高校受験の対策でもはや欠かせない「過去問」の演習ですが、次のような疑問を抱えていませんか?「いつから過去問に取り組めばよいのだろう。早い方がよい?」
このように、まず壁にぶち当たるのが『過去問いつからやる問題』です。実は過去問を始めるには、適したタイミングがあります。過去問に関しては他にも次のような疑問がたくさん聞かれます。
「過去問はただ解くだけでいいの?」
「一体、何年分やればいいの?」
そこで今回の記事では、高校受験対策として過去問を始める時期、やり方、何年分すればよいかについて解説します。疑問を解決して、ぜひ高校受験へ向けた効率的な過去問演習にお役立てください!
高校受験の過去問|「いつから」始める?
過去問演習を「いつから始めればいいのか?」という疑問への回答はずばり、次の3つです。
①中学の学習内容の約9割をやり終えたタイミング
②理想は9月頃から
③12月からでもできる
それぞれを詳しく解説したいと思います。
中学の学習内容の約9割をやり終えたタイミング
高校受験の入試テストは、中学で学習する内容の全体から出題されます。ですので、タイミングとしては中学の学習内容をやり終えてから過去問に取り掛かるのがもっともよいです。
ただ、全部を理解してから…と考えていると、過去問を始めるのが遅くなってしまいます。そこで、「中学の学習内容の約9割をやり終えたタイミング」で過去問に取り掛かるのが現実的といえます。
逆に、中学の学習内容の半分しかできていなかったり、おおかたの基礎固めができていない段階で過去問にトライしてもあまり効果が期待できないため、効果的なタイミングを知っておくとよいでしょう。
理想は9月頃から
過去問に取り組む理想的な時期は、9月頃からです。たとえば夏休みを活用して中学3年間の単元をおおよそ学習し終えれば、満を持して9月から過去問に取り掛かることができます。
中学3年間の単元全てができていなくでも、夏休み中に中学1年からこれまでに習った内容の基礎固めが出来ていれば、中学3年間で見た時に約9割近くの内容が学習済みとなるので、9月は過去問に取り組み始めてよいタイミングと言えます。
10月、11月は学校の定期テストもあり、文化祭などの行事で学校生活自体も忙しくなります。ですので、過去問に早めに取り掛かっておくことで、秋の忙しい時期の高校受験対策を一歩リードできる、という意味でも9月頃からがおすすめです。
もちろん、塾や学校の学習進度が速く、早い時期に中学3年間分の学習内容をやり終えているのであれば、9月まで待たなくとも夏休み中から過去問に取り掛かるとよいでしょう。
12月からでもできる!
では9月頃から始められなかったらアウトかというと、そうではありません。「9月から過去問出来なかった…終わった…」とやる気をなくしてしまってはもったいないです。
はじめにお伝えしましたが、過去問演習は高校受験対策では欠かせないもののひとつです。あくまでも9月頃から始めるのが理想で、たとえ始めるのが遅くなっても、過去問演習は必ずやることをおすすめします。
先ほどお伝えしたように、10月・11月は定期テストがあります。この時期の定期テストは高校受験の内申点にも影響するほか、主に公立高校の受験問題では中学3年生の2学期の学習内容も多く出題されています。
そのため、この時期は定期テスト対策=高校受験対策のひとつとも言えるので、過去問だけにとらわれなくてもよいでしょう。
ですので、「これまでの復習や定期テスト対策に時間を費やしてしまい、あっという間に12月になった」という場合でも、12月から過去問に取り掛かりましょう。
内申点については、次の記事もご参考ください。
<関連記事>内申点ってどれくらい取れば行きたい高校にいけるの?理想の進学先を目指すために
高校受験の過去問|「どのように」解けばよい?
過去問を効率的・効果的に活用するには、次の点がポイントです。
・解いたらすぐに答え合わせと解きなおしをする
・解きなおしは、まず解説書を読んでから
・繰り返し解く(最低2回以上)
また、過去問をどのように解いていくかについては、次に挙げる4つの、取り組む段階に応じた「目的」とそれに合った「対策・方法・コツ」を意識するとよいでしょう。
①苦手なところを見つけ、つぶしていく
過去問に取り組み始めたばかりの時期や、比較的早い時期に過去問に取り組む場合、過去問を解くことで「苦手なところを見つけ、その対策をしていく」ことが大切です。苦手な所が分かれば、今後どこを優先して学習していけばよいかがわかります。
学習の優先順位がわかれば、そこを重点的に復習していくことで苦手な問題や教科をつぶしていくことができます。
一番はじめに過去問を解くときは、問題用紙と解答用紙をコピーしておくと、繰り返し解くことができて便利です。学習していない箇所は飛ばして解き、間違えた箇所はノートを作ってそこへ解きなおしをしておくと、自分の苦手なところを後でまとめて見返すことができます。
目的:苦手な個所・教科をみつける
対策:学習の優先順位を決める(問題、教科)
その問題・教科を重点的に復習する
コツ:問題用紙、解答用紙をコピーしておく(繰り返し解くため)
まだ学習してない所はとばす
解きなおし用のノートを作る
②出題傾向をつかみ、対策をたてる
過去問を解くことで志望校の出題傾向をつかむことができ、それに合わせた対策を取ることができます。出やすい問題やパターンを重点的に解くことで、点数が伸びる可能性が高くなります。
特に私立高校では、学校によって出題される問題に特徴があるケースが多いです。過去問を繰り返し解き、類似問題にも取り組めるとよいですね。
目的:出題傾向をつかむ
対策:よく出る分野や出題方法を把握する
それに合わせて勉強をする
コツ:間違えたところは解きなおしをする
よく出る問題の類似問題にも取り組む
③実力を試し、志望校選びに役立てる
過去問を解いてみることで、解いた時点の自分の実力がわかります。自分の実力を試したら、その結果は志望校選びの参考にしたり、今後の学習計画に生かすことができます。
過去問の点数が、もし志望校の合格基準に足りていなければ、勉強時間を増やす、勉強のやり方を工夫する、などといった対策も考えていきましょう。
また、「割と手ごたえがあった」「あと何点増やせばよい」など過去問の結果から得られた気持ちを、今後の勉強のモチベーションにしていくとよいでしょう。
目的:その時点での実力を試す
対策:実力が足りない部分に対する対策(学習時間、方法など)を考える
志望校選びの参考にする
コツ:自分の立ち位置を知って、勉強のモチベーションにつなげる
④本番を想定して解き、時間配分や解く順を考える
高校受験の本番で実力を発揮するには、出題傾向にあった問題の攻略や苦手をつぶしておくことだけでなく、テストの時間配分や解く順番に慣れておくこともとても大切です。
そのため、過去問を解くときは実際の入試を想定し、時間を計って過去問に取り組むのがおすすめです。まずは問題をざっと見て、1問にどれくらいの時間を割り当てるかを素早く見積ります。設問の難易度や見直しの時間なども考慮するとよいですね。
はじめは時間が足りないかもしれませんが、繰り返し過去問を解く中で上手く時間配分できるようになります。本番が近づいてきたら、実際の入試と同じ時間割で、通して過去問を解いてみましょう。こうすることで、集中力を継続させる練習にもなります。
目的:時間配分を身につける、試験慣れする
対策:本番と同じ時間を計って解く
慣れてきたら本番の時間割で続けてやる
コツ:時間配分は、設問の難易度や得意不得意も考慮する
テスト本番と思って集中する
高校受験の過去問|「何年分」やればよい?
ここまで高校受験対策として過去問はいつからどのようにすればよいかについてお伝えしてきました。では過去問は一体何年分やればよいか、そして新しいものと古いもののどちらから手をつければよいのでしょうか?答えは次の通りです。
・最低3年分、理想は5年分以上を解く
・年度の新しいものから解いていく
過去問は最低でも3年分、できれば5年分を解いておくとよいでしょう。年度については、まずは最新の過去問から取り掛かることをおすすめします。
学校の中には年度によって出題傾向が変わったり、前年度と出題意向が変わるというケースもあるので、直近のものから取り掛かり、古いものにさかのぼって解くとよいでしょう。
少なくとも3年分、できれば5年分以上(学校や問題集によっては5年分以上掲載されているものもあるため)を解いておくと、万が一の出題傾向の変更にも対応しやすくなります。
ちなみに過去問を何年分解くかは、第一志望校と併願校とでボリュームを調整しましょう。第一志望校では上記の年数分は解きたいところですが、受験するすべての学校で数年分をこなすのはとても大変です。併願校の過去問については、1校当たり1~3年分の間で時間のゆとりを見て取り組むとよいでしょう。
まとめ
今回は過去問は「いつから」「どのように」「何年分」やればよいかについてお伝えしました。内容をざっくりまとめると、次のようになります。
「いつから?」
①中学の学習内容の約9割をやり終えたタイミング
②理想は9月頃から
③12月からでもできる
「どのように?」
・すぐの採点と解きなおし(解説書を読んでから)
・繰り返し解く(最低2回以上、問題解答用紙のコピーがおすすめ)
・解きなおしノートをつくる
・よく出る問題の類似問題も解く
・時間を計る
・本番近くは時間配分も考える
「何年分?」
・最低3年分、できれば5年分以上
・年度の新しいものから解く
・第一志望校と併願校で解く年数を調節する
繰り返しになりますが、高校受験では過去問演習は欠かせない対策のひとつです。より効果的な方法を取り入れて、ぜひ合格への受験勉強にお役立てください。
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