家庭教師のガンバ「やる気アップ隊」隊長の竹田です。
電流と電気回路の分野は、苦手な人が多いですよね。
でも、ポイントをしっかり押さえればそれほど難しくはありません。

電流と電気回路は中学理科のヤマ場の一つ


中学の理科の中で、中2で習う電気回路は苦手とする人が多く、ライバルと差がつきやすい分野です。
回路図を見ただけで不安になってしまう人もいるでしょう。
しかし、必要な知識はそれほど多くなく、苦手を得意に変えやすい分野でもあります。

電流と電気回路分野の基本用語


まずは、この分野の理解に欠かせない基本的な用語の意味をしっかり把握しましょう。
電流と電気回路の分野に限らず、理科の勉強は基本用語の意味を押さえて、それぞれの間の関係性を公式等を用いて整理していくことが大切です。

・電気回路
電気回路とは、電気が流れる一回りの道筋のことを表します。
この電気回路を簡単な記号を用いた図であらわしたものが回路図です。

・電流
電流とは、文字通り電気の流れる量のことを表します。
電気回路に電子という電気の粒が流れることにより電流は発生します。

・電源
電源とは電池ともいい、電気回路に電流を流そうとする能力を持つ装置です。
電源には電流を流す向きが一定の直流電源と、電流を流す向きが変化する交流電源があります。
中学校の理科で用いるのは常に直流電源です。

・電圧
電圧は回路に電気を流そうとする圧力のことです。
電源にはそれぞれ固有の電圧が決まっています。
例えば一般的な単3の乾電池の電圧は1.5V(ボルト)です。

・抵抗
抵抗は、電気回路に電流を流すのを妨げようとする装置です。
これが大きくなると、電気回路に流れる電流が小さくなっていきます。

電流の性質をマスターしよう


電流の性質はとてもシンプルで覚えやすいです。
そのひとつ目は「枝分かれしなければ変わらない」です。
まっすぐの導線や抵抗を通っている限り、電流の値はずっとそのまま等しいんです!

枝分かれしたら電流も分かれる


電流は枝分かれしたら2つ(あるいはそれ以上)に分かれます。
例えば10A(アンペア)の電流が5Aと5Aや3Aと7Aに分かれて、それが合流したらまた10Aに戻る、という形です。

回路を一周できなければ流れない


電流は、電源から始まり電源に戻ってくるまで、回路の導線が切れずにつながっていなければ一切流れません。
一周のうち一箇所でも途切れていれば流れないのです。
この性質を用いて、回路に流れる電流のON/OFFを切り替える装置がスイッチです。

電気回路の種類


次に、電気回路の種類について解説していきます。

・電気回路その1:直列回路
1つ目は直列回路というとてもシンプルなものです。
これは、途中で枝分かれすることなく、一本道で一周する電気回路です。

・電気回路その2:並列回路
2つ目の電気回路は並列回路です。
直列回路より少しだけ難しく、とっつきにくくなりますが、並列回路は途中で枝分かれのある電気回路です。

電気回路の計算に用いる公式「オームの法則」


抵抗にかかる電圧と流れる電流と抵抗値の関係が、オームの法則と言われるものです。
電圧(V)は電流(I)と抵抗値(R)の積になるので、文字式で表すとこの公式はV=IRとなります。
電流と電気回路の分野でもっとも大事な式ですので、しっかり覚えましょう!

合成抵抗値の求め方


合成抵抗とは、複数の抵抗をひとつにまとめて大きな抵抗とみなしたものです。
その合成抵抗の値を求めることが、中学理科の電流と電気回路の分野では非常に重要です。

抵抗の直列接続の場合


抵抗が直列接続、つまり枝分かれせずにまっすぐ2つの抵抗がつながっている場合、合成抵抗の値は、それぞれの抵抗値の足し算になります。
抵抗1と抵抗2の抵抗値をR1とR2とおき、合成抵抗の値をRとすると、R=R1+R2ということになります。
これは公式的に覚えておきましょう。
といっても、足すだけですから直感的に覚えやすいですね!

抵抗の並列接続の場合


次に抵抗が並列接続されている(枝分かれしてつながっている)場合、少し複雑になります。
[合成抵抗値の逆数]がそれぞれの[抵抗値の逆数]の和になります。
(「逆数」とは、Aに対して1/Aの形。お互いを掛け合わせると1になる関係です。)
つまり、先程と同様に抵抗値をおくと、今度は1/R=1/R1+1/R2という形になるんです。
ちょっと見慣れない形式なので、少し気持ち悪く感じる人もいるかも知れませんが、この逆数の形に慣れることが、電気回路をマスターするポイントとなるので、しっかり理解しましょう!

電源にも直列接続と並列接続がある


電源を直列に接続した場合、電流はつないだ分だけ増えます。
例えば同じ電池を2本直列に接続したら流れる電流は2倍に、3本直列につないだら3倍になります。
一方で、電源を並列に接続した場合、電流は変わりません。
そのかわり、接続した分だけ寿命が伸びることになります。
同じ電池を2本並列接続したら寿命は2倍になる、ということです。

電流と電気回路は難しくない!


電流と電気回路は、それほど多くの知識が必要なわけでは無いことがお分かりいただけましたか?
ここまでのポイントをしっかりとチェックしましょう。
そして、中学の理科の中で最も得意な分野にしてしまいましょう!