お子さんが不登校の場合、通知表の保護者コメント欄を前に、
「どこまで書いたら良いかわからない」
「先生にどう思われるか心配」
「成績や進路に響くのか不安」
など、悩んでしまうことはありませんか?不登校の場合、通知表に「評価不能」の斜線がついていたり、すべてが「1」になっていたりと、どうコメントを添えるべきか戸惑う保護者の方は多いと思います。
でも、通知表コメントに“立派な文章”を書く必要はありません。大切なのは、学校が知りたいポイントをふまえつつ、事実をシンプルに伝えることなんです。
この記事では、不登校のお子さんの通知表コメントをスムーズに書くためのコツを、先生側の視点も交えてわかりやすくまとめました。すぐに使える状況別の例文も載せていますので、書くときのヒントにしてみてください。
コメントを通してお子さんの様子が学校に伝わると、連携がぐっとスムーズになるはずです。
不登校の通知表コメントはどう書く?まず押さえておきたい基本方針
通知表コメントを書こうとすると、
「書き方を間違えたらどうしよう」
「学校にどう思われるのか…」
と不安になりますよね。でも大丈夫です。通知表コメントは短くてOKなんです。難しいことを書こうとする必要はありません。ただし、押さえておきたい基本ポイントはありますので、最初にそれを整理します。
「不登校の通知表コメント」基本テンプレート
通知表コメントは、以下のテンプレートに当てはめて書くと効果的です。
<まず押さえたい基本テンプレ>
①状況の説明:◯◯のため登校が難しい日が続いています。
②家庭での取り組み:□□の習慣づくりを進めています。
③学校と連携する意思:今後も連携しながら無理のない形で進めたいと考えています。
①〜③の順に書けば、状況が伝わりやすく、学校が知りたい要素を満たしたコメントが完成します。あくまでも例ですので、内容はお子さんやご家庭にあわせて変えてください。
不登校の通知表コメントに書くべき3つの要素
通知表コメントで最低限伝えたいのは、次の3点です。
<不登校のお子さんの通知表に書くべき3要素>
①状況の説明
②家庭や外部機関での取り組み
③学校と連携する意思
学校では、不登校のお子さんへの対応を、担任の先生や養護教諭、スクールカウンセラーなど複数の職員で連携して行います。そのため、
「ご家庭や外部機関(フリースクールなど)でどんな様子なのか」
「今どんな取り組みをしているのか」
といった情報で様子の共有をすることは、支援の方向性を考えるうえでとても大切なんです。また、通知表は家庭と学校をつなぐツールでもあります。「学校と一緒に進めたい」という一言を添えるだけでも、学校側は連携の姿勢を感じ取り、安心して支援に取り組めると思います。
不登校の通知表コメントには感情を書きすぎない
コメントを書くときは、”事実ベースで淡々と”が基本です。不登校の時期は、ご家庭の方も不安や焦りが募りやすいかも知れません。でも、通知表に感情を書きすぎてしまうと、学校側が必要な情報を読み取りにくくなってしまいます。
気持ちを抑え込む必要はありませんが、コメント欄では“シンプルで客観的な表現”を意識してください。
知っておきたい不登校の通知表の仕組み
通知表の仕組みを知ると、必要以上に不安にならずに済むようになります。まずは、評価のつき方について整理しておきましょう。
不登校だと「1」や「斜線」がつくのは珍しくない
通知表の成績はテストの点数だけで決まるわけではありません。文部科学省が定めた次の3つの観点から総合的に判断されます。
・知識・技能
・思考力・判断力・表現力等
・主体的に学習に取り組む態度
このうち、不登校のお子さんが不利になりやすいのが「主体的に学習に取り組む態度」です。授業参加や課題提出が評価の中心になるため、登校が難しい場合は評価しづらくなります。
また、残りの2項目も定期テストが大きな判断材料になるので、テストが受けられていないと成績をつけることが難しくなります。
・授業参加 → ×
・課題提出 → ×
・テスト受験 → ×
こうなると、評価の材料がなくなってしまいます。そのため、
・オール1
・斜線(評価不能)
になるのは、実は珍しいことではないんです。(参照:学習評価の在り方について | 文部科学省)
通知表による進路への影響は想像より小さいことも
通知表の成績が低くても進路は閉ざされません。たとえば、
・当日の学力試験のみで合否が決まる「オープン入試」の高校
・内申点の比重が低い高校
など、選択肢はさまざまです。さらに、通信制高校や定時制高校など、今は多様な選択肢があり、調査書の学力部分を重視しない学校も多くあります。
成績が低くても、「どこにも行けない」という状況にはなりませんのでご安心ください。
自治体によっては「斜線(評価不能)」が不利にならないことも
通知表の斜線(評価不能)は、一見すると不利に感じます。でも、自治体によっては評価不能を特別扱いし、不利にならないよう配慮されている場合もあります。
たとえば東京都立高校では、評価不能のお子さんについて、当日の学力検査などを基に学校側の裁量で内申点を決める仕組みが整えられています。こうした仕組みがある地域では、学力検査を頑張れば十分に合格の可能性があります。
(参照:東京都立高等学校入学者選抜実施要綱(令和8年度)p.18 | 東京都教育委員会)
学校が不登校の通知表コメントで知りたい4つのこと
学校は通知表コメントを「支援の手がかり」として活用しています。とくに知りたいのは次の4点です。
<学校が保護者コメントで知りたいこと>
①家庭でどんな様子か
②学校復帰に向けてどの段階か
③医療機関・支援機関との連携があるか
④学校とどう連携していきたいか
難しく書く必要はありません。この4点がわかれば十分です。
①家庭でどんな様子か
学校側が支援を考えるうえで、家庭でのお子さんの様子はとても重要です。「良く見せなきゃ」と思う必要はありません。正しい情報がないと、学校側の支援がずれてしまい、お子さんが必要なサポートを受けにくくなってしまいます。
できる範囲で、ありのままを伝えるようにしてください。
②学校復帰に向けてどの段階か
不登校には3つの段階があります。
・不登校開始期
・引きこもり期
・回復期
コメントから「今どの段階か」を把握できると、その後の支援がとてもスムーズになります。たとえば回復期であれば、別室登校や短時間登校の提案につながることもあります。
③医療機関・支援機関との連携があるか
もし医療機関や教育支援センター、フリースクールなどを利用している場合は、その旨をコメントに添えておきましょう。
・医療機関→治療の必要性や経過を学校が把握しやすくなる
・支援センターやフリースクール→学校との連携で支援がよりスムーズになる
こうしたメリットがあるため、学校としても重要な情報になります。
④学校とどう連携していきたいか
義務教育期間は、たとえ学校以外の場所で学んでいても、所属は小中学校のままです。フリースクールの出席扱い制度を使う場合にも、最終的には校長先生の許可が必要になります。学校側の配慮があってこそなんです。
ですので、お子さんがどんな道を選ぶ場合でも、学校と連携する姿勢は必要です。
「今後も学校と相談しながら進めたい」
「必要な配慮をお願いしたい」
といった簡単な一言を添えるだけでも十分だと思います。
不登校の通知表コメントを書くときの基本ルール
コメントを書く際には、いくつかのルールがあります。基本ルールをチェックリストにまとめましたので、ご参照ください。
また「書いてはいけないNGポイント」も一覧にしてあります。こちらも必ずチェックしてください。
不登校のお子さんの通知表コメントを書くときの基本ルール
✔ 事実だけを端的に書く
✔ 家庭や外部機関での取り組みを簡潔に
✔ 今後の連携の意思を添える
ポイントは、感情ではなく事実ベースで淡々と書くこと。これだけで、学校側が必要な情報を受け取りやすくなります。
不登校のお子さんの通知表コメントで書いてはいけない例
✔学校や特定の先生への批判
✔お子さんを責める表現
✔不登校の原因の決めつけ
✔先生から登校を促すよう無理にお願いする表現
ポイントは、こちらの主観でものを語ったり、無理なお願いをしないこと。学校が知りたいことと大きくずれてしまいます。
不登校の通知表コメント例文|ケース別・状況別でそのまま使える文例集
お子さんの様子や不登校の経緯はひとりひとり違うからこそ、通知表に添えるコメントも“状況に合わせた一言”が大切です。
ここでは、よくあるケースごとに、”今すぐコピペで使えるケース別例文”をご紹介します。「コメント例」として参考にしてください。書き方のポイントも併せてお読みください。
ケース1:長期欠席で引きこもり状態
<保護者の記入例>
体調面の不調から登校が難しい日が続いています。家庭では生活リズムを整える取り組みを行い、徐々に安定してきました。引き続き学校とも連携し、登校に向けて少しずつ進めていきたいと考えています。
<書き方のポイント>
休養を主体にしている時期は、“無理をさせていないこと”と“ほんの小さな変化に気づいていること”を伝えると、先生にも状況が伝わりやすくなります。
ケース2:不登校からの回復期
<保護者の記入例>
登校はまだ不安定ですが、家庭では学習時間を少しずつ確保できるよう支援しています。今後もしばらくは別室登校のご配慮をいただきながら、無理のないペースで改善を図りたいと思っています。
<書き方のポイント>
“頑張りの継続”と“学校の配慮への感謝”を入れると、家庭と学校が同じ方向を向いていることが伝わり、お子さんにとっても良い環境づくりにつながります。
ケース3:医療機関やカウンセリングを利用している
<保護者の記入例>
医療機関に相談しながら、心身の回復に取り組んでいるところです。体調も少しずつ上向き、前向きな言葉が増えてきました。学校の支援もいただきつつ、無理のない形で復帰のタイミングを探っていきたいと考えています。
<書き方のポイント>
受診状況をもとに、前向きな変化に焦点を当てて書くのがポイントです。小さな進歩でも、着実に前に進んでいることが感じられると、とても印象が良くなります。
ケース4:教育支援センター(適応指導教室)を利用中
<保護者の記入例>
教育支援センターを利用しながら、安心できる環境でゆっくりと過ごしています。先生方とのやり取りを通して、自分のペースで社会とのつながりを取り戻しつつあるようです。今後は学校とも連携しながら、少しずつ登校に向けた準備を進められればと思っています。
<書き方のポイント>
センター利用は“社会との橋渡し”でもあります。その点をやわらかく示すと、学校側にも前向きなステップとして受け取ってもらえます。
ケース5:フリースクールを利用中
<保護者の記入例>
週に3日、フリースクールのオンライン授業で個別指導を受けています。生活習慣や学習習慣が身につき、参加が安定してきました。学校には、出席扱い制度について今後もご支援をお願いできればと思っております。
<書き方のポイント>
フリースクールでの“変化”と“安定”を中心に書くと、学校にもその意義が伝わりやすくなります。評価にもプラスに働きます。また「出席扱い制度」への感謝と、引き続きの連携のお願いも忘れないようにしてください。
不登校の通知表への保護者コメントはどう影響する?
保護者コメントが“成績に響くのでは…”と不安になる方もいらっしゃいます。けれど、通知表コメントが成績に影響することはありませんので、安心してください。
通知表の保護者コメントが成績に影響することはない
通知表コメントの役割は、学校と家庭の連携をスムーズにすること。原則、評価そのものに関わることはありません。
ただし、コメントからお子さんのやる気や努力が読み取れる場合、状況を確認したうえで、「主体的に学習に取り組む態度」の判断材料として活用されることはあるかもしれません。
高校に送られる調査書に良い影響を与えることも
通知表の内容は、最終的に高校に送られる「調査書」に反映されます。調査書の様式は都道府県ごとに異なりますが、一般的には「活動の記録」や「総合所見」を書く欄があります。
不登校のお子さんの場合、学校の先生はできる限り良い部分を拾って書いてくださることが多いです。その際、保護者コメントは大切な情報源になります。
医療機関との連携状況や家庭での取り組みがわかりやすく示されていると、高校側も「お子さんを理解する材料」として前向きに受け取ってくれます。
通知表コメントの最終チェック
コメントを記述したら、以下をもう一度チェックしてください。
□ 状況を短く説明した?
□ 家庭や外部機関での取り組みを一つ書いた?
□ 連携への意思を伝えた?
□ 批判や原因の断定を書いていない?
不登校の通知表で悩んだら頼れる先|学校・支援機関・家庭教師
どうしても書く内容が思い浮かばないときは、ひとりで抱え込む必要はありません。頼れる相談先をいくつかご紹介します。
スクールカウンセラー
スクールカウンセラーは保護者の方の悩みに寄り添う専門家です。「学校側が何を求めているか」という視点から、通知表コメントについても有効なアドバイスをもらえます。
教育支援センター(適応指導教室)
市町村の教育委員会が運営しているため、学校との連携も密接です。学校復帰を見据えたアドバイスがもらえるので、コメント内容に迷ったときにも心強い存在です。
近年では家から出られないお子さんのために、家庭訪問などを行う「アウトリーチ支援」にも取り組む動きもあります。困ったら一度問い合わせてみてください。
(参照:不登校児童生徒への支援について p.10 | 文部科学省)
普段利用している医療機関
体調の変化や医師の見立てを聞くと、客観的な記述がしやすくなります。大切なのは、状態を正しく伝えること。必ずしも病名を出す必要はありませんので、安心してください。
家庭教師
学習面の変化は学校側も気にしているポイントです。小さな成長でも学校に伝わると、「学習意欲」や「登校への努力」が伝わりやすくなります。
まとめ|通知表コメントは「完璧でなくていい」
不登校のお子さんの通知表コメントは、完璧でなくても大丈夫です。事実を淡々とまとめ、学校との連携の意思を添えるだけで、必要な情報は十分伝わります。どうしても悩んでしまうときは、周りの専門家に頼ってください。お子さんにとっての最適な未来を、一緒に見つけていけるのではないでしょうか。
家庭教師のガンバでは年間100人以上の不登校のお子さんの家庭教師をお任せいただいています。
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