不登校の子どもが登校を再開して学校に復帰すると、様々な問題を抱えることになります。
簡単にクリアできることもありますが、周囲の手助けが必要な場合もあります。
どのような問題があるのか、親にできることは何なのか、解説していきたいと思います。
不登校から復帰後に抱える問題とは
不登校のお子さんが再び学校に通うようになると、親としては安心してしまうのは当然です。
しかし、復帰後にも問題を抱えるケースも少なくありません。
不登校だったことに罪悪感や劣等感を抱く
不登校だった子どもは、不登校だったことへの罪悪感を抱えやすいです。
親に対して、「自分が不登校になって、迷惑をかけてしまった」と申し訳なく思って自分を責めることもあります。
また周囲の人に対しても迷惑をかけてしまったことを悔いる場合もあります。
また、うまくいかないことやできないことがあると、それを不登校であったことと結びつけてしまう子どももいます。
「不登校であった自分は、何をしてもうまくいかない」と劣等感を抱き、将来への希望を抱けなくなってしまうこともあるのです。
罪悪感や劣等感を持つ子どもに対しては「不登校であったことに対して、罪悪感を抱く必要も、気にする必要もない」「まだ挽回の時間とチャンスはたっぷりある」ということを伝えてあげましょう。
あまりしつこく言うと逆効果になることもありますが、気にしているようならいろんな形で伝えてあげましょう。
実際に不登校であった人でも、復帰後は特別大きな問題を抱えずに、普通の生活をしている人も多くいます。
そして、中には成功を収めて有名になった人もいます。
不登校だったことに悲観的になる必要はないのです。
不登校を脱することができた人の存在は、子どもの励みにもなるかもしれませんが、過度な期待はプレッシャーになることもあります。
親としては「健康で幸せに生活できれば良い」ということを伝えてあげましょう。
学校を再び休もうとする
不登校になった子どもは、学校を休もうとする傾向があるので油断してはいけません。
休もうとする理由はいくつもありますが、問題を抱えているサインとも考えられます。
なぜ休みたいのかと尋ねてみる必要もあるでしょう。
問題がわかれば解決に努めましょう。
一度学校を休むと、「また休みたい」と癖のようになってしまい、不登校の状態に戻りやすくなってしまいます。
学校を休もうとしたときの対応を事前に決めておくことと、「簡単には学校は休めない、休ませない」という認識を親子で持つことも登校を継続していくためには大切です。
学校での問題が原因の場合は、親と本人だけでは解決できないことも多いです。
学校の先生と連絡を取り合って、解決策を見つけることが良いでしょう。
勉強の遅れ
長期間の不登校だった場合、学校に行っていない間に授業が進んでしまいます。
そのため、学校に復帰できても授業についていけなくなってしまうことがあるのです。
不登校の間も、家庭教師や塾で勉強できるケースなら、勉強の遅れの心配はなくなります。
しかし、ほとんど学習ができていないケースだと、勉強の遅れが復帰後の壁になるでしょう。
学校や先生によっては、遅れを取り戻せるように協力的なこともあります。
体力の低下による疲労
長期の不登校だった場合は体力が低下していることも多く、他の子どもよりも疲労を感じやすい傾向があります。
身体的疲労から休みたいと感じるのは、大人にもよくあることです。
しかし、できるだけ継続して学校に通うことで、体力が回復してきたり生活規則も整ってくるので、決まった休みの日以外はできるだけ学校に行かせるようにしましょう。
帰宅してからの時間や休みの日にしっかり体力を回復できるように、「夜は早く寝てしっかり食べる」「適度な運動をする」といった努力も大切です。
生活が不規則になる
長期の不登校の場合、昼夜逆転する場合も多く、登校を始めた際にも再び昼夜逆転のような状態になりやすくなっています。
学校に復帰してからも、しばらくは気をつけましょう。
休みの日の朝に遅く起きたり昼寝をしたりすると、夜の睡眠の妨げになります。
休日も起床時間を守ること、昼寝をしないように注意することが必要です。
人間関係の変化
中学生は多感な思春期でもあるので、人間関係が変わりやすく、長期の不登校だと友達のグループなどが変化していることがあります。
不登校であった場合、その変化についていけずに孤立してしまうこともあります。
学校での人間関係は親が口を出しにくいことですが、学校の先生とうまく連絡を取り合って解決策を見つけましょう。
家庭を安心できる場所に
不登校から復帰できたとしても、子どもには大きなストレスがかかっています。
家庭の環境を整え、安心できる場所にしましょう。
学校以外で過ごす時間が長い場所が家になるため、家庭環境は大切です。
不登校になった原因が家庭にあったのだとしたら、また家庭に問題が発生しないように予防できるものは予防しましょう。
また、避けられない問題が発生したときの解決策も、ある程度決めておくなどし、子どものストレスを緩和するように努めましょう。
もちろん、それが親にとってストレスになってもいけません。
まとめ
不登校から復帰した場合も、新たな問題が生まれる可能性はあります。
子どもの様子を見守りながら、通学を続けられるようにサポートをしましょう。
不登校だった子どもにとって、家庭や学校以外にも過ごす場所が救いになることもあります。
その場所が安心できる居場所であれば、子どもの精神状態が安定しやすいでしょう。
例えば、習い事、趣味の場所、なども良いでしょう。
学校とは別の友達・知人ができることで、学校での人間関係が負担になりにくくなることもあります。
不登校の問題は子どもの問題であることも忘れずに、親と子どもの距離感を保つことも大切にしましょう。
ガンバ 今村