中学生にとって、古文は見慣れない言葉が並び、一見難しそうに見えるかもしれません。
しかし、勉強法のポイントが分かれば、高得点を狙える教科です。
また、昔の日本人の考え方や文化について知るとても貴重な機会にもなります。
難しそうだからと嫌いにならず、以下のポイントをまずやってみましょう。

ポイント1:古文は全体の調子をつかむ「音読」が重要

古文には、現代文とは違う特殊な読み方があるので、初めは意味が分からないかもしれません。
意味は分からなくても「けふ→きょう」「む→ん」など、読み方は必ず正確に、声に出して読んでみましょう。

まずは読み方のルールを知りましょう

古文のひらがなの読み方にはルールがあるので
それを覚えてしまえば新出単語もすぐに対応できます。

「は・ひ・ふ・へ・ほ」は、ひらがなの「わ・い・う・え・お」と考えます。
「au・iu・eu・ou」は「o・yu・yo・o」と考えて読みます。

それでは「今日(けふ)」という単語で見ていくことにしましょう。
けふの「ふ」は「う」と置き換えますので「けう」になりますね。
次に「けう」をアルファベットで書くと「keu」です。
「eu」と対応するのは「yo」なので、「kyo」に変わります。
このように順を追って考えていくと「けふ→きょう」の読み方のポイントが分かりますね。

他にも「ゐ」はひらがなの「い」、「ゑ」はひらがなの「え」、「を」はひらがなの「お」に置き換えて読んだり、「ぢ」はひらがなの「じ」、「づ」はひらがなの「ず」と考えて読んだりするルールがあります。
教科書に出てくる単語は、音読もして、しっかり頭に入れましょう。
漢字の読み方も正確に音読できるようにしておくと、読み方の設問で確実に得点を取ることができます。

初めは区切らずに読みましょう

長い文を読解していくには、一つ一つの文に区切って考えていきます。
しかし、最初は区切らず、続けて読んで全体の調子をつかむことも大切です。
細かい意味を追っていくのではなく、作者が男性なのか、女性なのか、情景について想像できれば、尚良いですね。

次に本文を暗唱して読みましょう

小さい子供が難しい言葉を音で覚えてしまうように、意味が分からなくても「暗唱」できてしまうくらい音読することで、耳から古文の世界が広がります。
全てを暗唱することは難しかもしれませんが、冒頭の部分や有名な部分は覚えておいて損はありません。
1日で覚えることは難しくても、何度も音読し暗唱するくらい読み込むようにしましょう。

ポイント2:古文は全体の意味をつかむ「現代語訳」が必須

古文には専門家のつけた「現代語訳」があります。
訳した専門家によって多少の違いがありますが、まずは中学の古文の教科書に載っている現代語訳をしっかり読みましょう。
教科書に書いてないもの、プリントで配られて訳がないもの、先生の板書を書き写し損ねたもの、などどうしても手元にない場合は辞書や参考書で調べましょう。

まずはどんな内容なのかつかみましょう

古文と言っても、日記や随筆など書かれた内容に違いがあります。
読む前の知識として知っておくことも大事ですが、知らなくても「現代語訳」から想像することができます。
現代語訳からより詳しい情景を思い浮かべましょう。

作品の時代や背景についても知っておく

中学校の定期テストでは、定期テスト用の勉強が中心になるでしょう。
そのため作品の背景までを知る必要性は、あまり無いかもしれません。
しかし作品の背景を知ることでより理解が深まります。
「作者」「出典」「成立年代」は正確に覚えておくと良いでしょう。

自分が分からなかった部分を認識しましょう

古文には、ほとんど現代語と変わらない意味の言葉もあり、「音読」をした段階で意味が想像できるところもあるはずです。
もし「現代語訳」を読んだ時に、予想外の展開があったら、そこが、古文を音読した時に「自分が分からなかった部分」になります。
はじめはどの言葉が分からなかったのか明確に分からなくても、自分で予想をしながら読むことが次のポイントにつながります。

ポイント3:「単語」と「文法」を後から覚えるのもアリ

一番初めに正しい読み方を調べる必要はありますが、「単語」と「文法」は後から覚えるほうがずっと記憶に残りやすくなります。
全体のイメージをつかめたら、あとは正確な「単語」の意味と、倒置や主語の省略など細かい「文法」を覚えていきましょう。
すでに「音読」で本文に馴染み、「現代語訳」で意味を理解しているので、単語や文法もすんなり頭に入りやすくなっています。

まずは新出単語の意味を知りましょう

現代語訳で頭に入れたストーリーを、しっかり単語の意味と照らし合わせて理解しましょう。
すでにポイント1つ目と2つ目で本文を理解している土台があるので、正確な意味を当てはめれば「身近な文」に見えてくるはずです。

次に表現技法や文法を確認しましょう

古文特有の表現技法や文法はその都度確認して覚えていきます。
「倒置」や「主語の省略」など同じような技法や文法が使われることも多いので、テスト対策をすることで、受験対策にもなります。
「主語の判定」は大事な部分です。
間違えて解釈してしまうと全ての設問に影響が出てしまいます。
主語の判定には「敬語」が分かると間違えにくいので、敬語を理解しておくことも大切です。
「疑問」「反語」など、勘違いをすると反対の意味になってしまう言葉にも特に注意してください。

中学校で習う活用は必ず覚えましょう

活用は必ず暗記しましょう。
授業中に活用を唱えて覚えてしまうのが一番ですが、テスト前は自宅でも唱えて確認しましょう。
まずは「推量」なのか「断定」なのかなど、言葉の持つ意味を覚えます。
次に「未然・連用・終止・連体・已然・命令」の活用を覚えることになります。
最低限、本文で出てくるものが何形の活用なのかはしっかり覚えましょう。

まとめ

中学の古文はやればやる程力が付いてきます。
ポイント1〜3ができたら、もう一度「音読」に戻り、意味や文法が分かっているのか、自分で「訳」をしてみることで、理解度を確認することができますよ。
高校では古文の学習が本格的に始まるので、中学の間に基本的な古文の勉強法をマスターしてしまいましょう。

ガンバ  今村 剛