高校受験と言っても何をやったらいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。普段の勉強だけでも大変なのに、どうしたらいいか分からなくて焦ることもありますよね。

茨城県の高校受験は、公立高校で特徴的な選抜方法を取り入れているので、入試の仕組みを早いうちに理解しておくことが大切です。

公立高校受験の仕組み

茨城県の公立入試では、一般入学者選抜と呼ばれる受験を1回のみ実施さていて、学力検査などの得点と、調査書点の評価が合否の判定材料になります。

特色選抜と共通選抜

一般入学には共通選抜と特色選抜があります。

共通選抜は全ての高校で実施する試験のことで、学力検査と調査書点の合計得点で合格者を選定しますが、芸術科やスポーツコースなど実技試験を行う高校もあります。学力検査で評価されるのは国語・数学・理科・社会・英語の5教科で、それぞれ100点満点なので、合計は500点満点になります。

特色選抜は共通選抜とは異なり、各校の判断により実施が決定されます。高校ごとの出願要件を満たせば誰でも受験することが可能で、この場合は中学の校長の推薦も必要ありませんが、特色選抜の対象となるには、たとえば芸術面の才能があったり、奉仕活動に力を入れたりなど、優れた資質や実績が必要です。特色選抜では学力検査と調査書による評定のほか、面接や作文、実技検査などを行い、学力検査は各100点満点となり、合計は500点満点で計算されます。

それ以外の選抜による配点は、総合得点が1,200点を超えない範囲で各校が定めます。どの学科であっても、特色選抜で募集できる定員数は全体の5割までで、傾向としては、3割程度までで特色選抜の募集を実施する高校がほとんどです。なお、合格者が募集定員に満たなかった場合は第2次募集を実施しており、募集を公表した後に願書の受付を行い、合格者選定のための学力検査が実施されます。また、第2次募集の場合には特色選抜はありません。

選抜方法

共通選抜での合格者の決め方は2段階方式になっていて、1つ目の段階をA群、2つ目の段階をB群と呼びます。A群に入るのは原則的に合格となる受験者です。

2つの分け方としては、まず募集定員の数から特色選抜の合格者数を差し引き、その人数の8割以内に学力検査の得点順位が入っていることが、A群の第1条件です。第2に、調査書点の順位も条件に含まれ、特色選抜の合格者を定員数から引いた数に順位が入っていなければなりません。この2つの条件を満たせば、原則合格であるA群になれます。

B群はここに入れなかった残りの受験者全てです。B群からの合格者選定には、2種類の選抜方法を使います。学力検査を重視する選抜方法と、調査書を重視する選抜方法があり、2つの選抜による合格者の比率は、それぞれ2割以上8割以下で各校が設定します。傾向としては、学力検査を重視した選抜による合格者の比率を高くする高校が多いようです。

調査書点

調査書点は公立高校の合格を目指すうえで重要なポイントでもあります。

茨城県の公立高校の場合、評価に利用する成績は中学1年から3年までの3年分、対象教科は主要5教科と4つの副教科の計9つです。それぞれ5段階評価なので、3年間の満点は135点となります。

中1の評価から対象になるので、合格率を少しでも上げるためには、日頃からの勉強習慣が欠かせません。

入試傾向

茨城県の公立高校受験は2日間にわたる1回の試験で合否が決定してしまいます。

A群に入り確実な合格を目指すには、本番の学力検査にしっかりと備えなければなりませんが、難しく考えることもなく、学校の授業をしっかりおさえ基礎を固め準備をすれば慌てる必要はありません。

また、英語では長文読解が多く、長文を記述する問題の出題傾向も高くなっています。英語は苦手意識が強いと取りかかりにくい教科でもあるので、読み書きの練習問題を繰り返し、出題形式に慣れておくことがポイントです。

国語も同様に長文読解がネックになる人が多いです。接続詞などに注意しながら文章の概要を把握し、効率良く解答していきましょう。

数学の場合、計算だけではなく証明問題も出題されます。難しそうに感じますが、証明の記述は慣れてしまえば解きやすい問題の1つなので、論理的な記述の流れを掴むために、練習問題や過去問のやり込みましょう。

私立高校受験の仕組み

茨城県の私立高校では、一般入試と推薦入試があります。

私立高校の学力検査の場合は、国語・数学・英語の3教科での受験実施が多く、募集定員や必要な提出書類など、様々な部分が高校ごとの判断や特色に左右されます。志望先によって出題傾向も違うので、勉強のやり方にもそれぞれ対策と工夫が必要で、調査書点がどの程度重要視されるかについても、高校の考え方次第となります。

私立高を第一志望としている人は特に、早い段階で学校の特色を確認しておきましょう。

受験スケジュール

公立と私立とで受験スケジュールは異なります。間違いのないように事前にしっかりチェックしましょう。

公立高校の受験スケジュール

一般入学の出願期間は2月の上旬となっており、その1週間後ほどの2月中旬に、2日間だけ志望先変更の日程が設けられます。学力検査などの受験日本番は3月上旬の2日間です。特色選抜と共通選抜実技検査は2日目に行い、この数日後には、5教科の学力検査と調査書などによる追試験も設定されています。ちなみに追試については、感染症など、やむを得ない事情で試験を受けられなかった受験者のための制度です。そして、合否発表は3月の下旬までに行われます。

なお、第2次募集が行われる場合は、合格発表の翌日に出願期間が2日間設定されます。出願期間が終了した数日後に学力検査を実施し、1週間程度で合格発表となっています。

私立高校の受験スケジュール

私立高校の場合は、公立高校よりもスケジュールが早く進みます。

それぞれの高校による一般入試が始まるのは1月中旬以降、推薦については一般入試の少し前に実施されます。その後、合格発表は試験の1週間後くらいになります。

私立高校は各校によりスケジュールが異なるため、志望先の日程をよく調べましょう。

出願については11月から12月初めにかけて受付期間を設ける学校が多いですが、こちらも学校によってばらつきがあるので、間違いがないよう注意が必要です。

まとめ

茨城県の高校受験について紹介しました。

2段階での選抜方法など、茨城県独特な仕組みは理解していただけたでしょうか。

受験当日に備えた勉強はもちろんのこと、合格のためには普段の学習がとても大事です。

調査書点は絶対評価なので、頑張れば評価は上がりやすいです。受験直前の勉強だけではなく日頃から家庭学習することが、高校合格への近道です。早めのうち、勉強のやり方をつかんでおきましょう。

家庭教師のガンバ  今村 剛

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