模試の結果を見るたびに、「偏差値50は取りたいね」と先生やおうちの方に言われること、ありませんか?偏差値50というのは、ちょうど平均を意味します。だからこそ、多くの受験生がひとつの目標として設定しやすい数字なんです。
でも、「偏差値50を取ればOK!」というわけではありません。実は、偏差値50の高校に合格するには、内申点(通知表の評定)もとても大切なんです。
通知表が「オール3」のままだと、学校によっては少し厳しいケースもあります。そこで今回は、中学生のみなさんと保護者の方に向けて、
・偏差値50の高校に合格できる内申点の目安
・今すぐできる評定アップのコツ
をわかりやすくお伝えします。この記事を読めば、「何をどんなふうに頑張れば合格に近づけるか」がきっと明確になると思います。
そもそも偏差値50ってどれくらいのレベルなの?
「偏差値50の高校って、どんなレベル?」「うちの子の成績だと届く?」そんな疑問をお持ちの方も多いと思います。まずは、偏差値50の意味や具体的なレベルを見ていきます。
テストでちょうど平均点を取ると偏差値50、順位は真ん中
偏差値とは、「全体の平均点からどれくらい上か下か」を示す数値です。偏差値50はまさに平均点。つまり、テストを受けた全員の中で真ん中あたりの順位になります。
偏差値50より高ければ平均より上、50より低ければ平均より下ということ。たとえば偏差値55なら「上位30%くらい」、45なら「下位30%くらい」といったイメージです。
5教科の点数で言うと300〜350点くらい
「じゃあ、点数で言うとどれくらい?」と気になりますよね。テストの難易度にもよりますが、5教科合計で300〜350点ほど取れていれば偏差値50前後のケースが多いです。
模試や学校の定期テストで、(やはりテストの難易度にもよりますが)だいたい各教科60点〜70点を取れていれば「平均点くらい」と考えてOKだと思います。
高校ならクラスの半分が大学進学するレベル
偏差値50の高校は、地域の中で「ちょうど真ん中くらいのレベル」の学校です。学業に特化した進学校ほどではありませんが、クラスの半分ほどが大学進学、もう半分は就職や専門学校というケースが多いです。
将来大学進学を考えているなら、進路指導が充実しているか、指定校推薦の枠があるかなどもチェックしておくと安心です。
偏差値50の高校に合格できる内申点は?
高校入試では、当日の筆記試験だけでなく「内申点(通知表の評定)」も合否を左右します。では、偏差値50の高校に合格するためには、どのくらいの内申点が必要なのでしょうか?
9教科合計で30〜35点は目標にしよう
一般的に、偏差値50の高校を目指すなら、9教科合計で30〜35点ほどが目安になります。この点数を取るには、オール3では少し足りません。最低でも3教科で「4」を取る必要があります。
「偏差値50=平均レベル」と聞くと、オール3でも大丈夫そうに思えますが、実際はそう簡単ではありません。というのも、通知表の評定は絶対評価でつけられるため、クラス全員が「3」以上を取ることも珍しくないんです。
参考までに、東京都教育委員会が発表している「国語の評定分布」を見てみましょう。
<国語の評定分布(令和7年度入試用データ)>
5:12.2% / 4:23.0% / 3:47.1% / 2:13.9% / 1:3.8%
見ての通り、「1」や「2」を取る生徒は少数派で、「3」以上が大半を占めています。つまり、クラスの真ん中にいるためには、できるだけ「4」を増やすことが重要なんです。
(参照:都内公立中学校第3学年及び義務教育学校第9学年(令和6年12月31日現在)の評定状況の調査結果について | 東京都教育委員会)
受験する高校や公立・私立で内申点の扱いが違うことも
内申点の基準は、受験する高校によって少しずつ違います。公立高校では「内申点+当日点」で合否を決めるところが多く、内申点の比重は学校ごとにさまざまです。
一方、私立高校の中には、「当日のテスト結果を重視し、調査書は参考程度」という学校もあります。そのため、志望校がどんな評価方法を採用しているかを早めに調べておくことが大切です。
各都道府県の教育委員会が発表している入試要項や、学校の公式サイトをチェックしてみましょう。もしわからないことがあれば、中学校の先生に相談してみてください。
まずはここから!「評定3=オール3」をキープするコツ
偏差値50の高校を目指すなら、できるだけ「4」を増やしたいところ。でも、「4を取るのって難しそう…」と感じる人も多いと思います。
そんな時は、まず「3」を確実に取ることから始めましょう。ここで紹介するポイントを意識するだけで、内申点が安定しやすくなると思います。
定期テストは平均点より少し上を目指そう
定期テストでは、平均点よりちょっと上を取ることを目標にしましょう。目安としては、各教科70点が理想です。そのために大切なのが、基礎を完璧にすること。
テストの大部分(7〜8割)は基礎問題から出題されることが多いです。応用問題は後回しでOK。「基礎を固めて時間が余ったら応用へチャレンジ」くらいの気持ちで大丈夫です。
教科書とワークを繰り返し解いて、不明点をなくす
基礎を固める最短ルートは、教科書と学校指定ワークの反復練習です。1回やって終わりではなく、できなかった問題に印をつけて、繰り返し解き直してみましょう。
もし「わからない…」と感じたら、早めに先生に質問を。疑問をそのままにしておくと、次の単元でつまずく原因になってしまいます。
テスト2週間前からの学習計画を立てる
「テスト前になって焦る…」という人は、2週間前から計画的に勉強を始めましょう。特に部活が忙しい中学生は、早めの準備がとても大切です。
ポイントは、「何を・いつ・どれくらい」やるかを具体的に決めること。計画を立てておくと、机に向かったとき迷わず勉強を始められます。
宿題+ちょこっと復習で記憶を定着させる
「宿題で手いっぱい…」という人も多いと思いますが、1日10分でもいいので、その日の授業を軽く復習してみましょう。
ノートを読み返したり、教科書の例題を解き直すだけでも効果はあります。翌日の授業内容が頭に入りやすくなり、積み重ねることで確実に成績が安定します。
授業にはできるだけ休まず参加する
通知表の評定は、テストの点数だけでは決まりません。「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」など、授業中の様子も評価されます。
授業をしっかり聞き、課題に前向きに取り組む姿勢を見せることが、内申点アップにつながる第一歩です。
提出物は期限を守って丁寧に!
提出物は、評価に直結する大切な要素です。うっかり提出を忘れてしまうと、「主体的に取り組んでいない」と見られてしまうことも。
期限を守ることはもちろん、内容を丁寧に仕上げることも意識してみましょう。「一生懸命取り組んでいるな」と先生に感じてもらえれば、それも立派な評価につながります。
偏差値50の高校に合格したい!評定を「4」に上げるコツ
オール3をキープできるようになったら、次はワンランク上の「4」を狙ってみましょう。偏差値50の高校に合格するためには、主要5教科で「4」を取れるとぐっと有利になります。ここでは具体的なポイントをご紹介します。
定期テストでは80点以上を目標にしよう
「4」を取るには、平均点より10〜20点高い点数を目指すのが目安。たとえば平均が60点なら、目標は80点前後になります。
いきなり80点を目指すのが難しい人は、70点→75点→80点と段階的に上げていく方法もおすすめです。目標を少しずつ高くしていくことで、自信をつけながら確実に成績を伸ばせます。
基礎を固めてから応用にチャレンジ
80点を取るためには、基礎と応用の両方が必要です。基礎を早めに終わらせ、応用問題をじっくり解く時間を確保しましょう。
問題集を解くときは、「できた問題」より「できなかった問題」をチェック!苦手をつぶす意識を持つことで、成績アップのスピードがぐっと上がります。
授業の理解を完璧に!わからないことはすぐ質問
応用問題を解けるようになるには、まず授業内容の完全理解が大切です。先生の説明をしっかり聞き、理屈まで理解できるよう意識しましょう。
もし少しでも「わからない」と思ったら、その日のうちに質問を。早めに解決することで、理解の穴がどんどん小さくなります。
授業では積極的に発言・挙手してみよう
「4」を取るには、点数だけでなく主体性もポイントになります。授業中に挙手して意見を言ったり、質問したりする姿勢はしっかり評価されます。
そのためには、授業前に復習しておくのがおすすめです。内容が頭に入っていると、先生の話がよりよく理解できて、自然と発言もしやすくなります。
提出物の内容にもひと工夫を
提出物は「出すだけ」ではもったいないです。レポートなら、自分の意見や考えをしっかり書いてみましょう。プリントやノートも、空欄をなくして丁寧に仕上げることが大切です。
「しっかり考えている」「工夫している」という姿勢は、「思考力・判断力・表現力」の評価アップにつながります。
実技4教科(副教科)でも評定4を取るコツ
評定を上げる上で意外と悩ましいのが、音楽・美術・保体・技家といった実技4教科。得意な人には大きなチャンスですが、「ちょっと苦手かも…」という人も多いですよね。
でも大丈夫。「取れるところを確実に取る」ことを意識すれば、「4」を狙うことは十分可能です。ここでは、実技教科で評定を上げるためのコツをご紹介します。
実技は「復習」を徹底するのが基本
実技科目でも、大切なのは復習です。たとえば音楽なら、正しい姿勢や腹式呼吸を思い出しながら練習したり、曲の意味や表現を意識して歌ってみましょう。
「練習する時間が取れない…」という場合は、筆記テストの方で確実に点を取る意識でOKです。自分のペースで工夫してみましょう。
ワークやプリントを何度も解いて覚える
実技4教科の筆記試験は、基本的に学校のワークやプリントから出題されると思います。保健体育や美術、技術・家庭などは、暗記が中心の単元も多いので、繰り返し解いて覚えるのが効果的です。
特に保健分野では用語や数字の暗記が鍵。何度も書いたり、声に出して確認するのもおすすめです。
テスト直前までコツコツ暗記を続ける
実技4教科は、暗記部分を直前まで復習できるのが強みです。2週間前から計画的に演習を進めて、テスト直前には「覚えきれなかったところの最終チェック」をしましょう。直前に見直した内容がそのまま出ることも少なくありません。
評定を落とさないために気をつけたいこと
せっかく勉強を頑張っているのに、思わぬところで評定が下がってしまうのはもったいないですよね。ここでは、内申点を落とさないために注意したいポイントをまとめました。
テストだけでなく「授業態度」や「提出物」にも注意
通知表の評定は、テストの点数だけで決まるわけではありません。授業中の取り組み方や提出物の内容・期限など、日常の姿勢も評価の対象になります。
「テストが良ければいいや」と思わず、普段からコツコツと授業に参加していきましょう。
実技4教科をおろそかにしない
入試では実技4教科を含めた9教科すべての成績が内申点に反映されます。特に東京都立高校などでは、実技4教科を2倍にして計算する制度もあるため、手を抜くと不利になる可能性があります。
「苦手だから」と避けずに、できる範囲で努力しておくことが大切です。
遅刻・忘れ物など、基本的なことを丁寧に
意外と忘れがちなのが、日常生活の基本的な行動です。遅刻や忘れ物、提出漏れが続くと、どんなに成績が良くても「態度が良くない」と見なされ、評定が下がることがあります。
中学3年間の記録は調査書に反映されるため、受験直前だけ頑張っても取り戻せないケースもあります。普段から丁寧な行動を意識しておくと、入試にも有利です。
まとめ|偏差値50の高校なら内申点30点を目安に頑張ろう
偏差値50の高校を目指すなら、目安となる内申点は9教科で30〜35点ほどです。「オール3」では少し足りないため、どこかの教科で「4」を取れるように意識してみましょう。
まずは「評定3を確実に取る」ことを最初の目標にし、安定してきたら次のステップとして「4」を狙うのが理想的です。
定期テストで良い点を取ることはもちろん、授業態度や提出物の丁寧さも評価に影響します。毎日の小さな積み重ねが、確実に内申点アップにつながります。
コツコツと努力を積み重ねていけば、きっと目標の高校に近づけます。
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