最近、「子供の姿勢が気になる…」そんな保護者の方も多いのではないでしょうか。
スマホやタブレット、ゲームなどの影響もあり、前かがみや猫背が習慣になっているお子さんが増えています。ただ、姿勢が悪いと集中力の低下や体調不良の原因になることも。
そこで今回は、正しい姿勢を身につけるためのポイントをご紹介します。家庭でできるちょっとした工夫で、姿勢はしっかりと改善できます。
姿勢が悪いとどうなるのか
まず、姿勢の悪さは集中力や学習効率にも大きな悪影響を及ぼします。例えば、前かがみや猫背が習慣になると、呼吸が浅くなり、体に十分な酸素が行き届きにくくなります。その結果、疲れやすくなったり、長時間の勉強に集中できなくなったりするのです。
また、首や肩、背中に無理な負担がかかり続けることで、肩こりや腰痛、頭痛の原因にもなります。これらは一時的なものではなく、慢性的な不調につながることもあるため注意が必要です。さらに、姿勢が悪いと視線が近くなり、目を酷使することになるため、視力の低下を引き起こすことも少なくありません。
最近はスマホやタブレットの使用が増え、気づかないうちに姿勢が崩れているお子さんも多いと思います。このような悪影響が積み重なると、将来的に体のゆがみが定着し、健康そのものに大きな影響を及ぼしてしまいます。成長期の時こそ、正しい姿勢を意識づけ、良い習慣を身につけていくことがとても大切ではないでしょうか。
イスと机の高さを見直す
正しい姿勢を保つためには、まずイスと机の高さがお子さんの体に合っているかを確認しましょう。机が高すぎたり、イスが低すぎたりすると、自然と姿勢が悪くなってしまいます。イスに深く座った状態で、肘が机の上に自然に置ける高さが理想です。必要に応じて、イスにクッションを置くなど調整してあげましょう。
足をしっかり床につける習慣をつける
イスに座ったとき、足がしっかり床についているかを確認しましょう。足が浮いた状態だと、姿勢が不安定になり、前かがみや猫背の原因になります。もし足が床に届かない場合は、足置き台を活用するのがおすすめです。足をしっかり支えることで、体の重心が安定し、自然と良い姿勢が保ちやすくなります。
スマホやゲームの時間を区切る
スマホやゲームを長時間続けていると、どうしても前かがみの姿勢になりがちです。これはいわゆる「スマホ首」とも呼ばれ、今や社会問題のひとつになっています。スマホ首とは、長時間うつむいた姿勢を続けることで、首や肩に大きな負担がかかり、コリや痛み、場合によっては頭痛やめまいを引き起こす状態のことです。
特に成長期の子供は、骨や筋肉がまだ柔らかいため、姿勢の悪化が体に与える影響が大人以上に深刻になることもあります。こうしたリスクを防ぐためには、スマホやゲームの時間をしっかり区切ることが大切です。例えば、「30分ごとに5分休憩を入れる」「1日の合計使用時間に上限を決める」など、無理なく続けられるルールを親子で話し合って決めておくと良いと思います。
また、単に時間を制限するだけでなく、スマホやゲームをする際の姿勢そのものも意識させてあげてください。画面に顔を近づけすぎない、背筋を伸ばして座る、足をしっかり床につける、といったポイントを日頃から声かけしていくことが効果的です。ゲームやスマホは完全に禁止するのではなく、上手に付き合うことがこれからの時代には欠かせません。
適度な休憩と良い姿勢を心がけることで、楽しみながら体への負担を減らすことができます。
姿勢チェックの声かけをする
お子さん自身は、自分の姿勢が悪くなっていることに気づいていないことがほとんどです。集中して勉強している時やスマホ、ゲームに夢中になっている時は、自然と前かがみになったり、背中が丸くなったりしがちです。そんな時、親が優しく「今、姿勢どうかな?」と声をかけるだけで、ふと自分の姿勢を意識するきっかけになります。
ただし、注意するばかりだとお子さんも嫌な気持ちになり、逆効果になってしまうこともあるので、バランスが大切だと思います。たとえば、「今、背筋伸びててかっこいいね」といった褒める声かけを積極的に取り入れ、良い姿勢をとれた時にしっかり褒めてあげることで、お子さんも「こうすれば良いんだ」と前向きに意識できます。
姿勢は一度で身につくものではありませんが、毎日のちょっとした声かけの積み重ねが、自然と良い姿勢の習慣につながっていきます。無理に直させようとするのではなく、親子で楽しく意識づけできる環境を整えていくことが大切ではないでしょうか。
背筋を伸ばすストレッチを取り入れる
長時間の勉強やスマホ、ゲームの使用が続くと、どうしても体が固まり、姿勢も悪くなりがちです。特に、前かがみの姿勢が続くと、背中や肩、首周りがこわばり、血流も悪くなります。そのまま放っておくと、疲れや集中力の低下だけでなく、肩こりや腰痛、頭痛といった不調の原因にもなりかねません。
そこでおすすめなのが、簡単にできる背筋を伸ばすストレッチを日常に取り入れることです。たとえば、両手を頭の上で組み、ゆっくり大きく背筋を伸ばすだけでも、縮こまった体がほぐれ、気分もリフレッシュできます。また、肩を大きく回したり、左右にゆっくり体を倒したりする動きも効果的です。
親子で「ちょっとストレッチしようか」と声をかけ合いながら、一緒に取り組むと、習慣になりやすくなります。1回のストレッチは短時間で良いので、休憩時間や寝る前など、生活の中に無理なく取り入れてみてください。姿勢改善だけでなく、心も体もリフレッシュできる良い時間になります。

親も良い姿勢を意識する
お子さんは親の姿をよく見ています。親自身が猫背だったり、だらしない姿勢でいると、無意識に真似してしまうものです。食事中やスマホを見るときなど、親も良い姿勢を意識してみてください。「お母さん(お父さん)も気をつけているよ」と伝えることで、お子さんも自然と姿勢を意識しやすくなります。
長時間同じ姿勢を避ける
どんなに良い姿勢で座っていても、長時間同じ姿勢を続けていると、体に大きな負担がかかってしまいます。特に、座りっぱなしで勉強やスマホ、ゲームをしていると、血流が悪くなり、筋肉や関節がこわばりやすくなります。その結果、肩こりや腰痛、頭痛といった不調の原因になるだけでなく、疲れや集中力の低下にもつながってしまうのです。
成長期の子供は体が柔らかい分、良い習慣を身につければ効果的ですが、逆に悪い習慣が身についてしまうと、体のゆがみや慢性的な痛みを引き起こすこともあります。また、幼少期から座りっぱなしの生活が続くと、将来的にエコノミー症候群や尿管結石といった深刻な健康リスクにもつながりかねません。そうしたリスクを防ぐためにも、意識的に体を動かす習慣をつけることが大切です。
例えば、30分ごとに立ち上がってストレッチをする、机の周りをぐるっと歩く、水を飲みに行く、といった簡単なことで十分です。家庭でも、「今ちょっと動こうか」と親が声をかけるだけで、お子さん自身も意識するようになります。長時間座りっぱなしを避け、こまめに体をほぐすことで、姿勢の崩れや体の不調を予防し、集中力も高まります。小さな積み重ねが、健康的な体づくりと良い学習環境につながっていきます。
姿勢改善グッズを活用する
最近は、子供向けの姿勢改善グッズも充実しています。イスに置く姿勢サポートクッションや、背筋をサポートするベルト、簡単に使える姿勢矯正グッズなど、家庭で無理なく取り入れられるものを選ぶのもいいと思います。ただし、グッズに頼りすぎず、最終的には「自分で良い姿勢を保つ意識」を育てることが大切です。
姿勢は、ちょっとした意識や環境づくりで大きく変わります。大切なのは、注意するだけでなく、具体的に「どうすれば良いのか」を一緒に考えることだと思います。机やイスの見直し、日常的な声かけ、親自身の姿勢の見本など、できることから少しずつ始めてみてください。
正しい姿勢は、集中力や自信にもつながります。無理なく、楽しく続けられる工夫を取り入れて、親子で姿勢改善に取り組んでみてください。
【参考文献】「大人になってこまらない マンガで身につく 正しい姿勢で元気な体」(金の星社/野井真吾監修)
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