時代の変化とともに増え続けているのが、子供の不登校。
「不登校=親への甘え」と言う人もいますが、実際はそんなことはありません!
大人だって気分の浮き沈みがあるように、子供だって毎日学校でさまざまなことがあり、心理状態が不安定になる時期もあります。
ある日を境に子供が不登校になった時(なり始めた時)、親はどう関わるべきか不安な気持ちでいっぱいでしょう。
今回は、不登校の子供の状態を把握するための、4つの時期と7つのタイプを紹介します。
タイプ別の親の関わり方についても解説しますので、参考にしてください。。
4つの時期で子供の変化を確認しよう
なぜ不登校になったのか、子供への対応や関わり方を見つける前に、今の子供の状態を知っておくことが大切です。
子供の気持ちに合わせて、不登校の状態は次の4つの時期に分けられます。
時期 状態
前駆期 ・学校を休み始める前の段階
・心理状態のバランスが乱れる
・学校へ行くことを無理している
・原因は子供による
進行期 ・不登校が始まった
・心理状態が急降下し、落ち込みが激しい
・勉強の拒否や体調不良など訴える
混乱期 ・不登校になってからしばらく経過した
・沈んだ気持ちが停滞している(最低ライン)
・今の状態の良し悪しについて少しずつ考え始める
・親から見ると進行期と差別がつけにくい
回復期 ・学校へ行くことへの葛藤が始まっている
・気持ちの切り替える時期を模索中
・外出する時間や日が増える
・混乱期と状態が似ている(親の判断が難しい時期)
不登校といっても、学校へ行かなくなった原因や子供の心理状態は一人ひとり違います。
不登校は少なかれ理由はありますが、はっきりとした原因がわからないケースも珍しくありません。
心理状態の時期によっては、親から話しかけられることや、ご飯の準備や勉強についてのお世話を厄介に感じることでしょう。
今、子供の心の中でどんな変化が起きているのか、親は慎重に見極めて対応することが必要です。
不登校になったら親はどうするべき?7つのタイプタイプで見る関わり方
誰だって学生時代、一度は「学校へ行きたくない」と思うことがあったはずです。
親となった今、子供が不登校になった時、どう関わり合うべきか悩みどころです。
不登校の状態は大きく分けると7つのタイプがあり、子供がどこに当てはまるかで親の関わり方は違ってきます。
親の対応に悩んだ時は、7つのタイプと関わり方について参考にしてみてください。
親と離れることが不安なタイプ
【特徴】
・親から離れて過ごすことへ不安を感じる
・集団行動に不安や恐怖を感じる
・親と一緒なら友達と遊んだり学校へ行ったりできる
・親に愛情表現を求める(スキンシップやどこが好きなど聞く)
親から離れることで不安になるタイプは、親といる時間が急に短くなる小学1年生から高学年に上がる時期に多く見られます。
不登校の原因は、親の愛情不足と思われがちですが、スキンシップをしっかり取っていても不安や恐怖心を覚える子供は少なくありません。
親の関わり方として、「不安や恐怖な時は助けてあげる」「親と一緒にいる時間を少しでも長くする」など、子供の精神面と親子の時間を今以上にとるサポートが必要です。
情緒が乱れやすいタイプ
【特徴】
・真面目で几帳面な性格(少しの妥協も許せない)
・大きな期待にプレッシャーを感じ混乱を起こす
・学校を休むことに後ろめたさを感じる
・神経質で思い通りに進まないとストレスを感じる
情緒が乱れやすいタイプは、普段から真面目で先生の言うことをしっかり守るタイプの子供に多いです。
テストの点数アップに向けて勉強したり部活動を頑張ったり、周囲の期待に答えるために頑張っていたのに目標をクリアできなかった時、情緒不安定になる可能性があります。
親の関わり方として、「子供のペースに任せる(親は長い目で見届ける)」「高い目標を立てず、少しずつ問題をクリアし自信をつけさせる」など、親だけではなく先生と一緒になったサポートが必要です。
好き嫌いはっきりタイプ
【特徴】
・不登校の原因がはっきりしていない
・気分が落ち込んでも好きなことは率先してする
・朝寝坊や朝食を食べないなど生活リズムが乱れやすい
・一つのことを最後まで続けたことがない
好き嫌いがはっきりしているタイプは、自分の好きなことだけしか選ばない、嫌いなことはすべて拒絶(回避)する特徴があります。
不登校の原因がはっきりしないため、理由を聞いても「学校に行くのが面倒くさい」「数学の授業があるから行かない」など、親として気持ちがすっきりしないことが多いでしょう。
親の関わり方として、「子供の気持ちを尊重してみる」「無理強いをさせない」ことで、不登校になった自分と向き合う時間を作ってあげることも大切です。
無気力で長続きしないタイプ
【特徴】
・何事にも関心を持たない無気力な状態
・病院で検査しても健康にまったく影響ない
・不登校中はスマホやゲームなど好きなこと中心
無気力で長続きしないタイプは、そもそも学校へ行かなくなったことが悪いとあまり感じていません。
好きなこと以外は無関心で無頓着、感動することもあまりないため、学校へ行くことを進めると行くものの、授業の途中で帰って来るケースが多いでしょう。
親の関わり方として、「子供と信頼関係を高める」「できることを1つずつやらせてスキルアップを目指す」など、無気力な状態を放置しないことが必要です。
人間関係に左右されるタイプ
【特徴】
・不登校の原因がいじめや先生の差別など
・1人で問題解決するのができずに悩んでいる
・人を信じられなくなり学校へ行くのが怖い
・学校へ行こうとすると頭痛や腹痛が起こる
人間関係に左右されるタイプは、友達や先生に対する嫌な気持ちが大きくなり、自分の中で解決できずに不登校になるケースが多いです。
仲の良かった子が突然無視したり、友達の言葉にNOとは言えず一緒にいるのが疲れてしまったり、子供によって理由はさまざまです。
親の関わり方としては「悩みを聞いてアドバイスをする」「気持ちが落ち着くまで様子を見守る」などです。
無理に溜め込んだ気持ちを聞き出そうとせず、待つことも大切です。
ストレスで神経ダメージを受けるタイプ
【特徴】
・ストレスにより発熱や吐き気など神経症がある
・ご飯を食べない自分で体を傷つけるなど
・ストレスによる神経ダメージは一時的
ストレスで神経ダメージを受けているタイプは、メンタル面に大きな傷を負っている証拠です。
社会人でも、たくさんの人と出会う中で、状況によって精神的ダメージを受けた経験がありませんか?
社会生活と違い、学校は狭い範囲で生活するため、小さなことでストレスを感じる子供も少なくありません。
親の関わり方として「刺激になる言葉がけをやめる」「ゆっくり休める環境を作る」など、精神面のサポートが大切です。
状況に合わせて「親だけスクールカウンセラーに相談する」「専門クリニックへ子供と一緒に受診する」など、第三者の助けも借りましょう。
発達障害や学習障害が背景のタイプ
【特徴】
・不登校の理由が発達障害や学習障害が関係
・集団行動ができず自分に自信をなくしている
・人と考え方や感じ方の違いで友達関係がギクシャクしがち
発達障害や学習障害が背景のタイプは「クラスみんなができることを自分だけできない」「上手にコミュニケーションが取れない」ということで、不登校になってしまうケースが多いです。
学校へ行くと、誰かと違うことに対する不安や恐怖心を誰しもが持っていますが、何度も同じことを繰り返すと自分に自信をなくします。
親の関わり方として「不得意なことを責めず得意なことを褒める」「子供の気持ちを第一に考えて今の生活を変えてみる」など、根本的な考え方を変えることも大切です。
支援学級の利用や授業に対する姿勢を、先生やスクールカウンセラーに相談するのも、方法の一つです。
まとめ|不登校の状態を見極めて対応しよう
子供が不登校になった時、親の気持ちとしては「なぜ行かないの?」「どうにかして行かせないと!」と、焦りと不安でいっぱいになることでしょう。
不登校といっても子供によって原因や気持ちが違うため、無理強いすると部屋から一歩も出てこない状態を作り出す可能性があります。
不登校の時期や7つのタイプに合わせて、不登校の子供と向き合っていくことが大切です。
ガンバ 今村 剛