「子どもが総合高校を受けたいと言っているが、どんな高校?」

「総合高校の入試ってどんな入試なの?」

「そもそもうちの子に合うのかな?」

 

こんな疑問をお持ちの保護者の方は、意外と多いのではないでしょうか。

確かに中学生のお子さんを持つ保護者の方にとって、「総合高校」というワードはあまり馴染みがないかもしれません。でも、総合高校の特徴や入試の傾向を知れば、お子さんに合うのかどうか、そしてどのような受験対策をすればよいのかが見えてきます。

そこで今回の記事では「総合高校」に注目し、次の内容について解説します。 

・総合高校とはどんな高校か

・総合高校の入試事情

・どんなお子さんに向いているのか

・総合高校の受験対策

 高校受験で総合高校をご検討中の方、総合高校について知りたい方、総合高校の入試や受験対策について知りたい方はぜひ、ご参考にしてください。  

 

総合高校とはどんな高校?

まずは総合高校とはどんな高校かを深堀りしていきたいと思います。 

 

総合高校とは

総合高校とは「総合学科」を設置している高校のことです。1994年に導入された比較的新しい学科です。

それまで高校は「普通科」と「専門学科(工業、商業など)」に大きく分かれていました。一方「総合学科」は、普通科の勉強と専門学科の勉強の両方から選択して学ぶことができます。

普通科、専門学科に続く「第3の学科」と呼ばれることもあります。

 

普通科:国語、数学などの共通教科・科目を中心に学ぶ

専門学科:工業、商業などに関する専門教科・科目を中心に学ぶ

総合学科:共通教科・科目と専門教科・科目にわたる幅広い選択科目の中から選択して学ぶ

 

ですので、総合高校では通常の学科よりも幅広い選択肢があります。その中から生徒自身の個性を生かしつつ、生徒自身が自分で将来の進路を考えて自分で科目を選択していきます。

文部科学省の「(令和3年3月)高等学校教育の現状について 」の資料によると、令和2年時点で総合学科を設置している学校数は「381校」と、増加傾向にあります。

 

総合高校にはどんな特色があるの?

総合高校の具体的な特色として、下記の6つが挙げられます。  

① 将来に向けた自分の時間割をつくることができる

② キャリアガイダンス・キャリア教育が充実

③ 課題発見・課題解決能力が培われる

④ 地域と連携した様々な取組がある

⑤ 公立の学校が多く、授業料の面でも安心感がある

⑥ 通常と比較して少人数の授業が多い

 

それぞれをもう少し詳しく見ていきましょう。 

 

①将来に向けた自分の時間割をつくることができる

前項目でもお伝えしたように、総合高校では通常の学科よりも幅広い選択肢があります。基本的に「単位制」となっていて、大学のように自分で履修する科目を選びます。

例えば、数学や国語などの普通教科もあれば、情報や福祉などの専門教科もあるというように、バラエティに富んでいます。

その中で生徒は自身の将来を考えながら、自分だけの時間割をつくることができるのです。

 

②キャリアガイダンス・キャリア教育が充実

将来を考えながら時間割をつくっていくには、自分のやりたいことや強みなど、適性や個性の発見も大切です。自身の進路や生き方についても、考えなければなりません。

総合高校ではこうした進路や生き方についての学習や指導に力を入れており、夢や進路に近づくにはどの科目を選択すればよいのかなどの「キャリアガイダンス」が充実しています。

多くの場合、2年次から「情報系」「国際系」「福祉系」など、より自分の進路に沿って学ぶことが可能です。

また、総合高校ではキャリア教育として、地域や産業界等との連携や企業等で職業体験を行うインターンシップなどを取り入れているところが多くあります。

このように様々な人に関わったり職業に触れることで、自身の進路や将来についてより深く考えることができます。

 

③課題発見・課題解決能力が培われる 

総合高校ではただ与えられたことをこなしていくのではなく、自ら課題を見つけて考え、答えを出す学習を大切にしています。

そのため、多くの学校で課題研究に積極的に取り組み、発表の機会も設けています。発表することで表現力やコミュニケーション能力を培うことにもつなげています。

 

④地域と連携した様々な取組がある

主体性を学ぶ手段の一つとして、総合高校では地域との連携も多くあります。

地域の人々との関わりを通じて学んでいく中で、地域の中で自分がどのような貢献ができるかを自ら考えられるよう取り組んでいます。

 

⑤公立の学校が多く、授業料の面でも安心感がある

総合高校の多くは公立高校であり、授業料の負担が小さい点も見逃せません。

特色のある教育を受けたい場合、これまでは私立高校が一般的でした。このような特色を持ちながら公立の授業料で通えるのは、家計にも優しいと言えると思います。 

 

⑥通常高校と比較して少人数の授業が多い

お伝えしたように、総合高校では個々で授業を選択して学びます。選択肢も多いため、必修科目以外の選択科目では、一つひとつの人数が少なくなるケースがほとんどです。

少人数の授業では先生とのコミュニケーションも取りやすく、きめ細かいフォローなども期待できます。特に専門的な授業の場合、少人数であれば先生の知識により深く触れることができるでしょう。

 

総合高校の入試事情

総合高校の入試は、学校によって通常の高校受験とは違った内容で行われるケースが多いです。

推薦入試も一般推薦や自己推薦など数多く実施されているため、志望する総合高校の過去の入試情報を必ずチェックしてみましょう。

以下にいくつか例を挙げるのでご参考になさってください。(各学校の入試要項より当社にて一部抜粋)

 

【A校 一般推薦入試例】

個別面接

作文

調査書

 

【B校 自己推薦(特色選抜)入試例】

5教科(英、数、国、理、社)

志望理由書

集団面接

実技(スポーツ、芸術など) 

 

【C校 一般入試例】

5教科(英、数、国、理、社)

 

このように、入試方法は多岐にわたります。特徴として、

・志望理由

・作文

・面接(個別、集団)

・実技(スポーツ、美術、音楽など)

 

など、5教科にプラス、あるいは5教科以外に上記のような、特色のある方法と内容を重視した選抜が行われているケースが多くなっています。 

一般的な高校入試と比較すると、お子さんの個性や意欲、一般科目以外の能力や適正などに重きを置いている傾向にあると言えます。

 

総合高校はどんなお子さんに向いているの?

 ここまで総合高校の特色や入試の特徴についてお伝えしてきました。では総合高校はどのようなお子さんに向いているのでしょうか? 

多様な学び方ができる総合高校には、次のようなお子さんにピッタリと言えます。 

・色々なことにチャレンジしたい

・まだ将来の進路がはっきりと決まっていない

・高校に入ってから進路や将来の夢をみつけたい

・なんでも自分で考えて決めていきたい

・より実践的な学びを体験したい

・好奇心が旺盛

・少人数での授業やワークが向いている

・勉強づけの毎日より様々な可能性を試したい 

 

反対に、難関と言われる大学への受験を希望している場合や、大人数の中で競い合ったりたくさんの仲間を増やしたい場合、やりたいことが明確に決まっている場合は総合高校ではなく、それぞれに合った高校を選択する方がベターかもしれません。

いずれにしても、気になる総合高校があれば説明会やオープンスクールに参加し、実際にお子さんの目で見て体感してみることをおすすめします。

 

総合高校の受験対策とは

魅力の多い総合高校ですが、前述の通り入試方法も多様化しています。そこで気になるのが、総合高校の受験対策です。

一般的な高校受験の対策は次の3つがあります。

①塾

②家庭教師

③通信講座

中でも塾は最もスタンダードではないでしょうか。これらは総合高校の受験対策でも同じだと思います。

一方で、総合高校に向いているお子さんの特徴で挙げた「少人数での授業やワークが向いている」という点に注目した場合、塾であれば個別指導、もしくは家庭教師が向いていると言えます。

また、推薦入試の多い総合高校の受験では、調査書(内申書)が配点の多くを占めるケースもよくみられます。

ですので、総合高校受験対策として普段の定期テストや副教科などの成績を上げ、内申点を良くしておくことも大切です。

もし勉強があまり得意ではない場合、お子さんの苦手な部分や伸ばしたい部分、志望校への対策など、お子さんの状態やニーズに合わせたカリキュラムが組める家庭教師がおすすめです。

反対に受験勉強に対しても自分でどんどん主体的に取り組めるお子さんの場合、通信講座がおすすめかもしれません。

内申点を上げるには、次の記事もご参考ください。

 

【関連コラム】

副教科で高校受験の内申点に差をつけよう!家庭教師の活用方法も解説

 

まとめ

今回は総合高校について、特色や入試事情、向いているお子さんの特徴や受験対策について解説しました。

総合高校は個性や意欲を大切にし、主体性を伸ばしつつ、様々な体験を通して将来の目標や進路をみつけられるという特色を持った高校です。

向いているお子さんにとっては、最適な学びの環境と言えるでしょう。

お子さんの希望や性格、実際にオープンスクールへ足を運んだ際の感想など、総合的にみて受験するかどうか決めることをおすすめします。

 

※もし、わからないことなどありましたら、お気軽にご連絡ください。相談だけでも大歓迎です。

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