「第一志望の公立高校は決まったけど、併願の私立をどこにするか迷っている」
「先生に勧められた学校は、偏差値は安全圏だけど、子どもが行きたがらない」
「『滑り止め』だからどこでもいいや、と親子で軽く考えてしまっている」
はじめまして。「家庭教師のガンバ」の体験スタッフのTです。
私たちは日々、受験生のご家庭を訪問し、学習指導だけでなく、進路指導のお悩み相談にも乗っています。
この時期、三者面談などで具体的な受験校決定が始まると、第一志望校と同じくらい、あるいはそれ以上に頭を悩ませるのが「併願校(滑り止め校)」の選び方です。
多くのご家庭が、第一志望校には何度も足を運び、熱心に調べますが、併願校に関しては「今の内申点なら確約が取れるから」「偏差値的に余裕があるから」という理由だけで、安易に決めてしまいがちです。
しかし、ここで厳しい現実をお伝えすると、第一志望の公立高校に合格できる倍率は、地域にもよりますが平均して1.2倍〜1.5倍前後。つまり、数人に一人は、必ずこの「併願校」に通うことになるのです。
「まさか行くことにはならないだろう」と思って選んだ学校に、実際に通うことになった時。
「こんなはずじゃなかった」「校風が合わない」「遠すぎて通うのが辛い」と後悔しても、もう遅いのです。3年間の高校生活が、辛いものになってしまいます。
この記事では、偏差値という数字のマジックに騙されず、「万が一進学することになっても、笑顔で通える学校」を選ぶための、絶対に失敗しない3つのチェックポイントを徹底解説します。
併願校選びは、第一志望校に安心して挑戦するための「命綱」選びです。
この記事を読んで、強い命綱を手に入れましょう。
第1章:その学校は「行きたい学校」ですか? それとも「行ける学校」ですか?
まず、併願校に対する意識を根本から変える必要があります。
多くの受験生にとって、併願校は「第一志望に落ちた時に行く学校(滑り止め)」というネガティブなイメージがあるかもしれません。
しかし、その考え方はあまり良くないかもしれません。
「行きたくない学校」を併願校にしている受験生は、第一志望校にも落ちやすいという経験則があります。
1. 「心の保険」が機能しないリスク
受験本番は、極度の緊張状態で行われます。
その時、心の支えになるのが併願校の存在です。
- 良い例:「もし第一志望がダメでも、併願の〇〇高校も楽しそうだし、まあいいか!」と思える状態。
→ プレッシャーから解放され、リラックスして実力を発揮できる。
- 悪い例:「あんな学校、絶対に行きたくない! 落ちたら終わりだ!」と思っている状態。
→ 「落ちたらどうしよう」という恐怖でガチガチになり、ミスを連発する。
つまり、併願校を「行きたい学校(第2志望)」に格上げできるかどうかが、第一志望合格のカギを握っているのです。
2. 「偏差値」のマジックに騙されないで
「偏差値50の自分だから、偏差値45の学校なら安全」
これは半分正解で、半分間違いです。
偏差値はあくまで「合格のしやすさ」を表す数字であり、「学校の良さ」や「あなたとの相性」を表す数字ではありません。
偏差値が自分より低くても、素晴らしい教育カリキュラムを持つ学校はたくさんありますし、逆に偏差値が高くても、校風が合わずに不登校になってしまうケースもあります。
「偏差値表」という紙切れだけで、あなたの3年間を決めないでください。
チェックポイント1:【お金と時間】「3年間」のリアルをシミュレーションしたか?
では、具体的なチェックポイントに入りましょう。
まず直視すべきは、現実的な「通学条件」と「経済面」です。ここは親御さんが主導でチェックしてみて欲しいです。
① 「ドア・ツー・ドア」で90分が限界ライン?
「偏差値が合うから」と、遠くの私立高校を併願校にしていませんか?
Googleマップで調べて「電車で40分」でも、実際は自宅から駅、駅から学校の徒歩を含めると1時間以上かかることはザラです。
高校生活は、中学とは比べ物にならないほどハードです。
部活に入れば帰宅は20時過ぎ。そこから予習復習…。
片道1時間半(往復3時間)の通学は、勉強時間を奪い、体力を削り取ります。
特に満員電車での通学に慣れていない中学生にとって、遠距離通学は想像以上のストレスです。
【チェックリスト】
- 実際に朝のラッシュ時に電車に乗って行ってみたか?
- 駅から学校までの坂道やバスの待ち時間は考慮したか?
- 部活が終わった時間(夜)の治安は大丈夫か?
「3年間、雨の日も風の日も、重いカバンを持って毎日通えるか?」をお子さんと真剣に話し合ってください。
② 私立高校の「見えない学費」の罠
公立高校の無償化が進んでいますが、私立高校には「授業料」以外にかかる費用がたくさんあります。
特に併願校として選ばれる私立高校の場合、以下の費用を見落としがちです。
- 施設設備費:初年度だけで数十万円かかることも。
- 制服・指定品代:公立より高く、カバンや靴下まで指定の場合が多いです。
- 修学旅行積立金:行き先が海外の場合、公立の倍以上かかります。
- 寄付金:任意と言いつつ、事実上の強制である場合も…。
「授業料無償化(就学支援金)」は、あくまで授業料のみが対象で、所得制限もあります。「私立でもなんとかなる」と安易に考えず、3年間でトータルいくらかかるのか、パンフレットの募集要項の隅々まで確認してください。
チェックポイント2:【出口戦略】「大学進学」へのルートは確保されているか?
次に重要なのが、「高校卒業後の進路(出口)」です。
高校はゴールではありません。大学や専門学校、就職への通過点です。
ここを見誤ると、将来の夢が遠のいてしまいます。
① 「大学付属校」か「進学校」か
私立高校を併願する場合、大きく分けて2つのタイプがあります。
- 大学付属校:
エスカレーター式に大学へ進めます。受験勉強に追われず、部活や好きなことに打ち込めるのがメリット。ただし、他大学を受験したくなった場合、外部受験のサポートが手薄なことがあります。
- 進学校(大学受験校):
大学受験に向けたカリキュラムが充実しています。塾に行かなくても学校が面倒を見てくれる「面倒見の良い学校」も多いです。ただし、勉強漬けになる覚悟が必要です。
お子さんが「大学受験を頑張りたい」のか、「のびのび過ごしたい」のかによって、選ぶべき併願校は180度変わります。
② 私立特有の「コース制」の落とし穴
多くの私立高校には、「特進コース(選抜クラス)」と「進学コース(普通クラス)」があります。
ここで注意が必要です。
「偏差値が高いから『特進コース』で併願確約を取ったけど、入学したら地獄だった…」
こんな事例が後を絶ちません。
「特進コース」は、学校の実績作りのために、部活動の制限があったり、7時間授業・0時限補習が強制だったりと、かなりハードな生活を強いられることがあります。
「部活も頑張りたい」と思っていたのに、特進クラスに入ったせいで部活に入れない…。これは悲劇です。
逆に、下のコースで入学しても、成績次第で2年次から特進に上がれる制度がある学校もあります(逆もしかりです)。
「コースごとの雰囲気」や「部活との両立」については、説明会で必ず先生や在校生に質問してみてください。
チェックポイント3:【校風】パンフレットには載っていない「空気感」は合うか?
偏差値もOK、通学もOK。でも、最後に一番大切なのがこれです。
- 「その学校の空気が、肌に合うか」です。
これは、偏差値表にも、綺麗なパンフレットにも載っていません。
実際に足を運ばないと絶対にわからない情報です。
① 「生徒の表情」と「トイレ」を見ろ!
学校説明会や文化祭に行った時、どこを見ていますか?
校長先生の立派な話や、ダンス部の華やかな発表もいいですが、見るべきポイントはそこではありません。
- すれ違う生徒の表情・挨拶:
目が死んでいないか? 楽しそうか? 挨拶は自然か、やらされている感があるか?
- 休み時間の様子:
スマホばかりいじっているのか、友達と談笑しているのか?
- トイレと下駄箱の掃除状況:
ここは学校の「荒れ具合」が一番出ます。トイレが汚い、下駄箱の靴が散乱している学校は、生活指導が行き届いていない可能性があります。
② 「公立落ちコンプレックス」へのケア
併願校に進学する生徒の多くは、「第一志望に落ちた」という悔しさを抱えて入学してきます。
その学校が、そうした生徒たちをどう受け入れているかも重要です。
- 「ウチは第一志望残念組が多いけど、みんなでリベンジして良い大学に行こうぜ!」という熱血タイプか。
- 「ご縁があって入学したんだから、この学校を楽しもうよ!」という受容タイプか。
お子さんの性格によって、どちらが「燃える」か、あるいは「癒やされる」かは異なります。
第4章:もし迷ったら? 併願校選びの「最終決定権」は誰にある?
ここまでチェックポイントをお話ししましたが、それでも迷うことはあります。
「A高校は自由な校風だけどちょっと遠い。B高校は近いけど校則が厳しそう」
そんな時、最後にどう決めるべきでしょうか。
1. 最終決定権は絶対に「子ども本人」に持たせる
親御さんがあれこれ調べ、アドバイスするのは素晴らしいことです。
しかし、最後に「ここにする」と決めるのは、絶対にお子さん本人でなければなりません。
もし親が決めた併願校に入学することになった時、何か嫌なことがあるたびに、
「お母さんがここがいいって言ったから入ったのに!」
と、親のせいにしてしまいます。
自分で決めた学校なら、たとえ第一志望じゃなくても、
「自分で選んだんだから、ここで頑張ろう」
と、腹を括ることができます。この「自己決定感」が、高校生活の充実度を左右します。
2. 「併願優遇」や「確約」のシステムを使い倒す
地域(特に首都圏や関西圏)によっては、内申点などの基準を満たせば、事前に合格の約束に近いものがもらえる「併願優遇(確約)」という制度があります。
これを持っておくことで、「滑り止めは確保されている」という圧倒的な安心感を得られます。
ただし、この制度は複雑で、学校や年度によって基準が変わります。
「英検3級を持ってると内申に+1してくれる」
「3年間の欠席日数が10日以内なら加点」
など、細かいルールがあります。
学校の先生は、クラス全員の進路を見ているため、細かい私立の加点ルールまで把握しきれていないことがあります。
ここは親御さんの情報収集力が試されるところです。説明会で個別に相談し、「ウチの子の成績で、確約は取れますか?」とズバリ聞いてみるのが一番早いです。

まとめ:最高の「二番手」を見つければ、一番手が近づく
いかがでしたでしょうか。
- 「行きたい学校」を選ぶ:心の保険にして、本番のメンタルを安定させる。
- お金と時間を計算する:3年間の通学負荷と、見えない学費をチェック。
- 出口と校風を見る:大学進学か付属か、特進の罠に注意し、肌感覚を信じる。
併願校選びは、決して「妥協」ではありません。
「もしここに行くことになっても、私はきっと楽しく過ごせる」
そう思える学校(最高の二番手)を見つけることができれば、不思議なことに、第一志望校への恐怖心が消え、合格率がグンと上がります。
「万が一」の準備を「完璧」にすることで、「本命」への道が開けるのです。
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家庭教師のガンバ T

