今回は高校受験を控えたお子さんのために、親御さんが知っておくべき「偏差値」について解説し、偏差値を上げるためのポイントをいくつかお伝えします。私たちの世代から長年、受験における「偏差値」という指標が用いられていますが、意味や使い方をあまり深く理解していないという方も多いのではないでしょうか?お子さんの志望校を決めたり、学習計画を立てるうえでも、偏差値は非常に重要な役割を持っています。
今回は、偏差値の基本的な求め方や現代の偏差値の意味、偏差値を上げるために親御さんとしてどのようなサポートができるのかについて詳しくお話ししていきます。
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偏差値の基本と求め方
偏差値は、テストの結果をもとにその人の位置や成績の傾向を測るための指標です。多くの親御さんが偏差値という言葉を聞いたことはあっても、その計算方法や意義についてはあまり理解していないかもしれません。まずは偏差値とは何かを具体的に見ていきましょう。
偏差値の計算公式は以下のようになっています。
偏差値 = (個人の得点 - 平均点) ÷ 標準偏差 × 10 + 50
※他社サイトですが、こちらのサイトから偏差値を計算できます。
この公式での計算方法を簡単な例を使って説明しましょう。例えば、お子さんが受けたテストの平均点が40点、標準偏差が10点だとします。このテストでお子さんが50点を取った場合、偏差値は60となります。このように、偏差値は単純な得点とは異なり、平均点からの差を数値化することで、現在の位置を正確に把握するための指標になっているのです。
偏差値50が平均で、これより高ければ平均以上、低ければ平均以下といった具合に偏差値は指標として非常に役立ちます。偏差値の利点は、得点の高低だけでなく、その結果が全体の中でどのくらいの位置にあるのかを視覚的に把握できる点です。
偏差値の簡単な見方と活用法
偏差値の概念を理解しても、実際に日常で利用するのは難しいと感じるかもしれません。しかし、偏差値を知ることで受験勉強を進める際に役立てることができます。
受験では定期的に学力テストや模擬試験が行われ、それぞれのテストで偏差値が算出されます。例えば偏差値が60以上であれば学年上位の成績、偏差値が40以下の場合はやや苦手な部分があると捉えることがっできます。また、個別の教科ごとにも偏差値が出るため、国語や数学、英語など、どの教科が得意で、どの教科に改善が必要なのかを把握しやすくなります。
教科別偏差値の活用方法
例えば、英語の偏差値が65、数学が50、国語が40とした場合、英語は得意分野であり、国語は苦手分野だと判断できます。この情報をもとに、国語に重点的に取り組むなどの学習計画を立てることが可能です。
偏差値を知っておくことは、親御さんが子どもの学習をサポートするうえで非常に有益です。例えば、模擬試験の結果を分析して、どの教科に時間を割くべきか、どの科目を重点的にサポートすべきかを見極めることができます。また、偏差値を理解することで、親子で受験の戦略を立てやすくなり、無駄のない勉強が進められるようになります。
偏差値を上げるために親ができるサポート
偏差値を上げるために必要なことは、単に勉強時間を増やすだけではありません。効率のよい学習法や、適切なサポートが重要です。特に中学生は自分一人で学習管理をするのが難しい年齢ですので、親御さんが上手にサポートしてあげることが偏差値向上のカギとなります。以下では、具体的なサポート方法について詳しく見ていきます。
1.学力の現状を把握する
まず、偏差値を上げるにはお子さんの現状を正確に把握することがとても重要です。どの教科が得意で、どの教科が苦手かを知り、それに基づいて学習計画を立てて下さい。このとき、学校の成績表や模試の結果を参考にすると効果的なので、絶対にテストや模試の答案は必ず取っておくようにしましょう。
また、得意・不得意が分かったら、どの単元が特に弱いのかまで分析してあげると良いいと思います。例えば、数学が苦手な場合でも、特に方程式や図形が苦手なのか、割合や比率が苦手なのかを把握することで、重点的に学習する範囲が明確になります。
2.効率的な学習計画を立てる
学習計画を立てる際には、「どれくらいの時間を何の教科に割くか」を考えることが重要です。得意な教科には短時間でもよいので復習を行い、苦手な教科には重点的に時間を割くようにしましょう。このように効率的な時間配分を行うことで、偏差値の底上げが期待できます。
また、計画を立てる際には、目標とする偏差値を設定することも大切です。目標に向けて進捗状況を確認しながら、柔軟に学習内容や計画を調整していくと良いでしょう。
3.学習習慣の定着をサポートする
日頃から勉強の習慣を付けることはとても大切ですが、当然、偏差値を上げるためにも継続的に勉強することは不可欠です。毎日決まった時間に勉強を始める、集中力が続かない場合は適度に休憩を挟むなど、勉強に向き合う姿勢を身につけるために、ときには支援が重要です。
親御さんが積極的に学習のサポートをする姿勢を見せることで、嫌がるお子さんもいると思いますが、中には自然と勉強に向き合いやすくなるお子さんもいると思います。勉強する意義や達成感を理解させることで、学習意欲も高まるでしょう。
4.模擬試験を活用する
模擬試験は偏差値の推移を確認するための良い指標となります。定期的に模擬試験を受け、その結果を分析して今後の学習方針を決めることが非常に効果的です。模試の結果をもとに、どの部分が弱点なのかを具体的に分析し、改善策を考えましょう。
模擬試験の結果からわかる偏差値は、受験校を選ぶための大切な指標にもなります。お子さんの偏差値に合った学校を選ぶことで、受験成功の確率が高まるだけでなく、学力に見合った学習環境で無理をせず、受験勉強ができると思います。
偏差値と受験戦略
少し大げさですが、受験期には偏差値をもとにした受験戦略を立てることが重要です。偏差値をもとに、お子さんに合った志望校を設定し、その学校に合格するための勉強内容を絞り込んでいく必要があります。
志望校の偏差値とお子さんの学力を見極める
志望校を選ぶ際には、各学校の偏差値が重要な指標となります。ただし、偏差値だけで志望校を決めるのではなく、今後にも大きく関わってくるので、お子さんの適性や興味、将来の進路も考慮しましょう。お子さんが志望する学校の偏差値と、自身の現在の偏差値の差を見て、その差を埋めるためにどんな勉強が必要なのか考えていきましょう。
成績を上げるための具体的な対策
最後に、成績や偏差値を上げるための具体的な対策をいくつか紹介します。偏差値を上げるには、効果的な学習方法や習慣の見直しが必要だと思います。以下を参考にして頂ければと思います。
1.反復学習と基礎固め
偏差値を上げるためには、基礎学力の定着が絶対に必要となります。特に苦手な科目については、基本的な問題集を何度も反復して解くことで、基礎力が定着します。基礎がしっかりと身についていれば、応用問題にも対応しやすくなり、結果として偏差値の向上に繋がります。
2.集中力を保つための環境作り
勉強に集中するためには、環境も重要です。静かな場所や整理整頓されたスペースでの学習を心がけましょう。スマホやテレビなどの誘惑を遠ざけることも効果的です。また、適度な休憩を挟むことで、集中力が持続しやすくなります。
3.過去問の活用
志望校の過去問を活用することで、試験問題の傾向や難易度に慣れることができます。過去問を解く際には、ただ解くだけでなく、間違えた問題やわからなかった問題を復習し、理解を深めることが重要です。過去問の反復により、実際の入試で高得点を取れるように準備しましょう。
まとめ
今回は、偏差値の基本的な仕組みから偏差値を上げるための準備や学習戦略、そして親御さんができる具体的なサポート方法についてご紹介しました。偏差値は単なる数字ではなく、受験戦略を立てるうえで重要な指標です。効率よく学力を伸ばし、偏差値を上げるためには、現状を正確に把握し、得意・不得意に応じた学習計画を立てることがポイントです。
お子さんが高校受験に向けて成績を上げられるよう、ぜひ偏差値の意味を理解し、効果的な学習サポートを行ってみてください。受験は親子で協力して取り組むことができます。お子さんに任せっぱなしで大丈夫な場合は問題ありませんが、お子さんが少しでも不安を感じているようなら、ぜひ一緒に学び、合格を目指して頑張って下さい。
家庭教師のガンバ 竹田 一成