ある日子供が突然、「学校に行きたくない」といって休んでしまい、その後なかなか学校に行かなくなってしまう「不登校」。
残念ですが、不登校の人数は年々増加傾向にあり、日数も長期化しているとのことです。
親としては「学校に行ってほしい」と思うのですが、それと同時に「なぜ不登校になってしまったのか?」と、その理由も知りたいところです。
残念ですが、不登校の人数は年々増加傾向にあります。
今回はこの不登校について、主な原因やその対応方法についてお話ししたいと思います。
【原因1】学校生活のトラブルや非行
不登校の原因としてよく挙げられるのが、学校生活に関するものです。
学校生活の中で「友達とのトラブル」が原因となり、学校を休みがちになるケースが多く、不登校の原因となっています。
また、学校でのいじめも不登校の原因としては知られています。
友達とのトラブルが、いじめに発展してしまうこともあり、さらには非行に走る原因にもなりやすいのです。
こういったことが原因の不登校の場合、まずは親がゆっくりと子供の話に耳を傾けることが大切です。
「不登校は困る」「学校に行かないとだめ」といった親の立場の話をしても、問題の解決にはなりません。
特にいじめの場合には、親がゆっくり子供の話を聞いてあげなければ、子供が打ち明けることは難しいでしょう。
そして、学校絡みの不登校の原因には、親だけでなく学校との協力も必要になります。
子供に合った環境を整えることも、不登校への対応とも言えますね。
【原因2】学業の不振
不登校は小学校や中学校に多いと言われていますが、勉強についていけないことが原因になっているケースもあります。
「一生懸命勉強をしているのに結果が出ない」「成績が伸びない」などの悩みが、不登校につながってしまっているのです。
さらに、親が成績に関して神経質になり。「どうして勉強できないのか」「勉強しろ」などの言葉が、子供を追い詰めてしまう原因にもなっています。
親としては「子供に勉強を頑張ってほしい」という子供のためを思った願いがありますが、その思いが押し付けになってしまうと、それが重荷になって不登校になってしまう可能性もあるのです。
こうした場合には、子供の学力を上げることが対応策と言えるのですが、親が子供と一緒になって勉強をすることが重要です。
家庭教師などを利用すると、子供の学業不振の原因を的確に把握でき、一緒に問題を解決することができます。
【原因3】無気力・甘えなど精神的なもの
小学生に多い不登校の原因が、精神的なものだと言われています。
得意でない授業やテストなど、自分が苦手としているものに、「行きたくない」という気持ちが強くなってしまうのです。
小学生のうちは、まだ理性が育っていないため、どうしても甘えが強くなりますが、親だけでなく家族や学校の協力を得て、成長を見守るのが得策と言えるでしょう。
また、中学生や高校生になると、燃え尽き症候群のような無気力が原因で、不登校になるケースも増えてきます。
受験戦争を乗り越え、「もうやりきった」という感情が強い時や、また新たな学校での生活が、自分の思い描いていたものと違っていたことで、無気力状態に陥りやすいのです。
こういうケースでは、子供の気持ちが前向きになることを見つけることがポイントになるでしょう。
これまでの生活に疲れてしまっていると感じたら、少し休ませてみるのも一つの方法です。
休みといっても、ダラダラ過ごすのではなく、メリハリのある生活を心がけるように働きかけましょう。
【原因4】家庭のトラブル
不登校の原因として、家庭のトラブルもよく挙げられています。
家庭環境の悪化は、いくら子供に気づかれないように親が頑張っても、伝わってしまうもの。
夫婦の仲が悪い場合や金銭的な問題があると、家庭内の雰囲気は悪くなりますし、子供もそれを感じ取ります。
子供が悩みを相談したくても、そういった余裕がない雰囲気は、それだけでも大きなストレスになります。
その結果、誰とも関わりたくない気持ちが強くなり、不登校になって自室に引きこもるという状況になってしまうのです。
子供の前では親は何としてでも仲良くしなければならない!ということはありませんが、「家庭の問題は、皆で相談し解決していこう」という気持ちが、子供の居場所を作ることにもなります。
【原因5】発達障害や神経症
発達障害や神経症は、最近不登校の原因として目立ってきている一つです。
「ある教科だけ苦手」「同じ年代の子供に無関心」「知能に問題がないものの、読み書きが極度に遅れている」など、発達の段階で遅れが目立つのが発達障害です。
また「こだわりが強い」「気分の落ち込みが激しい」「不安感が大きい」など、いわゆる神経症の症状が出る子供もいます。
こうした障害が絡んだ不登校の場合には、やはり専門家の力を借りるのが妥当でしょう。
最近では学校にカウンセラーを置いているところもありますし、専門の学級を構えている学校もあります。
まとめ
不登校の原因をいくつか挙げましたが、必ずこれに相当すると決まっているものではありません。
ちょっとした心境の変化や環境の変化が、不登校の原因になる可能性は誰にでもありますし、うちの子は絶対に大丈夫という保証もありません。
大切なのは、子供が不登校になった時に、親がどこまで対応できるかです。
「なんで学校に行かないの!」と詰め寄っても、その時はしぶしぶ学校に行くかもしれませんが、根本的な不登校の解決にはならないのです。
子供の話に耳を傾けて一緒に考える、これが親としてあるべき姿ですよね。
親はいつでも子供の味方なのだと、子供が安心していられることが、不登校への対応策といえるでしょう。
ガンバ 今村 剛