不登校だったお子さんが、少しずつ外に出たがるようになったり、自分から勉強を始めるようになったり…。そんな変化が見られると、「もうそろそろ学校に戻れるかも」と期待がふくらむと思います。

実は、不登校にはいくつかの段階があります。外出への意欲が出てきたり、勉強をしようとしたりするのは、心のエネルギーが少しずつ戻ってきた「回復期」に入ったサインです。学校復帰まで、あと一歩のところまで来ていると考えてよいタイミングでもあります。

ただ、この時期に大切なのは、「早く学校に戻さなきゃ」と焦るのではなく、学校復帰前段階の時間を丁寧に過ごすことです。ここで無理をしてしまうと、頑張ろうとしていた気持ちが折れてしまい、再び不登校の状態に揺り戻されてしまうこともあります。

この記事では、不登校から学校復帰へ進む前段階で踏みたい4ステップと、保護者の方にできるサポートの具体例をご紹介します。

とくに「不登校の学校復帰前段階を、4ステップでどう進めるか」という視点から、揺り戻しを防ぐポイントを整理していきます。お子さんのペースを大切にしながら、一歩ずつ進んでいきましょう。

 

不登校のお子さんが学校復帰するまでに見られる3つの段階

お子さんをサポートしていくうえで重要なのが、「不登校には段階がある」という認識です。段階を知らずに背中を押すと、かえって逆効果になる恐れがあります。まずは不登校の3つの段階を説明します。

 

不安と自己否定が多い「不登校開始期」

「学校に行きたくない…」と感じる日が増え、遅刻や欠席が目立ち始める時期が不登校開始期です。登校しようとすると、お腹や頭が痛くなるなど、身体の不調が出ることも少なくありません。

この時期のお子さんは、学校での不安やストレス、「行けない自分はダメだ」という自己否定の気持ちに押しつぶされそうになっています。

無理に学校へ行かせようとするのではなく、「よく話してくれたね」と、気持ちを受け止めてあげましょう。家庭が「責められずにいられる避難場所」になることで、お子さんの心は少しずつ落ち着いていきます。

 

無気力が多い「引きこもり期」

休む日が続き、学校に行かない生活が当たり前になってくると、引きこもり期に入ります。この時期は、何をする気力もわかなかったり、部屋からほとんど出てこないといった様子が見られることが多いです。

親と顔を合わせるのを避けたり、人の目を極端に気にして外に出られなくなったりすることもあります。この段階では、外出や学校を無理に勧めないことが大切です。無理やり外へ連れ出そうとすると、かえって不安や抵抗感が強くなり、状態が悪化してしまうこともあります。

心配が尽きない時期ですが、そっと見守る姿勢が求められます。

 

学校復帰前段階の「回復期」

心の混乱や強い無気力から少しずつ抜け出し、「このままじゃ嫌だな」と前向きな気持ちが芽生えてくると、回復期(学校復帰前段階)に入ります。

この時期になると、「外に出てみよう」「勉強を少しやってみよう」といった前向きな気持が増えてきます。ここで適切に背中を押してあげることで、学校への段階的な復帰や、フリースクールや別の学びの場への参加など、お子さんに合った次の一歩を選びやすくなります。

なお、不登校の始まりから、再び学校に通えるようになるまでには、一般的には3ヶ月〜1年ほどかかると言われています。お子さんによって必要な時間はそれぞれ違います。今の様子をよく観察しながら寄り添っていきましょう。

 

お子さんが「学校復帰前段階(回復期)」に入ったサイン

お子さんが回復期に入り、学校復帰前段階に近づいているときには、いくつかのわかりやすいサインがあらわれます。ここでは、その代表的なものをご紹介します。

 

家の中に退屈を感じ、外出に意欲的になる

それまでは、「外に出るのが怖い」「人の目が気になって仕方がない」と感じていたお子さんが、短時間でも外に出ようとする様子が見られたら、回復に向かっている証拠といえます。

最初から遠くへ出かける必要はありません。まずは家の近くを数分歩いてみる、親子で一緒に買い物へ行ってみるなど、小さな一歩から始めていきましょう。

こうした外出の経験が積み重なっていくと、徐々に学校への足取りも軽くなっていきます。

 

自分に対しての肯定的な発言が増える

家庭が安心できる場所になり、保護者の方からの肯定的な声かけが続いていくと、少しずつ自分を肯定する言葉が増えていきます。

たとえば、「今日はちょっと頑張れたかも」といった、ほんの小さな一言でも立派な変化です。少しでも前向きな表現が増えてきたら、回復期に入ってきているサインと受け止めましょう。

会話の端々から見える“明るさ”を、見逃さないようにしてあげてください。

 

進路や将来について考え始める

自分を少しずつ肯定できるようになると、「この先どうしよう」「高校はどうしたらいいんだろう」など、進路や将来について考える力も戻ってきます。これは「今の自分を何とかしたい」という前向きな気持ちの表れです。

保護者の方は、「一緒にどんな選択肢があるか考えてみようか」と、お子さんの気持ちに寄り添いながら、選べる道を一緒に整理してあげてください。親子で話し合う時間が増えることで、信頼関係も深まり、お子さんも学校復帰を前向きに考えやすくなります。

 

不登校からの学校復帰前段階で踏むべき4ステップ

回復期に入り、学校復帰前段階に差しかかったお子さんを支えるときは、いきなり通常登校を目指すのではなく、次の4つのステップを意識して進めていきます。

 

①生活リズムを整えて「朝起きる習慣」を取り戻す

まずは朝起きられる生活リズムを取り戻すことが大切です。どれだけ「学校に行きたい」と気持ちが前向きになっても、朝起きられない状態のままでは、登校を続けるのが難しくなってしまいます。

引きこもりの時期が続くと、生活リズムの乱れが起きやすく、自律神経も不安定になりがちです。

・寝る前2時間はスマホやタブレットを見ないようにする

・毎晩早寝の習慣をつける

といったことから始めてみましょう。

 

②支援施設や家庭学習で「学校のペース」を思い出す

朝起きられるようになってきたら、次は「勉強するペース」を少しずつ取り戻す段階です。不登校の期間が長くなると、50分間じっと座って話を聞くことが困難になります。家庭で短い時間から勉強のルーティンをつくり、少しずつ学習時間を伸ばしていきましょう。

また、自治体が運営している教育支援センター(適応指導教室)を利用するのも一つの方法です。教育支援センターでは、

・学校の勉強のサポート

・学校復帰や進路についての相談

などを提供していることが多く、中には学校の授業にオンラインで参加できるところもあります。こうした支援施設を活用することで、「勉強する感覚」を取り戻すことができ、次のステップへの良い橋渡しになります。

 

③短時間・別室登校などで学校に復帰する

勉強するリズムが整ってきたら、いよいよ学校との距離を少しずつ縮めていく段階です。「朝から6時間すべて授業に出る」のはハードルが高いため、短時間・別室登校からスタートするのがおすすめです。

このときは、事前に学校側としっかり相談し、

・どの時間帯に登校するか

・どの教室で過ごすか

・どの先生がフォローするか

といった具体的な流れを決めておくと、お子さんも安心して登校しやすくなります。

 

④ 特定の活動から少しずつクラスに合流する

次のステップでは、特定の活動から少しずつクラスに合流していく段階に入ります。給食だけ一緒に食べてみたり、行事や発表会など興味を持ちやすい場面に参加してみるのがおすすめです。

大切なのは、お子さんが「クラスに入ってみようかな」と思えることと、クラスや先生たちが「受け入れよう」という雰囲気で迎えてくれることです。

この両方がそろうように、学校とも連携しながら調整していきましょう。

 

不登校の学校復帰前段階に親が果たすべきこと

不登校から学校へスムーズに戻るためには、お子さんの頑張りだけでなく、保護者の方の支えもとても大切です。ここでは、「学校復帰前段階(回復期)」に、保護者の方が意識しておきたいポイントをいくつかご紹介します。

 

お子さんが安心できる家庭環境をつくる

回復期のお子さんは、「もう一度頑張ってみようかな」と、小さな一歩を踏み出そうとしているところです。その一歩を支える土台になるのが、安心できる家庭の雰囲気です。

「うまくいっても、いかなくても受け止めてもらえる」と感じられる家庭であれば、お子さんは安心してチャレンジできます。

 

教育支援センターを利用できるよう学校に相談する

学校復帰段階では、勉強のペースを取り戻すことがとても大切な要素です。その際に心強い存在となるのが、各自治体にある教育支援センター(適応指導教室)です。

教育支援センターを利用するには、在籍している学校の校長先生を通して、各市区町村の教育委員会へ申請してもらう流れが一般的です。まずは担任やスクールカウンセラーに相談し、早めに情報を集めておくと安心です。

 

いつでも復帰できるよう学校との連携を欠かさない

学校との連携も、学校復帰前段階では欠かせないポイントです。「友人関係のトラブルやいじめがきっかけになっていないか」「授業のつまずきや宿題の負担が大きすぎなかったか」といった原因を共有しておくことで、学校側も配慮しやすくなります。

また、プリントや連絡物を定期的に受け取ったり、必要な課題を教えてもらうことを続けておくと、内申や学習の遅れを最小限に抑えやすくなります。

お子さんが「戻ろうかな」と思えたタイミングで、スムーズに復帰しやすくなる土台づくりだと考えてください。

 

家でも勉強できる環境を整える

回復期には、少しずつ「勉強する自分」を取り戻す準備もしていきます。まずは、

・机の上を片づける

・必要な文房具や教材をそろえる

・スマホやゲームとの距離感を工夫する

といった、環境づくりから始めてみましょう。最初から長時間の勉強を求める必要はありません。最初は10分机に座るだけでも十分です。「できたね」「ここまでやれたね」と一緒に喜びながら、少しずつ学校のリズムに近づけていきましょう。

 

不登校のお子さんの学校復帰を支えるために注意すること

学校への復帰を支援していくうえで意識しておきたいこともあります。ここでは、特に気をつけたいポイントをまとめました。

 

復帰を焦らせず、お子さんのペースを厳守する

不登校の期間が長くなるほど、学校の環境に戻るハードルは高くなります。保護者の方の役目は、「うまくいっても、いかなくても受け止める」「頑張ろうとしている気持ちを認めてあげる」ことです。

登校や勉強を「義務」として強く押しつけるのではなく、お子さんのペースで進むのを支える立場でいてください。

 

「無理しているな」と感じたら、しっかり休むことも必要

学校に少しずつ通えるようになってくると、お子さん自身も「頑張らなきゃ」と気を張りつめてしまうことがあります。家に帰るとぐったりしていたり、表情がこわばっていたら、少し無理をしているサインかもしれません。

そんなときは、一度立ち止まる時間をつくることも大切です。休むことでエネルギーを回復し、またマイペースで進めるようになります。

 

家庭教師などで勉強の遅れに対応する

学校に通い始めると、どうしても気になってくるのが学習の遅れです。「やっぱり自分なんて…」と落ち込んでしまい、再び不登校に戻ってしまうこともあります。

回復期に入り、お子さんに勉強への意欲が少しでも見られるようであれば、家庭教師などお子さんにとって負担が少ない形でサポートを取り入れてみるのも一案です。

学校以外の場で「わかる」「できた」という感覚を取り戻しておくと、教室に戻ったときの不安を軽くすることができます。

 

期待をかけすぎず、小さな成功を分かち合う

親からの期待が強すぎると、お子さんは「頑張らなきゃ」「期待に応えなきゃ」と、自分の限界以上に無理をしてしまうことがあります。

大切なのは、「今日はここまでできたね」と小さな一歩を一緒に喜ぶことです。「一日学校に行けた」などの小さな成功を親子で共有することが、復帰を支える大きな力になります。

 

まとめ | 不登校からの学校復帰前段階は4ステップで乗り切ろう

不登校の学校復帰前段階(回復期)は、お子さんが少しずつ前を向き、学校や勉強に対して「もう一度やってみようかな」と感じ始める大切な時期です。

だからこそ、焦って一気に元の学校生活へ戻そうとするのではなく、「4ステップ」で少しずつ進むことが、とても効果的です。

心配や不安でいっぱいになってしまう日もあると思いますが、「お子さんは自分の力で少しずつ前に進もうとしている」という事実を、どうか信じてあげてください。

教育支援センターや家庭教師など、外部の力もうまく借りながら、お子さんが「ここなら大丈夫」と思えるペースで一緒に乗り越えていきましょう。

不登校の学校復帰前段階を、4ステップで無理なく進めていくことで、お子さんの「もう一度やってみよう」という気持ちを大切に育てていけます。

 

 

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