お子さんの高校受験が近づいてくると、「推薦と一般、どっちがいいの?」という疑問が多くの保護者の頭をよぎるのではないでしょうか。

特に中学2年頃~3年にかけては、内申点や模試の結果、学校生活の様子から進路について真剣に考える時期ですよね。

「推薦と一般、どっちがいいの?」という問いに対する正解は一人ひとりによって異なりますが、共通して次の3つのことが言えます。

  • 推薦・一般、それぞれにメリットデメリットがある
  • お子さんの性格・成績・志望校によって向き不向きがある
  • 中学2年生と中学3年生で準備や対策が異なる

そこでこの記事では、「高校受験では推薦と一般、どっちがいいの?」とお悩みの保護者の方へ向けて、

  • 推薦と一般の違いやメリットデメリット
  • 推薦または一般が向いているお子さんの特徴
  • 2・中3の時期別対策や準備
  • 推薦と一般のどっちがいいかで迷った時のチェックリスト

についてお伝えします。推薦か一般で迷われている方、推薦や一般について知りたい方はぜひご参考にしてください!

 

高校受験|「推薦」と「一般」の違いとは?

推薦とは推薦入試、一般とは一般入試のことですが、まずは、両者の基本的な違いを押さえましょう。主な違いや特徴を下の表にまとめたのでご覧ください。

【表1:高校入試の推薦と一般の基本的な違い】

実際の高校入試ではどのようになっているのでしょうか。例えば東京都立高校では、推薦と一般では調査書(内申書)の配点が異なっており、推薦の方が調査書の配点割合が高くなっています。

具体的には、推薦入試で調査書が占める点数は上限を全体の50%とし、各学校で定められています。より詳しく知りたい場合は、各都道府県の教育委員会のサイトで公開されているので、受けたい都道府県のサイトを確認しておくとよいでしょう。

<参考リンク>令和7年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目について

東京都の高校受験に関しては、次の記事をご参照ください。

<参考リンク>【徹底解説】東京都の高校受験の仕組み【個別指導のプロが教える】

 

公立と私立の推薦入試の違い

公立高校と私立高校では一般入試で受験科目や出題傾向が異なるように、推薦入試でも違いがあります。

【公立高校】

推薦要件は各都道府県の教委が定め、調査書(内申書)重視+面接や作文、小論文、集団討論などを組み合わせた選抜方式が一般的

詳しくは各都道府県の公式発表(サイト等)を確認

【私立高校】

単願推薦や併願推薦など多様な方式がある

受験予定の学校の募集要項を確認

例えば都立高校では観点別評価を導入している学校も多く、内申の各観点で高評価(例:授業態度・理解力)が求められます。

私立の場合は独自の推薦基準があるため、公式サイトや口コミなどで志望校の情報を早めにチェックしておくと安心です。

 

推薦入試のメリット・デメリット

推薦入試と一般入試の違いが分かったら、次はそれぞれのメリット・デメリットを把握したいところです。メリットデメリットを比較し、どちらのメリットがデメリットを上回る方かも選択のポイントのひとつとなります。

まずは推薦入試のメリットとデメリットをご紹介します。

 

推薦入試のメリット

推薦のメリットとして、次の内容が挙げられます。

早い時期に進路が決まる

推薦入試は一般入試よりも早く結果が出ます。つまり一般よりも早い時期に高校受験のプレッシャーから解放されるので、お子さんも保護者の方も精神的に安定しやすいというメリットがあります。

内申点が良ければチャンスが増える

推薦入試では一般的に『中学3年生の2学期までの通知表(内申点)』が合否を大きく左右します。中学生になってコツコツ努力してきたお子さんにとっては、推薦によってその努力が報われ、高校受験のチャンスが広がります。

面接や作文、小論文等でアピールできる

学力に自信がなくても、面接や作文、小論文など筆記テストとは違う試験でアピールできます。特に「人物像」「志望動機」「表現力」が重視される学校では、一般入試とは異なる形で自分を評価してもらえる可能性が広がります。

推薦で不合格でも一般入試に切り替えられる

学校や利用する推薦の制度にもよりますが、推薦で不合格でも、一般でもう一度チャレンジできる可能性があります。どうしても行きたい学校であれば、受験できるチャンスが増える可能性があるのもメリットのひとつです。

高校への準備期間を長く持てる

推薦によって早めに合格が決まれば、その後は高校に向けた準備に十分な時間を使えます。

 

推薦入試のデメリット

反対に、推薦のデメリットとしては次のことが挙げられます。

出願条件が限られている

いくら推薦で受験したくても、内申点の基準を満たしていなかったり、中学からの推薦が必要な場合があったりと、出願の条件が限られています。

合格が「確約」ではない場合もある

「推薦」=「合格の確約」ではないケースもあります。特に公立高校の推薦は学力検査が課される場合もあるため、どういったタイプの推薦かを事前に調べておく必要があります。

合格後のモチベーション維持が難しい

推薦で他のお子さんより早くに進路が決まることで、気が緩んで生活習慣が乱れたり、学力が低下する「燃え尽き症候群」に陥るケースもあります。

一般入試に比べて募集枠が少ない

高校によって推薦の有無、また、推薦枠は限られているため、倍率が高くなりやすい点もデメリットといえます。

中学での内申評価や日常態度が強く影響する

推薦入試では内申点がより重視されるため、テストの点数だけでなく、授業態度や提出物の評価も合否に大きく関わります。普段提出物を出していなかったり、授業態度があまりよくない場合は注意が必要です。

 

一般入試のメリット・デメリット

続いて一般のメリットとデメリットも、それぞれ5つにまとめてお伝えします。

 

一般入試のメリット

一般入試のメリットは、大きく分けて次の5つが挙げられます。

志望校の選択肢が広い

公立・私立を問わず、推薦枠や評定値に左右されることなく志望校を選択できます。

学力試験で評価される

内申点だけでなく、入試本番のテストの点数で挽回が可能な点はメリットといえます。入試直前まで勉強をして学力を伸ばすことができます。

受験勉強を通して学力がつく

幅広い範囲の対策を行うことで、基礎から応用力までしっかり身につきます。こうした学習経験や身に付いた学力は、受験後の高校生活でも活かせます。

達成感・納得感がある

一般入試ではテストの点数に重きが置かれているケースが多いため、「自分の力で勝ち取った」という自信が得られやすく、進学後のモチベーションにもつながります。

内申点に自信がなくても挑戦できる

通知表に良い評価が少なくても、入試テストで高得点が取れれば合格圏に入れるのが一般入試の大きなメリットのひとつです。

 

一般入試のデメリット

続いてデメリットには、次の5つが考えられます。

受験勉強の負担が大きい

3の冬までしっかり勉強を続ける必要があり、精神的にも体力的にも負担がかかります。

倍率が高く、競争が激しい

推薦よりも多くの受験生が集まり、合格のハードルが高くなることがあります。

試験本番の出来に左右される

一発勝負になることが多いため、当日の緊張や体調によって、実力を発揮できないケースも考えられます。

内申点がそこまで重視されないケースもある

努力して内申点を上げても、入試テストの点数重視の高校では反映されにくい場合があります。

合否がわかる時期が遅い

推薦よりも合格発表が遅いため、精神的に不安な期間が長くなります。

 

推薦・一般|それぞれの向き・不向きとは?

ではどのようなお子さんが、推薦または一般入試に向いているのでしょうか。以下に表にまとめたのでご覧ください。

【表2:推薦・一般入試/向いているお子さんの傾向】

内申点に関しては、次の記事もご参照ください。

<関連記事>内申点足りてる?必ず知っておきたい内申点の上げ方|7つのコツを解説

 

【学年別】今からできる推薦・一般への準備

ここからは高校受験への意識が高まる中学2年生・3年生の保護者の方へ向けて、今からできる推薦および一般入試への準備のポイントを、学年別にご紹介します。

 

【中2】推薦・一般を問わず土台作りを

中学2年生は高校受験で推薦・一般どちらを選ぶかに関わらず「土台作り」が重要な時期です。土台は、『基礎学力』と『地道な内申点』を積み上げていくことで安定して作り上げられます。

推薦はもちろん、高校の入試では一般でも内申点が影響するため、「推薦を受けないから内申点はどうでもよい」といった思考にならないように気を付けましょう。

内申対策を意識

内申点は定期テストはもちろん、提出物、授業態度、部活動や委員会活動など、学校生活の多くが評価の対象になります。

定期テストでは主要5教科だけでなく副教科の対策や、提出物の管理を徹底しましょう。特に推薦を狙っている場合は、内申点は意識して着実に上げていきたいところです。

基礎学力を固める

 英数国を中心に、基本問題をしっかり解ける力を育てましょう。

通知表は中学2年の二学期からが重要

高校受験に影響する内申点の計算に用いられる時期は、都道府県によって異なります。東京都の場合は中学3年生からの内申点が用いられますが、多くの地域では中学2年以降の成績や、中学1年生の成績も加味されます。

一般的に中学2年生の内申点は、2学期からが勝負と言われています。中学2年生になってからの成績が思わしくない場合は、学年末まで待たず2学期から本腰を入れて頑張りましょう。

 

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【中3】志望校決定と選抜方式の見極め

中学3年生になると、高校受験はもう目の前ですね。志望校を決め、推薦か一般のどちらにするかを見極めなくてはなりません。そしてそれに合わせた対策が必要となってきます。

志望校の推薦と一般を確認

自分の受けたい高校に推薦があるか、あれば最低内申基準はどのくらいかを確認しましょう。志望校はお子さんの希望と、模試結果や内申から判断をすることも大切だと思います。

推薦を受けるなら今すぐ準備スタート

推薦を受けることに決めた場合は、面接練習や志望理由書の書き方など、事前の対策が鍵になります。志望校の要項を確認し、必要な準備に取りかかりましょう。

一般受験でも推薦の併願を検討

第一志望が一般でも、すべり止めで推薦を活用する方法もあります。すべり止めとする学校の推薦が受けられるかどうかを確認し、選択肢に入れて行動しましょう。

 

高校受験で推薦と一般どっちがいいか迷ったら?【チェックリスト】

最後に、高校受験で「推薦と一般どっちがいい?」と迷った場合の、チェックリストをご紹介します。チェック()が多いほど推薦入試向きであり、少ない場合は一般入試のほうが向いている傾向と言えると思います。

▢志望校に推薦枠がある?

▢内申点は基準をクリアしている?

▢模試の偏差値は合格圏に近い?

▢初対面の大人の前でも緊張せず話せる?

▢自己PRや面接が得意?

迷った場合は、一つの参考にしてくださいね。また、高校受験に関して推薦または一般を選ぶかは、お子さんと保護者の方とで意見が分かれることもあります。

受験するのはお子さん本人であるため、やはり最後はお子さんの意思を尊重するとよいとは思いますが、その際は、「どちらの道なら納得してがんばれるか」に着目してしっかり話し合うことが大切ではないでしょうか。

 

まとめ

高校受験での「推薦と一般、どっちがいい?」という問いに、正解は一つではありません。双方のメリット・デメリットを正しくとらえ、お子さんが推薦か一般のどちらに向いているかを考慮しつつ、お子さん本人はどうしたいのかをしっかり話し合うことが大切です。

学校などの第三者のアドバイスを取り入れながら、親子でしっかり話し合い、お子さんの性格や得意分野、学習状況に合った受験スタイルを選びましょう。



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家庭教師のガンバ 編集チーム ありま

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