2018年2月に文部科学省が発表した「児童生徒の問題行動・不登校調査」によると、不登校の中学生(年間30日以上欠席)は10万3235人にのぼります。
このように、多くの生徒が学校に行けない日々を送っています。
その生徒たちが悪いわけではありませんが、学校に行くことが当たり前で「不登校」などという言葉がなかった親世代からすると、子どもが不登校の状態にあることは、とても不安で仕方ないでしょう。
でも、子供を否定しないであげてください。学校に行けないからといって、子供の未来を悲観する必要もないでしょう。
なぜなら、今を乗り切るための手段は、いくらでもあるからです。

不登校で学校に行けないと高校受験に不利?

不登校であったとしても、高校進学は十分に可能です。
でも実際、不利というよりは、正攻法ではなかなか厳しいというのが現実。
ハンディキャップを背負っているといっても過言ではないでしょう。
高校進学には、「内申点」と「入学試験の得点」が重要視されます。
この内申点には、出席日数が大いに絡んでいて、とても大事。
つまり、出席日数が少ないと、学校での学習が進んでいない、受けるべきテストが受けられていないなど、評価できない状態なわけです。
その結果、「内申点が低い」となってしまいます。    

内申点が低いと、その点数だけでしか判断しない高校側は「この生徒には問題があるのではないか」と判断せざるを得ない状況に…。
そして、結果的に高校側の判断も「問題がありそうな生徒はできれば避けたい」といった流れになり、事実上「不登校は高校受験に不利」となってしまうのです。

不登校中学生の出席日数を増やす方法

出席日数が少ないことが、高校受験を考えたときにネックになってしまうのなら、出席日数を増やす方法を考えてみましょう。
出席日数を増やすことも、いろいろな形があるので、自分に合ったスタイルを見つけてみてください。

【教育支援センター(適応指導教室)に通う】
教育支援センターは文部科学省管轄のため無料です。
勉強も教えてくれるので、とても心強いです。

【フリースクールに通う】
フリースクールに通い、その出席日数が中学校の出席として、カウントできるかどうかは、校長先生の判断が必要です。
校長先生が認めれば、フリースクールに通った日数が登校日数となります。
ただし、こちらは民間の施設なので有料です。

【自宅でITを駆使した学習活動を行う】
これは、文部科学省のサイトにも掲載されています。その文は以下の通り。
「自宅において教育委員会、学校、学校外の公的機関又は民間事業者が提供するIT等を活用した学習活動を行った場合、校長は、指導要録上出席扱いとすること、及びその成果を評価に反映することができることとする」
以上、文部科学省「不登校児童生徒が自宅においてIT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱い等について(通知)」より。
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/04121502/06041201.htm

これは家を出ることができない子に対する救済措置です。
いずれにしても、学校との密な連絡や、やり取りは重要になるでしょう。

以上が、出席日数を増やす方法です。
今、不登校であっても、出席日数を増やせる方法はあるので、チャレンジしてみるのも良いでしょう。

不登校中学生が高校受験&進学に向けてできることは?


出席日数を増やすことは大事なことですが、高校受験&進学に向けて、準備しておくべきこと、心に留めておくべきことを紹介します。
まず、自分の現在の条件で受け入れてくれる学校はどこなのか、逆に行きたい学校がどんな条件を提示しているのか、リサーチすることが大事です。
そこで、高校の種類を知っておく必要があるでしょう。

=高校の種類と特徴=
【定時制高校】
内申点は選考基準にはありません。不登校でも、通学できれば基本的に入学可能。
学力試験と面接がありますが、ほぼ全員入学できます。

【通信制高校】
書類選考と面接のみの学校が一般的。
内申点は選考基準になりません。
通信制高校に関しては、不登校生徒をサポートする体制が整っている場合が多いです。
少しずつ復帰する場合、通信制高校という選択がいいのではないでしょうか。

【全日制高校】
基本的に「内申点」+「入学試験の得点」で入学する学校。
ただ、内申点を選考基準にしていない学校や、オープン入試を実施している学校なら、学力試験だけで勝負できます。
全日制高校を受験する時にネックになってくるのが、学力です。
学校に行っていない分、学力の低下は否めないでしょう。
内申点に関しては、不登校の場合、どうしても低くなってしまうのは致し方ありません。
そのため、内申点を選考基準にせず、学力だけで勝負できる高校に挑戦する必要があります。

不登校でも、勉強次第で受験を突破することは十分に可能です。
そのためには、できる限り学力を上げ、試験に勝負できるように準備することが大切。
その方法を紹介していきます。

=不登校の生徒の受験対策方法=
【ネットの授業を利用する】
インターネットで授業を受けられるものがあります。
費用を要するものと、そうでないものがありますが、自分のスタイル、好みに合ったものを選ぶことで、学力をつけられるでしょう。
多岐にわたっているので、見極めは大事です。

【塾に通う】
家から出られる人は、塾も有効な選択肢の一つ。
学校とは違う環境に身を置くことで、自信もつくでしょう。
刺激もあり、受験情報を得られることも利点と言えます。

【家庭教師を利用する】
基本的に自宅で学習できるので、無理なく自分のペースで学習できるでしょう。
家庭教師が親身になって寄り添ってくれ、自分一人のために教えてくれ、頼りになる存在になります。
わからないところや、困ったところを即座に答えてくれるので、学習が身につく実感を得ることができるでしょう。
成果が上がれば、一緒に喜びを分かち合うことができます。
自分に合った進度で学習できるのも、家庭教師のメリットです。

以上が、学力をつける有効な手段です。
自分に合った選択をして、しっかり学力をつければ、自信にもつながります。

まとめ


不登校は、一人ひとりの生徒によって、原因が違います。
思うようにならないこと、自分ではどうすることもできないことに直面した結果、不登校という選択を選ばなければいけなかっただけで、決して、悪いことではありません。
「高校に行きたい、でも、不登校だから…」と、そんなふうに思う必要は、微塵もありません。むしろ、自分の人生をリセットするつもりで、高校受験というタイミングで、大いに挑戦してください。
可能性はいくらでもありますし、また迷ったら、立ち止まって考えればいいのです。
そして、たくさんの支えや打開策があることを知れば、それだけで、もうスタートラインに立ったのも同然です。
そんなあなたが一歩を踏み出す、後押しになれたら幸いです。

不登校での勉強の遅れを家庭教師と取り戻す

ガンバ  竹田 一成