「机に向かってはいるけれど、すぐに気が散ってしまう」

「勉強時間の割に成果が出ていない」…

そんな様子にお悩みの保護者の方も多いのではないでしょうか。もしかすると原因は、お子さんのやる気ではなく「勉強机の環境」にあるかもしれません。周囲の物の配置や照明、椅子や机の高さなど、学習環境の整え方ひとつで集中力は大きく変わります。

勉強しやすい環境を整えることは、効率的な学習を後押しするだけでなく、学習に対する前向きな気持ちを育む効果も期待できます。今回は、お子さんが勉強に集中できる「机の環境づくり」のポイントを具体的にご紹介します。ぜひご参考になさってください。

 

1、机の上は必要なものだけ置く

机の上がごちゃごちゃしていると、勉強中に視界に余計な情報が入ってしまい、気が散る原因となります。特にゲーム機や漫画、スマホなど学習と関係のないもの、お子さんの興味を引くものが置いてあると、手に取りたくなって集中力を削いでしまいます。

まずは、机の上には「今勉強に使うものだけ」を置く習慣をつけましょう。参考書やノート、筆記用具以外は引き出しや棚に片づけることがポイントです。視界に入る情報を減らすことで、自然と脳が勉強モードに切り替わりやすくなります。

 

2、椅子と机の高さをお子さんに合わせる

椅子や机の高さが合っていないと、姿勢が崩れやすく、集中が続きません。椅子に深く座ったときに、ひじが机の高さとほぼ同じ位置にあることが理想的だと思います。足が床につかない場合は足置きを用意して、安定した姿勢を保てるように工夫しましょう。

姿勢が安定すると呼吸も深くなり、長時間の勉強でも疲れにくくなります。体に合った机と椅子は「勉強しやすい姿勢」を自然とつくり出し、集中力の持続に大きく影響します。

 

3、照明は明るさと位置を工夫する

照明が暗いと目が疲れやすく、集中が続きません。逆に明るすぎてもまぶしさで不快感が生じます。理想は、自然光を取り入れつつ、机には手元を照らすデスクライトを置くことだと思います。

右利きのお子さんは左側から、左利きなら右側から光が当たるように配置すると影ができにくくなります。夜の学習では電球色より昼白色の光が集中に向いているようです。光の当たり方ひとつで集中度が変わるため、照明環境を整えることは学習効率を高める大切なポイントです。

 

4.勉強中に目に入る場所に遊び道具を置かない

勉強机の近くにゲームや漫画、本、スマホなどがあると、無意識のうちに気が向いてしまいます。特に視界に入る位置にあると、誘惑に勝つのは大人でも難しいものです。

勉強する場所と遊ぶ場所をはっきりわけ、遊び道具は別の部屋や棚に収納しましょう。「勉強机=集中する場所」とお子さんの意識づけを行うことが大切です。環境を工夫することで誘惑の数を減らせば、集中の妨げをぐっと少なくすることができます。

 

5、文房具は取りやすく整理整頓する

必要な文房具を探すだけでも意外と集中力が途切れるものです。ペンや消しゴム、定規などは決まった場所に置き、すぐ手に取れるように整理整頓しましょう。ペン立てや小物ケースを使って種類ごとにわけておくと便利です。

「使ったら元に戻す」という習慣も身につけると、探し物に時間を取られることがなくなります。文房具が整った机は、スムーズに学習を進められるだけでなく、気持ちもすっきりして自然と集中しやすくなります。

 

6、壁や机まわりはシンプルに整える

机の周りにポスターやカレンダー、メモなどが多すぎると視覚的な情報が増え、集中を妨げることがあります。最低限の学習に必要なものだけを残し、壁や机まわりはシンプルに保つことが理想だと思います。

視界が整理されていると、余計な刺激に気を取られず、勉強に意識を集中できます。どうしても掲示物を貼る場合は、学習に役立つ表や予定表など、目的に合ったものを厳選しましょう。整った環境は気持ちを切り替える効果もあり、集中しやすい雰囲気をつくります。

 

7、季節に応じて室温・湿度を快適に保つ

室温や湿度が快適でないと、集中力は一気に低下します。夏は暑さでだらけやすく、冬は寒さで体がこわばり、どちらも学習効率を下げる原因になります。

エアコンや加湿器を使って室温は20〜26℃、湿度は40〜60%を目安に調整すると良いと思います。快適な環境は体の負担を減らし、勉強に意識を向けやすくします。特に長時間机に向かうときは、環境を整えることが集中力を維持する大切なポイントです。

 

8、時間ごとに換気をして空気を入れ替える

勉強に集中していると、つい部屋の換気を忘れてしまいがちです。ただ、空気がこもると二酸化炭素の濃度が上がり、脳に十分な酸素が行き渡らなくなります。その結果、頭がぼんやりしたり、眠気が強くなったりして集中力が低下してしまうのです。特に小さなお子さんの場合は体の酸素消費量が多いため、空気の質が学習効率に直結しやすいと言えるでしょう。

勉強の区切りごとに2〜3分だけ窓を開け、新鮮な空気を部屋に入れるだけで十分な効果があります。勉強の合間に「よし、ここで深呼吸!」と声をかけるのもおすすめです。空気の入れ替えと同時に体を伸ばすことで、頭も体もリフレッシュできます。また、空気清浄機やサーキュレーターを併用すると効率よく空気を循環させることができ、花粉やホコリが気になる時期にも安心です。

さらに、換気は気分転換にも役立ちます。長時間同じ空間にいると、どうしても気持ちが停滞しがちですが、風が通ることで空間そのものがリフレッシュされ、お子さんの気持ちも切り替えやすくなります。「集中が切れたら窓を開ける」という習慣をつくっておくと、勉強のリズムも整いやすくなります。机まわりの環境を整える際には、空気の質にも目を向けてみましょう。

 

9、勉強エリアと休憩エリアをわける

勉強と休憩の空間をきちんとわけることは、お子さんの集中力を高めるうえでとても有効です。人の脳は「環境と行動」をセットで記憶する性質を持っています。つまり、「机=勉強する場所」というイメージを習慣として刷り込むことができれば、机に座るだけで自然と集中モードに入りやすくなるのです。逆に、机の上でおやつを食べたりゲームをしたりしてしまうと、「机=リラックスする場所」という印象が混ざってしまい、勉強モードに入りにくくなってしまいます。

机は勉強専用にし、休憩やおやつはリビングや別のスペースで行うようにルールを決めるとよいでしょう。たとえ狭い部屋でも、机の椅子から立ち上がって窓辺やベッドに移動するなど、行動にメリハリをつけるだけで効果があります。また、休憩の時間は5〜10分程度と区切りをつけ、気持ちを切り替えやすい工夫を取り入れることも大切です。

さらに、保護者の方が「勉強のときは机に」「休むときは別の場所で」という環境を整えてあげると、お子さんにとってわかりやすく習慣化しやすいのではないでしょうか。ご家庭の中で空間をわけることで、勉強と休憩の境界線がはっきりし、効率的に学習を進められるようになります。「今は勉強する時間」「今は休む時間」と気持ちを切り替えられる環境づくりを意識してみてください。

 

10、お子さん自身に片づけの習慣を持ってもらう

保護者の方が片づけてあげるのではなく、お子さん自身に机を整える習慣を持ってもらうといいと思います。「勉強を始める前に机を整える」「終わったら使ったものを片づける」というルールを習慣化することが大切です。

机を自分で整えることは、集中できる環境を自分でつくる意識につながり、自己管理能力の育成にも役立ちます。最初は一緒に取り組み、習慣化をサポートしてあげると良いと思います。

 

まとめ

集中できる勉強環境は、効果的に学習を進める土台になります。物が多く視界に入ると脳は無意識に情報を処理し、注意が分散してしまいます。逆に、机の上がすっきり整い、椅子や照明がちょうどよい状態であれば、お子さんは自然と学習に集中しやすくなります。

また、自分で机を片づけたり、快適な環境を保つ習慣をつけたりすることは、自己管理能力を育てるうえでも重要です。勉強机の環境を工夫することは「勉強しやすい空間」をつくるだけでなく、お子さんの集中力や意欲を育てる投資でもあります。ぜひご家庭で取り入れて、お子さんの学びを後押ししてあげてください。

 

参考サイト:

https://www.daiohs.co.jp/clean/airclean/article/archives/2663/

https://www.whalehouse.co.jp/columns/2560/



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