解くようなサイクルです。
短い時間ならダラダラせずに済むので、効率的な学習になります。
勉強しやすい環境づくり
盲点となりやすいのが、勉強する場所の環境です。部屋の中が散らかっていると、あちこちに意識が向きやすくなります。人の集中力は思っているよりも続かないものです。テレビのリモコンやお菓子の袋を見ただけで、勉強への意識は途切れてしまいます。
また、環境と同じくらいに、心身のコンディションも重要です。早寝早起きの習慣を身につけ、勉強しやすい状態に整えましょう。根を詰めすぎても続かないので、ストレッチなどでリフレッシュできるとベストです。
勉強の効果的なサポート
勉強嫌いのやる気を出させるためには、周りからのサポートも必要です。無理のない範囲でお子さんの意欲を高めてあげましょう。
子供の勉強に親も加わる
勉強するときに親が一緒にいると、安心を感じる小学生は多いです。分からないところを教えるだけではなく、反対に質問してみるのもよいでしょう。
お子さんの興味対象を広げるために、一緒に出掛けるのもメリットが大きいです。たとえば理科が苦手な子なら、博物館や科学館がいいのではないでしょうか。恐竜の化石を見て面白いと思えば、理科の教科書を開くようになるかもしれません。地理や歴史が苦手な子なら、親子で一緒に街歩きや史跡めぐりをしてみましょう。
教科書ばかりではなく、実物を実際に目で見ることにより、好奇心は少しずつ芽生えます。
家庭教師を利用する
勉強のやる気がなかなか出ない場合は、他人に頼ってみるのも一つに手です。塾や家庭教師にお願いしてもいいかもしれませんね。どうしても親子だと感情的になりやすいですし・・・
意欲的に自主学習に取り組んでいても、自分だけの力ではどこかでつまずくかもしれません。小学校の低学年なら、ご両親も解答のポイントをさり気なくアドバイスできると思いますが、5年生や6年生になってくると、大人でも難しいと感じることが増えてきます。そんなときに年の近い人がいれば、学校の要領に沿った正しい教え方もできます。何が分からないか分からないという問題にも、1対1で見ていれば対応できるので安心ですよね。
環境の整った家庭内で、勉強へのやる気を維持できるはずです。
まとめ
今回は、勉強嫌いな小学生をやる気にさせる方法を解説しました。原因から対処法まで様々ありますが、参考になったでしょうか。とにかく、勉強の強制や、できないことへの批判はしないように注意しましょう。まずは努力そのものを褒め、そのうえで改善策を考えていきましょう。家族で一緒になって勉強することでお子さまの意欲を作ることもできますが、逆に意欲をそいでしまうこともあります。成長と共に、塾や家庭教師などの手を借りていきことも視野に入れて、お子さんにとって最適な勉強法を探して下さい。
ガンバ 今村 剛