暗記は勉強の基本ですが、意外と暗記を苦手としている子は多いように思います。国語の漢字や英単語、歴史の年号など、学年が上がるにつれてて覚えることは増えていきます。最初の方ではがんばれていても、そのうち覚える範囲や量が増えて難しくなることもありますよね。暗記は頭に汗をかく作業です。覚えるのがつらくて悩んでしまうこともあると思います。また、なかなか成果が出ないと努力そのものができなくなってしまうケースもあります。

暗記が苦手だなと感じたら、まず苦手にしている原因を突き止めましょう。今の暗記のやり方のどこに問題点があるのか、いったん整理します。原因を理解し、注意しながら勉強すると、少しずつ暗記力が高まっていくはずですよ。

 

暗記科目の重要性

算数や数学は自分で考えて答えを出すことがメインの勉強です。

一方の漢字や英単語学習は、すでに存在している答えを覚えていく作業になります。勉強のやり方が単調になりがちなこともあり、正直なところ退屈に思うこともあるでしょう。また、似たような漢字や紛らわしい単語も多く、なかなか覚えきれないかもしれません。覚えたつもりでも、テストになると解答が出てこないこともあります。

ただ、、大変だからと言って暗記学習をおろそかにすると、間違いなくその後の勉強に大きな影響が出てしまいます。

例えば、古文の文章題を解くとき単語の意味が分からなければ解くのは難しいです。英語の文章読むとき英単語の意味がわからなければ和訳はできません。こんなことを続けていれば、単語の意味が解らないという理由で国語や英語に苦手意識を持ってしまいます。他には、考える力が試される数学でも、基礎的な公式が頭に入っていないと答えが出せません。

このように暗記する能力は、すべての教科に少なからずかかわってきます。そのため暗記のコツはなるべく早い段階で身につけておくべきです。暗記能力が高まると、勉強に対する苦手意識もいくらか軽減されますし、テストで出てくる漢字や英単語の設問は得点しやすい部分でもあります。

きちんと暗記していれば確実に成績を上げられるので、内申にも関わるでしょう。

 

なぜ暗記が苦手なのか

暗記が苦手な子にはいくつかの共通点があります。当てはまるものがどれか、普段を振り返って考えてみましょう。

 

間違いを見直していない

暗記学習をしているときに、いつも同じ漢字や英単語ばかりを間違えるお子さんは意外と多いです。

これは暗記学習に取り組んでいても、見直しをしないお子さんに起こりやすいです。

ドリルなどでバツがついても、そのまま次の勉強に進んでしまいます。要は、何が間違っているのか自覚できないので、同じ誤りを繰り返してしまうのです。勉強しているときの間違いやミスはその後のための重要な教材になります。解答にバツがついたらそのたびに見直し、次は間違えないようにする習慣を作っていきましょう。英語のスペルは紛らわしいものも多く、あと1歩のところでミスすることもあるはずです。この部分を少し見直せば正解にすることはできるはずです。

このように、惜しいところを見直すようにすると、確実に記憶に定着します。

 

繰り返し学習の不足

テキストを見て終わり、テストを受けて終わりでは暗記が得意にはなりません。中には少し見ただけで覚えてしまう子もいますが、ほとんどの子には地道な努力が必須です。何度も繰り返しコツコツと問題集をやり込むことで、実力が少しずつ上がります。

繰り返しやるために自主学習用のドリルには直接書き込まず、ノート書いてやるようにしてみて下さい。違う問題集をいくつも使うより、同じものを何度も使った方が効果的です。

 

アウトプットの習慣がついていない

暗記学習をきちんと頑張っていても成果につながらないケースがあります。

これは頭につめこんでいるのに、覚えた内容をアウトプットしないことが原因です。人の頭の中には引き出しのように次々と記憶が入っていきます。しかしこの引き出しを開けず閉めたままにしておくと、1度覚えても忘れてしまいます。アウトプットしないと引き出しの奥の方に押し込められてしまうので、思い出したいときに取り出せないのです。

 

学習障害のケース

稀なケースではありますが、暗記できない原因に何らかの障害がかかわっている場合です。

学習障害の中には暗記を苦手とする特徴もあります。知能に遅れや問題がないのに、暗記できなかったり集中できなかったりするのです。細かい特徴は個人差もありますが、勉強不足や努力不足だと決めつけるのは厳禁です。努力してもできず本人が苦しんでいる場合は、早めの適切な対応が必要になります。専門の医師に相談することで、お子さん自身の安心にもつながるでしょう。

しかしまだ幼いうちから障害だと決めつけるのも良くありません。焦ることなく、お子さんの成長を見守ってあげましょう。

 

暗記ができるようになる方法

暗記に適した学習方法を知っているかどうかで実力には差が出やすいです。自分に合ったやり方を考え、実践してみましょう。

 

声に出す

ただテキストを読んでいるだけで物事を覚えるのは難しいです。

ここに書くというアクションが加わると、動作として覚えるので頭に入りやすくなりますし、声に出して読めば、耳からも情報を受け取れるでしょう。暗記はこのように五感を刺激しながら行うと身に付きやすくなります。英単語の場合は発音の練習にもなるので一石二鳥ですね。

また、暗記はどうしても単調な作業なので集中が途切れやすいものですが、眠くなってきたときに単語を声に出してみれば、ちょうどよいリフレッシュになります。

 

やりやすい学習サイクルを決める

暗記にかかわらず、勉強とは長くやればよいというものではありません。

仮に1時間机に向かっていても、1時間ダラダラしていたら何もしていないのと同じです。頭に入れたら小テスト形式でアウトプットする、というのを繰り返したほうが効率がいいと思います。

人の集中力は大人であっても長くは続きません。

お子さんの学習には15分前後の短いスパンが適している言われていますが、暗記の場合にはさらに短くてもいいと思います。個人差もあるので、その子に合った学習サイクルを探してみましょう。

たとえば10分間ぐらい書き取りをしたり声に出して覚えたりしてから、覚えたところの小テストをやってみる。こんな感じで、短期スパンを繰り返してやってみると、集中力もとぎれにくいはずです。

 

繰り返し勉強する

今日は1時間みっちり漢字を覚えると意気込んでみても、うまくいく人はあまりいません。もしも1時間暗記のテキストを見続けたとしても、テストでは解答できないでしょう。一気につめ込んだ記憶はその分、一気に忘れていきやすいのです。大切なのは少しずつ覚えたことを、その時々でテストして試すことです。

たとえば漢字を5個頭に入れたら、その5個をおぼえているかどうかテストします。次の日にも新しい漢字を5個暗記して、同じようにテストしましょう。ここで昨日覚えた5個も、今日の5個と一緒にテストし直すのです。これを毎日繰り返していけば、覚えられる範囲が少しずつ広がっていきます。さらに少し期間を空けてテストし直すと、長期記憶として定着するでしょう。学校での本番のテストで、きちんと解答できるだけの実力に結びつきます。

 

塾や家庭教師を利用して暗記力を上げる

暗記の方法には色々ありますが、塾や家庭教師を利用して暗記をしてくことはおススメしません。

漢字や英単語を覚える勉強は、基本誰かに教わって覚えるものではありません。

ただ、暗記の方法やペースなど一人で作れないようでしたら、家庭教師などにお願いして習慣付けするのはありかもしれません。

どうしても一人でうまく行かないようでしたら選択肢として考えてみて下さい。

 

まとめ

暗記が苦手な子でも暗記ができるようになる方法を解説しました。人によって原因は異なりますが、参考になったでしょうか。

保護者の方もお子さんを温かく見守りながら、必要があればアドバイスしてあげて下さい。

暗記は、勉強する上で絶対に必要なことです。これを避けて成績を上げることはできません。逆に暗記ができるようになれば、テストの点を上げていくことは可能です。

暗記の方法を身に付けることは、将来的にも役に立つことが多いと思うので頑張りましょう。

 

家庭教師のガンバ  今村 剛

家庭教師の体験授業を無料で行っています