「部活で頑張ってきたから、スポーツ推薦で高校に行きたい!」そう希望する中学生も多いと思います。特に競技成績に自信があるお子さんにとって、スポーツ推薦は自分の努力を活かせる入試方式のひとつです。

ただし、「実技ができればOK!」というわけではありません。スポーツ推薦は、出願できる条件が限られているうえに、選考方法も少し特殊。実技だけでなく、面接や調査書(成績・活動記録)なども含めて、総合的に判断されます。

つまり、スポーツだけを頑張っていれば大丈夫!というわけではないんです。この記事では、スポーツ推薦の基本から、出願の注意点、メリット・デメリットまでを詳しく解説します。

「スポーツ推薦って気になるな」という段階の人も、「本格的に受けてみたい!」という人も、ぜひ参考にしてください。

 

高校受験におけるスポーツ推薦の特徴

スポーツ推薦は「推薦入試」の中でも、少し特別な枠です。まずは、どんな高校で実施されていて、どんな内容なのかを見ていきましょう。

 

一部の公立高校と私立高校で行われる特別推薦枠

スポーツ推薦を行っている高校は、すべてではありません。たとえば東京都立高校の場合、令和7年度にスポーツ推薦(文化・スポーツ等特別推薦)を実施するのは約90校。都立高校全体の半分ほどです。

特定の部活動を強化したい学校が、競技経験のある生徒を募集するケースが多く、年度ごとに募集する部活動が変わることもあります。

また、公立ではスポーツ推薦を廃止する動きもあるため、事前の確認がとても大切です。

一方、私立高校では比較的スポーツ推薦を行う学校が多く見られます。学校の特色を出すために、特定の競技に力を入れるケースが多く、募集内容が毎年大きく変わることもあまりありません。

(参照:令和7年度文化・スポーツ等特別推薦実施校の選抜方法等一覧 | 東京都教育委員会

 

実技試験では「高校でも活躍できるか」をチェック

スポーツ推薦の入試では、募集している競技の実技試験が行われます。これは、高校の部活動でもしっかり力を発揮できるかを確認するためです。

実技の内容や評価基準は学校によって異なりますが、面接や調査書と同じくらい、もしくはそれ以上に重視されることもあります。練習の積み重ねが評価につながる入試ともいえますね。

 

学力よりも「部活動での実績」が評価される

スポーツ推薦で特に注目されるのは、これまでの競技実績や経験です。大会での成績だけでなく、練習態度やリーダーシップ、チームへの貢献なども評価の対象になります。

ただし、「学力がまったく関係ない」というわけではありません。調査書には成績も記載されるため、基礎学力が大きく不足していると不利になることも。日頃の勉強もおろそかにしないことが大切です。

 

中学生がスポーツ推薦で出願するための要件

スポーツ推薦は誰でも受けられるわけではなく、いくつかの出願要件を満たす必要があります。ここでは、多くの高校で共通して求められるポイントをやさしく解説します。

 

受験校が指定するスポーツで一定以上の実績があること

まず大切なのは、募集している競技で一定以上の実績や経験があることです。出願の基準は高校や地域によって異なりますが、各都道府県の教育委員会や高校の募集要項に詳しく書かれています。

たとえば、東京都教育委員会の資料を参考にすると、以下のような基準が目安になります。

・都大会ベスト8以上など、都道府県大会での上位入賞

・関東大会出場など、地区大会への出場または入賞

・国民スポーツ大会の都道府県代表として出場 など

このように、「高校のチームを強くできる実績」が求められています。もし自分がどのレベルに該当するかわからない場合は、顧問の先生に相談してみると良いです。

(参照:令和7年度文化・スポーツ等特別推薦実施校の選抜方法等一覧 | 東京都教育委員会

 

伸びしろがあればレギュラーでなくても大丈夫!

団体競技だと、「レギュラーじゃないと無理かな…」と不安に思う人もいるかもしれません。でも安心してください。高校が見ているのは、「今後の成長や活躍の可能性」です。

大会でのプレー内容や練習への取り組み姿勢が評価されることも多く、「今は控えだけど、努力を続ければ高校で伸びそう」と感じてもらえれば、合格のチャンスは十分あります。

 

評定(成績)が受験校の基準に達していること

スポーツ推薦では、成績(評定)の基準も設定されています。これは、高校に入学したあとに授業についていけなくなることを防ぐためです。

いくらスポーツの実績があっても、評定が基準に達していなければ出願できないケースもあります。特に私立高校では、競技力と学力のバランスを大切にしている学校も多いので、「部活だけでなく勉強もコツコツ頑張る姿勢」を見せることが大切です。

 

進学後も部活動を続ける意思があること

スポーツ推薦で入学するということは、高校でも部活動を3年間続けるという約束を意味します。推薦基準の中にも、「競技を継続する意思」が明確に書かれている高校がほとんどです。

高校は「チームを一緒に強くしてくれる仲間」を求めているため、途中で辞めることは想定されていません。自分の気持ちをしっかり確認しておくことが大切です。

 

高校受験におけるスポーツ推薦のスケジュール

では、実際にスポーツ推薦で受験する場合、どんな流れで進むのでしょうか?高校によって多少異なりますが、中学生のスポーツ推薦はおおよそ次のようなスケジュールです。

<スポーツ推薦の流れ>

 ※一般的なスケジュールを記載。学校ごとの詳細は、顧問や担任の先生、高校へお問い合わせください。

高校によって日程や提出書類が異なるため、志望校の募集要項は必ず確認しましょう。また、部活動の顧問や担任の先生と早めに相談して、スケジュールを共有しておくのもおすすめです。

 

高校受験におけるスポーツ推薦の試験内容

スポーツ推薦の入試内容は、主に次の3つで構成されています。

1.書類審査

2.面接

3.実技試験(募集競技)

私立高校では、小論文や作文を課す場合もあります。ここでは代表的な3つの試験内容を詳しく見ていきます。

 

① 書類審査

スポーツ推薦では、書類の内容がとても重要です。これまでの大会成績や活動実績、出席状況などが詳しく記載され、高校側は「この生徒がうちで活躍できるか」を丁寧に判断します。

また、成績や生活態度も評価対象になります。スポーツだけでなく、「学校生活全体で真面目に取り組めるか」も見られているんですね。

 

② 面接

面接では、提出した書類をもとに質問されることが多いです。たとえば、

・スポーツへの思い入れや、これまでの経験から学んだこと

・高校でどんな選手になりたいか

・部活動を3年間続ける覚悟があるか

といった内容が中心です。また、挨拶や受け答えなどの礼儀、チームでの協調性などもチェックされます。

ポイントは、自分の言葉でハキハキと話すこと。緊張しても、「この高校で頑張りたい!」という気持ちが伝われば大丈夫です。

 

③ 実技試験(運動能力・募集競技)

実技試験では、高校でも活躍できるだけの力があるかを確認されます。試験内容は「基礎的な運動能力」と「競技ごとの専門的スキル」に分かれます。

たとえば―

・基礎的な運動能力:50メートル走、立ち幅跳びなど

・競技ごとの専門性(例:サッカー):ドリブル・シュート・パスなど

普段から部活で練習していれば、特別難しい内容ではありません。基本の動きをしっかり確認しておくと安心です。

 

中学生がスポーツ推薦で受験する場合の高校選びのポイント

スポーツ推薦で高校を目指す場合は、「高校からオファーがあるケース」「自分から出願するケース」に分かれます。どちらの場合でも、高校を決める前にしっかり確認しておきたいポイントがあります。

 

オファーがある場合は、まず練習会に参加しよう

高校からのオファーは、多くの場合、秋ごろに中学校を通じて届きます。声をかけてもらえると嬉しい気持ちになりますが、すぐに出願を決めるのは少し待ってください。

実際に練習会に参加し、チームの雰囲気や指導スタイルを自分の目で確かめておきましょう。毎日の練習が合わないと、せっかくの高校生活が苦しくなってしまうことも。

練習会ではプレーのレベルだけでなく、監督や先輩たちの雰囲気から「自分に合う環境かどうか」を感じ取ることができます。

 

自分から出願する場合は、顧問や監督に早めに相談

自分からスポーツ推薦を希望する場合も、できるだけ早い時期に顧問や監督へ相談しましょう。先生が高校側に連絡を取り、練習会に参加できるよう調整してくれることが多いです。

実際に参加してみると、「この高校のレベルならついていけそう」など、進むべき方向がより明確になります。チームの目標や指導方針を理解する上でも、練習会は大切な機会です。

 

スポーツ推薦での受験を決める前に家族で確認しておくこと

スポーツ推薦で出願する前に、保護者の方と一緒に次の点をしっかり確認しておきましょう。

 

合宿・大会など、年間にかかる費用

強豪校になればなるほど、全国大会や遠征、合宿などで費用がかかることがあります。3年間部活動を続けるとなると、合計では大きな金額になることも。

家計に無理が出ないよう、事前に費用の目安を聞いておくことが大切です。学校説明会やオープンスクールでは、保護者の方から直接質問すると良いと思います。

 

万が一、部活を続けられなくなったときの対応

スポーツ推薦では「3年間部活動を続ける」ことが推薦条件に含まれている場合が多いです。ただし、けがや体調不良など、続けたくても続けられないこともあるかもしれません。そのような場合に「部活を辞めても高校に残れるのか」「他の進路に切り替えられるのか」を事前に確認しておくと安心です。

 

進学実績や進路サポート体制が自分の目標に合っているか

スポーツ推薦というと部活の強さばかりに目が行きがちですが、「高校全体としての教育方針」もとても大切です。

たとえば大学進学を目指している場合、その高校から希望する進路に進めるのか、どんなサポート体制があるのかを調べておきましょう。部活も勉強も両立できる環境なら、高校生活がより充実したものになります。

 

中学生がスポーツ推薦で受験するメリット

スポーツ推薦には、部活で培った力をそのまま活かせる魅力があります。主なメリットを整理してみます。

 

部活動での実績を入試に活かせる

中学での大会成績や練習での取り組み方が、そのまま評価につながります。試合での活躍やチームへの貢献が認められれば、学力以外の強みをアピールできます。

 

入学金や授業料が減免される場合がある

学校によっては「スポーツ特待生」として金銭面のサポートが受けられることがあります。入学金や授業料の一部、場合によっては全額免除になることもあり、保護者の方にとっては大きな助けになります(ただし制度や基準は学校ごとに違います)。

 

高いレベルの仲間と切磋琢磨できる

高校ではさらにレベルの高い仲間と練習することになり、技術だけでなく競技に向かう姿勢やメンタルも育ちます。大会での経験が増えることで、自信や視野も広がるのではないでしょうか。

 

中学生がスポーツ推薦で受験するデメリット

良い面がある一方で、見落としやすい注意点もあります。デメリットもしっかり把握しておきましょう。

 

部活を簡単にはやめられないプレッシャーがある

スポーツ推薦で入学すると、基本的には3年間部活動に所属することが期待されます。途中で辞めたくなっても簡単に辞められない場合があり、精神的・身体的に負担を感じることもあります。

 

高校でレギュラーになれるとは限らない

中学でレギュラーだったとしても、高校はさらに競争が激しい場所です。入学後に補欠になる可能性もありますし、期待通りの立場を得られないこともあり得ます。

 

学力レベルが高い学校では勉強との両立が難しいことも

進学実績の高い学校では授業内容もハイレベル。練習量が多いと勉強時間が圧迫され、両立が難しくなることがあります。学業とのバランスも事前に考えておく必要があります。

 

まとめ | デメリットを理解した上で選べば、スポーツ推薦は魅力的な選択肢

中学生にとって、スポーツ推薦は部活動での成果をそのまま未来につなげられる魅力的な入試制度です。競技での実績や将来性を評価してもらえる点は大きな強みになります。

ただ、入学後の練習環境や費用、勉強との両立、万一辞めざるをえない場合の対応など、事前に確認しておくべき点も多いです。練習会に参加して雰囲気を確かめ、保護者の方としっかり話し合い、自分の将来像に合った選択をしてください。



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