ある科目は得意で他の科目は苦手と感じることは、誰しもが経験することです。たとえば、英語や国語は得意なのに、数学や理科は苦手という人がいます。またその逆もあります。
では、なぜこのように科目によって得意・不得意が分かれるのでしょうか?そして、苦手な科目をどのように克服していくべきなのでしょうか?この記事では、得意科目と苦手科目が生まれる理由を考え、それに基づいた具体的な克服方法を提案してみます。
得意科目とは?
得意科目とは、その科目に対して他よりも理解が早く、学ぶことが楽しいと感じる科目のことです。こういった科目に対しては、授業を受けていても苦痛を感じることが少なく、むしろ興味が湧くことが多いと思います。そのため、予習や復習も自然と進むことが多く、結果的に成績も上がりやすい傾向があります。
得意科目が生まれる理由
1、興味・関心が高い
人は、興味のある分野に対して自然と知識を深めようとする傾向があります。興味があると、学習自体が楽しさに変わることが多く、知識の吸収も早くなります。たとえば、自然科学に強い興味を持つお子さんは、理科の授業が楽しく、より深い知識を求めて自主的に勉強することが多くなります。
2、成功体験の積み重ね
小さな成功体験の積み重ねが、得意科目の形成に大きく影響することがあります。最初に学んだ内容をスムーズに理解できたり、テストで良い成績を収めたりすると、次も頑張ろうというモチベーションが生まれ、この成功体験が続けば、その科目に対する自信が増し、得意科目へと進化していきます。
3、学習スタイルと科目の相性
個々の学習スタイルと科目の内容がうまく合致する場合、その科目が得意科目として感じられることがあります。たとえば、視覚的な情報を好むお子さんは、図やグラフが多用される理科や地理が得意になることがあります。聴覚的な学習が得意なお子さんは、音読やリスニングが多い言語科目が得意になることがあります。
苦手科目とは?
苦手科目とは、理解が難しく、学習に対する意欲が湧かない、あるいは勉強しても成果が出にくい科目を指します。こうした科目は、授業を受けていても内容が頭に入らなかったり、宿題に取り組むのに時間がかかったりします。そのため、学習に対するネガティブな感情が強まり、ますます苦手意識が高まることが少なくありません。
苦手科目が生まれる理由
1、興味や関心の不足
興味のない科目に対しては、学習すること自体が苦痛に感じられます。人は自分の好きなことには積極的に取り組みますが、関心がないことには無関心でい続ける傾向があります。たとえば、理系科目に興味がないお子さんは、数学の抽象的な問題や化学式の理解に対して消極的になりがちです。
2、失敗体験の蓄積
苦手科目においては、多くの場合、学んでも成果が出にくいという負のスパイラルが存在します。たとえば、テストで低い点数を取ることが続くと、「自分はこの科目ができない」との固定観念が強まります。その結果、学習意欲も失われ、ますます苦手意識が増してしまいます。
3、学習スタイルとのミスマッチ
個々の学習スタイルと科目の特性が合わない場合、理解が難しく感じることがあります。たとえば、抽象的な概念や論理的な思考を求められる科目(数学や物理など)は、視覚的な学習を好むお子さんにとってとても困難に感じられることがあります。また、言語学習において、リスニングや発話が苦手なお子さんは、外国語の授業で困難を感じることもあります。
苦手科目克服のためのアプローチ
苦手科目を克服するには、ただがむしゃらに勉強するだけではなく、原因を理解し、それに合わせた適切な対策が必要です。以下では、いくつかの有効な克服方法をご紹介します。
1、興味を引き出す工夫をする
苦手科目に対して興味が持てない場合、その科目を自分にとって「面白い」と感じられるような工夫が重要です。以下の方法を試してみましょう。
- 実生活との関連性を見つける
学んでいる内容が日常生活でどのように役立つのかを見つけることで、興味が湧くことがあります。たとえば、数学の確率や統計は、スポーツの結果を予測したり、日常生活の中で役立つことがあります。また、歴史の出来事に関する映画やドラマがあれば、それを観ることでストーリーとして楽しみながら学べるかも知れません。
- 興味を持てる教材を使う
公式の教科書だけでなく、動画やゲーム、アプリを使って学ぶと、難しい内容でも楽しく学べることがあります。また、YouTubeには難解なテーマをわかりやすく解説した教育系動画もあります。インタラクティブな学習アプリも、ゲーム感覚で学習できることがあるため、苦手意識が軽減されるかも知れません。
2、小さな成功体験を積み重ねる
苦手科目に対する自信をつけるためには、小さな成功体験を積み重ねることが効果的です。いきなり難しい問題に挑むのではなく、段階的に達成感を得られるように学習を進めると良いでしょう。
- 目標を細分化する
1つの大きな目標ではなく、小さなステップごとに目標を設定することが重要です。たとえば、「今週中に英単語を10個覚える」「数学の方程式を1日2題解く」といった具体的な目標を立てると、達成感が得やすくなります。達成感を感じることで、学習に対するモチベーションが向上します。
- テスト前に復習計画を立てる
テストに向けて計画的に勉強することで、学習内容が頭に定着しやすくなります。1週間前から少しずつ復習することで、理解が深まることが多いです。テスト直前の詰め込みは、結局忘れてしまう原因になりやすいので、余裕を持った計画を立てましょう。
3、学習スタイルを見直す
自分に合わない方法で勉強している場合、時間をかけても効果は上がりづらくなります。自分の学習スタイルに合った方法を見つけることが苦手科目の克服に重要です。
- 視覚的学習を取り入れる
視覚的に情報を整理するのが得意な人は、イラストや図表、マインドマップを活用すると効果的です。たとえば、歴史の年表を作る、数学の公式を図解して理解する、科学の実験過程を絵で説明するなど、視覚情報を活用した学習方法を試してみましょう。
- アクティブに学ぶ
ただノートを読むだけではなく、実際に手を動かしながら学ぶと理解が深まります。たとえば、問題を実際に解いたり、暗記科目でも声に出して覚えたりすると、情報が頭に残りやすくなります。また、友達と一緒に問題を出し合うことで、お互いに学び合うことも効果的です。
- 他人に教えるつもりで学ぶ
自分が学んだことを他人に教えるつもりで勉強すると、内容をしっかりと理解する必要があるため、学習効果が上がります。実際に誰かに教える機会がなくても、自分に向けて説明するつもりで問題を解いたり、学んだ内容を声に出して確認することで、知識が整理されます。
4、失敗から学ぶ姿勢を持つ
失敗体験が苦手意識を生む要因の一つですが、失敗から学ぶ姿勢を持つことで克服が可能です。失敗は学習の一部であり、そこから何を学び取るかが重要です。
- フィードバックを活用する
テストや宿題の結果を振り返り、どの部分で間違えたのか、なぜ間違えたのかを分析することで次回に生かすことができます。また、先生や友達からのフィードバックも積極的に取り入れましょう。ポジティブなフィードバックを受けることで、苦手科目に対しても少しずつ前向きな姿勢を持つことができるようになると思います。
- 失敗をポジティブに捉える
失敗を「成長のチャンス」と捉え、学ぶ機会として活用しましょう。たとえば、テストで間違えた問題を復習することで、同じミスを繰り返さないようになります。何度も失敗すること自体が悪いのではなく、そこから何も学ばないことが本当の失敗です。
苦手科目克服のための長期的な視点
苦手科目を克服するには、短期的な成果を求めるのではなく、長期的な視点で取り組むことも重要です。短期間で成績を上げることを目指すのではなく、時間をかけてじっくりと基礎を固めることで、結果的には大きな成績向上につながることが多いです。
5、長期的な学習計画を立てる
苦手科目を克服するためには、継続可能な学習計画を立てることが重要です。短期間で結果を出そうとすると、無理なスケジュールを組んでしまい、途中で挫折してしまう可能性があります。以下のポイントを押さえて、無理なく続けられる計画を立てましょう。
- 無理のないペースで取り組む
1日あたりの学習時間や内容は、自分が無理なく続けられる量に設定しましょう。たとえば、1日30分英語のリスニングをする、毎日10分数学の復習をするなど、少しずつでも継続することが大切です。
- 定期的な見直しを行う
学習の進捗や自分の理解度を定期的に確認し、計画の見直しを行いましょう。自分にとって難しい内容があれば、もう少し時間をかける必要があるかもしれませんし、逆に理解が進んでいる部分は次のステップに進むことができます。柔軟に計画を修正することで、無理なく学習を続けられます。
- 学習の質を重視する
勉強時間が長ければ良いというわけではありません。質の高い学習に集中することが、苦手科目を克服するためには重要です。無駄な時間を避け、しっかりと集中して取り組むことで、効率的に学習が進みます。短時間でも集中力を高める工夫をし、効果的に学習しましょう。
6、周囲のサポートを活用する
苦手科目の克服には、自分一人で取り組むのではなく、周囲のサポートを活用することも大切です。先生や友達、家庭教師、オンラインのコミュニティなど、さまざまなサポートが役立ちます。
- 先生に相談する
苦手な内容を先生に具体的に相談することで、個別のアドバイスをもらうことができます。学校の授業だけで理解しきれない場合でも、先生に尋ねれば補足説明や別の角度からの説明を受けられるかもしれません。
- 友達と協力して勉強する
同じ科目を苦手に感じている友達と協力して勉強することで、互いに助け合いながら学べます。友達に教えること自体が学習の復習になるため、教える側も理解が深まります。また、友達と一緒に勉強することで、モチベーションの維持にもつながります。
- 家庭教師や塾を利用する
特に苦手な科目に関しては、サポートを受けるのも有効です。家庭教師や塾は、個別指導が受けられるため、自分のペースで学ぶことができます。また、苦手な部分を重点的に学習できるため、効率的に克服が進む可能性があります。
7、自分の成長を振り返る
苦手科目を克服する過程では、自分の成長を定期的に振り返ることも重要です。進歩を感じられれば、それが新たなモチベーションとなり、学習意欲が持続します。
- 小さな進歩を祝う
苦手科目の克服は一朝一夕にはできませんが、少しずつ進歩していることを感じることが大切です。たとえば、「以前解けなかった問題が解けるようになった」「前回のテストよりも点数が上がった」といった小さな進歩を祝い、自分の成長を実感しましょう。達成感を得ることで、次のステップへの意欲が湧いてきます。
- 長期的な視点で成長を捉える
苦手科目の克服には時間がかかることもありますが、焦らずに長期的な視点で自分の成長を捉えることが大切です。半年後や1年後に振り返ってみると、意外なほどの進歩を感じられるかもしれません。成績だけでなく、理解度や自信の向上といった側面も含めて、総合的に自分の成長を評価しましょう。
終わりに
得意科目と苦手科目は、単に学習内容の違いによるものだけではなく、興味や学習スタイル、成功体験の積み重ねなど、さまざまな要素が影響しています。苦手科目を克服するためには、自分がなぜその科目を苦手に感じているのかを理解し、適切なアプローチで取り組むことが必要です。
この記事でご紹介したように、興味を引き出す工夫や小さな成功体験の積み重ね、学習スタイルの見直しなどを活用すれば、苦手科目も少しずつ克服できるのではないでしょうか。そして、その過程で得られる成長は、単に成績向上だけでなく、自分自身の自信にもつながります。
苦手科目の克服は長い道のりかもしれませんが、焦らずに一歩ずつ進めていくことで、必ず成果が見えてくるはずです。苦手なことに挑戦し、克服していく経験は、将来のさまざまな困難に立ち向かうための強力な力となります。少しずつでも前進し、いつか「苦手だった」と感じていた科目が「得意」になっている日が来ることを信じて、頑張ってください!
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家庭教師のガンバ 編集チーム 有馬
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