はじめに

こんにちは。この記事では、東京都の高校受験を控える中学生やその保護者の方に向けて、都立高校・私立高校の受験制度、選抜のしくみ、模擬試験の活用法、そして合格につながる勉強法をわかりやすくご紹介します。

「都立ってどんな仕組み?」「推薦制度って何?」といった疑問にもお答えしていきますので、初めての受験でも安心してお読みくださいね。

このブログでは、30年以上【勉強が苦手な子】に向けて家庭教師を紹介している「家庭教師のガンバ」が、その経験を基に情報を発信しています。ご興味のある方は公式サイトをご覧下さい。

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都立高校の特徴と仕組み

東京都の公立高校、通称「都立高校」は、学費が抑えられ通学しやすい点が魅力。都内全域から通える学校も多く、普通科だけでなく、理数科や国際科、総合学科など、さまざまな特色を持った学校がそろっています。

都立高校は、東京都教育委員会が定めた統一的な入試制度に沿って運営されており、制度の仕組みを理解しておけば、複数校を比較しやすいのもポイントです。

また、2023年度入試からは「男女別定員制」が廃止され、性別に関係なく、学力や調査書点での選抜がより公平に行われるようになりました。

さらに、英語のスピーキングテスト「ESAT-J(イーサット・ジェー)」が新たに導入されており、英語の4技能評価がより重視されつつあります。

 

入試と選抜方法

学力検査

都立高校の入試では、英語・数学・国語・理科・社会の5教科で筆記試験が行われます。各教科100点満点で、計500点が学力検査の得点となります。

調査書(内申点)

調査書は、中学3年生の成績が対象で、9教科それぞれ5段階評価で記録されます。ここで特徴的なのが、都立高校の調査書点は「主要5教科(英・数・国・理・社)」に加えて、「技能4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)」を2倍して換算するという点です。

つまり、

  • 主要教科:各5点満点 × 5教科 = 25点
  • 技能教科:各5点満点 × 2倍 × 4教科 = 40点
  • 合計:65点満点

この65点を学校ごとの基準に従って300点満点などに換算します。

そのため、技能教科の成績が内申点全体に与える影響が大きく、提出物や授業態度、定期テストだけでなく、体育祭や作品制作などへの取り組みも大切にされます。

 

学校別選択問題(旧・自校作成問題)

2023年度入試から、学校別選択問題が一部の進学指導重点校や進学重視型単位制高校で再導入されました。

対象科目は英語と数学で、通常の共通問題よりも難易度が高く、記述や応用力が求められる内容になっています。対象校を受ける場合は、対策が必須です。

選抜のルールと1次・2次選抜の違い

学力検査と調査書の比率

都立高校の選抜は、基本的に「学力検査:調査書」の比率が7:3。この比率はすべての学校に共通しており、わかりやすい制度設計となっています。

たとえば、学力検査が500点満点、調査書が300点満点に換算され、合計800点で合否を判定する形です(加えて面接や作文を実施する学校もあります)。

加えて、英語のスピーキング力を測るための「ESAT-J」の結果も、一部の学校では参考資料として活用されています。

1次選抜と2次選抜の違い

1次選抜

都立高校の入試の中心は「1次選抜」で、ここでほとんどの合格者が決定します。学力検査と調査書点の合計をもとに、各校の定員に応じて合否が決まります。

2次選抜

1次選抜で定員に満たなかった場合に行われるのが「2次選抜」。選べる学校は限られますが、学力検査の内容が1次選抜と同様であることが多く、再挑戦のチャンスとして活用されています。

 

都立高校受験の近年の動向

近年の都立高校入試では、以下のような傾向が見られます:

  • 上位校への志望が集中し、競争率がやや上昇傾向
  • 学校別選択問題の復活により、難関校と中堅校の“差”が再び明確に
  • 男女別定員制の廃止により、学力本位の選抜へとシフト
  • 英語のスピーキング評価(ESAT-J)導入で4技能対策が重要に
  • 総合型選抜(面接・作文など)への対応がより重要に

上位校を目指す場合は、難問への対応力を、中堅校以下では調査書点や面接の対策がより重視されるようになっています。

 

私立高校の受験と推薦制度

東京都では、多くの私立高校が「推薦」や「併願優遇」という制度を設けています。

推薦・確約の基本

  • 学校説明会や個別相談に参加することが条件
  • 中学からの内申点や生活態度などで基準クリア
  • 合格がほぼ保証されることで精神的な安心感あり

単願推薦(専願推薦)

単願推薦は、特定の私立高校を第一志望とし、合格した場合は必ずその高校に進学することを条件とした推薦制度です。

特徴

  • 第一志望限定:合格した場合、他の高校を受験せず、その高校に進学することが求められます。
  • 推薦基準:各高校が定める内申点や出席状況、生活態度などの基準を満たす必要があります。
  • 選考方法:書類審査や面接、小論文、適性検査などが行われます。
  • 出願時期:一般的に1月中旬に出願し、1月下旬に試験が実施されます。都庁総合

注意点

  • 辞退不可:合格後の辞退は原則として認められません。
  • 情報収集:各高校の募集要項や説明会で詳細を確認することが重要です。

併願推薦(併願優遇)

併願推薦は、都立高校を第一志望としつつ、私立高校を併願する際に利用される制度です。

特徴

  • 併願可能:都立高校の受験結果に関わらず、私立高校への進学が可能です。
  • 推薦基準:内申点や出席状況、生活態度など、各高校が定める基準を満たす必要があります。
  • 事前相談:12月中旬以降に中学校と私立高校との間で事前相談が行われ、基準を満たしているか確認されます。
  • 選考方法:書類審査や面接が中心で、筆記試験が免除される場合もあります。
  • 合格通知:私立高校の合格通知は、都立高校の合格発表後に受け取ることが一般的です。

注意点

  • 基準の確認:各高校の内申基準や出願条件は異なるため、事前に確認が必要です。
  • 確約の禁止:東京都教育委員会の指導により、私立高校が合格の確約をすることは禁止されています。

推薦まとめ

単願推薦と併願推薦は、それぞれ異なる特徴と条件があります。受験生の志望校や進路希望に応じて、適切な制度を選択することが重要です。また、各高校の募集要項や説明会で最新の情報を収集し、準備を進めていくことをおすすめします。

 

模擬試験と学習対策

東京都の受験生がよく活用する模試には次のようなものがあります:

  • Vもぎ(都立入試に近い形式)
  • Wもぎ(難易度や判定がやや異なる)

模試の受け方のポイント

  • 中3の6月から継続的に受験するのがおすすめ
    模試は本番のリハーサルです。中3の6月頃から受け始めると、自分の現時点での立ち位置が見え、夏以降の学習方針を立てやすくなります。また、定期的に模試を受けることで、成績の推移や志望校の合格可能性を把握しやすくなり、モチベーションの維持にもつながります。夏から秋にかけては、月1回ペースで受験するのが理想的です。
  • 1回ごとの結果に一喜一憂せず、課題を分析して次に活かす
  • 解き直しと、ミスノート作りを徹底する

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合格に近づく!効果的な勉強方法

  1. スケジュール管理をしっかりと

都立入試の日程は2月後半と比較的早め。逆算して「いつまでに何を仕上げるか」を決めておくことが大切です。週単位・月単位で学習計画を立ててみましょう。

  1. 過去問演習は5年分以上が理想

都立高校の過去問は出題形式やテーマに一定の傾向があります。時間を測って解く、見直す、同じ問題を2回解く…これをくり返すことで得点力がつきます。

  1. 苦手科目に集中投資

まんべんなくやるよりも、まずは「足を引っ張っている科目」に集中して取り組むのが効率的。特に英語や数学は積み重ねの教科なので、早めの対応がポイントです。

  1. 朝学習+スキマ時間を有効活用

英単語や歴史年号などの暗記モノは、朝の通学前やお風呂あがりの5分でOK。スキマ時間をうまく使えば、1日30分〜1時間の“プラス学習”が可能になります。

  1. モチベーション維持の工夫

長い受験勉強、時には疲れてしまうことも。そんな時は「小さな目標(例:過去問1年分解く)」を立てて、達成感を味わうことが心のエネルギーになります。

 

まとめ

東京都に限らずですが、高校受験は制度の理解と早めの行動が成功のカギです。都立も私立も情報収集がとても重要です。説明会や模試などには積極的に参加し、お子さんに合った学校を見つけていきましょう。

受験は大変な時期ですが、お子さんの成長を間近で見られる貴重な時間でもあります。焦らず、一歩ずつ、前に進んでいきましょう。

応援しています!

 

家庭教師のガンバ  代表 今村 剛

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