小学生や中学生の頃は心身ともに成長していく時期で、急激な成長に体がうまく追い付かず、近年、体調を崩してしまう子が多くいます。体のだるさや気持ちの落ち込みなどで悩んでいる人も多いのではないでしょうか。原因や対処法が分からないと、どんどん不安になってしまいますよね。

一時的な体調不良なのか、病気によるものなのかによって、改善までの道のりは異なります。朝起きられない人や、だるさや頭痛に悩んでいる人は、起立性調節障害の可能性もあります。起立性調節障害は思春期に多い病気です。

今回は、どういう病気なのかを知り、悪化を防ぐための対処法を学んでいきましょう。

起立性調節障害とは

起立性調節障害は自律神経失調症の1つで、主な症状は、めまいや立ちくらみなどが多く、ひどくなると憂うつ感やイライラのように、精神的な症状もあります。また、10歳から17歳くらいの年齢で起こりやすいことも起立性調節障害の特徴です。特に小学生から中学生にかけては発症率が高くなります。

思春期は自律神経の変化が激しい時期なので、体の機能がうまく制御できず、バランスを崩してしまうのだと考えられています。

症状

起立性調節障害の症状には、身体症状と精神的な症状の2つがあります。

目立った身体症状はめまい・立ちくらみ・倦怠感などがあり、朝は起きるのがつらく、夜になると反対に寝つきが悪い場合もあります。頭痛に悩む人も多く、重度になると失神を引き起こす人もいます。

精神面での影響としては、不安感・イライラ・集中力の低下などがあります。症状の出方は人それぞれですが、だるくて朝起きられない人が多い傾向にあります。

病院では基本的に、軽症・中等症・重症の3パターンに分けて診断しており、診断方法は、寝ている時と起き上がった後の血圧や脈拍などの測定です。

原因

原因の大部分は、成長にともなう自律神経の乱れによると考えられていますますが、他には、元々抱え込んでしまっていたストレスや、生活習慣の乱れなどもあります。どの要素がもっとも影響するかは人によって様々です。中には周囲の期待に応えようとして、頑張りすぎたために発症する人もいます。

自律神経とは

自律神経は様々な体の機能を調整するための役割を持っています。内臓の働きも含めいろいろなコントロールしているため、自律神経が乱れるとたくさんの影響が出ます。

自律神経には2つの種類があり、1つは交感神経、もう1つは副交感神経です。朝になると目が覚めて昼間も元気に活動できるのは交感神経のおかげです。逆に副交感神経がきちんと働いていると、夜になれば自然と眠くなります。そういう形で、朝と夜でそれぞれの神経を切り替えることで、体のバランスをうまく保っているのですが、起立性調節障害はこの調整がうまくできなくなり、様々な症状となって現れます。

起立性調節障害の種類

起立性調節障害は、症状によって4つのパターンに分けられます。

起立直後性低血圧

起立性調節障害の中でもっとも多いタイプで、立ち上がった直後に急激な血圧の低下が起こります。

血圧が元に戻るまでには25秒以上かかり、回復までの時間が長いことも特徴です。

体位性頻脈(ひんみゃく)症候群

起立性調節障害の中で2番目に多いタイプで、体位性頻脈症候群は、立ち上がった直後に心拍数が増加します。

血圧はすぐに下がることなく、数分後に低下していきます。

神経調節性失神

名前のとおり、失神などの強い症状が現れるタイプです。

立ち上がった直後ではなく、立ち上がっている最中に急激な血圧の低下が起こります。

遷延(せんえん)性起立性低血圧

遷延性起立性低血圧も、立ち上がった直後の血圧低下はありません。

立ち上がっている最中に少しずつ血圧が下がり、失神することもあります。

うつ病との違い

近年は小学生でもうつ病になると言われていますが、起立性調節障害の症状はうつ病の症状と似ている部分が多いです。そのため、うつ病だと判断され間違った対処をされることもあります。うつ病の薬を処方されると、人によっては症状が悪化することもあるため注意が必要です。

2つの病気のもっとも大きな違いは、症状が1日中続くかどうかです。うつ病だと夕方以降もだるさなどが続きます。一方で起立性調節障害の場合は、朝から午前中にかけて症状が出て昼以降から夜にかけて元気になっていくことが多いようです。

日常生活への支障

朝起きられないため遅刻や欠席が続いた結果、学校に行けなくなる不登校になるというケースは多く、小中学生にとって大きなデメリットになります。

起立性調節障害は、思春期なら誰にでも起こる病気という訳ではありませんし、うつ病とは異なり、起立性調節障害の特徴は午前中だけ症状が出るので、そのため親や先生に仮病だと思われ、周囲からの理解が得られず苦しむ人もいます。

そして、学校に行けない自分を怠けものだと思い込んで責めてしまい、さらに気分が塞ぎ、ストレスがどんどん増えて悪循環に陥ってしまいます。

起立性調節障害の対処法

悪化を防ぐためには早めの対処が必要です。体がつらい時は我慢しすぎないようにしましょう。

治療期間

午前中に体調不良がある場合、小中学生ならまずは小児科を訪れましょう。そこから症状の度合いなどに応じて、循環器や神経を専門とする内科を受診します。

起立性調節障害は、自律神経を整えることで改善に向かう可能性が高いです。

軽症なら2ヵ月から3ヵ月程度で治る見込みがありますが、重度の場合、2年や3年など長期の治療が必要な場合があります。また、一度改善したとしても、その後も定期的に症状が出てしまうことがあります。

そのためは早めの診断と治療が欠かせません。

治療方法

水分や塩分の摂取、激しすぎない運動が効果的なようです。生活習慣が原因の場合にはその改善もしていきましょう。また、本来なら朝になると交感神経が活発になって日常の行動を促しますが、起立性調節障害の場合は、起床後も副交感神経が優位なままになっています。ですから、改善するためには自律神経を整えることが必要になります。

自律神経を整えるためには腹式呼吸が有効だと言われています。この他にもツボ押しによるマッサージも効果的と考えられています。そもそも起立性調節障害による症状の原因は血圧の低下なので、場合によってはミドドリンという薬を使うこともあります。血圧が下がるのを抑える効果があるため、だるさや朝の不調の改善が期待できるからです。重度だと少々の移動でもつらいかもしれませんが、できれば病院は朝に行きましょう。理由は起立性調節障害は午前中に症状が出るためで、体調不良がある時の血圧を測ったうえで診断してもらうと効果的だからです。

まとめ

起立性調節障害は、小中学生の学校生活に大きく影響を及ぼします。また、自分を怠けものだと思い込み、心理的な負担の原因にもなる病気です。ですから、改善のためには両親や学校の先生たちのサポートが欠かせません。重症化を防ぐには早期の治療も必要なので、立ちくらみなどの体調不良が続いている場合には、早めに専門医に相談しましょう。

家庭教師のガンバ  今村 剛

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