文部科学省による「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、令和5年度の小・中学校における不登校児童生徒数は346,482人と、前年度から47,434人(15.9%)増加しています。

実に11年連続の増加であり、人数は過去最多です。詳しくは≫

「休み明けから学校を休みがちになった」

「学校に行ってないので勉強の遅れが心配」

「ずっと不登校だけど、高校受験は大丈夫かしら」

このようなお悩みをお持ちの保護者の方も、年々増えていると実感します。不登校はお子さん本人はもちろん、支えている保護者の方にとっても様々な悩みや不安、葛藤などを抱えられているのではないでしょうか。

不登校のお子さんの場合、目標や進み方は大きく分けて次の2つになると思います。

1.学校へ戻る

2.学校へ戻らず受験する

一方で新学期を迎える節目では「学校に行ってみようかな」という気持ちになりやすいタイミングでもあります。

不登校となった理由や再登校時の不安のひとつに「学習面の遅れ」がありますが、この不安を取り除くだけでも新学期への一歩が踏み出しやすくなります。

そこでこの記事では、年間100人以上の不登校のお子さんの家庭教師をお任せいただいている私たちの経験から、「不登校のお子さんが新学期への第一歩を踏み出す」ためのサポートとして、家庭教師の活用方法を体験談を交えてご紹介します。

 

不登校のお子さんが抱える主な課題とは?

お子さんが不登校となるきっかけは様々あります。前出の文部科学省の調査によると、「不登校児童生徒について把握した事実」として中学生では、

・学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった(32.2%)

・不安・抑うつの相談があった(23.4%)

・生活リズムの不調に関する相談があった(22.1%)

・学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた。(15.5%)

・いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題の情報や相談があった。(14.4%)

の順に多くなっていました。

【出典:文部科学省HP「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」】

 

こうした中で、お子さんたちは日々成長や葛藤をしながら、新学期から学校へ行ってみようかな」「でも大丈夫かなと、学校へ戻ることを考え始めているのではないでしょうか。

では不登校から学校へ再び戻るにあたって、お子さんが抱えやすい課題にはどんなことがあるのでしょうか。主な課題として、下の6つが考えられます。

学習の遅れ

生活リズムの乱れ

社会性の発達の遅れ

自己肯定感の低下

心理的な不安やストレス

将来への不安

 

新学期への課題:学習の遅れ

まず「学習の遅れ」が課題として挙げられます。休んでいる間は授業を受けてないケースがほとんどなので、いざ出席しても授業内容が理解できない可能性があります。

せっかく登校しても今度は「授業が全く理解できない」という理由で不登校になってしまうことも。お子さん自身も、「授業についていけるだろうか」という不安を抱えているのではないでしょうか。

学習の遅れをそのままにしておくと、お子さん自身の自信の喪失や、「自分は勉強ができない」という自己評価につながってしまいます。

 

新学期への課題:生活リズムの乱れ

休んでいる間はどうしても生活リズムが乱れがちです。夜更かしが習慣化していれば、朝起きられず、昼夜が逆転していることがあります。

生活リズムの乱れから、体調に不調をきたしているケースもあります。元の生活リズムに戻すには、学校へ行く時間に合わせて起きられるよう早寝早起きから始め、外に出て日光を浴びる時間も持つのも効果的です。

 

新学期への課題:社会性の発達の遅れ

不登校の間を主に家で過ごしている場合、友達や教師との交流が少ないため、コミュニケーションの機会が減少しています。

そのため家族以外の他者と接することへの不安感が高まり、「久しぶりに友達とうまく話せるかな」といった不安を抱えているケースもよく見受けられます。

 

新学期への課題:自己肯定感の低下

「なぜ自分は学校へ行けないのだろう」というように、学校へ行けない自分を責めてしまう場合、自己肯定感が下がってしまうのも課題のひとつです。

この場合、友達などの他者と自分を比較して劣等感を抱きやすく、自己評価を低くしてしまいがちです。

 

新学期への課題:心理的な不安やストレス

不登校のきっかけが対人関係による強いストレスであった場合は、そのことや学校生活への恐怖が続いたり思い出されてしまい、不安を抱くケースがあります。

家族以外と接することに抵抗を感じ、外出や学校以外の対人関係に不安を感じることもあります。

 

新学期への課題:将来への不安

学校へ行っていないことで、進路や将来の選択肢が狭まるのではないかという不安を抱えているケースも多いです。

この場合、周囲からの言葉や期待を感じることで余計にプレッシャーを感じ、行動への妨げになることがあります。

不登校に関しては次の記事もご参考にしてください。

不登校生の家庭学習はどうすればいい?サポート方法とアプローチをご提案

・不登校の高校受験対策5選|向いているお子さんの特徴や家庭教師がおすすめな理由も解説

 

家庭教師はどんなサポートができる?

こうした状況の中、家庭教師がお子さんに対してできるサポートには次のことが挙げられます。

①学習の遅れに対するサポート

②社会性をはぐくむ(家族以外とのコミュニケーション)

③学習以外の悩みに寄り添う役割(ストレス、将来への不安)

④声掛けや目標達成による自己肯定感のアップ

それぞれについてもう少し具体的に解説します。

 

家庭教師のサポート:学習の遅れに対するサポート

家庭教師のメインは、やはり学習面の遅れに対するサポートです。学習の遅れがない、あるいは学習面である程度「できる」という感覚を持つことができれば、新学期に学校へ踏み出すハードルがずいぶん下がるはずです。

不登校時に家庭教師を活用して勉強するメリットは、主に次の4つです。

・完全個別指導でお子さんのペースで進められる

・通塾の必要がなく、人の目が気にならない

・自宅など慣れた環境で学習できる

・学習のリズムを整えられる

お子さんにもよりますが、不登校になった場合は塾へ通うのも難しい場合が多くあります。また、塾に通っていても気軽に質問できなかったり、周りの目が気になってわからない箇所を取りこぼしたままにもなりがちです。

その点、家庭教師であれば「慣れた環境」で、マンツーマンなので「人の目」が気にならず、お子さんの学習の進み具合に合わせて「お子さんのペースで」勉強できます。

学習の遅れを取り戻すだけでなく、お子さんの進み具合によっては先取り学習も可能です。また、課題と進捗の確認、勉強方法から指導することによって、家庭教師が授業をしない日もお子さんが少しずつでも勉強を進めることが出来るようにペースづくりも大切にします。

これによって学習のリズムが整えられ、生活リズムにも良い影響を与える効果が期待できます。

 

家庭教師のサポート:社会性をはぐくむ

家族以外とのコミュニケーションの機会が減っていたり苦手になっている状況で、慣れた環境で家庭教師の先生とやり取りをすることは、社会性をはぐくむ小さなステップになります。

お子さんによっては慣れるまで時間がかかる場合もあります。ただ、安心してコミュニケーションを取れる相手ができることで、学校で友達や先生と話すことへの不安が和らぐことにつながるのではないでしょうか。

 

家庭教師のサポート:学習以外の悩みに寄り添う役割

不登校のお子さんは、お伝えしたように学習面以外にも様々な不安や心配を抱えています。家庭教師と信頼関係が築けてきたら、学習以外にも次のような会話をする機会が増えると思います。

・日常のちょっとした話

・学校への不安

・将来や進路への不安

・人間関係の悩み

そうした中で、家族とも友達とも違う、先輩のような第三の視点で、お子さんの悩みに寄り添います。こうした場は、お子さんにとっていわゆる「サードプレイス」と言われる居心地の良い場所となり得るのではないでしょうか。

特に進路や受験に関しては、学習面のサポートも絡めたよき相談役として期待できます。

 

家庭教師のサポート:声掛けや目標達成による自己肯定感のアップ

家庭教師と取り組む学習では、通常、初めに学習計画や目標を立てます。達成しやすい小さな目標を立て、それを達成して成功体験を積み重ねることで自信がつき、不登校の間に下がりつつあった自己肯定感を少しずつ高めることができます。

また、家庭教師が適切に声を掛けることで、自己肯定感を高めることにつなげます。

 

不登校からの第一歩|家庭教師を活用した体験談

では実際に、不登校から家庭教師を活用して志望校へ合格したお子さんと保護者の方の体験談を、QA形式でご紹介します。

 

【不登校から劇的成績アップ!志望校合格体験談(一部抜粋)】

Q.合格までで1番辛かったことは何ですか?

お母さん:不登校になって 勉強がどんどん遅れてしまって、自信をなくしていたんですけども(高校を)選ぶ段階でも消極的になってたので、自分がやりたいことだったり目標だったりが見つからずにいたことがちょっとつらかったですね。

Q.家庭教師を始める前の心配点は何でしたか?

お母さん:先生との相性が合うかどうかというのが心配でした

Q.成績は上がりましたか?

お子さん:5教科が152点から242点になって英語が20点から80点になりました。

Q.家庭教師と塾で違うと思うところは何ですか?

お子さん:個人に合わせて授業を進められるところです。

お母さん:送迎がないこととマンツーマンで指導して頂けるところですね。

Q.先生の印象はいかがでしたか?

お子さん:自分のことをちゃんと見てくれている感じがして優しかったです。

お母さん:子供とすごく向き合ってくれる方でした。宿題も娘と相談をしながら娘のペースに合わせて出して頂いたのでとても良かったです。

Q.家庭教師で良かったことは何でしたか?

お母さん:先生が来られた時に娘が起きてなくて、対応にどうしようと思った時に曜日変更だったりとか先生の交換だったりとかとても親身に相談に乗ってくださったのでそういうサポートがとても良かったです。

お子さん:宿題が好きになったのと、勉強の楽しさがもう1回分かったことです。 勉強に全然関係ない話も先生とかに話したんですけどそれでも全然ちゃんと聞いてくれて笑ってくれました。

Q.これから家庭教師を始めようと思っている方へ一言お願いします。

お母さん:個人個人に合った学習プランを立ててもらえるのでとても良いと思います。

お子さん:塾と違って自分から行かなくても先生が来てくれるから気持ち的にすごい楽だと思います。人に教えてもらえることのありがたさを忘れないでいてほしいです。

 

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まとめ

お子さんが不登校になると、親子で不安や心配、時にはストレスを抱えてしまうと思います。保護者の方もどうすれば良いかわからないことが多く、戸惑うことも多いのではないでしょうか。

学校や公の相談機関、スクールカウンセラーやその他の支援機関などと関わりを持つほかに、学習面では家庭教師をうまく活用することで、ご家族の新たなサポーターとなり得ると思います。

もちろん焦らず一歩一歩進めていくことが大切ですが、お子さんが新学期などのタイミングで「一歩踏み出そうかな」という時の後押しとなるよう、家庭教師の導入も検討されてみてはいかがでしょうか。



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家庭教師のガンバ 編集チーム ありま

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