中学生は部活動や学校行事などで忙しくて、3年間が本当に「あっという間」に過ぎてしまいます。そんな中で、高校受験の勉強にも取り組まなければなりません。高校受験の勉強をいつから始めるべきかは、多くの保護者やお子さんが悩むところだと思います。保護者の皆さんの中には、

「うちの子は今中1だけど、高校受験勉強はいつから始めればいいのかな?」

「中3でまだ本格的に始めていないけれど、大丈夫かな?」

など、心配されている方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、高校受験の勉強を始めるタイミングは、中学生のうちにいくつかあります。今回は高校受験勉強をいつから始めるべきかについて詳しく解説するとともに、よくある質問にQA形式でお答えしているので、ぜひご参考になさってください。

 

高校受験勉強はいつから?|中学3年の春

高校受験勉強は、一般的に「中学3年生の春」からスタートするケースが多いようです。まずは次のグラフをご覧ください。

高校受験勉強はいつから始めるかの参考になる校外学習費の合計

出典:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」を基に作成

こちらは文部科学省が調査した、「令和3年度子供の学習費調査」の結果より、学校にかかる費用とは別にかかる学校外学習費として、「家庭内学習費、通信教育・家庭教師費、学習塾費」を合計したものです。

特に公立中学校では、中学3年生からグッと増加していることが分かります。中学3年生の春から始めるお子さんが多い理由と、学習のポイントは次の通りです。

 

中学3年の春から始める人が多い理由

理由として、次の3点が考えられます。

①中学校最高学年となった自覚が芽生える

②受験に関する情報が増える

③受験に向けた授業内容が増える

高校合格という大きな目標のための受験勉強をするには、やはり気持ちの切り替えが必要です。中学3年生は中学校の最高学年であり、お子さんにも「いよいよ中学3年生になった」「つぎは高校生だ」という気持ちがわくタイミングです。そのため、高校受験勉強へ向けた心の準備が整いやすい時期と言えます。

学校でも受験に関する情報が増えてくるのもこの時期です。進路指導が活発になったり、さまざまな高校の冊子やポスター、オープンスクールの案内掲示なども増えてきます。

また、学校の授業内容が高校受験の範囲に直結することが多くなり、学校によっては高校受験対策が授業に取り入れられ始めます。模試なども増えるでしょう。

そのため、学校の勉強と受験勉強を並行して進めやすくなります。お子さんが塾等に通っている場合、塾でも模試が増えたり高校受験に関する情報が増える時期でもあります。

 

中学3年生の春から始める場合のポイント

まず中学3年生の春から高校受験勉強を始めるメリットとして、次の2つが考えられます。

①自分の学力を客観視できる機会が増える

②しっかりと基礎固めをする時間をとれる

これらのメリットを活用して学習に取り組むのがポイントです。たとえば受験本番までに受けた模試や定期テストの結果によって、自分の学力を客観的に把握することができます。

そうすれば、自分の弱点や得意な部分を見つけやすくなり、高校受験までの勉強計画を効率的に立てられるのです。また、まだ受験本番までには日数的な余裕があるため、ここまでの復習など基礎固めをする時間を取ることができます。

春から始めて夏休みまでをめどにして、得意不得意の把握や基礎固めをしておくことで、夏休みからより本格的な高校受験勉強に取り組むことができます。

中学3年生の春から高校受験勉強を始めた場合、「夏休みに集中して苦手科目に取り組めた」「早めに志望校対策へ切り替えられた」といった話は多く聞かれます。

 

高校受験勉強はいつから?|中学3年生の夏

いつから高校受験勉強を始めるかのタイミングとして、「中学3年生の夏」頃も多いです。理由は部活動の引退時期が夏頃であるケースが多いからです。

部活動が盛んな多くの学校では、中学3年生の6月〜8月辺りの夏頃まで活動が続きます。特に運動部では「6月の大会で引退」「夏の大会で引退」といったケースが多く、それまで高校受験勉強の時間をなかなか確保しづらい場合もあります。

このような場合、中学3年生の夏、あるいは夏休みから本格的に受験勉強を始めることが多いようです。

 

中学3年生の夏から始める場合のポイント

しっかり部活をこなして夏から始める場合のポイントは、次の4つです。

①悔いのないよう最後まで部活動を頑張る

②引退したら気持ちを切り替える

③夏休みを最大限有効活用する

④時にはリフレッシュも必要

夏休み前の6月〜7月や夏休み中に部活を引退した場合、そこから集中して高校受験勉強に取り組みます。もちろん、それまで部活と勉強が両立できていればよいのですが、どうしても比重が部活動に傾いてしまうことも多いですよね。

まずは何より、お子さんが部活動を「最後まで精いっぱいやった!」と思えることが大切だと思います。ひとつのことに一生懸命打ち込んだことがあるお子さんは、受験勉強も頑張れる傾向にあります。そして部活動が終わったら、気持ちを高校受験勉強に切り替えましょう。

また、夏休みは勉強時間を確保できる貴重な休みです。13時間勉強したとしても、3時間×30日=約90時間も勉強できます。これが16時間だと約180時間、18時間だと約240時間になります。

特にこれまで部活動をメインにしてきた場合、16時間〜8時間を勉強にあてて夏休みに集中的に遅れを取り戻したり、本格的な高校受験勉強に取り組むお子さんも多いのではないでしょうか。

自宅学習が難しい場合は、夏休みに塾や家庭教師などを上手に活用するという選択肢もいいと思います。夏休みの学習については次の記事もご参考ください。

<関連コラム>夏休みの高校受験対策は家庭教師で大丈夫?メリット・デメリットや塾との比較も解説

 

気持ちを切り替えて勉強に集中することはとても大切ですが、一気に勉強づけになるとストレスがたまってしまうことも。時にはリフレッシュも必要です。特に運動部に所属していたお子さんは、体力が余ってしまうこともあります。勉強の合間に軽く体を動かしたり、週に1回程度は思い切りスポーツをする時間をとるのもおすすめです。

 

高校受験勉強はいつから?|中学2年生

中学2年生のうちに高校受験の勉強を始めるお子さんも増えています。始める時期は様々ですが、高校入試の1年前頃にあたる冬頃から始めるケースが多いようです。中学2年生から始める場合の理由と勉強のポイントは、次の通りです。

 

中学2年生から始める理由

中学2年生から高校受験勉強を始める理由は、大きく分けて次の5つが考えられます。

①中学2年生までの学習内容が高校受験の基礎となるため

②部活動と両立させるため

③受験に対する時間的余裕を得るため

④受験勉強にむけて習慣づけするため

⑤保護者の意向

高校受験のベースは、中学2年生までに学習する内容と言われています。そのため、中学2年生でこれまでの基礎をしっかり固めておくことで、3年生からの応用問題や過去問対策にスムーズに取り組めるようになります。

部活動をしているお子さんは物理的にも勉強にあてる時間が確保しづらいため、早めに高校受験を視野に入れた勉強に取り組んでおくというケースもあります。

また、早めに取り掛かることで受験まで時間的な余裕が得られます。ぎりぎりになって「間に合わない」という事態を避けられたり、早めに始めることで推薦入試や内部進学などで有利になる可能性も高くなります。

早くから模試を受けることで自分の学力を把握できたり、苦手箇所の克服にも有効です。もちろん、受験勉強の習慣化を目指す目的もあります。

上記のの理由は、そのまま中学2年生から始める場合のメリットになります。これらを含めて、中学2年生から高校受験勉強を始める理由は、保護者の意向も大きいと思います。

 

中学2年生から始める場合のポイント

中学2年生から高校受験勉強を始めるとメリットが多そうですが、ちょっとしたポイントもあります。

①モチベーション維持の工夫をする

②学校の勉強内容とのバランスを取る

③過度なプレッシャーが掛かるのを避ける

受験勉強は長丁場になればなるほど、モチベーションが保てなくなることがよくあります。小目標の設定やご褒美など、モチベーションを維持できる工夫を取り入れることも大切だと思います。

また、早くから高校受験勉強に偏りすぎると、学校の定期テストなどで点が取れないなどのケースも時々あります。内申点にも影響がでるため、バランスの取れた学習計画を立てる必要があります。

意識が高いことはとても素晴らしいですが、逆に早くから高校受験を意識することで、お子さんも保護者の方も、プレッシャーを感じてしまうことがあります。過度なプレッシャーは気持ちの上でよくありませんので、家族でのお出かけやレジャーなど、適度に息抜きをしながら取り組むのがおすすめです。

 

よくあるQ&A

最後に高校受験勉強をいつから始めるかに関するよくある質問と回答を、QA形式でお伝えします。

 

Q1:中学3年生からでも間に合いますか?

多くのお子さんが中学3年生から本格的に高校受験勉強を始めています。ですので、あきらめる必要はありません!お子さんに合った勉強法を見つけ、計画的に取り組みましょう。

Q2:中学1年生から始めるのは早すぎますか?

「中学2年生から始める理由」でもお伝えしたように、高校受験勉強を早めに始めると多くのメリットがあります。ただ、あまりに早くから受験を意識しすぎると、プレッシャーが徐々に大きくなってしまう可能性もあります。

また、中学1年生では進路や志望校についてまだ決められないお子さんが大半ではないでしょうか。ですので、中学1年生から始める場合は、受験対策というよりもまずは「基礎学力の定着・向上を目指す時期」ととらえて取り組むのがおすすめです。

もちろん、お子さんの勉強に不安を感じている場合や、お子さんが高い目標を持って頑張りたいと思っている場合などは、状況や意向に合わせて早めに始めることは大切だと思います。

Q3:高校受験勉強は塾や家庭教師が必要ですか?

高校受験勉強は、自宅学習でも十分に対策することが可能です。もちろん、塾や家庭教師を上手く活用することで、より効率的な学習をすることができます。

塾では高校受験に特化したカリキュラムが組まれています。また、専門の講師の指導を受けられたり、学力や目標に合ったクラスに所属して他のお子さんと競い合う中で、学習意欲が高まることもあります。

家庭教師でも高校受験に対応したカリキュラムがあります。完全個別指導なので、お子さんの学力や得意・不得意、性格、そして生活リズムなどに合わせたきめ細かい指導を受けることができます。

塾や家庭教師を利用する際は、お子さんの性格や学力、ご家庭の状況などによって最適な学習環境が違ってくるため、慎重に選ぶことが大切だと思います。

家庭教師選びに関しては、次の記事もご参考にしてください。

<関連コラム>家庭教師を選ぶ際の重要ポイント7

 

まとめ

高校受験勉強は「中学3年の春」から始めるお子さんが多いようですが、中学1年生や2年生から早めに始めることで得られるメリットもたくさんあります。なので、入試の1年前辺りにあたる中学2年生の冬前後から始めるお子さんも多いと思います。

いずれにしても、お子さんに合ったタイミング、そして勉強方法で計画的に取り組むことが目標を達成する上で大切ではないでしょうか。高校受験勉強をいつから始めるかお悩みの方はぜひ、参考にしてください。

 

                                 監修:家庭教師のガンバ 有馬

 

家庭教師のガンバでは無料の体験授業をやっています。家庭教師をやる・やらないは全く別ですので、お気軽にお試しください。

家庭教師のガンバ無料の体験授業について詳しくはコチラ

また、受験対策をはじめとした、お子さんと保護者の方に役立つ様々な情報を発信しています。ご興味のある方はぜひ、ご参考にしてくださいね。

受験対策・入試について