高校受験では、テストや内申点と並んで重要なのが『面接』です。でも、高校受験を控えたお子さんがいらっしゃるご家庭の方の中には、「高校受験の面接って、どう答えればいいかわからない」「どんな対策をすればいいの」とお悩みの保護者の方はとても多いのではないでしょうか。
高校受験の面接では基本的に、「明るく元気」「前向きでやる気がある」「素直で清潔感がある」といった印象を持ってもらえることが大切だと言われています。とはいえ、具体的な対策も気になるのではないでしょうか。
そこで今回は、高校受験の面接の中でも「やってはいけないこと」と「その対策」の全15項目を、下の3つのカテゴリーに分けてご紹介します。
1【態度編】
2【マナー編】
3【受け答え編】
高校受験を控えたお子さんをお持ちの保護者の方はぜひ、今回お伝えする内容をお子さんと共有し、高校受験の面接対策にお役立てください。
そもそも高校受験での面接の狙いとは
まずは高校受験に面接試験を取り入れている際の狙いについて、簡潔にまとめましたのでご覧ください。
- 人間性は調査書と合っているか
- コミュニケーション能力(思考力・表現力・判断力)はあるか
- 志望動機・入学意欲の確認
- 入学後の興味関心の確認
- 学校が求める生徒像に合っているか
高校受験の面接では、テスト結果や調査書だけでは分からない、お子さんの人物像やコミュニケーション能力を知るために行われます。
また、志望動機や入学後にしたいことなどから入学意欲を見たり、学校が求める生徒像に合っているかどうかの適正を知るためにも行われています。
高校受験の面接でやってはいけないこと【態度編】
はじめに、高校受験の面接でやってはいけない態度とその対策を3つご紹介します。
やってはいけないこと① 控え室でスマホや私語を楽しむ
高校受験の面接では、面接が行われる場所だけでなく、控室での態度も見られていることがほとんどです。ですので、次のような行動は慎むようにしましょう。
・他の受験生と私語をする
・スマホを触る(ネット、ゲーム、音楽、動画閲覧など)
・足を組んだりだらしない姿勢で待つ
【対策】
・スマホは控室に入る前、または学校に入ってすぐに電源を切る
・たとえ知り合いがいてもお喋りは慎む
・控室から面接という気持ちで良い姿勢を保つ
やってはいけないこと② 面接中のだらしない姿勢
控室での態度と同様に、面接の間もだらしない姿勢でいてはマイナスです。特に高校受験で集団面接が行われる場合は、自分の質疑応答の時以外の姿勢や態度も見られています。
【対策】
・歩く時も背筋を伸ばす
・イスの背もたれに寄りかからない
・脚は閉じて座る(脚を開いて座らない)
・手は膝の上に置く(男子:軽く握る、女子:手をそろえて伸ばし重ねる)
やってはいけないこと③ 面接が終わった後すぐ油断する
面接で質疑応答が終わると、ほっとして姿勢が乱れたり最後の挨拶を忘れがちになります。最後まで油断することなく、姿勢や挨拶などを心がけましょう。
【対策】
・面接での質疑応答が終わった後も姿勢に気を付ける
・退室する際の挨拶を忘れない
高校受験の面接でやってはいけないこと【マナー編】
続いて高校受験の面接時にマナーとしてやってはいけない点を対策とともに5つご紹介します。
やってはいけないこと① 遅刻する
面接時間への遅刻は大きなマイナスイメージを残してしまいます。よほどの理由がない限り、時間管理ができないとみなされてしまい、面接の受け答え内容以上に信頼性に影響を与えてしまいます。ですので、高校受験の面接で遅刻は絶対に避けるべきと言えます。
【対策】
・事前に実際に学校へ行ってみるなど、入念にシミュレーションをしておく
・面接の当日は早めに起き、余裕を持った行動をする
やってはいけないこと② 身だしなみが乱れている
面接の担当者がはじめにお子さんをみた第一印象は、身だしなみで決まると言っても過言ではありません。「服装の乱れは心の乱れ」とも表現されるように、高校受験の面接では清潔感のある整った身だしなみにしておくことが大切です。
次のような服装は身だしなみが乱れているイメージを与え、好印象を残すことが難しくなるため気をつけましょう。
・しわしわの制服
・ズボンやスカートの丈
・ボタンの閉め忘れ
・清潔感のない髪の毛・髪型
・学生としてふさわしくない髪色・髪型
・伸びた爪
・曲がったネクタイやリボン
・ひどく汚れた上履き
【対策】
・制服のアイロンやクリーニングを済ませておく
・伸びている髪は散髪へ行く
・きちんと洗髪する
・長い髪は束ねる
・余りに奇抜な髪型や脱色・染色は避ける
・爪を切っておく
・上履きは洗っておく
・家を出る前に鏡で全身をチェックする
やってはいけないこと③ 挨拶ができない
挨拶はマナーの「基本の基(き)」とも言われます。挨拶がないと礼儀正しさがないだけでなく、元気がない印象も与えてしまいます。高校受験の面接に備えて、要所要所であいさつができるように普段から練習しておきましょう。
【対策】
・入室時:ノック後、「どうぞ」と言われたら「失礼します」と挨拶をして入室
・着席時:「お座りください」と言われてから、「失礼します」と挨拶をして座る
・終了時:「終わりです」と言われたら、「はい」と言って立ち上がる
「ありがとうございました」と挨拶をする
・退出時:面接担当者の方を向き、「失礼します」と挨拶をして退出
・学校へ入るとき、控室に入るとき、学校から帰るときも会った先生には挨拶をする
・普段の生活から気持ちの良い挨拶をする習慣をつけておく
やってはいけないこと④ スマホ・ゲームを持ち込む
態度編でもお伝えしましたが、高校受験の面接時に待ち時間が長そうだからと言って、スマホやゲーム機を持ち込まないようにしましょう。万が一の緊急連絡先としてスマホや携帯電話を持ち込みたい場合は、学校または控室に入る前に電源を切っておきましょう。
【対策】
・ゲーム機は持ち込まない
・スマホが必要な場合は、学校に入る前、または控室に入る前に電源を切る
やってはいけないこと⑤ 受験要項を読んでいない
高校の受験要項には、当日のスケジュールや必要な持ち物なども記載されています。見落としがある場合、遅刻の原因になったりマイナスイメージを与えかねません。面接の前に必ず受験要項を確認しておきましょう。
【対策】
・必ず受験要項に目を通しておく
高校受験の面接でやってはいけないこと【受け答え編】
最後に、高校受験の面接で受け答え時にやってはいけないことについて7つ、対策とともに解説します。
やってはいけないこと① 返事ができない
高校受験の面接では、たびたび返事をする機会があります。その時に次のような返事の仕方にならないよう、あらかじめ適切な声の大きさで返事をする練習をしておくとよいでしょう。
・返事をしない
・小さな声でぼそぼそと返事をする
・相手の目(顔)をみて返事をしない
【対策】
・適度に大きな声で、はっきり返事をする練習をする
・相手の目(顔)を見て返事をする習慣をつけておく
やってはいけないこと② ハキハキと話せない
こちらも返事と同じで、高校受験の面接では、質問に対してハキハキと答えることが大切です。たとえ面接で質問された内容に対する回答が多少ずれていたとしても、元気にはっきりとした口調で答える姿はポジティブなイメージを残すことができます。返事と同様に、練習をしておくとよいでしょう。
【対策】
・適度に大きな声で、はっきりと落ち着いて話す
やってはいけないこと③ 想定できる質問への回答を用意していない
高校受験の面接で出される質問は、ある程度予測ができます。もちろん学校にもよりますが、自己PR(自己紹介)や志望動機は多くの学校の面接で質問される内容です。こうした質問があった場合に回答できなければ、次のような印象を与えかねません。
・本気度が低い
・準備ができていない
・自己分析ができていない
想定できる質問への準備は必ずしておきましょう。
【対策】
・自己PR(自己紹介、短所・長所など)を考えておく
・中学校で頑張ったこと(部活・課外活動・委員会活動など)をまとめておく
・志望動機をまとめておく
やってはいけないこと④ 用意した回答を機械的に答える
一方で、想定される質問に対して、あらかじめ準備しておいた内容を丸暗記し、機械的に答えてしまうのも避けたいところです。もちろん事前に準備をしておくことはとても大切です。
ただ、答え方が棒読みになってしまったり、暗記したことを思い出そうとして何も言えなくなってしまっては本末転倒です。
【対策】
・伝えたい内容の肝(ポイント)を理解しておく
・自分の言葉で話せるように練習しておく
やってはいけないこと⑤ 質問に対する回答が長すぎる
高校受験の面接で意外とやってしまいがちなのが、質問に対して長々と答えてしまうことです。「ちゃんと答えよう」「自分の良い点ややる気を伝えたい」という気持ちの表れではありますが、できれば簡潔に答えられた方が、面接の担当者への印象はグッとよくなります。
【対策】
・事前準備できる質問への回答は、長くなりすぎないようにまとめておく
・いろんな質問に対して、要点をしぼって話す練習をしておく
やってはいけないこと⑥ ウケを狙った回答をする
面接の場では、ウケを狙った回答は基本的にNGとされています。「楽しい雰囲気にしたい」「場を盛り上げたい」といった気持ちの表れかもしれませんが、高校受験の面接は真剣な場であるため、「ふざけている」と受け取られかねません。ウケ狙いの回答は控えた方がよいことを理解しておきましょう。
【対策】
・面接ではウケ狙いの回答は控える
・伝えたい内容は、素直に誠実に回答する方がよいことを理解しておく
やってはいけないこと⑦ 他人への質問に口をはさむ
高校受験の面接が集団面接の場合、他の受験生の回答も聞くことになります。つまり、他人の発言を聞いている時の姿勢もみられているわけです。
たとえば「この回答、間違っているな」「この内容は自分が得意なことだ」と感じたとしても、他人の順番の時はその人の時間です。途中で口をはさまないように気をつけましょう。
【対策】
・他人が質問されている内容へは口を出さず、聞き役に徹する
・同じ質問を順に答える場合は、前の回答者に対するつなぎ言葉を考えておくと便利
まとめ
今回は、高校受験の面接における「やってはいけないこととその対策」について解説しました。「あれはやってはいけない」「これもやってはいけない」とガチガチになるのではなく、あくまでも「これを避けておけばOKだな」「この対策しておけば大丈夫だな」と、余裕をもって臨めるように、ご活用ください。
もしも質問に答えられない場合でも、素直に「間違えました」「すみません、わかりませんでした」等と言えるようにしておくと、必要以上に緊張することを避けられます。
身だしなみなどはご家庭でサポートし、受け答えなどは繰り返し練習をしておくことで、リラックスして本番に臨めると思います。お子さんの魅力が志望校の面接担当者へ伝わるよう、今回の記事をぜひお役立てください。
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