2020年から、小学校でプログラミングの授業が必修科目となります。これによって、子供向けのプログラミング教室などが注目を浴びています。子供向けのパソコンや教材なども多く発売されている、いま話題の子供のプログラミング教育について見ていきます。
プログラミング教育とは?
そもそもプログラミング教育とはどのようなものなのでしょうか?小学生からコンピューターについて学ぶことで、早い段階から学習に必要な情報を自ら集めるための手段として利用できるようになることが目的とされています。また、プログラミングを習得することで、コンピューターでやりたいことができるようになることなど、子供の興味や知識の幅を広げることができます。
つまり、パソコンを使って文字を入力するだけでなく、しくみや扱い方を深く理解できるようにするということです。具体的には、算数や理科の学習をする際にパソコンを使って、図形を描くこともあります。
パソコンを使用しながら、「プログラミング的思考」を身につけることも目的としています。プログラミング思考とは、自分がやりたいことをやるには、何をどのようにして、どのように組み合わせれば、効率的にできるのかのプロセスを考える力のことです。
この思考を身につけることで、パソコンのことだけでなく、日常の生活でも効率的に物事を考えるようになります。また、問題を解決する方法を自ら考えることができるようになると言われています。
現在では、インターネットなどから入る情報量が多すぎる状況です。そんな中でも、自分の目的に合わせて必要なものだけを選択して自分なりに組み合わせて答えを見つけることが大事です。プログラミングの授業は、パソコンの知識だけにとどまらず、色々な場面で役立つものです。
これからの将来、人工知能などがますます発達して、人間の仕事が減っていくと予測されています。どのような仕事に就くとしても、コンピューターやロボットと関わっていくことになるでしょう。そのような状況でも、自分自身で仕事を生み出し、生き抜いていく力を持つことが重要となります。
海外ではこのような取り組みをすでにおこなっていて、イギリスでは、2014年に5歳~16歳の必修科目となっています。その他にも、アメリカやフランス、韓国、香港などでもすでにプログラミング教育は一般化しています。
プログラミングにはまず、言語を理解しよう!
プログラミングには、ますプログラミング言語と呼ばれるものを理解することが必要となります。プログラミング言語とは、コンピューターに対して、命令を出す専門の言葉のことです。
どのようなコンピューターに命令を出したいかによって、その種類も異なります。プログラミング言語には様々な種類があります。
システム開発、アプリ開発、ゲーム開発、ホームページの作成などはすべてプログラミング言語を使用しています。計算ソフトや、家電の制御、出退勤の管理などはシステム開発によりできたものです。いまや普段の生活に欠かせないものとなっています。
また、スマートフォンを使っている人ならかならず利用しているアプリですが、これもプログラミング言語によって作られています。プログラミング言語が理解できればアプリを作ることができるので学生がアプリを開発して大人気となったという事例もよくあります。
プログラミング言語は多種多様で何百種類以上もあります。その中でも、子供向けのものがいくつかあります。
まず代表的なところで「C#(シーシャープ)」があります。プログラミング言語の基礎とも言える「C言語」がありますが、これは、1970年代に開発された古くからあるものです。幅広く利用されていて、自由度も高くなっています。しかし、難易度は高く難しい言語のひとつです。
このC言語をベースに、2000年にマイクロソフトが発表したものが「C#」です。従来のC言語よりもシンプルで使いやすいという特徴があります。C言語を利用して、ゲームを開発したり、スマートフォンのアプリも作ったりすることができます。
次に、「Javascript(ジャバスクリプト)」があります。こちらは、ゲームの開発、パソコン向けアプリの開発など幅広く利用できるのが特徴です。現在、多くのプログラマーがこの言語を利用していると言われています。初めてプログラミングをする人も特別な設定をすることなく、すぐに使うことができます。
Ruby(ルビー)と呼ばれる言語は、日本人によって発表されました。日本人によって作られたので、日本語の資料も多くあります。ルールも分かりやすく、短い時間で習得することができます。今後も更なる発展が期待される言語です。
そして、「Swift(スウィフト)」は、Appleが発表した言語で、アイフォン向けのアプリを作る時に使われています。Macでしか利用できないことや、初心者にはやや難易度が高いため、習得するには時間がかかるでしょう。
他にも、子供向けに開発された「Scratch(スクラッチ)」があります。子供でも分かりやすく、プログラミング言語を知らなくても楽しめるものとなっています。アメリカの大学で開発されたもので、世界各国で使われています。
子供向けのプログラミング教室でも数多く使用されていて、テレビで紹介されたことでも話題になりました。可愛らしいキャラクターが登場するので子供も遊びとしてプログラミングを学ぶことができます。
キーボードで文字を入力するようなものではなく、命令ブロックと呼ばれる、指示がかかれたブロックを動かして、自分の好きなように組み立てていきます。
キャラクターを動かすだけでなく、ゲームも作ることができ、インターネットを通じて世界各国にいる人と共有もできます。自分で作ったゲームを誰かにプレイしてもらうことができ、他の人が作ったゲームで遊ぶなど色々な楽しみ方があります。
このScratchをベースに日本の文部科学省が開発したプログラミング言語が「プログラミン」です。コンセプトはScratchと同じですが、より分かりやすい内容となっています。自分で描いたイラストを動かして遊ぶこともできます。こちらは、文部科学省の公式ページから無料で使うことができます。
自宅で学ぶ?それとも教室に通わせるべき?
学校のクラスに合わせて、専用の教室で学ぶ人や、自宅でソフトを使うという人も増えてきています。自宅で学ぶ場合は、費用が安く済むというメリットがあります。また、自分のペースで学習できるのもポイントです。
一方、教室に通わせるには、費用がかかりますが、メリットもたくさんあります。まず、分からないところがあれば、その場で講師に質問できます。分からないままになってしまうと、なかなか先へ進む事ができません。家庭で、子供にプログラミングについての質問をされても答えられないという親御さんも多いはずです。
また、教室では友達と一緒に学べることも魅力です。プログラミングは、学習というよりも、遊びに近い感覚です。一緒に、試行錯誤することで自分には無いアイデアを教えてもらったり、友達が作ったものをより良くしていく工夫などが芽生えたりします。
決まった時間、決まった場所へ通うとなると送迎などが大変ということもありますが、自宅ではなかなかやる気が起きない、という子には向いています。先生や友達とのコミュニケーションを通して学校とは違う人間関係を作ることもできます。
まとめ
小学生で必修科目となるプログラミングについて見てきました。大人でも、プログラミング言語がどのようなものなのか、理解するのは難しいと言えます。
しかし、これからの社会ではプログラミングを学ぶことは、生きる力を身につける上でとても重要になってくると考えられます。楽しみながら、色々なことを学べると良いですね。