はじめに:小学校低学年からの準備が未来を左右する

「小学校低学年のうちにどんな勉強をさせればいいのだろう?」
これは、多くの保護者の方が抱える悩みです。

近年は教育内容の高度化、習い事や進学塾の低年齢化が進み、昔に比べて早くから準備を始める家庭が増えています。特に首都圏では、中学受験を目指す子どもたちが小2・小3から塾に通い始めるケースも珍しくありません。

しかし「まだ低学年なのに受験準備なんて早すぎるのでは?」と感じる方も多いでしょう。
実際には、小学校低学年期にやっておくことは「受験テクニック」ではなく、もっと基本的な 学習の土台づくり です。この時期をどう過ごすかで、その後の勉強の伸びやすさが大きく変わります。

今回の記事では、家庭教師会社を30年以上続けている経験から、 低学年で押さえておきたい3つの柱と、+αの準備、保護者が注意すべきポイント を詳しく解説します。

小学校低学年で差をつける!出遅れないための勉強習慣とは?>>

 

動画も併せてご覧下さい。

小学校低学年で「必ずやっておくべき」3つの柱

1.計算力の強化:算数の土台を固める

算数が苦手になる子どもの多くは、「計算が遅い・間違いが多い」という特徴を持っています。文章題や応用問題以前に、計算力が弱いことで自信をなくしてしまうのです。

小学校低学年のうちに必要なのは、 足し算・引き算の正確さとスピード。繰り上がり・繰り下がりが入ってもスムーズに処理できる力が求められます。

具体的な方法は以下の通りです。

  • 100マス計算や10分ドリル:短時間で正確に計算する習慣をつける。

  • タイムトライアル学習:自分の過去記録を更新する楽しみを与える。

  • 暗算練習:桁の大きい計算でも工夫して頭の中で処理する。

ここで大切なのは「スピード」よりもまず 正確さ
「できた!」という成功体験を積み重ねることで、勉強への自信が育ちます。

2.読解力・文章に慣れる習慣を持つ

今の子どもたちは、動画やゲームなど「視覚的な情報」に慣れていて、文章を読む経験が少ない傾向があります。その結果、テストの文章題が「何を問われているのか理解できない」という壁にぶつかるのです。

小学校低学年で意識したいのは、 文章を読むことに慣れる こと。

取り組み例:

  • 親子での音読・読み聞かせ

  • 興味を持てる本を選び、楽しく読む習慣づけ

  • 簡単な感想文や要約に挑戦する

  • 国語ドリルで「登場人物の気持ち」「文章の要点」を整理する練習

「文章を読むのが苦にならない子」は、将来の学習全般で有利になります。読解力はすべての教科に通じるスキルだからです。

3.学習習慣と自己管理力を育てる

「毎日机に向かう習慣」がある子とない子では、中学年以降に大きな差がつきます。
低学年期はまだ学習時間を長くする必要はありません。 短時間でも毎日続けること が大切です。

取り組みのヒント:

  • 学校から帰ったら10〜15分だけでも机に向かう

  • 学習内容を記録して「見える化」する

  • スタンプカードやごほうびで達成感を与える

  • 親が一緒に振り返りをして「よく頑張ったね」と承認する

低学年のうちから「勉強=日常生活の一部」という感覚を持たせられるかどうかが、中学以降の学力の伸びに直結します。

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できれば取り組んでおきたい “+α” の準備

基礎3本柱に加えて、余力があれば次のような取り組みもおすすめです。

  1. かけ算九九の早期定着
    小2の終わり〜小3に入る前に、九九をスムーズに言えるようにしておく。

  2. 図形・単位・時計の素養
    図形パズルや時計の読み、長さ・重さの単位感覚を遊びの中で身につける。

  3. 論理的思考を鍛える遊び
    パズル、将棋、間違い探し、プログラミング的思考を育てる教材など。

  4. 社会・理科への興味づけ
    身近な自然観察や簡単な実験、地図や歴史マンガで好奇心を広げる。

  5. 中学受験をするかどうかの検討
    低学年のうちに「受験するかどうか」を決める必要はありませんが、選択肢として考え始めておくと後の判断がスムーズです。進学塾の入塾テストは「学年+1レベル」の内容が求められることも多いため、準備が早いほど有利です。

 

保護者・指導者が注意すべき6つのポイント

1.過度なプレッシャーを与えない

勉強を「苦痛」と感じると、やる気をなくしてしまいます。まずは「できた!」「わかった!」の積み重ねを意識しましょう。

2.お子さんのペースを尊重する

成長スピードや得意・不得意はそれぞれ違います。他の子と比べすぎないことが大切です。

3.モチベーションを工夫する

「結果」だけでなく「頑張ったプロセス」を評価しましょう。スタンプや親からの声かけが効果的です。

4.継続できる仕組みを作る

短期間の詰め込みではなく、毎日の習慣化を優先。計画と振り返りを繰り返すことが大切です。

5.教材選びはバランス重視

ドリル一辺倒ではなく、思考力・読解力・興味を育てる教材を取り入れるのが効果的です。

6.先取りより「理解重視」

学年を飛ばすような先取りはリスクがあります。まずは基礎を理解させ、その上で少しだけ先を学ぶのが理想です。

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まとめ:低学年期こそ“学びの土台づくり”を

小学校低学年の時期は、学習の基礎体力を育てるゴールデンタイムです。

  • 計算力を磨く

  • 読解力を養う

  • 学習習慣を身につける

この3本柱を中心に、かけ算・図形・論理的思考・興味づけを少しずつ加えていけば、勉強に出遅れることはありません。

そして何より大切なのは、 子どもが「勉強は楽しい」「自分にもできる」と思える経験を積ませること。これが後の中学受験、高校受験、さらには人生全般における学びの力につながります。

 

家庭教師のガンバ 今村 剛