昨年度（令和５年度）小中学生の不登校の数は346,482人（前年度299,048人）と過去最多で、11年連続の増加であったことが、文部科学省による調査よりわかりました。
※出典：文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」（令和6年10月31日）
不登校のお子さんを持つ保護者の方は、学習の遅れやこの先の進路、お子さんの心の面など多くの悩みを抱えているのではないでしょうか。
最近は不登校のお子さんのサポートとして、家庭教師を希望されるご家庭が増えていると実感します。そこで今回は、年間100人以上の不登校のお子さんの家庭教師をお任せいただいている私たちの経験から、不登校のお子さんへ「家庭教師ができるサポート」について、体験談を交えてご紹介します。
不登校のお子さんに対する家庭教師の役割
不登校のお子さんに対する家庭教師の役割は、単なる学習の指導にとどまりません。お子さんに寄り添いながら、学びの意欲を引き出し、自己肯定感を高めることも重要なポイントだと実感しています。家庭教師が担う役割として、主に次の3つが挙げられます。
勉強の遅れを取り戻す
学校をお休みしている期間に遅れた分を、取り戻すためのサポートをします。進学や受験に向けた勉強にも取り組めるよう、学習面でバックアップします。
生活リズムの改善を支援
学校へ行かないと、つい遅寝遅起きの生活サイクルに陥りがちです。このような場合、家庭教師が定期的に自宅へ来ることでお子さんの昼夜逆転の生活を徐々に戻し、規則正しい生活習慣を取り戻すことの助けになると思います。
メンタルケア
お子さんとの間に信頼関係が築けたら、家庭教師はお子さんを心の面でもサポートします。不登校のお子さんは不安や心配事など、様々な思いを抱えています。
そんなお子さんの言葉に耳を傾け、適切な声掛けをし、安心して学べる環境を提供できるように努めます。学習面や進路の悩み、対人関係の悩みなど、時にはアドバイスも交えながら可能な限り相談に乗るようにします。
新学期からの復学を目指す家庭教師の活用については、次の記事もご参考にしてください。
【不登校】新学期への一歩を踏み出すために｜家庭教師の活用と体験談
家庭教師による具体的なサポート方法
家庭教師は具体的に次のような方法でサポートしていきます。
段階を踏んだ学習カリキュラムと指導
不登校の期間が長くなればなるほど、保護者だけでなくお子さん本人も焦りを感じています。ですが、焦って詰め込もうとしても逆効果です。
急かすことなく、お子さんに合ったペースで段階を踏んで学習を進めることが大切です。家庭教師はお子さんに合った無理のないカリキュラムを作成します。そしてお子さんのペースや状況に合わせながら、焦らずゆっくり学習を進めていきます。
たとえばお子さんが好きな教科や分野から学習を始めるなど、勉強に対する苦手意識を和らげます。
成功体験を積み重ねる
カリキュラムの中に達成しやすい小さい目標を組み込み、目標達成を繰り返すことでお子さんが成功体験を積み重ね、自己肯定感を育みます。
特に不登校の期間が長くなってくると、様々な面で自信を失いがちです。こうしたベイビーステップ（小さな一歩）を踏んでいくことで自信がつき、最終的な目標（登校、受験合格など）へつながります。
コミュニケーションを大切にする
お子さんの性格や様子を見ながら適切な声掛けで、コミュニケーションをはかります。勉強だけでなく時には雑談を交えながら、お子さんとの信頼関係を築き、お子さんが安心して学習に取り組める環境づくりを大切にします。
オンライン学習の活用
直接対面して行うのが難しいお子さんやデジタル機器が好きなお子さんであれば、オンライン家庭教師を利用するのも一つの方法です。
画面を通じることで対面への抵抗感が軽減されたり、タブレットを使用することで学習へ取りかかりやすくなったりといった効果が期待できます。
不登校のお子さんが家庭教師を利用するメリット
不登校のお子さんが家庭教師を利用すると、次のようなメリットがあると思います。
自分のペースで学習できる
家庭教師との学習は、お子さんのペースで学習に取り組めるというメリットがあります。特徴として次の点が挙げられます。
・得意な教科を伸ばす：好きな教科を強化し、学ぶ楽しさを実感できる。
・苦手な分野を克服する：つまずいた部分をじっくり復習し、自信を取り戻す。
・授業の進度を自由に調整できる：わからないところは何度でも質問できる。
学校の授業はクラス全体のペースで進むため、不登校のお子さんにとっては負担になることが多いです。また、学校へ登校した日に授業に参加した場合、欠席して授業を受けていなかった所まできめ細やかにサポートすることは難しいことが多いです。
その点家庭教師の場合、お子さんの状況に合わせた学習プランを作成し、無理なく勉強を進められます。得意な科目で自信をつけながら、分からないところは分かるまで、そして理解が早いところは早く進めるなど調整することが可能です。
学習習慣が定着しやすい
家庭教師を利用することで、学習習慣を定着させやすくなるのもメリットです。不登校のお子さんが家庭で過ごす場合、学校に行かない日でも、無理のない範囲で家庭学習の習慣を身につけて欲しいとお考えの保護者の方も多いのではないでしょうか。
ですが、家で自発的に学習を継続するのは意外と難しいものです。そこで家庭教師を学習のコーチ兼ペースメーカーのように活用することで、学習習慣を付けやすくなります。学習習慣が定着すると、さらに次のような効果が期待できます。
・学習習慣の維持：学校へ行くようになってからも、学ぶ習慣を保つことができる。
・学力の向上：学力が身につくことで遅れを取り戻したり、場合によっては先取り学習もできる。
・自信がつく：何かを継続できていることで、「できる」という自信につながります。
将来的な復学や進路選択の可能性が広がる
お子さんの学習が定着し進んでいくことで、「学ぶ楽しさ」を再認識し、学校への復学や進路選択に対して前向きになれる可能性も高まります。
具体的には次のような効果が期待できます。
・学校復帰の準備ができる：家庭教師と学習を進めながら、徐々に登校する自信をつける。
・社会参加への第一歩になる：学び続けることで、社会に出る準備が整う。
・進路の可能性の拡大：受験、通信制高校、フリースクールなど進路の選択肢が広がる。
学習の自信は復学への大きなアドバンテージとなると思います。そうした自信から進路への活路を見出したり、受験への意欲がわいてくるきっかけとなったります。
家庭教師のガンバでは、不登校のお子さんへの指導経験と実績があります。詳しくは「不登校のお子さんの勉強法とフォロー」をご覧ください。
不登校相談と連携した家庭教師の活用
不登校のお子さんがいるご家庭では、スクールカウンセラーや教育機関などに、いわゆる不登校相談をしているケースが多いと思います。
不登校相談のできる機関とは
不登校相談ができる機関は、各自治体によっても異なります。具体的には次のような例が挙げられます。
・学校
・スクールカウンセラー（心理士など）
・医療機関
・自治体の教育相談窓口
・自治体の教育支援センター
・自治体のフリースクール
・私設のフリースクール
・私設のカウンセラー
特に学校を中心とした、公の支援機関や医療機関を利用される方が多いのではないでしょうか。自治体ごとに不登校のお子さんが通える教室などを設けている場合もあるので、教育委員会への問い合わせやホームページなどで確認してみると、新たな支援機関を見つけられるかもしれません。
不登校相談と家庭教師の連携によるメリット
こうした不登校相談の機関と連携したり状況を共有することで、より最適なサポートにつながる可能性が高まります。具体的には次のような効果が期待できます。
・学校との連携による復学に向けた学習サポート
・カウンセリングとの併用によるお子さんの気持ちの整理のサポート
・保護者のお子さんへの適切な対応の学び（ペアレントトレーニング）
このように家庭教師との学習サポートだけでは補えない部分をカバーでき、お子さんの気持ちを整理する手助けにもなります。
家庭教師のサポート事例・体験談
最後に家庭教師による不登校のお子さんのサポート事例として、家庭教師のガンバの会員の方で、不登校のお子さんをお持ちの保護者の方からいただいた声をいくつかご紹介します。
【Aさん】
先生に来て頂いてから毎日勉強するようになり、心から感謝しています！これからも宜しくお願い致します。
【Bさん】
集中力がついてきて、自主的に机に向かうようになりました。こちらの都合にも柔軟に対応してくださって、ありがとうございます。
【Cさん】
指導日の子供の調子に合わせて、取り組む内容を考えてくれて子供に無理のないペースでとても助かっています。今後もこの調子で進めていってほしいです。
まとめ
不登校のお子さんの学習サポートとして、家庭教師は進学、復学などの面において大きなサポートとなり得ます。
また、不登校相談と組み合わせることで、お子さんの学習面・心理面のサポートをより最適なものとすることが可能です。
お子さんの状況に合わせ、専門家や学校との連携も大切にしながら、お子さんの未来を一歩ずつ支えていけたらと思います。
家庭教師のガンバでは無料の体験授業をやっています。家庭教師をやる・やらないは全く別ですので、お気軽にお試しください。
また、受験対策をはじめとした、お子さんと保護者の方に役立つ様々な情報を発信しています。ご興味のある方はぜひ、ご参考にしてください。
家庭教師のガンバ 編集チーム ありま
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