国語を苦手としているお子さんはたくさんいるのではないでしょうか。他の教科はまあまあでも国語だけ勉強が手につかない何をやったらいいのかわからないなんてお話をよく聞きます。国語の勉強が遅れていると他の科目にも影響が出てしまうのではないかと不安に思っている保護者の声もよく聞きます。

 国語にはセンスが必要と考える人もいますが、努力すれば確実に伸びていきますので、まずは何が苦手の原因になっているかを考え、1つずつ克服しましょう。国語が得意になれば様々な場面で役立つはずです。

 

国語が得意になるメリット

 まず第一に、国語が得意な人は文章の読解能力が高いです。1つの文章が何を意図して書かれているのか理解できるので、要点をすぐにつかめます。そして、この能力は国語のテストで良い点数を取れるのはもちろん、様々な分野でプラスになります。

 たとえば算数で出てくる基本的な文章題です。

「100円を持ってお使いに行ったAさんがいます。

10円の飴玉を5個買うためにAさんは何円支払い、残りはいくらになったでしょうか。」

 このような問題を解くためには、出題文を理解することがスタートです。学年が上がると速度や道のりの文章題で躓く生徒が多いですが、読解力があると躓きづらくなるのでかなり有利ですよね。

 このように、国語を強みにすることは、理解力の土台を作ることになるのです。

 

なぜ国語が苦手になるのか

 ちなみに、国語が苦手な子にはある一定の傾向があります。苦手なポイントが分かると、克服もしやすくなるはずです。

 

分かりやすい答えがない

 算数の問題であれば、ただ1つの正解があります。正しい解き方や公式も決まっているので、テクニックである程度は力がつきます。

 ところが国語は算数よりも、もう少々答えが複雑です。

 漢字の出題や選択問題なら、算数と同じく答えは1つだけですが、たとえば文章で答える出題の場合、自分の言葉による表現が求められます。文中から抜き出す解答も多いですが、読解力が備わっていないと見つけ出すのは困難です。結果として正しい答えがなんなのか思いつかず、苦手意識だけが高まってしまいます。

 

読書習慣がない

 活字慣れしているかどうかは、国語力に大きく関わります。

 ネットやSNSをよく見ているからいつも文章を読んでいると思う子もいると思いますが、本で読む文章と、ネットで見る文章とではいくらか異なります。ネットやSNSでは基本的に1行が短く、見た瞬間に理解しやすい文章になっています。一方で紙の本では、1行が少し長い文章になっていることも多いです。国語のテストでは文章を読んで答えを導き出す問題がたくさんありますが、長い文章や、接続詞の活用に慣れていないと、テストも難しく感じやすいと思います。

 ただし、ここで注意すべきなのは、ただ単に本を読めばよいというわけではないことです。

 文字を追いかけるだけではなく、文章を読んで内容を理解しなければなりません。ただ本を開いて眺めていても、そこに何が書いてあるのかは分からないためです。内容を理解する意欲を持って、読書習慣を身につける必要があります。

 

読み方に問題がある

 本の読み方に決まりはありませんが、小説なら主人公に感情移入すれば楽しく読めるでしょう。主人公のライバルや反対の立場にいる人の視点で読めば、違った面白さも味わえます。

 しかし、国語のテストでは、文章は第三者の視点から客観的に読まなければなりません。なぜなら聞かれているのは本人の意見や感想ではなく、文中の正確な内容だからです。テストと読書感想文とでは異なるので、読み方にも注意しましょう。

 

どんな本を読めばよいのか

 読書習慣を身につけようとしても、本人に合った本でないと長続きはしません。国語力を上げるためだと思い、無理に難しい題材を選ぶ必要はないのです。レベルだけではなく本の内容にも、はじめのうちは注意して下さい。読書が嫌いな子に興味のない本を渡しても、集中力は発揮できませんから。

 また、図鑑や挿絵ばかりの本では読解力を上げるのは難しいですが、読書に対する苦手意識が強いなら、取っ掛かりとして活用できると思います。お子さんのレベルと興味に沿った本を選ぶと、スムーズに読みやすいはずです。

 

国語が苦手な子はどうすればいいのか

 苦手な国語を克服するには小さなステップアップの繰り返しが必要です。大きな目標をドンと立てるのではなく、少しずつ苦手分野に挑戦しましょう。

 

漢字力と語彙力を身につける

 漢字と語彙は練習すれば必ず身に付くものです。読書で適切な語彙に触れることもできるので、やはり国語力を高めるのに効果的です。また、漢字に強くなるよう、ドリル学習を繰り返すのも手段として適しています。

 国語はあくまで日本語でのやり取りです。

 小さな子がいつの間にか会話が上達しているのと同じで、繰り返し学習すれば磨かれます。特に漢字と語彙については、センスではなく記憶分野に近い学習です。読める漢字が増えれば、読書中につまずいて投げ出してしまうケースが減りますし、語彙力が高まると、文章が伝えようとしていることの意味を理解しやすくなるはずです。

 

紙の辞書を引く

 電子辞書やネットでも、語句を調べることはできますが、国語が苦手な子は特に、紙の辞書を普段から活用するようにして下さい。活字に慣れるという意味もありますし、それ以上に、紙の辞書には用例が詳しく載っています。ネットなどにも掲載されていますが、紙辞書よりは簡易的なことが多いです。また、紙辞書には語句がズラッと並んでいるので、知らない言葉との出会いが身近になります。知らない言葉に好奇心を抱ければ、自然と語彙力も上がっていくでしょう。

 

テキストを使う

 漢字や慣用句ドリルのように、文章題や読み解き問題に特化したテキストも多くあります。簡単なレベルの物から幅広く販売されているので、本人のスキルに合わせて選びましょう。

 また、1日に何ページもチャレンジしようとしても最初のうちは難しいと思います。国語が苦手ならばなおさら、文章を長い時間読み続けることすら大変です。勉強量は多ければいいというものではありませんから、1日15分の読み取りを繰り返したり、1日3問必ず解くという目標を作ったりしましょう。

 大切なのは分量ではなく、毎日欠かさず国語に触れることです。地道な努力とステップアップがあれば、必ず国語力は身についていきます。

 

1つの文章をよく読む

 国語のテストで聞かれている問題の答えは、出題作品の文中にあることがほとんどです。自分で考えた表現が必要なこともありますが、少なくともヒントは必ず隠されています。誰がその行動をしたのか、結論はどこにあるのか、主語と述語に注目しましょう。

 また、接続語が出てきたときも要チェックです。たとえば「つまり」が出てきた場合、その後にくる文章は結論になります。「しかし」が途中で出てくれば、その後の文章は前の文章とは違った意見や状況説明です。文章と文章がどのようにつながっているのかを考えながら読むと、内容を理解できます。

 

問題文に注意を向ける

 国語が苦手な子にとって意外な盲点となっているのが問題文です。答えることに一生懸命になりすぎ、何を聞かれているのかきちんと把握できていないことがあります。

 たとえば、「なぜか」という原因をたずねる問題で結論を答えても意味がありません。「なぜか」と聞かれた場合、正しい答え方は「○○だから」となります。そのため出題文の中から「○○だから」と書かれてある文章を抜き出すだけでよいのです。

 問題文をよく読めば、出題文のどの辺りに注意すればよいかが見えてくるでしょう。

 

塾や家庭教師で国語力アップの手助け

 国語がどうしても苦手な子には、塾や家庭教師を導入してみる手段もあります。

 塾や家庭教師でしたら、生徒のレベルに合わせて国語のテクニックだけではなく、正しい読書方法なども指導可能です。その子に合った本を探す手伝いもできるので、普段の読書習慣もできると思います。

 地道な努力はどの分野でも必要ですが、国語の底力が上がれば有力なスキルになります。塾の先生や家庭教師のアドバイスを受けながら学習を続ければ、苦手克服につながるはずです。

 

 

まとめ

 国語が苦手な子がやるべきことを解説しました。苦手な原因や解決方法なども様々ですが、参考になりましたか?

 国語は勉強の仕方がイメージしづらい科目ですが、効果的な勉強をすると成果に現れやすい科目です。ぜひ、勉強方法を確立して力を付けましょう。読書やテキスト学習などをうまく組み合わせ、国語を得意分野にしていきましょう。

 

ガンバ  今村 剛

家庭教師と一緒に苦手な国語を得意にしよう!