お子さんが不登校になると、「このままで大丈夫なのかしら?」「早く学校に戻さないと手遅れになるのでは?」など、不安でいっぱいになってしまうと思います。
そんな中で、「焦らないほうがいいですよ」「ゆっくり見守っていきましょう」と言われても、「本当にそれでいいのかな…」とモヤモヤしてしまう保護者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、不登校の解決を焦らなくていい5つの理由と、今日からできる具体的な関わり方をお伝えします。
読み終わるころには、「今は焦らなくてもいいんだ」「こんなステップで進んでいけばいいんだな」と、少し心が軽くなっていただけたら嬉しいです。
不登校のときに親が「焦ってしまう理由」とその背景
不登校のお子さんを前に不安になるのは、親として自然な反応です。「自分はダメな親だ」と責める必要はありません。大切なのは、「焦ってしまう理由」を知ることと、自分を責めすぎないこと。
ここでは、代表的な3つの理由についてお話しします。
勉強や社会性のことで将来を悲観的に捉えてしまう
不登校になると、「学校」という場から切り離されてしまいます。お子さんの様子をそばで見ていると、「このままだと社会性が育たないのでは」「学力がどんどん低下してしまうのでは…」と悲観的になってしまうのも無理はありません。
特に中学生は卒業後の進路も考えなくてはいけないため、勉強の遅れや内申点への影響も気になります。ただ、実際には「社会性」を育てる方法は学校以外にもありますし、勉強の遅れに対応する手段もたくさんあります。
お子さん自身が心を少しずつ整理し、「次のステップへ進んでみたい」と思えるようになれば、無理のない方法を一緒に探していけます。
「情報の多さ」による比較が焦りを強くする
近年はインターネットやSNSに、さまざまな意見や体験談があふれています。その分、情報に振り回されやすくなってしまう面があります。
さらに、ママ友や親戚など、お子さんの不登校を知る人たちからの何気ない一言も、意外と心に残ります。情報量が多いことで、世間の「普通」がプレッシャーとしてのしかかり、焦りや不安を大きくしてしまうのです。
不登校の支援で大切なのは、お子さんの個性を尊重し、今の状況をそのまま認めること。「普通」と少し違っていても問題はありません。
見通しが立たない不安が、焦りを加速させる
不登校は個人差が大きく、「いつ頃落ち着くのか」「どうなったらゴールなのか」といった見通しを立てづらいのが特徴です。
先が見えないと、どうしても不安は増幅します。「何とかしなくちゃいけない」という気持ちが焦りとなり、お子さんを急かしてしまうこともあるかも知れません。
でも、不登校はお子さんのペースを無視して進めても、うまくいきません。「今の気持ち」「今抱えている不安」に寄り添うことが何より重要です。
不登校のお子さんに「焦らない」でほしい5つの理由
では、なぜ不登校の支援では「焦らないこと」が大切なのでしょうか。主な理由は、次の5つにまとめられます。
<不登校の支援に焦ってはならない理由>
①エネルギーが回復しないと登校が続かない
②親の焦りがお子さんのプレッシャーになる
③不登校の解決には丁寧な対話や環境調整が必要
④学校以外の場所での経験が将来の自信につながる
⑤不登校でも進学や将来の選択肢は残されている
それぞれの内容について、順番にお話ししていきます。
①エネルギーが回復しないと登校が続かない
お子さんの心と体のエネルギーが回復していない状態で復帰しても、登校を続けていくことが難しくなります。学校に対して「怖い」「不安」といった気持ちが残っていたり、通常の学校生活に耐えられるほど回復していないことも多いからです。
その状態で無理をすると、「揺り戻し」のような形で自己肯定感が大きく下がってしまうことがあります。今休んでいるのは、決してサボっているわけではありません。「充電期間」と考えることで、お子さん自身も気持ちが楽になることがあります。
②親の焦りがお子さんのプレッシャーになる
不登校のお子さんを見ていると、「いつまで休むの?」「そろそろ行けるようにならないと、あとが大変だよ?」といった言葉をかけたくなる場面もあるかも知れません。
でも、保護者の方の不安や焦りは、表情や雰囲気、ちょっとした言い方の違いから、想像以上に伝わっています。そのプレッシャーを受けて頑張ろうとしても、心や体が追いつかなければ、失敗してしまいます。「親の期待に応えられない自分はダメだ」という自己否定につながってしまうのです。
③不登校の解決には丁寧な対話や環境調整が必要
不登校のお子さんが抱える問題は、本当にさまざまです。人間関係やいじめ、先生との相性、学習のつまずきなど、複数の要因が絡み合っていることもめずらしくありません。
「とにかく登校してしまえば、あとは時間が解決してくれるだろう」と考えたくなる気持ちもよくわかります。しかし実際には、根本の問題が解決していなければ、結局また同じ壁にぶつかってしまいます。
お子さんの気持ちを丁寧に聞き取り、学校側や家庭でできる環境調整を少しずつ進めていくことが、とても重要です。
④学校以外の場所での経験が将来の自信につながる
不登校の時期は、学校以外での経験を積むことも、意外なほど大きな意味を持ちます。自分らしくいられる居場所や、安心して取り組める活動が見つかると、自己肯定感が回復しやすくなります。
何より、「毎日を過ごす楽しさ」や「人と関わる心地よさ」を、少しずつ思い出せるようになっていきます。たとえば、
・フリースクールや習い事に通ってみる
・家庭教師と一緒に、家で勉強に触れる時間をつくってみる
といった形も良い選択肢です。学校以外の環境のほうが、安心してチャレンジできるお子さんも多いです。結果的に回復が早まり、後の学校生活や進路選択にもプラスに働いてくれます。
⑤不登校でも進学や将来の選択肢は残されている
将来の可能性を考えるうえでも、「時間をかけて考えること」には大きな意味があります。学校に復帰して一般的な高校受験を目指すルートだけが、唯一の正解ではありません。
通信制高校やサポート校、フリースクールなどを経由した進路であっても、将来が閉ざされるわけではないのです。お子さんに合った学び方を選ぶことで、むしろ力を発揮しやすくなるケースもあります。
さまざまな選択肢を、お子さんと一緒にゆっくり検討していくことで、少し先の見通しが立てやすくなります。保護者の方の不安や焦りも和らぎますし、お子さん自身も「私も大丈夫なんだ」と、前向きな気持ちになれます。
不登校の回復は、「急に0か100かで変わるもの」ではなく、段階を踏んで少しずつ変化していくプロセスです。これら5つの理由を心がけ、支援していきましょう。
「焦らない」=「何もしない」という意味ではありません
「不登校からの回復は焦らなくて大丈夫」と聞くと、「何もしないほうがいいのかな?」と思うかも知れません。でも、「焦らない」は「何も手を打たない」という意味ではありません。
ここでは、保護者の方が知っておきたいポイントを3つに整理してお伝えします。
「見守る」と「放置」は違う
不登校が進行しているときは、どうしても「待つ」時間が多くなります。ただ、その間に何も関わらないというのは、やはり避けたいところです。
お子さんにとって、親は唯一の理解者であり、安心できる存在です。親から何も声をかけられなくなると、自己肯定感が下がってしまいます。だからこそ、
「お父さん・お母さんは、いつでもあなたのことを気にかけているよ」
「話したくなったときは、いつでも相談に乗るからね」
といったメッセージを、形を変えながら伝え続けることが大切です。「今の自分でも、親はそばにいてくれる」と感じられることで、お子さんは少しずつ前を向けるようになります。
お子さんの「小さな変化」に気づく目を持つ
不登校の進行中でも、少しずつ「うまくいった経験」を積み重ねていくことが重要です。そのためには、保護者の方が日々の「小さな変化」に気づき、共有していけると良いと思います。
たとえば、
・表情が少し明るくなった
・会話の量が前よりも増えた
・起床時間が少しだけ早くなった
・興味がなかったものに関心を示した
といった変化は、お子さんが無気力な状態から抜け出し、前に進もうとしているサインです。「今日はなんだか、いつもより嬉しそうだね」などと言葉をかけながら、成長に気づいていることを伝えてあげましょう。
日々の変化を認めてもらうことで、お子さんは自己肯定感を高め、いろいろなことに挑戦する意欲が育っていきます。
不登校の解決を焦らないために、親が押さえたい3つのポイント
では、不登校のお子さんが回復に向かうまでの間、保護者の方は具体的にどのようなサポートをしていけば良いのでしょうか。ポイントは、次の3つです。
<不登校の支援で最低限押さえておきたいポイント>
・生活リズムを「少しずつ」整える
・心身の不調が強い場合は医療やカウンセリングにつなぐ
・学校やスクールカウンセラーと連携する
それぞれについて詳しく見ていきます。
生活リズムを「少しずつ」整える
不登校のお子さんは、生活リズムが乱れやすくなります。でも、そのままでは不登校から抜け出すことが難しくなってしまいます。できる範囲で規則正しい生活に近づけられるよう、声かけや環境づくりを続けていきましょう。
ポイントは、「一気に変えようとしないこと」です。いきなり早寝早起きを徹底させるのではなく、「明日は10分だけ早く起きてみよう」くらいの、小さなステップから始めていきます。「少しずつ」の積み重ねが、大きな変化につながっていきます。
強い心身の不調は、医療機関やカウンセリングにつなぐ
不登校のお子さんは、表には出しにくいストレスをたくさん抱えています。その影響で、心身のさまざまな不調が出てしまうことも少なくありません。特に精神的な病気は、見た目からではわかりにくいことがあります。
日常の様子や言動の変化から、「何かおかしいな」と感じることが続くようなら、早めに専門家につなぐことも大切です。様子見を続けてしまうと、より深刻な状態に進行してしまう可能性もあります。
担任の先生や校長など、学校との連携を欠かさない
担任の先生や校長先生など、学校と連絡を取り続けることも大切です。学校に復帰する場合には、別室登校や短時間登校など、学校側の配慮が必要になります。
また、自治体が運営している教育支援センター(適応指導教室)を利用するときも、学校経由で教育委員会に申請してもらう流れが一般的です。
さらに学校外での学びを「出席」として扱ってもらえる「出席扱い制度」を利用するにも、学校長の許可が必要なのです。学校と連携しておくことで、どのような進路でも動きやすくなると思います。
親の焦りを少し軽くするための考え方とセルフケア
保護者の方は、お子さんと毎日顔を合わせるからこそ、不安や焦りを強く感じがちです。そんなとき、少しだけ物事の捉え方を変えてみることで、ご自身の心が楽になることがあります。
ここでは、「セルフケア」につながる考え方をご紹介します。
「親だからこそ不安になるのは当たり前」と認める
不登校のお子さんを支えるために、「しっかりしなきゃ」と気を張っている保護者の方は、とても多いです。でも、その思いが強すぎると、いつの間にか保護者のほうが限界に近づいてしまうことも。
親である以上、お子さんのことを不安に感じるのは当然のことです。「心配してしまうのは、それだけ子どもを大事に思っているから」と、自分の気持ちを肯定してあげてください。少し心が軽くなるのではないでしょうか。
情報を「選ぶ」ことも大切
ネットやSNSの情報は、極端な意見や刺激的な内容のほうが目立ちやすくなります。「見るたびに心がざわざわするな」と感じるときは、一度距離を置く勇気も大切です。
参考にする情報源としては、
・医師やカウンセラーなどの専門家
・教育委員会や相談窓口などの公的機関
といったものを軸にしてみると、安心感が違ってきます。自身の心を守るためにも、「今の自分にとって必要な情報だけを選ぶ」意識を持ってみてください。
一人で抱え込まず、第三者の力を借りる選択肢
不登校の解決を、保護者の方だけで背負い込む必要はありません。心身の不調がある場合は医療やカウンセリングが必要ですし、勉強の遅れについても、プロに手伝ってもらったほうがスムーズなことが多いです。
「困ったときは、誰かに相談してもいい」という選択肢を持っておくことが、安心につながります。
不登校のお子さんと向き合う「おすすめの声かけ」例
最後に、お子さんと向き合うときに意識したい「おすすめの声かけ」例をご紹介します。お父さん・お母さんの言葉が、少しずつお子さんの気持ちを前に進めるきっかけになることもたくさんあります。
あくまでも一例ではありますが、ご参考にしていただければ嬉しいです。
NG例とOK例で見る「プレッシャーをかけない言い方」
お子さんが自分のペースで進んでいくためには、プレッシャーの強い言葉を避け、「一緒に考えていくよ」という姿勢を伝えます。

勉強のことを話すときの一言アレンジ
勉強については、「一気に取り戻すこと」よりも「少しずつ習慣を取り戻していくこと」が大切です。

「未来の話」をするときのコツ
お子さんが今の状況を前向きに整理できるよう工夫します。

まとめ|焦らないことは、諦めることではありません
不登校のお子さんを支えていると、「一刻も早く何とかしたい」と焦ってしまうこともあると思います。それは、お子さんの将来を真剣に考えているからこその気持ちです。
ただ、スムーズに解決へ向かうには、「焦りすぎないこと」が大切です。お子さんへの声かけや寄り添う姿勢を大切にしながら、毎日の中にある小さな変化を探していきましょう。
少しでも前に進んだと感じられたことがあれば、一緒に喜び、その変化を言葉にしてあげてください。
不安に押しつぶされそうになったときには、第三者の力を借りながら進んでいく形で大丈夫です。もちろん、私たち家庭教師も、お子さんと保護者の方の力になれればと思っています。今できる一歩から前へ進んでいきましょう。
家庭教師のガンバでは年間100人以上の不登校のお子さんの家庭教師をお任せいただいています。
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