高校受験に関するさまざまな選択の中でも、「どの高校に行きたいか」という『志望校選び』は、とても大きな選択のひとつです。とはいえ、
「高校は偏差値だけで決めてもOK?」
「どうやって志望校を決めればよいかわからない…」
とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、数多くの受験生を応援してきた家庭教師のガンバが『志望校の決め方』に焦点を当てて、志望校を決める際の実践的な方法を5つのステップにまとめてご紹介します。
あわせて志望校を決める上で迷ったときの解決策についてもお伝えしますので、これから志望校を選ぶ中学生や保護者の方はぜひご参考になさってください。
志望校の決め方|5つのステップ
志望校を決めるには、次の5つのステップを順に考えていくとスムーズです。
ステップ① お子さんの学力・意向の分析
志望校の決め方で大事なはじめの一歩は、『自己分析』です。自分に合った志望校を選ぶためには、まずは自分を知っておくことが欠かせません。
しっかりと自己分析をしておくことで、自信を持って自分に合った高校を選んでいくことができます。お子さんご自身に自己分析を任せてみるのもよいですし、保護者の方と一緒に会話をしながら、お子さんの学力や希望を確認していくのもよいと思います。自己分析では、
・興味や関心のあること
・得意な科目、苦手な科目
・学力、偏差値
・将来の夢や目標
・性格
・生活スタイル
・体力、健康状態
などの項目について考えてみます。これらを理解しておくと、志望校を決めるステップの中で確かめておきたいポイントが自分に合っているかどうかを判断しやすくなります。
ステップ② 高校の種類と特色を調べる
個別の高校を調べる前に、高校の種類等の違いによる特徴を理解して、自分に合いそうな高校を考えてみましょう。
【運営による違い】
高校は、どこが運営しているかによって次の3種類に大きく分けられます。
・国立高校
・公立高校(県立、市立など)
・私立高校
国立高校、公立高校、私立高校にはそれぞれに特色があるので、運営母体の違いによる特色を理解しておきましょう。
【生徒の性別による違い】
また、高校は生徒の性別によって、次のようにも分けられます。
・男女共学
・単性別(男子校、女子高)
自分は男女共学がよいのか、単性別がよいのかも考えておくとよいでしょう。
ステップ③ 高校の情報収集
ステップ②をふまえて、次は高校ごとの情報を集めていきます。情報収集の方法は主に次の3つが考えられます。
・オープンスクールや説明会への参加
・兄弟・先輩・保護者(ママ友)からの情報
・インターネットの口コミ
オープンキャンパスや説明会への参加
オープンスクールや高校の説明会に参加することで、パンフレットやウェブサイトでは分からないリアルな校風や、高校の雰囲気を感じ取ることができます。
オープンスクールでは実際の授業の見学や体験、部活動の見学などができますし、教室や特別教室、体育館や食堂などの各施設も見学できます。
オープンスクールや説明会には指定がない限り親子でも参加できるので、実際にお子さんや保護者の方が目で見て感じて確かめてみましょう。
兄・姉・先輩・保護者(ママ友)からの情報
お子さんのお兄さんやお姉さんが通っている高校であれば、より信頼性の高い情報が得られます。中には兄弟が通っていてよさそうだから同じ高校を志望するお子さんも多いのではないでしょうか。
他にも部活や近所の先輩、塾の先輩など、既に高校に通っている生徒や、高校生のお子さんを持つ保護者等からの情報も参考になります。
ただし他人からの情報はあくまでも参考程度にし、流されることなく、お子さん自身やご家庭に合った選択をするように心掛けることも大切です。
インターネットの口コミ
インターネットでは、まずは高校の『公式サイト』を情報源として活用しましょう。公式サイトには多くの場合、進学実績や学費などが掲載されています。
他には教育系サイトなど信頼性の高いサイトを参照することが大切です。高校の偏差値やクチコミなどを参考にしつつ、こちらも流され過ぎることなく冷静に情報を活用することが失敗の少ない志望校の選び方につながります。
ステップ④ 確認すべきポイントをチェック
受験したい候補に入りそうな高校の情報が集められたら、いくつかの確認しておきたいポイントをチェックしておきましょう。確認すべきポイントとして、次の内容が挙げられます。パーフェクトでない場合でも、この中で外せない条件など優先順位を付けて確認しておくと良いと思います。
①学力・偏差値:お子さんの学力に合っているか、大きく上下していないか
②学校の雰囲気・校風:お子さんの性格や適性に合いそうか
③カリキュラム・進学実績:カリキュラムや進学実績や進路がお子さんの目標に合っているか
④部活動・課外活動・学校行事:興味のある部活動・課外活動・学校行事が充実しているか
⑤通学の距離・時間:通学時間、利便性、通学費用の観点から三年間通えそうか
⑥学費・経済的負担:学費はどれ位か、奨学金制度はあるか
⑦校舎や施設の充実度:設備や学習環境が整っているか
⑧生徒サポート体制:サポート体制が充実しているか(進路、生活、学習、カウンセリングなど)
⑨卒業生の活躍:卒業生が社会で活躍しているか、ネットワークの有無
ステップ①の自己分析がしっかりできていると、これらの確認ポイントがお子さんの学力をはじめ、希望や目標、性格や適性と一致しているかどうかが判断しやすくなります。
ステップ⑤ 家族や先生と相談
最後に、お子さんが受験したいと思った高校をリストアップし、お子さんとその家族、場合によっては学校の先生、塾の先生、家庭教師の先生等としっかり話し合います。この時の、次のポイントに気を付けましょう。
・感情的にならない
・お子さんの意見を尊重する
・現実的な選択肢を考える
・先生のアドバイスを適切に活用する
・ゴールを見失わない
親子間ではつい感情的になってしまいがちです。なるべく冷静に、かつお子さんの気持ちを尊重する姿勢で話し合いを行うと、お子さんの本心を聞くことができます。
また、担任の先生や塾・家庭教師の先生のアドバイスも話し合いの中に組み込んでみましょう。親子以外で信頼できる人物のアドバイスは子どもの心に入りやすいものです。
また、話し合いの中で大切なのは「ゴールを見失わない」ことです。高校受験、とりわけ志望校選びのゴールは、単に「志望校に合格すること」だけではなく、『お子さん本人が満足し、充実した高校生活を送ることができる学校を選ぶこと』だと思います。これを念頭に置いて話し合うとよいと思います。
お子さんと保護者の方の意見が一致しない場合の解決策は、次の項目(志望校の決め方|迷った時の解決策)でもお伝えするのでご参考にしてください。
志望校の決め方|迷った時の解決策
最後に、志望校を決めるときによくある質問や悩みとその解決策をいくつか挙げてみました。志望校の決め方で迷った時のご参考にしてください。
「公立高校」か「私立高校」かで迷ったら?
志望校を決める際に、公立高校か私立高校かで迷うケースも多いです。解決策としては、『公立高校と私立高校の違い(学費、教育方針、進学実績)をよく理解する』ことです。
一般的に公立は学費が安く、通学も比較的近くて通いやすいため、近隣や地元から通う生徒が多いという特徴があります。古くからある学校も多く、学校の評判や特徴に関する情報が得られやすいという面もあります。
一方で私立は生徒の通学範囲が広いため、場合によっては通学に時間がかかることもあります。また、私立高校は独自の教育方針を掲げていたり、学食やその他の設備が充実している場合が多いです。
以下に、公立高校と私立高校で迷いの種となりがちな経済面での悩みに関して、決め方の例をご紹介します。
【例】私立高校に行きたいけれど学費が気になる場合
「△△の部活動が盛んな私立A高校を受験したいけれど、私立高校は学費が高そうで迷っている」
「自分の行きたいコースがある私立B高校を受験したいけれど、経済的に厳しいかも」
【解決策】
私立は無理と決めつけないで、可能な手段を考えたうえで受験を検討するとよいと思います。
①各私立高校に奨学金制度や補助金制度がないか調べる
②国の高校無償化(高等学校等就学支援金制度)が利用できないか調べる
③自治体独自の高校無償化(高等学校等就学支援金制度)の有無と利用の可否を調べる
④学費以外の費用(制服、施設費、塾代など)を計算してみる
上記①~③を活用できないかを検討してみましょう。また、④のように学費以外にどのような費用がかかるかを調べて概算してみるのも大切です。
国の高校無償化(高等学校等就学支援金制度)については次のサイトもご参照ください。
<関連リンク>文部科学省HP/高校生等への修学支援
お子さんと保護者の意見が一致しない
お子さんが希望する高校と、保護者の方が希望する学校が一致しないというケースも多々あります。基本的にはお子さんの気持ちを尊重して志望校を決めていくのだと思いますが、一致しなくて悩むケースでは一般的に次のような構図となっています。
・お子さん:自身の興味、理想、安直な理由(友達と一緒など)
・保護者:現実的な選択(将来の安定性、学費)
【例】
お子さん1:「制服がかわいいから〇〇高校に行きたい」
お子さん2:「親友の〇〇ちゃんと同じ高校を受けたい」
保護者:「卒業後の進路や学力がお子さんの性格や目標と合わないように感じる」
【解決策】
やはり、まずは親子での話し合いが大切になります。お子さんの考えや希望を尊重しつつも、親の立場からでしかわからない現実的な意見を伝えると良いと思います。
また、中立的な第三者(担任の先生、塾や家庭教師の先生など)の意見を取り入れるのもおすすめです。現実的な意見を伝える際は、次のような、いわゆるエビデンスがあるとお子さんも納得しやすいです。
・模試の結果
・学校見学や説明会で得た情報
・通学時間や費用などの具体的な数字
お子さんへ頭ごなしに説得するのではなく、お互いに納得できるよう、理解し合える現実的な選択肢を探ることで、後悔の少ない選択をすることができるはずです。
日程や費用が許すのであれば、どうしても受けたい高校があれば受けてみるのもひとつです。
まとめ
今回は『志望校の決め方』について、5つのステップとよくある悩みの解決策についてお伝えしました。繰り返しになりますが、志望校を決める際の最終的なゴールは、『お子さん本人が満足して充実した高校生活を送ることができる学校を選ぶこと』だと思います。
しっかり自己分析をし、学力や進学実績などに限定せず、お子さんの興味や価値観、将来の目標への道筋をよく考慮して、高校生活での成長や満足感が得られるであろう高校を選ぶことが大切です。
ぜひ今回の記事をご参考いただき、悔いのない志望校選びにお役立てください。
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